平成30年を迎えて

高松西高校ホームページをご覧いただきましてありがとうございます。平成29年度も3学期に入り、4月より取り組んできたことも仕上げの段階になってまいりました。今年度は1年団「積極的に行動する」、2年団「将来を見つめる」、3年団「叶える」を各学年の目標として、人間としての在り方、生き方について考えを深めるとともに、未来への展望を持つことができるよう、様々なことに取り組んできたところです。
そのような取組の一つとして、県の指定を受けた「学びの改革推進モデル校事業」があります。これは「複数教科の教員による協働する授業を実施し、生徒の主体的・協働的な学習」を推進し、アクティブ・ラーニングを取り入れることで、更なる授業改善につなげることを目的として実施したものです。7月と12月には研究授業を核とする研修を行い、県内から多数の教員の方に参加していただくともに、京都大学の石井英真准教授、教育センターの山田憲治主任指導主事より貴重な指導・助言をいただき、大変有意義な事業とすることができました。ぜひ今後に生かしていきたいと考えています。また、アクティブ・ラーニングを意識した授業も、実際に行われるようになってきています。
さて、来る平成30年度は高校教育にとって大きな変動の年となります。既に幼・少・中の次期学習指導要領は昨年に告示されましたが、いよいよ高校の次期学習指導要領が3月末までに告示されます。(適用されるようになるのは、平成34年度の入学生からです。)これまでは「何を学ぶか」が改訂の中心でしたが、今回はそれに加えて「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」が重視されるようになります。特に「どのように学ぶか」は、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の視点から、生徒が学習する過程の改善を図ろうとするものです。これらは私たち教員にとって喫緊の課題ともいえるものであり、ここ3年ほど、全国的にも様々に研究や研修が行われてきております。前記の事業に取り組んだのもそれへの対応の一つです。
 また、高大接続改革に伴う大学入学共通テストへの対応が迫られています。これは平成33年度の大学入学者選抜が始まります。その最初の実施が平成33年1月中旬に予定されており、来年度の入学生が大学を受験する時から適用されることになります。この新テストに関して、昨年の5月と7月にそれぞれ記述式とマークシート式のモデル問題が公表され、国語や数学など新テストの方向性を知ることができました。11月には、国立大学協会が、英語に関して、民間の認定試験と新テストの英語試験を併せて課すことを発表しています。 これら次期学習指導要領や大学入学共通テストの動向を踏まえ、国語、数学、英語に関して、来年度の指導方針について、既に教科として原案を出していただいています。多くはこれまでも行ってきたことでもありますが、アクティブ・ラーニング等の視点を意識化して取り組み、更なる授業改善を図っていくつもりです。かいつまんで申し上げると、次のようになります。

【国語】
  漢字、語彙、古典文法、漢文句法など、読解するための基礎的な知識の定着を図ります。その上で、現代文では、実用的な文章も含めて多くの文章を読ませ、要点を的確に捉えることができるようにするとともに、読み取った情報を基に文章を書くことで、自分の考えをまとめる力が付くようにします。古典では、作品の背景や当時の習慣などを知ることを通じて、古典の世界に親しみを持つようにするとともに、関連した文章を幅広く読み、様々な見方に触れさせるようにします。現代文、古典いずれにおいても、グループワークを積極的に取り入れ、対話的な学びを進めていきます。
【数学】
  授業に関しては、単元の終わりに課題解決型の授業をできるだけ実施してくとともに、グループで話し合い、お互いに協力して問題を解決したり、生徒同士で教え合ったりする機会を設けることで、クラス全体の理解度・定着度を高めるようにします。問題演習の際にも、課題解決型の問題を多く取り入れるようにします。テストでは、知識を活用して解くような思考力を問う問題を多く出題するようにします。
【英語】
  急速に進展するグローバル化への対応が不可欠であり、英語教育においても、協働・発信型の学習の充実が求められています。また、国立大学の受験においては、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能について、民間の認定試験が課されることが発表され、この4技能を偏りなく身に付けることが必要になっております。これらに対応するため、これまで以上に4技能の指導をバランスよく行います。このうち「話す」ことについては、個人やグループで発表したり、インタビューテストを行ったりする機会を増やすことにしています。その際、ALT(外国語指導助手)の指導の下、実践的な発表を行うとともに、確実にフィードバックすることができる場となるようにします。「書く」ことについては、本校独自に作成してきた「英語表現ノート」を改訂して使用し、「書く」技能を高めるようにします。それらも含めて、民間の認定試験に対応するための準備もすすめております。

