1 研究主題について |
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三観支部ではでは,県の研究テーマ「高度情報通信社会に対応する学校教育のあり方」〜さまざまなメディアを活用し,主体的に学習する生徒の育成〜を受け,また,来年度の香中研メディア教育部会の研究発表会に向けて今まで研究を進めてきた方向性と融合できるテーマとして「さまざまな情報を活用し,主体的に学習する生徒の育成」を研究主題とした。 |
2 研究の槻要 |
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全ての教育活動の中でIT機器活用の可能性はもっとあるのではないか。IT機器の活用は,授業全体を通して活用するだけでなく,生徒の理解を助けるために,一時的に活用する場面も含めて良いのではないかと考え,幅広い視野で授業を見直した。また,IT機器といってもコンピュータに限らず,DVD,VTR,教材提示装置などもプロジェクタと組み合わせる等してIT機器として位置づけた。
また,インターネットも高速回線が引かれ,校内も無線LANの構築が進み,コンピュータ室へ行かなくても気軽にインターネットが使えるようになってきている。その結果,各校から教科,教科外での活用実践例が数多く報告された。 |
3 メディア部会の活動 |
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- 部長・理事一斉研修会
研究主題,組織,行事計画
- 第1回理事主任研修会
年間計画,県部会報告
- 第2回理事主任研修会
本年度の成果と課題
各校,実践報告
香中研研究発表大会に向けて
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4 教科で実践事例 |
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- 社会
- 政府と経済
Webページ「財務大臣になって予算を作ろう!」で,国家予算のシミュレーションを行った。
- 身近な地域を調べよう
インターネットを使って,地域の史跡や文化,伝承行事について調べた。
- 理科
- 教材提示装置やデジタルカメラの利用資料提示用の教材作成や,顕微鏡での観察結果の確認や記録に日常的に使われている。
- 大地の変化
オアシスプロジェクトを活用し,マグマの粘りけと,火山噴出物,火山の形等の関係に気づかせた。
- 地球と宇宙
シミュレーションソフトを使って,地球の自転と天体の日周運動,地球の公転と太陽の年周運動,星座間の惑星の動き,金星の満ち欠け等を観察した。
- 生物と細胞
インターネットを利用しNHKのデジタルライブラリのビデオ(細胞分裂,受精,花粉管が伸びる様子)を視聴した。
技術
- 情報領域で,コンピュータの基礎,日本語入力機能についての学習
- アプリケーションソフトを使って
- Word(文書作成と,画像の挿入)
- PowerPoint(職場体験学習のまとめ)
- デジタルカメラ,ビデオカメラを利用して,ホームページの作成
- 音楽,保健体育
歌唱や運動しているときのようすをビデオやデジタルカメラでの動画を撮影し,自分たちの長所や修正点を互いに相談して,さらに向上するように工夫する取り組みが行われている。
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5 教科外での実践事例 |
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道徳・学級活動
- 食育
マクドナルドのWebページで,カロリーや栄養バランスをチェックし,ファーストフードの利用時の留意点を考えた。
- サイバー犯罪
警察協会制作のVTR「危険なアクセス」を使い,サイバー犯罪の種類や手口,被害に遭わないための日頃の心構えや,万が一被害に遭ったときの対応の方法などを学んだ。
- 総合的な学習
- 地域で体験活動を行い,調べたことや分かったことを,Power Pointを使って,地域の人に発表した。
- 進路指導
職業や上級学校についてインターネットを使って検索し,進路選択の参考にした。
- 総合的な学習の時間の一部をメディア教育に位置づけ,「新聞作り」や「プレゼンテーション」の活動を行い,ソフトウェアの使い方を習得し,施設の活用を図る。また,文章や画面のデザイン,構成等,分かりやすい表現の仕方を習得させる。
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6 その他 |
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- 職員研修
- 情報モラル・セキュリティについて
- 個人情報,人権,肖像権,著作権
- コンピュータウィルス
- サイバー犯罪
- ウィニー
- 健康上の問題等
- 校務処理等
- 成績処理のフォーマットの統一
- 校内LANのしくみと使い方
- 校務分掌の資料等のデータベース化
- Webページ作成
- 情報公開
Webページや学校新聞により,指導方針や生徒の活動状況等の情報公開
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7 成果と今後の課題 |
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インターネットの活用がふえてきた。これは,多くの学校で校内LANが整備され,各教室でインターネットが手軽に使える環境になってきたこと,教育向けの動画コンテンツなどを公開するサイトがふえてきたこと,教師用資料などに参考サイトのURLが紹介されてなどが理由として考えられる。
また,プロジェクターの普及により,プレゼンテーションの活用例もふえている。生徒がPowerPointを使用する機会がふえ,日本語入力のみならず画像編集の技能なども必要となり,副産物としてさまざまなメディアリテラシーが育ってきていると期待できる。
しかし,機器操作の基本を技術科に任せておいては,一年生での使用が自由になるため,基本的な機器操作の指導を教育課程の中できちんと位置づけておく必要がある。
また,サイバー犯罪やネットモラルに関する指導も学校単位に留まらず,地域単位で統一歩調で進めていくのが望ましいと考える。 |