平成19年度 始業式 校長講話

新しい学年のスタートに

撮影:写真部 始業式

 これから新しい学年がスタートする。おそらく君たち全員が、昨年の一年を振り返り、うまく行った人はそれ以上にうまく、うまくいかなかった人は今年こそ心機一転をという気持ちをもって、この式に臨んでいると思う。どうかこの気持ちを、いつまでも大切にして欲しい。この一年は3年生にとっては最後の高校生活、将来を決める大切な1年になる。また、2年生にとっては高校生活で最も力を付け、実力を発揮できる年にならなくてはならない。

目標をしっかり立てて、その実現に向け努力してほしい

撮影:写真部 始業式

 学年の始まりにあたり、2つのお願いをする。1つ目は、目標をしっかり立てて、その実現に向け努力してほしいと言うこと。勉強時間でも、志望大学でも、部活との両立でも、何か高く目標を定め、その実現に向けしっかり頑張って欲しい。

 今後、君たちが成長を続けて行くためには、目標を定めることが、何にも増して重要である。本校には、校歌にも歌われ、正門正面右側の石碑に刻まれている「高邁自主」という精神の拠りどころがある。君たち一人一人が、この言葉にならい、高邁なつまり気高い理想や目的を高らかに掲げて、自主・自立の精神を旺盛に持ちながら、自らを高めて行って欲しい。

 もちろん、目標に向かって努力を続けると言うことは、なかなかつらいものである。こつこつと長く続けるには根性がいるし、すぐに成果が出るとも限らない。「高邁自主」同様、本校にとって大切な言葉が校庭の正門前の石碑に刻まれているが、それは、ギリシャのアイスキュロスという詩人の作った、ギリシャ語で「パティマトス」、「英知は苦難を通じて来たる」と言う言葉である。心に留めておいて欲しい。

 ところで、昔から相撲の世界に「三年先の稽古」と言う言葉がある。正面からの力相撲をする限り、相撲ほど力の差がきちんと出る競技はないと言われているが、力士は、そうした中で過酷な練習に励むが、すぐに結果が出るわけではない。しかし、2年後、3年後を信じて、粘り強く地道に厳しい稽古に励み、耐えられた者のみが成長できるのである。

 君たちの取り組みも同じである。おそらく全員が、今年こそは勉強を毎日何時間するとか、苦手科目の○○を克服するとか、部活との両立を立派に果たすとかいった様々な決意をもって、この場に臨んでいると思う。しかし、これが1週間たち、2週間たち、1ヶ月たつと、次第に緊張が緩み、今日は○○で疲れたからとか、一日くらいとか、勝手に都合のよい理由をつけて易きに流れていく。また、特に英語や数学のような基礎的な勉強はすぐには力はつかない。やれどもやれどもわからない、成果に結びつかないと嫌気が差し投げ出したくなるかもしれない。しかし、それこそが君たちにとっての「3年先の稽古」なのである。がんばって欲しい。

新入生のよき手本になってほしい

始業式

 2つ目は新入生のよき手本になってほしいと言うこと。まもなく新入生が入ってくる。おそらく、新入生は上級生の行動のすべてを真似ていくものと思う。新入生が立派に育つかどうかは上級生の姿勢や生活態度に大きく左右されると言っても過言ではない。おそらく新入生は、入学後の緊張感の中で、上級生のちょっとだけ大人びた雰囲気や、部活での到底叶わないと思わしめる技量と権威、あるいは、図書室や特別教室での勉強風景から、大学受験とはこういうものかということを肌で感じ取りながら、高校生活をスタートし、そして、成長していくのである。

より一層すばらしい学校に

 いま、県民の本校に対する評価や、生徒たちの評判、校風は、県内でも非常に高いものがある。このような本校の優れた校風は、これまでの多くの先輩によって築かれてきたものであり、また、君たちによって更に発展させていくものである。今年は創立90周年という節目の年でもある。新入生と力をあわせて本校を一層すばらしい学校とするよう期待する。

校長 島田政輝
(2007.04.06)

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Last-modified: 2008-12-20 (土) 12:19:18