令和元年度2学期始業式講話(9月2日(月))

 2学期の始まりに当たり、まず8/22・23と京都市(みやこメッセ・ロームシアター)で行われた全国高等学校PTA連合会大会に出席した時のことを話そうと思う。校長という立場上、結構出張が多いが、その中でも印象に残ることがいくつかあったからだ。

 1つ目。初日の昼頃JR京都駅に着いて、会場近くまで移動して昼食を食べようとした時のこと。全国から10,000人もの人が集まる大会であることに加えて、会場付近には食事をする店がほとんどなかった。私はある店に行って、順番待ちのために名前と人数を書いて待っていた。するとそこへ、私の前に名前を書いていた5人のグループと知りあいらしき2人がやって来た。何をしたと思うか。何と「5」と書いていた数字をさっと消して「7」と書いた。私は余りのことに唖然とした。この大会は、高校のPTAの全国大会なので、全国からP(親・保護者:主には会長・副会長)とT(先生方:主には管理職)が参加する大会である。ちなみに、その人たちの言葉遣いからして関西の方ではないように感じた。また、先生方ではない雰囲気であった。「旅の恥はかき捨て」という言葉があるが、まさにそれを目の当たりにした訳である。

 2つ目。今話したような嫌な思いをした後に、自分が参加を希望した分科会の会場(約2,000名の出席)で席に座り、「高校生の人間関係について考える〜高校生の本音を聞いてみませんか?〜」という講演を聞き始めた時。その講演はある大学の先生なのだが、話術が巧みで内容も興味深かったので、「さてどんな話が聞けるかな、楽しみだな」と感じ始めた時。私のすぐ後ろに座っていた2〜3人の女性がおしゃべりに夢中で、講演には一切関心がない様子。自分の後ろの席なので見えないが。余りにも話がやまず、私も楽しみにしている話に集中できないので、振り返り「すみませんが、お静かに願えませんか。」と一言。さすがにそれ以降おしゃべりはなかったが。

 今話した2つの件についてもう少し深く考えてみた。それは、「人は一人でいるときにはしない、あるいはできないこと」が、「集団でいるときには何となくしてしまう、あるいはできてしまう」ということである。これは皆さんにも当てはまるのではないか。私も同じ時があると思うが。坂高生の皆さんは、一般的には、常識的な振る舞いをすべきことやその振る舞い方を知っている訳だが、集団になると知らないうちに周囲に無頓着になるというのか、自分たちの輪だけしか見えなくなって、電車の中で大きな声で話しているというような場合である。本の時折だが学校に苦情の電話が寄せられるのは皆さんが集団でいるときであろうと思う。今週末には文化祭で校外からもたくさんの方がいらっしゃる。今話したことを念頭に置いた行動をお願いしたい。今日は本来ならば、全国高等学校PTA連合会大会内容についてもみなさんに紹介したい話があったのだが、話が長くなるので、来月の全校集会に回そうと思う。

 さて、2学期はどの学年にとっても大事な学期である。まず1年生。今月27日にコース選択説明会があり保護者の方にも来ていただく。「なぜ保護者まで?」と思う人があるかもしれない。学校としては保護者の方に来ていただくというのは、それだけ大切な用件があるからだ。「文系・理系の選択」というのは、おそらく高校の3年間で最も重要な選択である。最終決定まではいましばらく時間があるので、よくよく考えた選択をしてほしい。一度決めたら変更は認められないので。1年生の担任の先生とっては、これは最も重要な指導事項である。

 2年生。皆さんから大学入学共通テストが実施されることと併せて、英語の4技能の検定試験を受ける必要がある。その試験を受験するための「共通ID」の取得が今月から始まる。手違いで受験できないということがないように、先生方も随分と気を遣ってくれているが、最終的には「自分のこと」。高校受検と違い大学受験は、先生が何かをしてくれるのではなく、自分からすべてを手配するのが大原則。きちんと心に留めて間違いのないように。これは1年生と3年生にも言っておく。

 3年生は言わずもがな。最終的な進路決定に向かって実際に動く時期となった。センター試験受験の1月まではまだ時間的にも余裕があるが、まずはセンター試験の出願を確実に行わなければならない。また、AOや推薦入試も行われる。最後までぶれることなく自ら選んだ道を進んでほしい。皆さんの先輩がそうだったように、強い気持ちをもって最後まであきらめずに初志貫徹してほしい。そして、余計なプレッシャーを与えるつもりはないが、「見ている人は見ている」。何をか?進学実績を。私は、8月23日に行われた市役所坂高会という、本校の卒業生で坂出市役所に勤めていらっしゃる方たちの親睦会の年に一度の総会に招待され、学校の現況報告の中で今春卒業生の進路実績を披露した。「昨年度の実績は素晴らしい。今後も頑張らせてください。」という励ましの言葉を何名かのOBからいただいた。

 最後に、文化祭が近づいている。どのクラスも最後の頑張りどころだと思う。事故がないように気を付けるのはもちろんだが、完成度の高いものを制作してほしい。今言った進路実績の話と同じだが、「見ている人は見ている」もの。坂出高校の知的・創造力のレベルや生徒の皆さんの一致団結力の程度が見られている。クラスや文化部での結束を期待して、始業式での講話とする。




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Last-modified: 2019-09-03 (火) 14:17:27