 これからも高松西高校として、生徒一人一人の学力を伸ばすよう努めるとともに、次の時代の担い手を育成すべく、着実に歩を進めてまいりたいと考えております。
  
平成30年1月 


 平成29年度入学式 式辞

今年は春の歩みがゆっくりとしており、高松も平年より5日遅い4月2日に、ようやく桜の開花が宣言されましたが、ここ数日の陽気のおかげで、校庭の桜も、一気にほころび、本格的な春の到来を実感することができるようになりました。今日、ここに、PTA会長 村上直樹(むらかみなおき) 様のご臨席を賜りますとともに、多数の保護者の皆様のご列席のもと、平成29年度入学式を挙行できますことは、このうえない喜びであります。

ただ今、入学を許可いたしました280名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。今、皆さんは、これらか始まる高校生活に思いを馳せ、希望と期待に胸をふくらませていることと思います。どうか、今日のこの日の歓びと感動をいつまでも忘れないでいてほしいと思います。

本校は、昭和51年、この豊かな自然に恵まれた鬼無町山口の地に開校されました。校章に織り込まれております三つのWは、「(WILL)強い意志と、(WORK)たゆまぬ勉学を通して、(WISDOM)英知を磨く」という、高松西高創立の基本精神を表しています。

昨年度には、学校創立40周年を迎えました。その間、本校を巣立った卒業生は、既に1万3千人を超え、社会の中核として様々な方面で活躍されています。その卒業生の皆様の母校への愛情や地域の方々の熱意にも支えられ、本校は活力溢れる学校として、発展し続けており、次の10年に向けて、更に一歩踏み出そうとしているところです。

さて、新入生の皆さん、皆さんは全員21世紀に生まれました。私のように20世紀の高度経済成長期を経験した世代にとって、21世紀は、かつて「バラ色の未来」の代名詞でした。しかし、環境や資源、貧困などの問題が深刻化するにつれて、難しい課題が先送りされた時代という認識も持つようになりました。いずれにしても、21世紀は、人生の前方に横たわっているものであり、対象として捉え出すものでした。

しかし、皆さんにとっての21世紀は、生まれた時から既に与えられた条件です。ですから、当たり前のことですが、皆さんは今ある現実を基盤として、それと冷静に向き合いつつ、自分の人生を組み立てていくことになります。その時に、私たちが21世紀を対象化したように、10年先、20年先、更には22世紀までをも対象として捉え出し、それらに対する展望を持つことが必要になってくると思います。

そんな皆さんに、次のことをお願いしておきたいと思います。社会はこれから、今まで以上に激しくそして加速度的に変化していくものと予想されます。その変化に受け身で対処するのではなく、自分の感性を磨き、どうすれば社会や人生がよりよいものになるか、それを自ら考え、主体的に未来を描き出すことができるようになってください。そして、答えのない未知の領域に積極的に乗り出し、試行錯誤しながら問題を発見・解決し、新しい価値を創造していくことができる人間になってください。これからの3年間が、そのための基礎となるようしっかりと勉学や部活動に励んでもらいたと思います。

終わりになりましたが、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。私たち職員一同、お子様の資質や能力を最大限に伸ばし、これからの時代を生きていく力を育むため、精一杯努力して参る所存でございます。どうか本校の教育に、ご理解・ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。

今日の佳き日に当たり、新入生の皆さんの限りない発展と成長を祈念して、式辞といたします。

平成29年4月7日


平成28年度卒業式 式辞

啓蟄が近づき、周囲の山並みや校庭の木々も一段と生気にあふれ、本格的な春の到来を目前に控えた今日の佳き日、ご多忙の中、香川県教育委員会より生涯学習・文化財課課長 小柳和代 様、香川県議会議長代理、香川県議会議員 大山一郎 様、同窓会長 小野兼資 様、PTA会長 村上直樹 様をはじめ、多数のご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、誠にありがとうございます。心よりお礼申し上げます。

