■平成27年度人権講演会

 12月7日(月)14:00、丸亀市民会館大ホールにおいて人権講演会を開催しました。

今年は数学者で大道芸人としても有名なピーター・フランクルさんを講師としてお招きし、「21世紀は人権の世紀になるか」という演題でご講演をいただきました。そして、差別というものがいかに愚かで身勝手な行為なのか、ご自身のユダヤ人としてのリアルな体験談も交えながら、お話いただきました。

また、お話の前後で、特技のジャグリングを披露されたり、決まった数になるような数式を作る数学の問題を生徒に出題したりと、会場を湧かせていました。生徒にとっても印象深い講演会となりました。


【生徒の感想】

(1年生)
 21世紀は人権の世紀になるか。私はならないと思います。私はこの講演を聞きながら様々なことを考えました。私は人権の世紀というのは人権の講演などはなく人権を尊重するのが当たり前にできる世紀のことだと思います。学校において現在、道徳や人権教育に関する時間が一年に何時間もとられています。そのような時間がとられている以上、人権の尊重はまだ人々に浸透していないということになると思います。ピーター氏の話にある通り部落問題、外国人差別等、まだまだ人権が尊重されていない場面というのがいくつもあります。そもそも人権の尊重が言われ始めたのも近代になってからです。200〜300年程度で人権の世紀が訪れるとは言えないと思います。しかしそれと同時に道徳や人権教育に関する時間は無駄ではないと思います。人権の世紀になるのはまだ先であるでしょう。しかしいずれ個々が当たり前に相手の人権を考えられる時代が来ると思います。21世紀はそのための準備の期間です。ピーター氏の話にあった通り日本人も考えを改める必要があると思うし、中・韓の人も日本との歩み寄りを深めるべきだと思います。そうすれば人権の世紀はすぐに訪れると思います。私も自ら人権の尊重を考え人権の世紀の礎を築いていきたいと思います。

(2年生)
 ピーターさんのお話を聞いて、改めて“差別”というものの残酷さやなぜそんな状態が続いてしまっているのだろうということを考えさせられました。ピーターさんの両親、そしてピーターさん自身もユダヤ人であることで苦しんできたというお話を聞き、自分がこれまで社会の時間に習ってきたユダヤ人への迫害をとてもとても遠いものに感じていたのですが、少しだけ身近に感じられた気がします。自分の出身地や何人であるかを言えずに隠さなければいけないという状況は私の想像をずっと超えて苦しいものだと思います。以前、人権のHRで部落差別について学習した時も「部落だ、部落は悪い」と長年言われてきたことで「部落出身は恥ずべきことなのだ」と思うようになってきた人もいたと知りました。本当はどこの出身であるかなんて全く恥ずべきことではありません。それなのに、そんな風に思ってしまうなんて、苦しいし、とても悔しいだろうと思います。今日のピーターさんのお話にもあったように「あの人は何人だから」とか「あの人はああいうウワサがあるから」とか、そういう先入観にとらわれるのではなく、実際に自分がその人と話してみて、どんな人であるか判断することが大切だと思います。私自身もできていない部分が大きいです。この講演会を機に少しでも自分の意識を変えられるようにしていきたいと思います。

(3年生)
 ピーターさんは今日の講演中、自分のこと、日本のこと、世界のことを明るく淡々と語っていたように見えたが、私にとってそのピーターさんのことばひとつひとつが重たく、心にずっしりときた。「ユダヤ人」「アウシュヴィッツ」世界史の中に出てくる言葉がぽんぽんと。遠い昔の事ではないんだ、忘れてはいけないんだ、人間はたくさんの間違いをして今があるんだ、もっと、知らなければ、それを学ぶために勉強しているんだなと改めて感じた。戦争、差別、いろいろなことを知るたびに、今自分が生きている世界の現状を考える。憲法9条の問題、テロの深刻化、地球温暖化、中国・韓国・北朝鮮との国交問題、挙げるときりがないが、2015年という今年、これらの問題の多くが大きく動いたのはたしかだと思う。正直、これから先、すごく不安で怖い。今のところ、まだ安全の保たれている日本でさえこういう状態なのに、テレビに映る国々の人達は今日もきちんと生きていくことができているのか。いつ、どこで、だれが、どうなるかなんて、だれにもわからない。みんな自分が生きることに必死なんだと思う。そんな中、問題が起こるのは当たり前だと思う。なぜなら、余裕がないからだ。差別をするのも、自分が不安だから、悪者をつくりたがるからだ。そんな中、話し合えるはずがない。もっとまわりを見て、知らなければ、いったん受け入れなければ…。“KEEP YOUR HEART OPEN.” いろんな考え方に触れていきたい。
 1番前の席で見たピーターさん。明るくてかわいい方だった。目がとても印象深くて素敵だった。何かを伝えようと私たちの方をまっすぐ見ていた。たくさん、いろんなことを経験して、そのたびに乗り越えてきた人は、強い。強くなろうと改めて思った。


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