1学期始業式辞(4月8日(月))

 私たち学校の教員が1年のうちでも慌ただしい日々を過ごすのが、春休みの期間。前年度のことをすべて片付け、新年度の準備をしてきた。平年であれば、忙しさのために本格的な春の到来にも気づかず、「気がつけば春真っ盛り。」というのが学校に勤める私たちの常である。しかし、今年の春は、異動発表が早かったことに加え、昨日一昨日が土日だったこともあって、桜の花が少しずつ咲いていくのを間近に見ることができた。

 皆さんの春休みの過ごし方はどうだったか。充実していたか。昨年度の終業式からは20日足らずだが、今日から新学年の始まりである。新年度というのは、生徒の皆さんにとってはクラス替えもあり、落ち着かない人もいるだろう。それは、先生方も同じ。新しクラスを担任し、授業を担当し、校内での仕事や部活動も変わった先生がいる。だから、先生方にも話したが、昨年度5月の全校集会で私が話したとおり、「置かれた場所で咲く」という気持ちで(−置かれた場所というのは、新しいクラスや担任の先生や教科の先生のこと。そこで咲くというのは、それが自分の定めと覚悟を決めて一生懸命頑張るということ−)やってほしい。新しいクラスで、新しい友だちを見つけ、今まで自分にはなかった人たちと交流する中で、何かを吸収し、成長してほしい。坂高には個性的で、才能を持った友がたくさんいる。

 さて、新年度の始まりに当たり、私から先生方にお願いしたことを皆さんにも話しておこうと思う。それは坂出高校を、そして君たち坂高生を、こういう学校・生徒にしてほしいというお願いである。18歳で選挙権を持ち、3年後(2022年4月)からは「18歳成人」が間近に迫る中、皆さんを「限りなく大人に近い存在」と考えているので、あえて話しておく。

 1つ目。「坂高での学業に軸足を置いた生活を送ること。」それがひいては皆さんの希望進路実現につながる。この3月の卒業生は、ここ20年ほどでは最高の進学実績(国公立大学合格者 現役104、浪人を含めて124。一橋1、東北1、阪大2などは特に顕著)を出した。「第一志望を貫く」という強い意志を持っての日々の精進、そして本校の先生方の指導力の賜物である。これに続いてほしい。  2つ目。「最後まで部活動を頑張ること。」「高邁自主」や「パティマトス」の精神を受け継いだ皆さんである。学業との両立をしながら、部活動での結果にもこだわってほしい。  最後3つ目。「生活態度の維持を。」皆さんの生活態度はおおむね良好であると思っている。しかし、一部の人に遅刻や携帯電話の使用ルール違反も見られた。また、校外に出たら一番見えるのがこの部分。本校のバッジをつけるにふさわしい言動をし、坂高の品位を汚さないこと。

 実はこの3つというのは、先生方には昨年度からお願いしてきたことである。生徒の皆さんに言うと、少し言葉遣いは異なるが、私が考えている坂出高校の進む道である。皆さんへの期待が大きいと感じる人もいるかもしれないが、私から見れば大きな無理を言っているつもりはない。しっかりとがんばってほしい。

 さあ、新3年生にとっては、いよいよ勝負の年。高校卒業後の進路決定路いうのは、将来を大きく左右する。部活動に入っている人は、特に早くからの受験準備をしてほしい。 この3月の卒業生で、県立保健医療大に進学した皆さんの先輩が、ある時に「面接の練習をしてください。」と校長室に来た。ありきたりだが必ず聞かれる、志望の動機を聞き、その次にこのような質問をしてみた。「あなたの学校の部活動(吹奏楽部)は全国大会にまで出場したと聞きますが、勉強との両立はどのようにしていましたか。」するとその生徒はこのように答えた。「その部に入った時点で、全国大会に行くことは織り込み済みだったので、早くから受験勉強を始めました。」この受け答えには感動した。まさに高校生の本来あるべき姿である。先輩ができたことは、皆さんもできるはず。それが伝統の力というもの。新3年生には、その生徒に続いてほしい。

新2年生にとっては、はじめて「先輩」と呼ばれるようになる。皆さんがどのように行動するかを新入生はお手本にする。それをしっかりと意識した言動をとることを望む。それは、部活動や生徒会活動ももちろんだが、勉強の方もそうである。昨年度の終業式でも話したように、高校生には勉強する義務がある。きちんと後輩を導いてほしい

いずれにしても、「一年の計は元旦にあり」と言う。学校にあっては、元旦は今日のことであると思う。しっかりと目標を持ち、私が皆さんに期待しているような皆さんの活躍を願っている。  

 


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Last-modified: 2019-04-25 (木) 17:17:14