さて、ただ今卒業証書を授与した310名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

突然ですが、皆さんは、こんな文言を覚えているでしょうか。「ずっと、マケズギライの自分でいたい」、「One Thousand Days in Nishiko」、「西高の通学には坂があります。その坂の上には夢があります。」これらは、この3年間の学校案内に記された言葉であり、玄関ロビーにパネルにして掲げています。皆さんは3年前の平成26年4月8日、西高に入学してきました。以来、今日にいたるまでの1,061日間、心が折れそうになったこともあるかもしれませんが、暑い日も寒い日も、雨にも風にも負けず、山口1号線を登りました。そして坂の上のこの西高で、仲間と出会い、未来への夢を抱き、その実現に向けて、勉学に、部活動に、更には生徒会活動や学校行事にと全力で取り組んできました。その場面の一つ一つが、今なお鮮明に思い出されるのではないでしょうか。

1年生の時の大洲合宿、2年生の時の北海道への修学旅行、体育祭、西高祭、遠足。日常とは異なる行事の中で、楽しい時を過ごし、友との絆を深めたことでしょう。部活動では、練磨に励み、自分の限界に挑み、技量を高めていきました。そして日々の勉学。教室の中はもちろんのこと、放課後遅くまで、職員室の周辺や廊下で、黙々と問題に取り組んだり、熱心に先生方に質問したりする姿は、今も目に浮かんできます。皆さんの活動の足跡は、創立40周年を迎えた西高の歴史に新たな1ページとして加わるとともに、後輩たちのよきお手本ともなっています。

さて、今、世界は激動と混迷の中にあります。こうしたものの言い方は、既成の価値観の揺らぎの中で、あるいは、先行きの見通しにくさの中で、時に常套的な使われ方をすることもありますが、私自身の経験の中でも、「激動」「混迷」という言葉が、今ほど強く実感を伴って響いてくることはありません。その中でも二つのことに関心が向きます。

一つは「分断」という言葉が象徴する時代の潮流です。この言葉は「内向き」という言葉とともに、ここ半年ほど、急速に目立つようになりました。これまで私たちは、環境や資源、貧困、平和などについて、人類全体の問題としてとらえ、多様性を認め合い、持続可能な社会の実現を目指して、10年、20年、あるいはそれ以上の長い年月をかけて、人々の叡智を丁寧に集め、積み上げてきました。しかし今それが、短期間のうちに崩れ去るのではないか、そんな危惧を抱きます。この事態とどう向き合うか、他人事として等閑視できない状況ではないかと思います。

もう一つは、急速な進歩を遂げている人工知能(AI)と人間とのかかわり方です。一面においては、人類の能力を拡げ、私たちの生活を便利で豊かにするものとして、大いに期待されています。例えば、あらゆるものがインターネットにつながるIoT、また、もっと具体的には、車の自動運転や自動翻訳など、それらのものを前提として、様々な未来予想図が描かれるようになっています。しかし、もう一方で、AIが人々の職業を奪い、人間の知性を追い越すのではないかと、脅威に感じている面もあります。実際、昨年、囲碁の世界最強とされる棋士が、AIとの対戦で1勝4敗と負け越すという出来事が起こり、世界に衝撃を与えました。

こうした状況に対し、AIとはどうあるべきか、どう開発するべきか、様々な原則やルールが提案されています。翻って、人間はどうあるべきか、どのような能力を磨くべきか、そういった議論も盛んです。「創造性」、「チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」、「ホスピタリティ」といった人間ならではの強みを重視する声をよく聞くようになりました。その中で私が注目したいのは、「共感力」です。これは、AI開発の最先端に立つアメリカのある企業の最高経営責任者が提案したものです。共感とは、他人の体験した心の状態や考えの道筋を、ともにたどり、感情移入していくことであり、AIがそのような能力を身に付けるのは難しいとされています。ただ、共感するというのは他者との出会いを前提とした受け身の感情の現れでもあり、本来、意図的な行為ではありません。しかし、これからは、「共感力」という人間固有の能力として、活用していくことが求められてきている、ということではないかと思います。皆さんはどう考えるでしょうか。考え続けることこそが、大切なのかもしれません。

最後になりましたが、保護者の皆様には、立派に成長されたお子様の姿をご覧になり、感慨もひとしおのことと存じます。心からお喜び申し上げるとともに、これまで本校に賜りましたご理解、ご支援に対し、厚くお礼申し上げます。

