校長挨拶

高松工芸高校ホームページ 校長あいさつ

本校は、明治31(1898)年に香川県工芸学校として創設され、初代校長納富介次郎先生をはじめ生徒90名が高松市八番丁の学び舎に集いました。以来120有余年、県下のものづくり、芸術文化教育を担い、確固たる歩みを示してきました。卒業生は3万名を超え、県内外の美術工芸界や産業界をはじめ、各界で活躍しています。

現在は、全日制7学科、定時制3学科に約850名の生徒が在籍し、ものづくり、芸術文化、資格取得、スポーツなど、様々な学びを活発に展開しています。専門高校ではありますが、卒業生の進路は様々で、全日制では、約57%が進学(国公立大学、私立大学、短期大学、専門学校等)、約43%が就職(内訳は県内76%、県外24%)となっています。

本校には、創立以来、「自彊(じきょう)して息(や)まず」という精神が根づいています。「自彊」とは、「自ら努め励む」という意味です。つまり、「自彊して息まず」とは、「ひとときも気を緩めることなく、自ら努め励む」ことを指します。ものづくり、芸術文化をはじめ、あらゆる学びにおいて何より大切なのは、それに取り組む人(=人間性)です。自分や他者を大切にする心、日常の尊さに気づき感謝する心など、豊かな心をもって、自彊して息まない人は、きっと、真の成果をあげ、世のため、人のために役立つ存在になると同時に、私たちの笑顔や幸せをつくりだす存在ともなっていくはずです。それは、本校の教育方針「社会に貢献できる人間性豊かなスペシャリストの育成」が目指すところでもあります。

 明治時代に作られた校歌には、「誠実は百行のもとい」「健康は万事の礎」「熱心は進歩のもとい」「忍耐は成功の礎」「ああ我楽しこの道」「我等は自彊やまざらん」と謳われています。人が生きていくうえで大切にすべきこれらの教えを尊び、実践する営みは、現代においてもしっかりと受け継がれています。時に厳しく、時に温かく、それぞれの道で明るく健やかに励む人たちの姿が校内に満ち溢れています。この魅力あふれる校風が、本校の学校文化ともいうべきものだと感じます。

 生徒会が制作し、校内に掲げられている横断幕には「未来を創る工芸生」とあります。クリエイティブなエネルギーが充満する本校で、奮闘努力して人間性を磨いた若者が、未来を創造してゆく…想像しただけでも夢が広がります。明るく、たくましく、未来を切り拓いていくスペシャリストを育むべく、私どもも「自彊して息まず」の精神で励んでまいります。

今後とも高松工芸高校の教育にご理解、ご支援をいただきますようお願い申し上げます。

第31代校長  金子 達雄