平成20年度11月 全校集会 校長講話

気持ちのよい季節、気持ちのよい挨拶で

校長講話

 気持ちのよい季節を迎え、勉強に、運動部は新人戦、文化部は高文祭に、その成果を期待する。学校生活では挨拶の励行をお願いしたい。本校は挨拶がよくできるのが伝統。先生方にもお客さんにも、しっかり声をかけて欲しい。挨拶をすると、された方も、した方も間違いなく気持ちがよくなる。一言の挨拶が人間関係や学校を明るくする。

世界のニュースから

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 さて、このひと月間に世界を揺るがす大きなニュースがたくさんあった。アメリカの証券会社リーマン・ブラザースの倒産を境に、世界中で株価が大暴落し、世界の経済が非常に先行き不透明になっている。あのビッグ3…GM、フォード、クライスラーでさえ、どうなるかわからない。当然日本も先が見えない。国内では、カビや残留農薬で汚染された事故米の流通、東京都内で発病した妊婦さんが8つの病院で受診を拒否され死亡するといった暗いニュースが様々に起こっている。

 一方、4人の日本人がノーベル賞を受賞するという明るい話題もあった。今回の受賞は40年以上前の研究に対するものではあるが、日本の科学技術は、今も間違いなく世界有数のレベルを保っている。中国やインドの追い上げもあり厳しいが、日本の進む道はこれしかない。

 こうした世の中の動きを知ることは、将来に生きる君たちにとって大切であるが、受験勉強でも大切。小論にしろ、英語の長文にしろ、時事問題がわからなければ何も書けないし、訳せない。ぜひ新聞を読んで欲しい。

日々の過ごし方

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 ところで、最近の君たちを見ていると、苦しいことやすぐには成果が出ないことに対して地道に努力する姿勢や主体的に取り組む姿勢が、やや低下しているのではないかと思う。例えば学習時間の減少。坂高生の素質は非常に素晴らしいがそれを出し切っていない者が多い。今の努力は将来への投資。日々の過ごし方を見直し、頑張って欲しい。

8対2の法則

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 話は変わるが、世に「8対2の法則」というものがある。これはある経済学者が発見した法則であり「社会の富の8割は2割の人間に集中している」というもの。「利益の8割は2割の売れ筋商品がもたらす」「成果の8割は2割の時間で得られる」「2割のトップセールスマンが全利益の8割をあげる」というように、様々な方面で意外と当たっている。世界のエネルギー消費も最近は中国やインドが急増しているが、それまでは人口2割の先進国が8割を消費していた。

 実は勉強にも当てはまる。例えば、試験について言えば、「出題内容の8割は、授業内容の2割の中から出題される」と言える。逆に言えば「授業の大切なところにあたる2割がわかれば、試験の8割が解ける」と言うこと。我々教師は、試験では常に一番大切なところを重点的に問うている。私も問題作成では、まずは、最も重要な絶対解いて欲しいところを8割出し、力がないと解けない問を2割出すようにしていた。従って、まずは授業の中で重要な2割部分を見つけることが大切。

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 それには2つの方法がある。まずは、授業中に先生が「ここは大切、ここだけは解けるようにと言った部分」「色チョークで板書した部分」「二度三度と繰り返し説明した部分」「教科書の太字部分」をしっかり見つけることである。もう一つは、予習をすること。予習をすれば、知らず知らずのうちに、重要な点、わかりにくい、ポイントになりそうなところが事前にわかる。そして、そこを重点的に聞けば自ずから重要な2割がわかる。そして、復習とはその2割の部分を確実なものにするということである。

 国語の授業に、文章の中で特に重要な部分を抽出する要約という作業があるが、これは大人になって仕事をする上でも最も大切なことである。授業の重要な2割を見つけるとは授業の要約をするということ。ほかごとを考えながら漫然と授業を聞いているだけでは、仮にきちんとノートを取ったとしても授業の要約はできない。特に部活をしている人は、そこでこそ日頃鍛えた集中力を発揮すべき。  

家庭での時間の使い方

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 もう一つ大切なことは、家庭での時間の使い方。当然、意志の弱い人は勉強できない。そうした中で、最近、特に気になるのは家での携帯電話の使用である。携帯電話の危険性は別の機会に話を聞いてもらうが、注意をしたいのは家庭学習へのしわ寄せである。君たちに与えられている時間は一日24時間。学校で勉強し、部活をし、友人と交友した後、家では本来、一人で勉強や読書、考え事、家族との会話をすべきところ。ここに携帯、特にメールが入り込み、学校生活の延長のようになっている人がいるのではないか?もし、1時間も2時間も費やしている人がいるとしたら大いに問題。生活のリズムも狂わせる。進路実現も絶対できない。メールは自分の時間を蝕むだけでなく、相手の時間をも蝕む。「今勉強中だったら迷惑では?」との相手への思いやりと「こんな時間の過ごし方で大丈夫だろうか?」との自分自身への問いかけを大切にして欲しい。

 今一度自分の状況を振り返り、有意義な毎日を送るよう期待したい。

校長 島田政輝
(2008.11.04)

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Last-modified: 2009-01-29 (木) 14:28:56