平成19年度 卒業証書授与式 式辞

心からお祝いを申し上げます

卒業式

 日増しに明るさを増す朝夕の日差しに新しい春の訪れを感じる今日、ただいまは普通科272名、音楽科27名の生徒諸君に卒業証書を手渡しました。まずは、卒業生の皆さんご卒業おめでとう。心からお祝いを申し上げます。
 そして、この佳き日にあたり、香川県教育委員会より教育次長 片岡邦彰様、香川県議会より議長 尾崎道弘様、坂出市より教育長 横井武雄様をはじめ、多数のご来賓の御臨席と保護者各位の御列席のもと、ここに香川県立坂出高等学校卒業証書授与式が挙行できますこと、誠に喜びに耐えません。

 

決して忘れてはならないこと

式場

 さて、卒業生の皆さん、思えば3年前、大きな希望を胸に本校の正門をくぐって以来、夏の猛暑にも冬の厳しい寒さにも耐えながら授業にゼミに、そして部活動にと、よく努力し立派に高校生活を全されました。今、皆さんの胸中は、きっとすがすがしい満足感に満ち溢れているものと察します。高邁自主の精神に基づく本校の教育をしっかり受け止め、頼もしく成長した君たち。君たちの努力に心から拍手を送ります。しかし、その一方で決して忘れてはならないことがあります。それは、君たちが今日あるのはご家族の皆様をはじめ、先輩、友人など多くの方々のお陰であるということです。また、本校教職員もたまには口うるさく感じたかも知れませんが、君たちを思う気持ちは誰にも負けません。心に留めておいていただければ幸いです。

生涯を通じて学び続ける姿勢を持ってほしい

校長式辞

 さて、これから社会に巣立ち行く皆さんに、私が日頃思っていることをお話して、はなむけの言葉とします。

 まず、1つ目は、生涯を通じて学び続ける姿勢を持ってほしいと言うことです。これまで世界をリードしてきたわが国ですが、その将来を考えた時、残念ながら決して楽観できるものではありません。国外においては、科学技術立国として誇ってきた工業力が、中国、韓国、インドをはじめとするアジアの国々に追われる一方、国内においては、少子高齢化社会のもたらす歪みや所得階層の二極化、地域格差の問題等が次第に顕著になりつつあります。また、益々複雑化、グローバル化の進む環境問題への対応も国際社会の一員として当然に果たしていくべき問題です。こうした変化の激しい時代において、求められる能力とは、課題を敏感に見出す力であり、その原因を論理的に分析する力であり、創造力豊かに物事を企画する力であります。また、先を見通す力や、多くの要素の中で何が重要かを判断するバランス感覚、そして、自分の考えを周囲に発信し説得する、いわゆる発表力も大切になるでしょう。こうした力は、いずれも受身の学習で身につくものではなく、自ら学び考え行動する能動的な学習を通じて、初めて自分のものになるのです。ぜひ生涯にわたり学び続ける姿勢を持っていただきたいと思います。

共生社会の担い手になってほしい

式場

 2つ目は、共生社会の担い手になってほしいと言うことです。今後、物質的にも精神的にも豊かな社会となるためには、一人一人が互いに理解し、認め合い、受け入れる、いわゆる共生社会の実現が必要です。そのためには、一人一人がかけがえのない存在であることを認識し、「自分ひとりがよければそれで良し」とするのではなく、「自分も幸せに生きたいが、相手も幸せに生きたいと願っている」という考えに立たなければなりません。勝手気ままな行動をする人や、公共マナーに欠ける人、相手の立場や感情に無関心な人が増えつつあると言われる今日、皆さんが常に周囲に配慮のできる人権感覚豊かな人となるよう強く願っています。これからの社会、相手に話を伝えるとき、正確さだけではなく、好感をもたれるような説明ができなくてはなりません。逆に、相手を理解しようとするとき、その立場を認識し、思いやりある態度で受け止めることができなければ正しい理解はできません。どうか、こうした態度を身につけた、立派な共生社会の担い手となるよう期待します。

人と人の絆はまちがいなくかけがいのない宝

卒業証書

 3つ目は、すべての君たちにとって、高校生活で得た最大の財産は、人との出会いであるということです。坂出高校という共通の学び舎で共に学んだ3年間、ここに築かれた人と人の絆はまちがいなくかけがいのない宝です。生涯にわたり大切にしていただきたいと思います。

 

保護者の皆様

式場

 最後になりましたが、保護者の皆様、お子さまはこんなに立派に成長しました。時にはぶつかり、ともに悩み、そして励まし、喜んだ3年間、今日の喜びには計り知れないものがあると存じます。ご卒業を心からお慶び申し上げますとともに、これまで学校が賜りましたご理解とご協力に深く感謝申し上げる次第です。

 

皆さんの前途に幸多からんことを

卒業生退場

 さて、皆さん、いよいよ本校を巣立つときが来ました。これからの人生、必ずしも平坦な道ばかりとは限りません。しかし、社会は必ず君たちの活躍を必要としています。どうか健康に十分留意され、本校で身に付けた学業への自信と誇りを胸に、たゆまぬ前進を続けて下さい。皆さんの前途に幸多からんことを心より祈念し、式辞とします。

 
 
 
平成20年3月4日
香川県立坂出高等学校
校長  島田政輝

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Last-modified: 2008-12-20 (土) 12:19:22