2009年度人権教育講演会

                                            平成21年12月9日

   
12月9日(水)に酒井美直さんと他2名を招き、丸亀市民会館にて「AINU PRIDE〜私の生きる道〜」という演題で人権教育講演会が開かれました。

■講演会の目的
講演の中で、『本ものと出会う』ことを通じてアイヌ民族のかかえている問題を理解するとともに、彼女自身の歩んできた道のなかから、『そのままの自分を受け入れ、自分を大切にすること』の重要性を考える。

                             
■酒井美直さんの職歴・経歴
1983年北海道帯広市生まれ。十勝の幕別町チロットコタン出身のアイヌの父、東京都出身の日本人の母の間に生まれる。
小学生のときからアイヌ古式舞踊を習い、継承活動に取り組む。しかし、アイヌ民族への差別や偏見が根強い環境の中、「アイヌというのは恥ずかしいことだ」という思いを持ち始め、いつしか自分がアイヌ民族であるということを隠すようになっていった。
転機は高校1年生のとき、交流事業でカナダを訪れ、カナダの先住民族が自民族の歌や踊り、文化を堂々と誇りを持ち表現する姿に衝撃を受ける。それは今まで自分が否定してきた先住民族、アイヌであるという事実を、初めて肯定的に捉えることができる機会だった。それ以来、自分自身にしっかりと向き合い、アイヌであるという事実を受容。高校3年生のとき「アイヌとして生きている自分が最も自分らしく心地いい。これが私の幸せの道だ。これからは胸を張って堂々とアイヌとして生きて行こう」と、アイデンティティを確立する。それまで抱いていたアイヌであることからくる自己否定、自己嫌悪から解放され、アイヌの誇りとアイデンティティを次世代に継承していくことを決意する。
大学進学と同時に上京し、関東でも積極的にアイヌ文化の継承・啓発活動に取り組む。
2006年夏には、関東在住のアイヌの若者とともに、「AINU REBELS(アイヌ・レブルズ)」というパフォーマンスグループを立ち上げ、代表を務める。アイヌの古式舞踊をアレンジし、現代のポップカルチャーとミックスする新しいパフォーマンスは、テレビ、新聞、雑誌などのメディアで取り上げられ注目を集めている。

        
         ホームページ http://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-7503.htm より引用


講演 民族衣装で歌を披露
生徒へのメッセージ
『そのままの君でいいんだよ
生徒たちとともに踊る


生徒の感想

・人は誰でも自分にコンプレックスを持っています。私ももちろんそのなかの一人です。しかし、今日の講演を聴いて「自分は自分でいいんだ」という考え方に触れることができ、少し気が楽になった気がします。
・私は今回、改めてアイデンティティーについて深く考えさせられた。今までは自分のコンプレックスに対してものすごく嫌悪感があったし、自分のことが好きとは全くもって言えなかった。しかし、自分をまず認めることが大切であり、それができなければ他人から認められることはできないのだと思った。だからもっと自分のことを認めて、好きになる努力をしようと思う。
・アイヌ民族に対する差別があることは知っていたけれど、どんな服装をしてどんな文化を持っていて、どんな差別をされてきたのかは全然知らなかったんだなあと気付いた。

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