NO.4 1995.12.20 |
みんな元気ですか? おおま かずこ 幼稚園の頃 大澗和子 何も知らずに遊んでいた友だち 元気ですか? 小学生の頃 少しずつよそよそしくなっていった友だち 元気ですか? ここにいるとヤバイからって 遠くの高校へ行った友だち 元気ですか? それからそれから 初恋のしんじくん 元気ですか? 私は 大学へ行って先生になって こんな変な世の中 変えてやるって とび出したけれど 先生になりませんでした そして 今もあの頃のまま ぽっかり宙に浮いているみたいです 世の中も ちっとも変わっていないみたいです ただただ一つ こんな世の中にも ステキな人がたくさんいることを 知りました だから私は元気です みんな元気ですか? |
12月8日(金)本校にて「人権に関する講演会」を開きました。12月10日に国連で「世界人権宣言」が採択されたのを機会に、12月4日からの一週間を人権週間としています。毎年、本校でも生徒の皆さんに「人権」について考えてもらいたく講演会を実施してきました。今年は、愛媛県土居町から江口久さんをお招きし、「共に生きる社会の実現をめざして」という演題にて講演をしていただきました。観音寺中央高校の生徒さんには差別についてしっかり考えて、差別をなくしてくれるだろうと期待を込めて、人に言いたくない経験を静かに語っていただきました。母親の生きざま、就職試験や職場での差別、結婚の時、土居町での「人権宣言」の草案づくりなど、貴重な体験から、我々は大切なことをたくさん学びました。 さて、「体験を聞く」ことの大切さについて考えてみたいと思います。私たちが普通に文章にするときは、まず自分の中に目を向けます。自分の外のことを書くにしても、黙って観察したり記憶をたどるなりして、自分の中の言葉に注意を集中します。ところが「体験を聞く」場合は、自分から"外"(相手)へむかって出ていかなければなりません。内へ向けていた目を"社会"へ向けると同時に、自分自身をも"社会"の中へ置かなければなりません。自分の人格をかけて、自分以外の人格と向かい合うことが、高校生にとって意味あることだと思います。今回の江口さんの講演は、あなたの心にどのように届きましたか。同和問題と向かい合いましたか。皆さんの感想文から、講演を振り返ってみたいと思います。
自分に置きかえて
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差別をなくすために |
「君は間違っている」と言えるためにも
「部落差別を、子どもに教えなかったら知らないのに。どうして学校は教えるのだろう」
とLHRの感想に書いたことがある。その後先生から、それは間違っていると指摘されたが、理解することができなかった。今そのことをとても情けなく恥ずかしく思っている。江口さんの話の一つ一つが自分の胸に突き刺さった。確かにだれも教えてくれなかったら、誰も知
らない。しかし、この世の中に差別する人がまだいる。そんな人がいる限り、それをいけないことだと注意する人も必要である。「君は間違っている」と言える人が必要である。それができる人は正しい同和問題への知識が必要であり、同和教育が必要なのである。
今回の詩は、大澗和子さんの作品です。詩の中にあるステキな人とはどんな人でしょう。やはり、人を傷つける差別の醜さを知り、怒り、それをなくそうと勇気と努力を持って行動している人ではないでしょうか。この講演について、みなさんからそれぞれの感想が寄せられました。そのうち代表的なもの3編を選び掲載しました。一人ひとりが、「差別はNO」
と言えるように力(正しい知識と行動力)を身につけてください。