高松支部メディア教育研究部会活動報告

1 研究主題

 「高度情報通信社会に対応する学校教育のあり方」
〜さまざまなメディアを活用し,主体的に学習する生徒の育成〜

2 はじめに

 最近のメディア機器における知識や技術の進展の速度はこれらを習得しても陳腐化するのが非常に早く感じられるようになった。そして,コンピュータやインターネットをはじめとするICT技術の進展は,我々の生活を大きく変化させている。そのため,これからの高度情報通信社会で生きる人たちに求められる基本的な資質や能力は従来のものと大きく変化している。
 メディア教育に今強く求められているものは,このような時代にあって主体的に学習に取り組む力を培うことである。そこで,今年度は,最新技術の動向把握と各校に配置されている教育情報機器の活用方法を持ち寄り,より幅広い授業で教育情報機器の活用を進める手立て研究をすることとした。

3 研究の過程
  • 4月27日(木)(光洋中)
      研究主題,研究組織,研究計画の決定
  • 6月19日(月)(光洋中)
      グループ別研修
      「教育情報機器の操作マニュアル作り」のテーマ,グループ決め
  • 7月28日(金)(高松北中)
      メディア研修会「デジタル放送について」
      四国総合通信局 情報通信部 放送課長 三木啓嗣氏     
  • 9月20日(木)(光洋中)
      グループ別研修 「教育情報機器の操作マニュアル作り」     
  • 11月28日(火)(光洋中)
      実技研修 「ワークショップ IT利活用の現状とこれから」
      講師 JR四国コミュニケーションウェア 服部和敏氏     
  • 2月26日(月)(光洋中)
      本年度の研究のまとめ,次年度の計画
4 研究の内容
  • 講演 「デジタル放送について」
     四国総合通信局・情報通信部・放送課長の三木啓嗣氏をお招きして,各校の主任以外にも参加者を募り,高松北中学校を会場にして「地上デジタル放送の普及・推進」という演題で講演会を行った。
     講演では,平成18年12月から始まった地上デジタル放送のメリットについて,地上デジタル放送の普及に向けての情報について,また,IT新改革戦略として,教育現場にも非常に関係深い「e−Japan戦略」についてのお話があった。
     特に,「e−Japan戦略」については,いつでもどこでも使えるユビキタスネットワーク社会への基盤整備ということから,ITの基盤整備からITの利活用に変わりつつあり,生涯と通じた豊かな生活を目指すe−ラーニングの活用や,次世代を見据えた人的基盤づくりということで教員一人1台のPC配布,モラル教育の推進,高度IT人材育成機関の設置等など,豊富な資料を基に,わかりやすい講演内容であった。
  • グループ別研修
     教育情報機器の操作マニュアルづくり」では,市内各校に整備されている教育情報機器の現状に合わせて,教育情報機器の幅広い授業での利活用を目指して,グループ別に分かれ,操作マニュアルや活用方法例づくりを行った。
     作成した教育情報機器は以下のとおりである。
    1. プロジェクター
       各校に配置されている機器のPCへの接続から投影までの流れを説明するマニュアルを作成した。
    2. 電子情報ボード
       接続方法や授業での活用例を説明するものが作成した。
    3. デジタルカメラ
       操作方法,画像変換の方法,コンピュータへの取り込み方のマニュアルを作成した。
    4. デジタルビデオカメラ
       パソコンへの転送方法を中心にしたマニュアルを作成した。
    5. 大判プリンタ
       操作方法,活用例,ランニングコストなどのマニュアルを作成した。
    6. 校内LAN
       環境設定方法や授業での活用例(天気図の動画を生徒に見せる)のマニュアルを作成した。
  • 実技研修
     「ワークショップ IT利活用の現状とこれから」では,JR四国コミュニケーションウェアより服部和敏氏をお招きして,ネットワークソフトウェアの「わいわいレコーダー」「イントラバケッツ」を体験しながら,ワークショップ形式で研修会を行った。
     研修では,7月の講演会でも出てきた「e−Japan戦略」の「ITの利活用」がキーワードとして,リアルタイムに自分の意見が反映される参加型ソフトウェアを使用し,ネットワークソフトウェアの利便性を体験できる研修会であった。
5 今後の課題
 教育情報機器の充実の様子は,高松市においては,旧市内の学校と合併町の学校とでは,かなり異なっているが,徐々に同様な状況に整備されてきている。しかしながら,これらの機材の使用については,十分に活用されているとは言えない状況であり,一部の教師の力に頼りがちである。効果的に活用される手助けとして,活用事例集や操作マニュアル作りを行ったが,教育情報機器についての研修を行っていくことが必要である。
 各校がさまざまな場面で教育情報機器を活用しているが,メディア教育部会が中心となって情報を交換していくことで,より効果的な教育情報機器の利活用の在り方について研究を進めて生きたい。