英語部会授業討議
- 提案(安藤先生)
- メディア活用の利点について〔活動内容紹介〕
- 教科書理解の補助教材提供(フォスタープログラム、新垣勉、ジョンレノン他)
- 世界の事象理解(時差学習:NAGASE WORLD CLOCK)
- 具体物拡大提示
- 異文化理解(日米生活様式比較)
- 表現意欲向上(自己紹介:写真・英文の提示)
- メディア導入の価値について
- 生徒の言語活動における参加意欲の高揚
- 教師アンケート結果に見られる有効性の認識
- メディア活用の課題について
- メディア利用のための継続的な研修の必要性
- メディア利用の日常化
- 授業説明
- 赤井先生
- 討議の視点
インターネット電話を実践的コミュニケーション活動に効果的に利用できていたか。
3人の教師の支援活動が適切であったか。
- 生徒の感想紹介
クリスやハナロリー以外に話ができてとても良い経験になった。もっと英語を勉強したい。
- クリス先生
教科書の内容以外に、学ぶ価値のある内容を授業に取り入れることが、英語の教科指導には最
も意義深く、エネルギーを要することである。
- 討議
- 正田先生(三豊中)
あいさつや大きな声から日頃の指導が推し量られる。
Q:クリス先生の両親への質問は、事前に両親に知らされていたのか。
A:生徒は事前に両親から質問されると予想される2〜3個の質問を準備していた。そのうちの一つは、両親に質問するよう依頼していたが、一つは必ず生徒にとって初めての内容の質問だった。
- リチャード先生(豊浜・大野原中)
教科書から外へ飛び出したリアルコミュニケーションは、生徒に「知らないこと」に触れさせ
ることである。生徒にコミュニケーションへの方略を身につけさせるのに大変役立つ。例えば、
本時で生徒が発話していた“Could you say that again?”は、他者を理解するための第一歩であ
る。今日の授業を一言で言えば “Fantastic”であった。
- 篠原先生(内海中)
昨日、本時と同じ「スカイプ」を用いた授業を実践した。最大の課題は、「誰と話をするのか」とい
う点であろう。本時は、ALTの家族と温かい雰囲気で話しをすることができていた。
- 安藤先生 :過去に実践した「日本語学習者であるオーストラリアの生徒との会話」は相手が日本語、豊中中生徒は英語ということでコミュニケーションがうまくいかない場面もあったが、時差が−1という利点もあってよかった。生徒は楽しんで活動に取り組んだ。
- クリス先生:機器(3つのプロジェクター、3つのコンピュータ、カメラなど)を準備し、使いこなして授業実践に取り入れるのには「練習そして練習」が必要。
- 中野先生(大野原中)
参加者全て(参観した人も授業実践者も)が楽しむことができたすばらしい授業であった。生徒は達成感を実感したであろう。本時の授業をビデオ録画していれば、もう一度生徒に見せることで多くの「気づき」が生まれるはずである。例えば、クリス先生のお父さんに「不動の滝は40メートルだ」と伝えた瞬間に“Wow!”の言葉が返ってきたと時や、うどんを説明したことで “I’m hungry.”と言ってもらった時に感じた喜びについて再度確認させたい。ビデオの中の表情や感激の声から、コミュニケーションする相手から反応が返ってくるといかに嬉しいものなのか」を感じ取らせたい。言語事項としては、生徒が“Thank you.”と言った時に両親が“ youにアクセントを置き、“Thank you.”と返した点に気付かせたい。
- 指導(桜町中学校教頭 小柳先生)
- 学習指導要領との関連について
「指導計画の作成と内容の取り扱い」の中の情報ネットワークの活用についての記述や、英語指導の目的についての記述に合致した授業であった。
- 「スカイプ」利用について
- スカイプ設置にかかる費用は数千円であるため取り入れることにさほど困難はない。
- 教科書から一歩出た授業をすることで、生徒は「何のために英語を学ぶのかについて考える体験」をすることができる。
- 教科書の既習表現が実際に使われている事を実感することが可能となる。
例: “How pretty!”とクリス先生のお父さんが言ったときのA君の言葉「教科書そのままや。」
この時、A君や周囲の生徒は、教科書の有用性について実感したと考えられる。“Authentic Situation” がメディアを活用したことで生まれた。
- 「既習の英語を駆使することで、コミュニケーションを成立させる力」を身につけさせるのに有効
である。そのときに留意すべき点は、「生徒に“自分の英語が通じた”という成功体験半分、“あの時こう言えば良かった”という失敗体験半分をもたせること」である。本時では、事前にクリス先生の家族に生徒が予測した質問を一つ言ってもらい、予測していない質問もしてもらったことが成功の鍵であった。生徒がどう表現すればよいか分からないときに、クリス先生に質問できればなお良かった。