卒業生の皆さん、いよいよお別れの時です。通い慣れた山口1号線もあと1回下るだけとなりました。間もなく桜の花も爛漫と咲き誇り、更に季節はめぐっていくことでしょう。しかし、私たち教職員は、いつまでも皆さんを応援し続けます。どうか、この3年間で培った西高の校風である「強い意志とたゆまぬ勉学を通して英知を磨く」という姿勢を崩さず、夢の実現に向けて力強く歩み続けていってください。あなた方が築くべき未来は、もう始まっています。皆さんの今後の活躍と、その前途に幸多きことを祈念して、式辞といたします。

平成29年3月3日


第39回西高祭

9月10日(土)、第39回西高祭が前日に引き続き開催されました。この日は公開日でしたが、保護者や同窓生の皆様をはじめとして、1,000名を超える方々にご来場いただき、たいへんありがとうございました。今年は本校創立40周年ということにちなみ、テーマを「原点回帰 ~40年の時を経て~ 」といたしました。生徒の皆さんは、早くから暑い中、一生懸命準備に取り組んでおり、西高祭1日目の9日(金)には、工夫を凝らした展示作品の数々が、校内に出現していました。部活動を中心としたステージでの発表でも、日頃の鍛錬の成果が存分に表現されていましたが、特にクラス出展では、「Once Upon a Time ~40年の軌跡~ 」、「VS1のSUN ~西高の歴史をつかみTORE~ 」、「昭和喫茶 ~40年前の西高にようこそ~ 」、「原点回帰ジェットコースター」、「マンモス復活 ~40×1万年の時を経て~ 」など、テーマを強く意識したこだわりの出し物が多く見られました。一部では、40年前の若き日の自分と重ね合わせて、生徒以上に気持ちを高ぶらせていた教職員もいたやに聞いております。生徒、教職員さらには保護者、同窓生、地元自治会の方々が一体となった、創立40周年にふさわしいたいへんすばらしい西高祭になりました。

201609 さて、そのような中、うどん県副知事で本校21期生の木内晶子様が、サプライズで来校されました。木内様には、1月2日に実施した創立40周年記念合同同窓会で司会をしていただいており、おがけさまで大盛況かつ大成功のうちに終えることが出ました。この日は、主に西風会の催し物に登場され、閉祭の時間まで、長時間にわたり大いに会場を盛り上げていただきました。途中でお話する機会も得られましたが、転校され、本校ではわずか1年間の在籍であったにもかかわらず、西高に対する熱い思いを強く感じることができました。今後とも、女優として、またうどん県副知事として、一層活躍されることをお祈りしております。

平成28年9月


 

全国高等学校長協会総会・研究協議会にて

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文部科学省にて

第69回全国高等学校長協会総会・研究協議会が、5月25日(水)、26日(木)の2日間の日程で、さいたま市の大宮ソニックシティホールで開催されました。この会には全国から約2,400名の高等学校の校長が出席しておりましたが、5月25日(水)の午前に行われました総会の講話に、本校1期生で、現在、文部科学省大臣官房審議官(高大接続・初等中等教育局担当)をされている浅田和伸氏が登壇されました。浅田氏は、熊本地震に関連して、九州への修学旅行は風評被害に惑わされず、正確な情報に基づいて実施するよう要請されました。また、内閣官房教育再生実行会議担当室長を兼務されており、5月20日にまとまった第9次提言を受けて、発達障害や不登校、中途退学への対応や、特に優れた能力をさらに伸ばす教育に、積極的に取り組むよう呼び掛けられました。話しぶりは明快かつ理路整然としていらっしゃり、その姿から、国の中心にあって、これからの日本の教育を担う者としての責任と自負を、強く感じることができました。

