理科部会授業討議
- 授業記録
- 導入実験
冷たいお茶を使い、水滴がつく温度を見せる。(ビデオカメラとプロジェクターを使い、拡大して提示)
- 課題提示
理科室の露点を予想→実験の手順の説明(録画したものをプロジェクターで拡大し、提示。※生徒は、手元にあるパソコンで再度見ることができる。)
- 生徒実験
ステンレスコップにサーモテープを貼り付けた実験器具を使い測定
測定後データをパソコンに入力、無線ランで教師用のパソコンに送信し集積、のちにグラフ化
- 湿度の高い部屋での露点の予想と生徒実験
選ばれた2班が実験を行う。(その様子をビデオカメラを使って、ライブ中継)
- データの比較と考察
湿度の高い部屋での露点のデータを教師用パソコンに入力理科室のデータと比較
- 身近な現象
日常生活で見られる同じような現象を考える。
- 授業内容
- 【討議の柱(指導して欲しい事柄)】
- 導入、本時の課題、実験、考察の1時間の活動の中で効果的なメディア活用ができているか。
- 生徒が主体的に活動できる学習指導の流れになっているか。
- 研究討議
- (伊吹中 原先生)
メディアを活用することによって生徒の意欲化を図ることが大切。
メディアの活用がデータの集計だけに終わらず、ライブ中継をしたことは、生徒の
意欲化につながったと思う。
- (豊浜中 福田先生)
実験の説明が手元のノートパソコンを開くと再現されるのは、理解しにくい生徒にとって有効な手立て。
無線ランでデータを送信し、瞬時に他の班の結果が分かるのは、「自分たちの班の結果はあっているのだろうか。」と不安に思う生徒にとってはよい。また、話し合いのきっかけになる。
データ(実験の説明など)のストックはあるのか?→今のところはない。
- (三豊中 岩田先生)
便利になったと率直に思った。
「生徒が主体的に活動するとは?」「確かな学力とは?」どこまでメディアを活用したらよいのか。(見せる方向性)
どういった活動ができたら「確かな学力」がついたといえるのか。メディアの活用性を明確にしていかなくてはいけない。
- (大野原中 香川先生)
演示実験は、実際生徒の目の前でやったほうがいいと思う。
生徒との交流を通して、実験の際の留意点なども伝えることができるし、「自分たちもやってみたい」という主体性を導き出すと思う。
感覚的なことはライブ中継より、実際に体験させたほうがよいと思う。
- (中部中 秋山先生)
ネットワーク社会を意識した画期的な授業だったと思う。
特にデータを送信するといった活動は、「アメダス」など広域でデータをやり取りすることにつながっていくのではと思った。
5〜10年はもっと今とは違ったメディアの使い方をしているだろう。
- (広島中 田中先生)
本校では、空いている教室がないので、今回の授業をするとしたら、「雨の日」と「晴れの日」で実験したクラスの映像を見せると思う。
今回の授業では、各班データのみを送信したが、データと一緒に考察した文章(まとめの文章)なども送信できたらよかった。
- (丸亀西中 近藤先生)
生徒は興味、関心をもって授業に取り組むことができていたのではないかと思う。
本校では、板書をパワーポイントを使って白マグネットに投影して活用している先生がいる。
- (附属高松 三好先生)
効果的なメディアの活用がされていた。メディアを活用する利点として、「時間をずらせる」「別の場所のものを同時に見ることができる」「見せたいものを見せたり、見せなかったりすることができる」ことがあげられる。
今回の授業でもそのことが生かされていた。
湿度の違う部屋での実験の様子を写したビデオを流して、生徒に考察させる。その後で巻き戻して湿度を確認する授業もできると思う。
- 指導者講評
- メディアの活用ということばの意味を考えると「メディアを活用して、生徒の活動を生き生きとしたものにする」ということを最終目標としなければならない。
- 電子情報ボードを使ってタッチペンで書くというのは以前ある学校の授業で見たことはある。
ホワイトボードに実験結果の枠を投影して、そこに結果を書き込むというのはよいアイデアだと思う。(拡大されて映し出されたものは、生徒にとって分かりやすく、集中できる。)
- デジカメも立派なメディア機器である。
TV端子に差し込んだり、プロジェクターを使ったりすることによって、見せたいものを拡大して提示することができる。また、実験をしているときに机間巡視をして、「これは」と思う班をデジカメで撮っておき、後で全体に紹介することもできる。
- 学びの中でどう意欲化していくか。「ここは、メディアを使って時間短縮を図ろう。」と計画の段階で決めておくことが大切。
- 授業最初の方の発問、「どんな現象?」ていねいに生徒の思考を深められなかったかな。
小学校では、コップの表面に水滴がつくことやペットボトルの内側がくもることなどは学習している。
思考の転換ができる問いかけが必要。
日常的な生徒の疑問を大切にしていくことが、意慾化につながっていくと思う。
- 別室での実験をリアルタイムに中継したのは、臨場感があってよかった。
こういった状況では、メディアは有効。
ある小学校の理科の授業で、ビニルハウスを作って、氷で水滴がつくことの確認をする授業を見た。
- データをパソコンを使い集積することは、前に出て来て黒板に書くことより時間が短縮できる。
- サーモテープは、概略の値を知る目的にあった道具。
大雑把であるが、そこそこ精密。データが単純化でき、隣の班との確認が容易である。