1 はじめに
さぬき・東かがわ支部においては,交互情報通信社会に対応する学校教育の在り方について引き続き研究を継続して行った。特に,今年度は生徒の学習を支援するコンピュータ等の活用方法の研究とともに教職員の校務へのコンピュータ等の活用について研究を進めた。表計算ソフトウェアを校務にいかに生かせるかについて部会員が情報を持ち寄り,研究を深めることにした。
2 研究活動
(1) 表計算ソフトウェアを用いた成績処理や校務処理
・観点別評価や5段階評定などの成績処理
・通知票や調査書などへの利用
・行事予定表の効率的な入力形式
・数学の指導内容に活用できるサンプル(比例,反比例,一次関数など)
・簡単なマクロを用いたサンプル(教科の評価・評定処理,差し込み印刷など)
(2) 校内LAN共通仕様申し合わせ事項の検討(参考:http://www/okawa1-j.ed.jp/ftp)
・校内LANでできること
・ネットワーク構成
・必須ハードウェア
・必須ソフトウェア
・ソフトウェアに関するその他の事項
・保守管理契約
(3) 各学校の情報教育の現状と課題
各学校の情報環境や教職員研修の実情,各教科におけるコンピュータ等の活用状況についての情報交換を行い,それぞれの学校の実践の参考とした。
(4) 県夏季研修会での実践発表
ア コンピュータを使った授業・・・・・香川県教育センターとの連携(さぬき市立津田中学校)
イ 情報活用モラル・・・・・情報ガイドラインの作成とそれを活用した取り組み(さぬき市立大川第一中学校)
(5) 実践事例
ア 校内Webページコンクール(さぬき市立志度東中学校)
クラスマッチ形式で各学級の「学級日誌」や「学校便り」,「何でも掲示板」の質を競い合わせ,講評を入れる。
実施時期は,秋に2週間の期日を定めて実施する。
審査基準表 夏季研修会サンプルワークシート
イ 学校の公式Webページを全校生徒が分担して作成する取り組み(さぬき市立大川第一中学校)
@ 取り組みの概要
大川第一中学校では,学校の公式Webページを作成し,その中で生徒の各種活動の様子や,自作の学習教材,保護者や地域の方への情報提供など,様々な情報を公開している。
それらの情報は,総合的な学習の時間や技術・家庭科の「情報とコンピュータ」領域の時間を活用し,生徒自身の手によって,ページの作成,更新を行う取り組みをしている。
A製作に向けての生徒への指導や保護者への啓発,職員研修など
・新入生へのメディアリテラシー教育
・インターネットの危険性や情報活用モラルに対する指導
・保護者への周知,啓発と保護者の意思確認
・情報ガイドラインの検討と決定
B公式Webページ更新のための取材計画書
情報教育において重要なのは,コンピュータ等の情報機器の活用方法を教え込むことではなく一人一人の生徒が,自ら目的意識を持ち,必要に応じて情報を取捨選択しながら,情報を活用していく能力を身に付けていくことである。
そのためには,学習課題を明確にした上で,小さいステップで1つ1つ情報活用能力を身に付けていくという課題解決型の学習活動が適していると考えられる。その一つの手段として,取材計画書の作成に取り組ませることにした。
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取材計画書の様式 |
C大川第一中学校公式Webページの構成
○トップページ ○部活動のページ ○総合的な学習のページ ○生徒・保護者への広報の例(各種広報資料の公開)
○地域の情報発信のページ ○生徒・保護者への広報の例(通学の仕方と交通の注意) ○学習教材
構成例を見るにはつぎのTOPICSをクリックしてください。 |
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3 おわりに
今年度は,教職員へのコンピュータ等の活用の在り方の研究を中心に進めてきた。その中で,各学校の情報環境や情報教育の現状を情報交換することで,それぞれの学校に応じた情報教育の在り方についても確認することができた。今後は,これらの研修の成果をもとに生徒の情報活用能力の育成に役立てる取り組みをさらに実践するとともに,教職員の校務の効率化に役立てていくための取り組みがますます重要になってくることを意識した研究実践に取り組んでいきたいと考える。
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