10月全校集会講話(10月1日(火))

 今日は大きく2つのことを話す。 1つ目。9月の始業式で持ち越した話。8/22・23と京都市で行われた全国高等学校PTA連合会京都大会に出席した時のことである。9月では非常識な参加者の話をしたが、今日は講演の中身について紹介する。紹介すると言うか、皆さんに話を投げかけるので、もし時間があったらあとで友達やクラスの人などとネタにしてほしい。つまり、「なあなあ、今日校長先生が言いよった話やけどな。どう思う?」という具合に。

 最初に、高校生の人間関係について、初日に参加した分科会で大学の先生が講演で話されたこと。それは、高校生は「同じ価値観を持つ者としか交流しない」、「友だちというのは必ずしも同じクラスや部活の人ではなく、LINEに登録している人」皆さんにとっても、この話は本当か?本当に同じ価値観を持ち、しかもLINEに登録している人しか友だちでないのか?私も学級担任という立場を離れているのでよくわからない。ただ、もしそれが事実であるとすれば、「何か変だ。何か間違っている。」と思う。私が言わんとする「変で間違っている何か」というのが何なのかを、是非あとでネタにして話してほしい。もし、「何も間違ってはいない。」と考える人がいればその理由を聞かせてほしい。 それと同じ先生が言ったこととして、「高校生にもなると、親を『ありがたい存在』として認識している」ということ。もし、本当に親をありがたい存在と思っているのならば、朝の挨拶をしたり、お弁当を作ってくれることなどに対してきちんと「ありがとう」という言葉を言ってほしい。

 次に、これは大会2日目の講演会で聞いたことである。日本電産というモーターの会社を知っているか?ジャイアンツの打者のヘルメットにも広告が出ている。その会社の取締役会長(CEO)の永守さんという方のお話。一代にして会社を興し、今や世界43か国に従業員14万人を抱える大企業のトップである。さらに、自らの信念を実践すべく75歳にして新たに大学経営にまで乗り出した方である。その方の話は、皆さんよりも先生方や保護者の皆さんにする方が適切な部分が多いと思うので、皆さんに話しておいたらいいと思うことのみを話す。皆さんの多くは大学進学するわけだが、英語・専門・人間としての礼儀作法ができていない者は、どんなに偏差値の高い大学に行っても使い物にならないという話である。いわゆる大学のブランド主義というのを痛烈に批判された。私もこれには共感した。大学に行ってしっかり英語が話せるように訓練をし、自ら選択した専門にしっかりと磨きをかけ、同時に人としての礼儀作法を身につける。皆さんの胸にしっかりと刻んでほしいことである。

 2つ目。9月の最終週は授業参観週間だった。先生同士で授業を見せ合い、感想を伝えるというのがおもな狙いである。坂出高校では以前から行事として残っているらしいが、先生方は多忙なことに加えやはりお互いに遠慮があるのか、あまり多くの先生方が相互参観はしていないようだとかねてから思っていた。私は、授業はいつ見に行ってもいい(自分が教えていた時にも、いつ見に来られてもいい)と思っていたので、朝の打ち合わせ時にいきなり予告して、その日のうちに1年から3年までほぼすべてのクラスの授業を見せてもらった。その感想としては、「自分ももう一度高校生に戻って学んでみたい。特に坂高の先生方の授業を受けてみたいなあ。」というものだった。皆さんは、学校で勉強するのは当たり前で、そんなことの何が羨ましいのかわかる人はおそらくいないと思う。むしろ、「勉強しなくていい大人になりたいわ。」と思っているかもしれない。まず断わっておくが、勉強しなくていい大人というのは存在しない。今日はこの話は置いておくとして、なぜ私がそのように思ったか。それは、社会で−大人としてと言ってもいいかもしれないが−生きていくには基礎的な知識として高校時代に学ぶ程度のことは知っておかなければならないからだ。見て回った授業のうち、特に印象に残ったのがまず古典の源氏物語の一節。国語総合の「崖」という詩。倫理の仏教の宗派の話。数学の問題演習。私が学校の先生という道を選んだのは、まさに高校の授業が楽しかったから。先生方の大変熱心な話を聞いているうちに、自分が高校生に戻ったような大変楽しい気持ちになった。私が高校時代に受けたのと多分同じレベルの授業が展開されていた。ただ、私が高校生の頃には、家庭科の授業は女子に対してしかなかった(男子は体育をしていた)。男女共修になったのは、確か平成6年度からのはず。だから、2年4組で長尾先生がじゃがいもの芽の毒についてお話しされているのを聞き、生活していくのに必要な知識はまさにそれだと思った。今こうして話しても、まだ皆さんはぴんとは来ないはずだ。それは、自分が高校生という学びの渦中にいるからだ。歳を重ねれば必ずわかる。大学受験は抜きにしても、高校時代はどの教科・科目もしっかりと学ぶこと。それが将来の皆さんの土台となる。

 今日は以上大きく2つの話で終える。これから3年生は受験に向けて、1・2年生は部活動の新人大会等に向けて努力を重ねてほしい。また、合唱部と吹奏楽部にあっては、3年生も含めて全国大会での健闘を祈念する。




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Last-modified: 2019-10-01 (火) 12:41:15