は  じ  め  に

香川県中学校教育研究会
メディア教育研究部会 会長 資延文一

 校内を巡回していると気にかかる教室がある。どの学校にも数十年前に高
額を投じて学習を支援する教室を整備した。現在、大抵の学校では開かずの
間になっていたり、古い教材・教具置き場になっていたりするのではないか
と思う。その使っていない教室とは、英語教育のために作ったLL教室であ
り、社会科や道徳などの指導の際、8mmや16mmフィルムを上映した視聴覚
教室である。設置した当初は、時代の最先端の教育機器を備えた教室という
ことで、大変話題になっていたがいつの間にか活用されなくなり現在に至っ
ている。

それに替わって20数年前から教育支援機器として注目を浴び始めたのがコ
ンピュータである。以前の教育機器とコンピュータとには、機能に基本的な
違いがある。以前の教育機器は、限られた環境でしかその機能を発揮するこ
とができなかったが、それに対してコンピュータは、幅広くさまざまな環境
下で柔軟に対応できるのである。当然、学校教育は、学習内容や指導法も時
代の変化と共に進化していくし、科学技術の進歩と共にコンピュータの性能
もアップしていく。そして、教師の工夫次第で高い指導効果が得られる、未
知なる可能性を秘めている教育支援機器がコンピュータでもある。そこで、
コンピュータの持つ特性を最大限引き出し、学習指導の中でどのように活用
すれば、子ども達に「確かな力」を育成することができるのか研修を深める
ことが重要である。

本年度は、三豊市立豊中中学校で理科、美術、保健体育、英語の4教科で授
業研究の事例をもとに、その研究成果を発表していただくこととなりました
。教科の特性により、また、学習内容によりさまざまな活用の方法が提案さ
れると思いますので、その方法を理解し今後の教育活動に生かしてほしいと
思います。

最後になりましたが、この研究にご指導ご支援いただきました、香川県教育
委員会義務教育課、三豊市教育委員会、観音寺市教育委員会をはじめ、関係
各位に対しまして深くお礼を申し上げると共に、今後ともご指導ご支援を賜
りますようお願い申し上げます。