ところで、講話に先立っての自己紹介では、ご自身が豊島で生まれ育ったこと、高校は高松西高に進学したこと、小中高大と様々な学校での学びが自己の成長につながったが、高松西高での3年間が、その中でも非常に充実したものであったことなど、本校にまつわる思い出を、全国から出席した大勢の校長の前で語っていただき、校長として誇らしく、またうれしくもありました。 今年度、全国高等学校国語教育連合会(全国連)第49回研究大会香川大会があり、私はその実行委員長を務めておりますが、その関係の用務があって、翌5月26日(木)、全国連会長の東京都立広尾高等学校の佐藤和彦校長とともに文部科学省を訪れました。前日、ご挨拶ができなかったので、アポなしではありますが、所定の用務を終えたあと、浅田和伸氏の審議官室を訪ねてみました。幸いに在室されており、急であったにもかかわらず、お忙しい中、時間を割いていただき、直接お話しすることができました。高松西高のことや香川県のことについて、常に気にかけられていることがよく伝わってきました。室内には瀬戸内国際芸術祭のポスターが置かれていたことが印象的でした。創立40周年の年、このようなご縁がありましたことを、ご報告しておきます。

平成28年5月


 

ごあいさつ

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 このたびの熊本地震において、多数の尊い命が失われました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、報道を通じて知る惨状には、人智をはるかに超える自然の力の恐ろしさを感じます。いまだに余震が続いておりますが、被災された皆様が、一日でもはやく穏やかな日常を取り戻すことをお祈り申し上げます。 さて、私は、この4月1日付をもって、香川丸亀養護学校より本校に赴任してまいりました多田幸平でございます。高校は2年ぶりになります。前任校では、児童生徒それぞれの実態に合わせたきめ細やかな指導が行われており、指導の在り方について新たな視点を獲得することができました。同じ手法をそっくりそのまま高校に当てはめることはできないと思いますが、「生きる力」をはぐくむという点では共通しています。特別支援学校での経験を生かしつつ、生徒一人一人が未来を築く人間として育つよう、高松西高等学校の運営に当たってまいります。 今年度、本校は創立40周年という節目の年を迎えています。その間、保護者や卒業生の皆様、地域の方々などにも支えられながら、普通科高校として進学実績を積み重ねてきました。今年3月における国公立大学の合格者数は125名を数えています。また、卒業生は1万3千人を超え、現在、各界の中核として活躍されています。4月7日(木)に40回目の入学式が行われ、7クラス280名の新入生を迎えています。その入学式では、新入生の皆さんへのお願いとして二つのことを話しましたが、これは新入生だけでなく、西高生全体に対しても伝えておきたいことです。ここに改めて、その部分を掲載しておきます。

新入生の皆さんは、これから高松西高等学校の歴史に新たな一ページを書き加えていくことになりますが、そのような皆さんに、ここで二つのことをお願いしておきたいと思います。 一つは、世界を一面的にとらえ、単純化して割り切らないでほしいということです。真か偽か、黒か白か。価値判断を伴う時もあれば、そうでない時もありますが、人は往々にして、物事を二つの対立項としてとらえてしまいがちです。しかし、そうなると、黒であれば白でないとなり、白は否定の対象になります。しかし、世界は多様であり、無限の段階があります。もし、二項対立による判断を繰り返すならば、私たちの知性は、一つの単語や概念の中に閉じ込められ、豊かな世界を見失ってしまうことになります。 では、どうすればよいか。今言った、多様性や無限の段階があることへの畏敬の気持ちと想像力を持ってください。そして、たとえば、黒は黒でもどんな黒なのかを、自分の言葉で考え、表現する努力を続けてください。 もう一つは、美に対する感受性を磨いてほしいということです。美の対象は見たり聞いたりすることで感じられるものかもしれません。それが芸術的なものであるかもしれません。あるいは、現象の奥に潜んでいるものかもしれません。 数式を美しいと感じる数学者もいれば、宇宙の法則を美しいと感じる物理学者もいるという話を聞いたことがあります。 美は感動とともにあります。心が動くとき、その対象との距離が縮まり、あるいは、対象と一体化します。それは、人を倦むことのない探究の旅に導き出したり、他に対する限りないやさしさにつながったりします。どうか、皆さんのみずみずしい感受性で、既成概念にとらわれず、素直な気持ちで世界と向き合ってください。きっと、自分の心と共鳴する美と出会えるはずです。

今年度の学年団の目標は、1年団「自分で考え行動する」、2年団「挑む」、3年団「飛躍」です。生徒の皆さんは、学業や部活動などに全力で取り組んでください。そのことを通じて、創造的英知をもつ心豊かでたくましい人間へと成長することを期待しています。

香川県立高松西高等学校長 多田幸平