平成21年度2月 全校集会 校長講話

君たち1・2年生は、まさに本校を動かす主役

 今日から3年生は自宅学習。2次試験に向け全力で頑張っている。今日から君たち1・2年生は、まさに本校を動かす主役となる。一方、今週は自己推薦入試。坂高を目指して頑張っている多くの中3生がいる。入学後の彼らをリードし、坂高の素晴らしさを示していくのは君たち1、2年生。坂高の主役としての活躍を期待する。坂高は紛れもなく君たちの母校。幸い君たちや坂高の評価は非常に高い。しかし、これからの評価を作るのは君たち自身。まずは、服装を含む行動面でさわやかで清潔感ある、あいさつのよくできる坂高生であって欲しい。

次世代に求められること「省エネルギー」

 さて、始業式では、これからの科学技術の話をした。次世代に求められることはたくさんあるが、その筆頭が「省エネルギー」であり、地球温暖化対策としての「脱石油」であろう。前回、レアメタル、レアアースが貴重だと言ったが、やはり基本的に大切なのは石油であろう。石油はエネルギー源としての面のみが注目されているが、エネルギー源としては原子力や天然ガス、太陽光など他にも方法がある。本当に大切なことは、石油でないとできない化学工業の原料としての価値を守ること。プラスチック、医薬品、合成繊維…石油がないとまったくお手上げ。燃やしてしまうのは実にもったいない。温暖化対策の面だけでなく、貴重な工業原料として後世のために温存すべき。こうした視点で行動することが21世紀に生きる人間の責務。

例えば、校内の便座の消費電力は

 ところで、外国人が日本にきて、最もおみやげに持ち帰りたい物は、「電熱式便座」だそうだ。聞くところによると、外国には、さぞ冷たかろうと思うが、ロシアにもカナダにも、あのような便利なものはないそうだ。さすが日本人の知恵だと感心したくもなるが、少しぜいたくな話だとも思う。そこで、いつも思うのは、朝、学校で一番にトイレを利用した時、すでに便座が温かいと、昨夜から一晩中、むなしく空気だけを熱していたということになり、実にもったいという気持ちになることである。少しばかり計算をしてみた。電熱便座の消費電力は、温かめに設定すると冬場は約40w。校内に便座は31個あるので、すべての便座にスイッチが入っていたとすると全体で1240w。一方、教室の蛍光灯の消費電力は37w。1教室に12本あるので444w。つまり、12400wは2.8部屋分に相当する。すなわち、約3教室を一晩中、電灯をつけたままにしたのと同じ。大変なエネルギー浪費である。朝、多少寒いかもしれないが、ぜひ、夕方最後の人はスイッチを切ってほしい。

集団に生きる個人の弱さ

 この話に限ったことではないが、集団生活では、ともすると、自己責任感が希薄になる。「あえて自分がしなくても」「自分一人くらい」「自分がしたところで」と、つい責任逃れをしてしまう。教室の電灯も、エアコンも・・・。でも、考えてみてほしい、そうしたことを自宅でもしているのか。親は許してくれるのか。おそらくしていないと思う。自宅ではしないのに、なぜ学校でするのか。それは、おそらく「自分がしなくても誰かが・・・」という責任逃れの気持ちと、「自分の金でない」という身勝手な気持ちがあるからだろう。ここに集団に生きる個人の弱さがある。節電だけでない。ゴミのポイ捨て、教室の散らかし、ゴミ拾い、ルール、マナー・・・すべて同じ。集団が素晴らしいものになれるかどうかは、すべてこの点につきる。言動についても同じこと。例えば、早朝のマフラー。寒くても玄関先で外し、きちんとたたんでから校舎に入るのが当然の礼儀。来客と出会う可能性のある1階付近での節度ある言動や校内外でのさわやかな挨拶の励行・・・これら当たり前のことを、一人ひとりがきちんとできることで、坂高という集団が素晴らしいものになる。そして、集団が素晴らしくなると、個も立派になる。君たちは素晴らしい素養を持っている。坂高という集団の中で、いや、社会という更に大きな集団の中で、周囲に左右されず自分のすべきことを正しく果たすことのできる人物になるよう、君たちの大いなる成長を期待する。

校長 島田政輝
(2010.02.01)

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Last-modified: 2010-02-01 (月) 15:06:18