はじめに

香中研メディア教育部会長  資延 文一

 今から20年ほど前の職員室では,多くの手書きの原稿がいき交っていました。せいぜいワープロを使っている人がいた程度だったと思います。今日のようにネットワークでつながったコンピュータをそれぞれの先生が,鉛筆代わりに活用している職員室を誰が想像したでしょうか。当時は,コンピュータの普及と技能の向上のために文部省や義務教育課主催の研修会が盛んに実施されていました。しかし,中学校でコンピュータを指導するようになると中には「そんなものは,大人になって必要な者だけが学べばいい。」という意見さえ当然のように言われていました。それが今日では,高度情報化社会への変化,コンピュータ技術の進歩等で,誰もがコンピュータを操る時代となりました。生徒にコンピュータを教える時代から,コンピュータを使って学習する時代へと変化してきました。
 さてその様な中,平成18年度は,「情報教育部会」と「視聴覚教育部会」にとりましては,「メディア教育部会」として統合してスタートをきることになり,今までない画期的な年となりました。近年,一段と高度情報化社会になって,視聴覚情報であるTV放送も地上デジタル放送へと移行しつつあります。コンピュータで扱う情報と視聴覚領域で扱う情報とがデジタルデータに統合され,二つを区別する時代ではなくなりました。香川県でも今年から地上デジタル放送がスタートすることになりましたが,それに伴い,TV情報がコンピュータを介して今までない活用ができるようになります。今年の夏季研修会では,そのデジタル情報を学校教育で効率よく活用するために「e-とぴあ・かがわ」を会場に,教材づくりの研修を実施したところ,60名を超えるたくさんの会員の方々の参加を得て,充実した研修会が開催できましたこと心よりお礼申し上げます。
 また,NHK主催の第23回NHK杯全国中学校放送コンテストに延べ41校が応募するなど積極的に参加いただき有り難うございました。各参加者(校)とも努力の跡がうかがえましたが,全国の壁は高く残念ながら賞にはつながりませんでした。今後とも積極的な参加をよろしくお願いいたします。
 新しくスタートをきった「メディア教育部会」もここ数年は何かと戸惑うこともあり,会員の皆様には何かとご迷惑をおかけするかも分かりませんが,学校教育に即戦力として役立つ有意義な研修会となるよう工夫していきたいと考えていますので,よろしくお願いいたします。
 最後になりましたが,香川県中学校教育研究会メディア教育部会を開催するに当たり,ご指導ご支援を賜りました香川県教育委員会,市町教育委員会,NHK高松放送局,香川県産業教育振興会,e−とぴあ・かがわ,その他各教育関係の皆様に厚くお礼を申し上げるとともに,次年度もさらなるご指導ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。