令和2年度学期終業式講話(放送による)(7月31日(金))

 今年度は開始早々からコロナに悩まされた。まずは勉強の遅れをずいぶん心配していたが、文化祭を始めとして行事の精選を図ることや夏休みの短縮等で、ある程度挽回できる目途が立ってきた。しかし、取り返しがつかない状態になってしまったのは部活動、とりわけ県総体から始まるインターハイ、全国高等学校野球大会、合唱コンクール、吹奏楽コンクール等である。中には代替大会が開催されたところもあったが、所詮は「代替」であり、本大会ではなかった。悔やんでも悔やみきれない人がいることだろう。

 しかし、皆さんの頃には「人生100年」。歳を重ねた時に、「ああいうこともあったな。」と、「災難にあった若い人を勇気づけられる経験になった」くらいに考えてほしいものである。学校再開前日の5月31日に皆さんに一斉メール配信したとおり、前を向いて頑張っていただきたいと願っている。

 さて、今年度の大学入試においては、坂出高校からは117名の国公立大学合格者を出した。昨年の124名には少し及ばなかったが、大まかな話をすればここ3か年は、3年生のうち40%を超える生徒が国公立大学合格を果たしたことになる。先輩がなしえたことは皆さんもなしえる。学校の伝統というのはそういうものである。

今日は進路指導部の先生方が編集してくださった「進路資料」の中の合格体験記に目を通して、印象に残ったところを話したいと思う。もう読んだ人もいると思うが、私が特に印象に残った箇所を挙げたい。

【坂高の環境(授業・友人・先生方)】
・ 学校の教室に残って勉強することを奨めます。先生方の添削指導が丁寧です。教室でおしゃべりすることで、ストレス発散や試験に対する不安を紛らわせることができる。(複数名)
・ 授業にしっかり真面目に取り組み、定期テストを大切にすること。受験では教科書の範囲から問題が作られる。(複数名)
・ 私が勉強しているときに使っていた教材は、ほとんど学校で買ったものや教科書ばかりです。プリントやワーク類も有効に活用しました。(複数名)
・ 受験勉強も二次対策も、学校を中心にしてきました。
   ⇒ 坂出高校中心の生活を真面目に送ること、本校の先生方の指導を信じてやり抜くことで、受験を突破する力が付くということがわかる。

【塾との関係】
・ 1年生の時、途中でやめた。理由は10時に塾が終わって翌朝7時に起きるまで、自分が使える時間は睡眠時間も含めても最大9時間しかありません。
・ なぜ合格できたのか、一番の理由はやっぱり普段の勉強にあったと思います。私は塾に通っていなかったので、授業をしっかり聞いたこと、定期テストは理解できていない箇所がないように勉強していた。
   ⇒ 「大学合格=塾通い」という図式は成立しないと言える。

【部活動との関係】
・ 私は吹奏楽部に所属しており、10月末までフルに部活動に取り組んできました。時間はとにかくなかったですが、部活が忙しいことを言い訳にはしたくなかった。部活をやり切ったということが合格に導いてくれた理由の一つだと思う。
・ 部活動をやらない方が成績は上がると考えている人もいますが、自分には当てはまらないと思います。「小人閑居して不善をなす」という言葉があるように、時間ができたらダラダラしてしまい、勉強もはかどりません。私にはハードスケジュールの方が勉強に身が入ると思いました。(複数名)
   ⇒ 文武両道は実践できることが証明されている。

【受験全般】
・ 受験は本当につらく厳しいもので、何度も投げ出したくなります。でも受験は自分を人間的に成長させてくれるものだし、この苦しい一年を乗り切ったということは人生における自信につながります。苦しいこともたくさんあると思いますが、大学生になった自分の姿を思い描きながら、希望する自分の進路に向かって精いっぱい頑張ってください。
・ 模擬試験での判定が悪くても(DでもEでも)、最後まで後悔しない選択を。=第一志望貫徹という気持ちで。
・ 合格までの道のりを逆算して、すぐに行動に移すべきです。
・ 最後まであきらめずに頑張ってほしい。受験は長く、とてもしんどいです。でも諦めずにコツコツ勉強すれば絶対に力らはつきます。
   ⇒ 私も3年生の担任をしていた時に感じた。「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」とも言われる。受験は人間力を高める機会でもある。

【推薦入試関係】
・ 公募制推薦で受験する人は、まず自分のやりたいことを明確にしておくこと。面接で自分の言葉で伝える必要がある。
・ 総合的な学習の時間では、自分の学んでみたい分野である地域活性化に関する本を読んでレポートにまとめたり、瀬戸内国際芸術祭に足を運んでスタッフや観光客の方に取材をしたり、地域の現状について坂出商工会議所の方からお話を聞いたりしました。
   ⇒ 今後はますます、ペーパーテストで少々点が取れるだけでなく、何に興味をもって、総合的な探究の時間などで、どういう活動をしてきたかが大学入試において求められる。総合探究にしっかりと取り組んでほしい。

 今年は大変短い夏休みとなる。しかしその間に、1学期の自らの生活を振り返り、至らなかった点があればそれを反省して今後改善してほしい。もちろんうまく1学期が過ごせた人は、そのペースを崩さないように生活してほしい。

 皆さんが、「短かったけれどいい休みだった」と言えることを期待して話を終える。


 


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Last-modified: 2020-08-04 (火) 08:37:17