美術科部会授業討議
- 授業説明(大輔先生)
メディア活用授業後の生徒のアンケート結果から
「授業が楽しかった」生徒は55%→60%へ
「学習内容が理解できた」生徒は52%→60%へ
「学習に進んで参加することができた」生徒は56%→73%へと増え
どんな点でメディアが役に立ったかという問いには「授業に臨場感がわいた」と答えた生徒が多かった。
メディアを活用した授業は、教師主導型から生徒主体に変化したと言える。
今まで、ボッチチェルリ、ラファエロ、ダ・ヴィンチ、ゴッホなど、自作でデジタル資料を作成した。
その授業実践から
- 成果として
- 生徒各自の視野に直接訴えることができ、授業に臨場感がわく。
- 多くの知識や資料を短時間で理解させることができる。
- 生徒が各自のペースで調べることができ、進度差に対応できる。
- 自ら調べることの喜びを感じることができ、自主的な鑑賞姿勢が養える。
- 難点としては
資料が多すぎて1時間の授業では消化できないことがあるので、ポイントをしぼり、精選する必要がある。
今日の授業では、発表はほぼ全員ができたのだが、生徒の声が小さかった。
また、メディア活用ができ、さらにグループ学習ができるような教室が整備されていればなお良いと感じじた。
- 討議
- 観音寺中(森先生)
自分も3年の授業で鑑賞をしているが、「生徒が主体的に取り組む鑑賞の授業」というのが長年自分の授業の課題であった。
今日の授業では自分から積極的に答えを求めて調べているところが良かった。
ただ情報量が多すぎるのではと思うのと、その弊害は、例えば生徒が混乱するなど、もしあれば聞きたい。
- 豊中中(渡邊先生)
確かに情報量は多く、毎回混乱し、まとめが難しい。
他教科の先生の意見から、他の人の意見を聞くことで自分の考えが深まり、1時間生徒どうしが討議して生徒なりにまとめるなどすればよいと感じている。
いかに自分が教えたいことを精選するか、そしてまとめの時間を作ってやることが今後の課題である。
- 中部中(秋山先生)
「ひまわり」についての問いかけで始まり、ゴッホの生涯を調べ、最後に「ひまわり」で表したかったことを、まとめるという展開が良かった。
生徒は操作にも慣れており、次々と調べることができていた。1年生の鑑賞はどの程度、デジタル資料で指導しているのかを聞きたい。
- 三豊中(斉藤先生)
教師が教えるものと、生徒が調べるものとを精選したら、じっくり鑑賞する時間がとれてもっとよいのでは。
- 屋島中(多田先生)
生徒は授業前に標美をていねいに見ていたし、また、あいさつの声も大きくてよい。
授業で気になったことは、絵を“読み解く”場面がないというところと板書がほとんどないということだった。資料と冊子を配ったら教室でも授業ができるかも。
美術教師でなければできない授業では、「作品を読み解く力をどう与えてやるか」ということが大切になる。今回はメディアが主役になりすぎた感がある。
学習課題「ひまわりを通して描きたかったもの」についてもっと深くほりさげることができればよかった。
- 豊中中(渡邊先生)
自分でも作っていて、そう感じたことがあり、反省点である。
作者の生涯、時代背景を通して教えたかった。
知識だけの授業になってしまったが、この研究を進めていくことで、生徒たちに絵の見方を身につけさせたいと考えている。
- 池田中(岡下先生)
教師の指示により、クリックしたり、前のプロジェクターに注目させたり、使い方を指導することはメディア活用する上で大事かと思う。
- 豊中中(渡邊先生)
今回スカイメニューを使わずに、生徒に指示を出すことにした。一斉送信や生徒画面を止めて提示してやったりするのが難しいが今後の課題である。
- 大川中(佐々木先生)
生徒は事前にどのくらい浮世絵や印象派について学習していたのか?
最後には教師の「ひまわり」の見方、意見でまとめたが、教師の意見の押しつけにならないかと自分もいつも思いながら授業をしている。
- 豊中中(渡邊先生)
授業の前に標美を読み、重要なところにアンダーラインを引くように指示してあった。
- 指導者講評(大山潔教頭)
今日の授業に向けて、授業者の先生は数ヶ月前から資料を作成し、内容をしぼりこんできた。
自分の経験から、授業準備には膨大な時間を要する。
ゴッホの鑑賞はいろいろな切り口から行うことができる。
パワーポイントの導入により、授業は教師主導型から、コンピュータ使用の生徒主体の授業へと変わっていった。
美術科の学習指導における注意点としては、その情報量の多さから消化不良を起こすので、内容をより精選する必要があるということである。
今日の授業は、子どもの感性をコンピュータ画像でよびさまし、ゴッホの絵を解き明かしていく授業であった。