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平成16年度卒業式 |
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校 長 式 辞 |
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天地和同して草木萌動す。明年、各自東西に去らば、この地に花を看るはこれ別人なり。今年も柳芽を吹く柔らかな春の陽射しとともに、平成16年度香川県立高松高等学校卒業証書授与式を行うに当たり、香川県教育委員会を代表して香川県総合運動公園所長五ノ坪和彦様、香川県議会議員鎌田守恭様、玉翠会副会長岩部隆様、PTA会長富家輝直様をはじめ、多数のご来賓の方々のご臨席を賜り、このように盛大な卒業式を催すことができ、厚くお礼を申し上げます さて、本日めでたく高等学校の課程を修了し、新しい人生の門出を迎えようとしている全日制課程358名、定時制課程18名、通信制課程51名、合計427名の卒業生諸君、卒業おめでとう。卒業式を表す英語のcommencementという言葉には、「開始する」という意味があります。卒業は物事の終わりではなく、新しい人生の始まりを表しています。卒業生諸君は、今新しい舞台のスタートラインに立って何を始めようと思っていますか。 文豪ゲーテは「世界は粥やジャムからはできていない。君らは怠けてぐずぐずするな。堅いものは噛まねばならない」と忠告しています。世の中は、彼が言うように、決して消化の良いものばかりでは成り立っていません。勇気を奮って、堅いものを噛まなければならない時もあります。難局にあたって、それに立ち向かうか、そこから逃げるかで、その人のその後の人生は大きく変わってきます。いかなる場面においても、現状に安住することなく、高い志を持ってベストを尽くすことが大切だと、高松中学校の校訓「至誠一貫」は教えてくれています。今回の野球部の活躍の背景にも、この精神が生き続けています。どんな強敵と対戦しても、決して怯むことなく、最後まで諦めずに挑戦し続ける姿勢こそが、高高「至誠一貫」野球の真髄であり、72年ぶりの甲子園への道を切り拓いた原動力であったと言えます。本校の卒業生は、高松中学校の「至誠一貫」や県立高松高等女学校の「雪持ち笹」の精神を「高高スピリット」として受け継ぎ、目の前のピンチを自らを高める絶好のチャンスだと前向きに捉えて、果敢に人生を切り拓き、世界の各分野において素晴らしい活躍をされています。 卒業生諸君も、この日の感激を胸に、先輩たちと同じように、難局に立ち向かう勇気と最後まで諦めない不屈の精神で、自らの人生を逞しく切り拓いていって欲しいと願っています。しかし、何事も始めなければ、二度目はありません。まずは、じっくりと「本物を見分ける力」を養うことです。これには、目先にとらわれないで、長い目で見ること。一面だけにとらわれないで、多面的に物を見ること。枝葉末節にとらわれないで、根本的に物を見ること、の3つの視点が必要です。次に、自分自身の「物を噛み砕く力」を養うことです。易しいことより、むしろ歯ごたえのある難しいものから挑戦していくというフロンテイア精神が大切です。最後はしっかりとした「自分の軸足」を築くことです。パスカルは名著『パンセ(断想)』で、考えることが人間存在の根拠であり、自分を鍛えるためにも「自己と厳しく対話する」ということが大切だと言っています。諸君も自分とは何者か、他人とどこが違うのか、何が得意なのか、などが分かれば、これから「我が人生、何をすべきか」がわかってくると思います。つまり、「人生のすべての答えは自分の中にある」ということです。 保護者の皆様には、お子様のご卒業誠におめでとうございます。3年あるいは4年の間には多くのご苦労もあり、感慨もひとしおのことと思います。本日の卒業式を一つの節目に、お子様がさらに人間的な成長を遂げ、社会の中で有為な人材として尊敬され、活躍をされますよう心からご期待申し上げます。 それでは卒業生諸君、これから始まる新しい人生の中で、高松中学校・県立高松高等女学校・高松高校と百十年以上にわたって、先輩から後輩へと受け継がれてきた「高高スピリット」を心のバネとして、いかなる困難をも撥ね返し、勇気をもって力強く人生を歩んでいってほしいと願っています。小細工せず、正々堂々と天下の大道を歩み、世界に羽ばたく人間になってほしいと願っています。そして再びこの思いで多い母校で諸君と再会できる日を楽しみに、教職員並びに在校生一同、桜の開花とともに始まる諸君の前途洋々たる未来に幸あれと心から祈って卒業式の式辞といたします。 平成17年3月4日 香川県立高松高等学校長 溝渕利博 |