平成１９年度 入学式 校長式辞 †
入学おめでとう †
暖かい春の日差しを受けて、万物に生気みなぎる絶好の季節となりました。本日ここにＰＴＡ会長松本恭直様の御臨席と、保護者各位の御列席のもと、平成１９年度入学式を挙行できますこと、私ども教職員一同、大きな喜びであります。
ただいま入学を許可した普通科２４０名、音楽科２５名の皆さん、入学本当におめでとう。また、この日を待ち望み、子どもさんの成長を支えてこられた保護者の皆様、心からお祝いを申し上げます
本校を志願し、このたび立派に合格を果たされた皆さん、これまでの道のりは決して平坦なものではなかったと思います。しかし、それだけに、合格発表の日に自分の番号を見つけた時の感激は、これまでの人生の中でも一塩のものではなかったかと思います。どうか、あの感激をいつまでも大切にしてください。そして、厳しい競争を勝ち抜いた自信と誇りをしっかりもつとともに、今日あるのはご家族の皆さんをはじめ、中学校の先生方や友人などのご支援のお陰であることにも感謝の気持ちを抱きつつ、これからの高校生活を力強く踏み出してください。
坂出高校は †
さて、本校は、大正６年に創立され、今年９０周年を迎える伝統校ですが、これまで卒業生は２万５千余を数え、国内外の様々な分野で活躍される多くのすばらしい人材を輩出してきました。そして、本校のシンボルともいえる白壁と松の緑に囲まれた落ち着きある美しいキャンパスでは、日々、生徒と教師が一丸となった教育活動が繰り広げられ、毎年、県下に誇り得る優れた進学実績をはじめ、全国的な活躍を見せる部活動など多くの成果をあげています。
本校について、私が皆さんに自信を持って言えることは、本校の教職員は、勉強には厳しいかもしれませんが、皆さんを育て、高めようとする熱意と、寄り添い、支えようとする暖かさはどこの学校にも負けないと言うことです。教職員一同、皆さんの入学を心からお待ちしていました。共に頑張りましょう。
「高邁自主」 †
ここで、こうした本校に入学した皆さんに、２つほどお願いがあります。
一つ目は、学業への取り組みについてです。本校には校訓ともいうべき「高邁自主」という言葉があります。皆さんはその精神に則り、「高邁」つまり気高い志を高らかに掲げ、自主・自立の精神に基づき、その実現に向け、まい進して欲しいと思います。
人間は、もって生まれた能力に大差はないものの、やる気には大きな差があります。そして、やる気こそが成果の大小を決定付けるのです。これからの３年間は、皆さんの人間的な成長の上でも、また、将来の進路を決める上でも、一生を左右する極めて重要な時期です。高校は勉強の内容も方法も、そして、求められる学習量も中学校とは大きく異なります。また、本校の目指す文武両道のためには、時間の管理も集中力も特に重要となってきます。決して楽な毎日ではないかもしれませんが、我慢する気持ちの大切さを忘れることなく、常に前向きに取り組み、自らを大いに伸ばし、高めてほしいと思います。
良好な人間関係のために †
二つ目は、学校生活についてです。充実した学校生活を送るためには、級友と良好な人間関係を築くことが何にも増して大切です。学校では様々な生徒たちと生活を共にしますが、その中には当然、性格や考えの異なる人もいます。そして、ちょっとしたいさかいや行き違いから、相手を避けたり、拒否したり、あるいは、攻撃しようとすることがあるかもしれません。しかし、本来、進んで人を傷つけたり、人に嫌われたりすることを望んでいる人はいません。そうした状況が生じるのは、タイプの異なる人を受け入れることを拒んだり、自分の主張を無理に押し付けようとする狭さや頑なさにあるのではないでしょうか。どうか、人を幅広く受け入れることや自分を客観的に見ることの大切さを学んで下さい。論語に「己の欲せざるところ、人に施すことなかれ」という言葉があります。これは、「人にされていやなことを、人にしてはいけない」という意味ですが、今日入学した２６５名の皆さんには、それだけの数の個性と人格があります。どうか、これから皆さんが作っていく学校という生活の場が、一人一人の人格が大切にされ、人権が尊重される場となるよう強く願っております。
学校とご家庭との協力 †
終わりにあたり、保護者の皆様、今後、学校と家庭が協力をする中で、温かい愛情の中にも厳しい躾をしていただくことが、必ず、学力や人間性の向上につながります。私ども教職員一同、お預かりしました子どもさんの教育に、全力で、責任を持って当たってまいる所存ですので、何卒、よろしくご協力お願いします。 最後に、新入生の皆さんの高校生活が充実した、すばらしいものとなりますよう、心から祈念して式辞といたします。
平成１９年４月９日
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