指 導

                     指導者 白峰中学校教頭 寺岡 英郎 より


今日はご苦労様でした。慣れない機器を活用して,どうすればいいのかというところで,大変ご苦労されたと思います。国語の授業の中で,どう情報機器を使うかがメインだったと思いますが,私なりに考えたことを,今日の授業を参考にしながら,気がついたことを羅列的に述べさせてもらいます。一つは,情報機器としてのスマートボードの特質は何かということです。その特質の一つ目は瞬時に映像や文字が出せることです。二つ目は,教師だけでなく子どもも扱えることです。三つ目は,パワーポイントから取り込んで活用できる映像が使えることです。次に,情報教育と教科との関連についてですが,情報モラルの問題もありますがそれは除けて考えると,「コンピュータの活用とか質の高い授業にどう活用できるか」という方向から,今日は追求してもらえたのではと思います。今日は,スマートボードだったので,どう活用すればよかったのか。ポイントは,国語科としてはどこにセットすればいいのか。つまり,どこにリンクすればいいのかだったと思います。簡単に言えば,どのようにして,言葉によって昔の人の感覚をよりよくとらえさせるかです。中心になるのはやはり二番で「グループごとに情景画と言葉の関係を説明させて暗唱する。」です。今日は,説明させて暗唱していなかったと思います。生徒に説明させて,スマートボードをたたきながら,「この絵は,この言葉にこだわって描いきました。」というような説明があれば,非常に正当に活用できたといえるのではないでしょうか。大人が説明するのであれば,例えば「ようように少しこだわって,このような絵を描いてみました。」などといえるように思います。絵をたくさん描かせて,どんどん見せていって説明してもらう。それから,「みなさんどうでしょうか」と問いかけて,「僕は少し違うけど・・・」などと議論をする。これが国語科の利用法ではないのかと思います。また,教科書にある少しの映像に左右されるのであれば,逆に先生が多くの映像を準備していて,例えば今日は蛍の絵が3種類出ましたが,1つ2つ光っているのを先生が数種類写真でもいいので準備しておいて,どんどん見せていってみてはどうでしょう。その見せられた絵や写真の中で,この文言からイメージできる絵を選ばせ,議論させるのもいい手段のように思えます。映像と違って,BGMはもっともっと難しいことなので,もうBGMはカットしてもいいと思えました。言葉とイメージの間を,スマートボードを使ってどんどん吟味させる。そういう活用が大変有効かなと感じました。今日であれば,草むらの中に蛍がいっぱいあったのと川の中に蛍がいっぱいあったのとありました。どうして,蛍の周りの背景が違うのか。それを子どもが出したときに立ち止まらせて追求する。これが国語科の視点としては,教師の活動だったと思います。「ここはどうなのかな。」「みなさんどう思いますか。」などと議論できればより深まると思います。情報機器の活用の目的は,簡単に言えば質の高い授業の追求であり,どういうところで映像を活用できるかです。今回,考えていただいた結果,スマートボードで行われました。過去に,私も生徒一人一人が考えた構造図を1画面1画面で保存し,A君はこうでしたね,B君はこうでしたねと,教師がコントロールして見せたことがあります。スマートボードの場合は子どもが説明するときに有効に使えます。今日は,暗唱の発表会であったのですが,言葉にこだわって情景を絵にし,そして暗唱する。出口は暗唱ですが,こだわりが見える説明をして暗唱したら非常に質が高かった授業だと思います。そういうことを目標として,どう情報機器を活用するかということを追求すれば良かったと思います。今後は,さらにレベルアップした目標で作者のものの見方を感じたうえで,自分なりの季節感を持つことができる。あくまでも,自分なりの季節感の出し方です。穴を埋めていくというのではなくて,「山際の様子にこだわって,こういう感じがした。」「自分は今まで蛍の様子を,闇夜の蛍とか多く飛んでいる蛍としてイメージする事はなかった。」などいう振り返り事ができれば,これは自分の季節感が深まったといえると思います。作者の表現を通して,自分が夏の季節感なりイメージ化を豊かにできたということになると思えます。授業後半の自分なりの季節感を文章に表現するというのは,非常に難しことなので,この授業で2番と3番のつなぎをどういう風に組み立てるかは,また今後考えていかなければならない課題だと思います。スマートボードをどういう風に活用するかという事は,多くの映像を出しながら授業を構成できるという感じがしました。教師の国語科の視点から言えば,作者がとらえている絵の視点をもう少し変えて,例えばもう少し近づいて見たりしたらどんな絵が描けるかとかなど,そういう提示をしながらスマートボードの材料を作っておくのも一つの方法かなと思います。そうすることで,今日の目標に迫ることができるのではと思いました。



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