平成20年度 2学期終業式校長あいさつ

いよいよ今年も残りわずか

終業式

 いよいよ今年も残りわずかとなった。3年生諸君は今、全力で頑張っていると思う。君たちは確実に力がついてきている。そして、現役生は試験前日まで確実に上がる。大いに健闘を祈る。

 
 

よく頑張った一年

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 全校生の諸君は、この一年、全体的にはよく頑張ったと思う。全国に名をとどろかすような活躍をした生徒や部もたくさんあった。その一方、それに比べると目立ちはしなかったが、例えば、保健委員会の調査研究や坂出市の行事や地域の子供会でのボランティアで活動する生徒たちなど、地道な活動や努力が見られたことも大いに評価したい。また、先日の音楽科の卒業演奏会も3年間の集大成とも言うべき立派なものであった。そうしたことのできる素晴らしい君たちである。自信を持って日々を過ごして欲しい。

力を出し切っているか?

 ただ、一方で、坂高生は能力は高いが、力を出し切っていないとも言われる。それは受験に対する本当の厳しさを知らないからかもしれない。1・2年生の2学期以降の勉強時間の低下も非常に気になる。しかし、君たちはやれば必ずできる。今何をすべきか、それができているのか、しっかり自分に問いかけながら、自分の将来や1・2年後の受験を認識しつつ頑張って欲しい。

日進月歩

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 話は変わるが、最近、社会の変化が極めて激しい。そうした中、これからの大人にはどのような力が求められるのだろうか?日本ではかつて、人生の最初の20年ほどの間に一生懸命勉強し、そのときの蓄積で一生を暮らしていくという生き方が王道と考えられていた。例えば、建築士、医師、飛行士、教師…これがいわゆる資格主義、学歴主義の元になるものである。
 しかし、そうした生き方が、今日の社会ではとても通用するとは思えない。そもそも人生の最初の20年で身につけた知識で勝負ができたのは、テクノロジーがいまほど日進月歩でない時代での話である。西暦1900年代の人間にとっては、中学校で学んでいる光合成は最高の知識であった。物理で学んでいる原子核の話は1920年代にはノーベル賞の内容であった。それが今では単なる中高生の教科書の一部になっている。これほどに学問の進歩は早く、特に最近の進歩は特に著しい。

知識の半減期

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 知識の半減期という言葉がある。これは、現在の知識の半分が時代遅れになる期間、つまり価値が半減する期間のことで、IT技術は3.5年、先端科学技術は5年、化学の知識は10年、そして、平均では5年と言われている。つまり、技術者のもつ知識の半分は5年間で時代遅れになるのである。昔は20歳位までに仕入れた知識で一生やっていけたが、今では、ほんの数年で使い切る。使い切るどころか、一線に立つことすらできない。そして60歳まで知識を注入し続けなければならない。

 これは技術の話だけでない。医療も金融も流通もすべての業種でいえる。しかも、その分野だけでなく、一見関係ないと思われる他の分野を学ぶ必要性も増えている。例えば、技術者の場合、特許のことを知るために法律の知識が、原料のコストを知るために為替レートや株価の値動きなど市場動向を知る必要がある。そうした情報収集を外国と直接、もしくはインターネット行うので当然、英語も必須となる。銀行などでも新しい金融商品が出れば即座に顧客に説明できるだけの完全な理解を短期間でしなければならない。そして、それが次から次と出てくる。その対応のために毎日が勉強に次ぐ勉強であり、明日までにマスターしなければならないことがあれば徹夜してでもする。必要となれば独学でもマスターする。それをしなければ企業はつぶれるし、企業人は淘汰される。

今後求められる力

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 こう考えると、これからの社会に生きる条件は、今、何を身に付けているかではなく、今後どれだけのことを身に付けていけるかということである。では、大学までの学習は大した意味がないのかというと、決してそうではない。大人になっての勉強は中・高時代を含む学生時代の基礎学力があって初めて可能になるのである。ここに、基礎学力と一生涯学び続ける姿勢の大切さの意味がある。大学は勉強するところではなく、勉強の仕方を学ぶところであると言われるのはこのためである。

桑田真澄投手のニュースから

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 先日、今年現役を引退した元巨人軍で、大リーガーの桑田真澄投手が、来年、早大の大学院を受験するとのニュースを見た。スポーツビジネスやマネージメントを学ぶためだそうだが、桑田投手といえばPL学園出身で甲子園で通産20勝した名投手。高校卒業と同時に巨人に入団したが、現役の頃から引退後は大学で勉強したいと思っていたらしく、ずっと勉強していたらしい。また、彼は現役のときから、「自分は身体も小さく才能はないが、努力する才能だけはある」というほどの、大変な努力家であった。こつこつと、例えば、グランドの草を毎日20本ずつ・・・2日や3日では何の変化も見えないが、半年たてばはっきり差が出る・・・こうした地道な努力の積み上げがあの成果につながった。そして39歳でまだ衰えることのないこの向学心。この努力と向学心には、我々も学ぶところがたくさんあると思う。

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今、自分に何が必要なのか、何をすべきかをよく考え、実行してほしい

 保護者懇談では、担任の先生から君たちの現状と一年の総括を含めた指導があったと思う。それを謙虚に受け止めた上で、今、自分に何が必要なのか、何をすべきかをよく考え、粘り強く実行してほしい。有意義な冬休みを迎えることを願っている。

校長 島田政輝
(2008.12.24)

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Last-modified: 2008-12-25 (木) 12:15:50