NO.9
1997. 2.**
春がまためぐってきた

春がまためぐってきた
大地は詩をおぼえた子どものようだ
たくさんの おお たくさんの詩を・・・・・
ながい苦しい勉強の報いに
彼女はごほうびをもらうのだ

彼女の先生はきびしかった
ぼくらは老先生のひげの白いのが好きだった
いま あの緑はなんといい あの青はなんというかとぼくらはたずねてもいいのだ
彼女は答えることができるのだ!

休みになった大地よ 幸福な大地よ
さあ 子どもたちと遊ぶがいい さあ おまえをつかまえるぞ
うれしそうな大地よ いちばん晴れやかな子がつかまえるのだ

おお 先生に教えられたことを たくさんのことを
それから木の根や 長い気むずかしい幹に
印刷されてあることを 彼女は歌うのだ 歌うのだ!

リルケ 1922.2.9作
 
子どもたちの歌うある不思議な舞踏のリズムに合わせて、春の
訪れを歌にしたものです。老先生は、冬のことです

今度生まれ変わるなら、男?それとも 女?

一年生の3クラスにて、人権に関する講演会をきっかけに、LHRで次のようなアンケートが実施されました。「あなたは今度生まれ変わるなら、男と女のどちらに生まれたいですか」という問いに対して、男子38名・女子81名、計119名の回答者のうち、男に生まれたいが70名(59%)、女に生まれたいが47名(40%)、どちらでもよいが2名(1%)でした。内訳は次のとおりです。

  男に生まれたい 女に生まれたい
男子のうち 75% 25%
女子のうち 56% 44%
男に生まれたい理由に、次のようなものがありました。
以上のように男女間に差別があり、女性にとって不利な状況があるために、男の方がよいを理由にしているのが多くありました。ただ、別の性に生まれることで、今までより考え方やものの見方が広くなってよいとか、女性差別をしない男になりたいというのもありました。
次に、女に生まれたい理由には次のようなものがありました。

ここでは、女性に対する差別があることを認識しているが、子どもが産めるなどの女性の良さを認めようとする積極派と、女性は受け身で楽であるという消極派の考えもありました。ただ、女性に対する差別をなくしていくには、女性が立ち上がらないと早く解決しないからという理由もありました。

このことから考えられるのは、学校までは、男女平等ではあるが、家庭生活や社会生活(冠婚葬祭)、職業選択の幅や採用・セクハラ・昇給等に依然強く差別が存在していると考えている生徒たちが多かったようです。日本は女には窮屈であるから、日本には生まれたくないや、好きで女に生まれたんじゃないという答えまでありました。 男と女がともに住みよい社会を作るにはどうすればいいのか、男・女の良さや身体的違いを認めあいながら、それぞれの能力や適正が伸ばせる社会をめざすには、この社会がどう変わればいいのか。家事や育児、家族の介護など女性が担ってきたことを男性が担い、仕事も女性が選択できる幅を広げる制度や法律が必要でしょう。同時に我々の意識も変える必要があります。男がすべて上で、女が下という認識をなくしていかなくてはなりません。

とかく、劣っているものや役に立たないもの、汚いものは排除してしまう考えがあります。それを人間にあてはめて、いじめてもよいもの、なくしてもよいものに結びつけると大きな過ちになります。人が幸せに生きる権利が人権です。今まであたりまえと思われて、気がつかず不利益を与えたり、不利益を被っていることがこの社会には多くあると思われます。これからもこのことについて、考えていきたいものです。


さて、最近香川県下で男女平等の観点から、出席番号を男女混合で五十音順にする学校が増えています。大川東高、高松桜井高、高松高、高松西高、多度津工業高、三豊工業高などが現在実施しています。これは「男子が先で、女子が後」という固定観念を定着させないようにしようというものです。本校も、男女平等を考えるきっかけにしようと、その導入を検討しています。次号は混合名簿について特集します。みなさんからのご意見やご感想を、同和教育部石川までお寄せください。