反省と今後の課題

 
指導講評 中讃教育事務所 主任指導主事
 
会場校で本年度は「何らかの形でPCを活用した授業実践をしよう」と,すべての教科でPCの用い方を工夫し試みてこられた。本日はその成果を見せて頂き感心させられた。
まず第1に,PC活用では,子どもたちが扱いやすいソフトをいかに開発するかがまず課題となる。今回の数学でも指導書添付ソフトを改良し,子どもたちの課題解決に向けたイメージづくりに大きな助けとなった。PC活用の利点として実際の実物実験と比較すれば,誤差がなく,手軽にシミュレーションできる。今後,発達段階が上がるにつれて,これらの経験を生かした思考もしやすくなるのではないか。
第2に,再現性の問題だが,今回のPCソフトに操作過程を記憶する機能を付け加えることができれば,子どもが必要に応じて自分の操作を振り返りながら見通しを持ったり修正したりする助けになるのではないか。また,この時間の操作過程を次の授業で簡単に再現できたり思考を深める視覚的な資料として生かせる利点もある。
第3に,「課題学習」のメインの目的としては,考える楽しさを味わわせることが挙げられる。そのための学習課題として,普段の授業での到達度に関係ないものが望ましくなる。その意味で,今回の課題は適切だと考えられる。できれば,その学習が今後の関連内容に結びつくものであれば,さらに興味や思考を深めた学習へと発展させるきっかけになりうる。
最後に,PCを使うことが目的ではなく,あくまでPCは授業の道具としての活用であるから,様々な思考スタイルの1つの手段として扱いたい。必ず事後に子どもからの反応や声を聞きながら,今後もPC活用に対する教材研究を深めて頂きたい。