
校長挨拶

創立30周年を迎えて
本校は平成6(1994)年11月1日に香川県立学校条例により設置され、関係者の並々ならぬ努力によって平成7年4月に第1期生を迎え入学式が行われました。当時の写真を見ると周辺は田畑が広がり近隣に少しの民家が見られるのどかな田園風景が広がっていました。校内で植樹された木々はまだ幼く、現在のようにフェンスの代わりに並木が生い茂り大きく根を伸ばす様子もありませんでした。それから30年、県や地域の方々をはじめ多くの関係者のご支援とご協力を得るとともに、7,000名を超える諸先輩方のひたむきな努力が続けられた結果、進学実績も年々向上し、県下有数の普通科進学校としての地位を確立しました。このように本校が地域とともに発展をしてきたことは関係者一同大きな喜びとするところです。
開校当初は「自ら学び、考え、行動する主体的な人間の育成。豊かな社会性、人間性を備えた人間の育成。個を生かし、個を伸ばし、個に応じる教育の充実」を教育目標とし、自由選択講座制を取り入れた斬新な教育課程が大きな特徴でした。学校が一から十まで決めるのではなく生徒に選ばせようという校風は、校歌の制定にも表れています。第1期生入学後の夏に、「生徒の手で校歌をつくろう」と有志生徒中心の校歌作成委員会が発足しました。翌年の8月末にようやく完成した校歌は、他校では類をみない成り立ちです。また、生徒自らが自主的に活動し、本校の歴史を築いていくことが大切との思いから、長らく校訓がありませんでしたが、開校20周年を迎えるにあたり、「創生」「自主」「共生」の校訓も制定されました。30周年を迎えた現在、本校を取り巻く内外の環境が変化していても、これらの精神は脈々と受け継がれています。
現代では、社会変化のスピードが急激に早まっています。各地で生じている紛争や大きな被害をもたらす自然災害、さらに生成AIの急速な発達や、ここ数年私たちを翻弄した新型コロナウイルス感染症など、予想もしなかった大きな災害や変化が起きる不確実な社会を私たちは生きています。このような予測困難な社会を生き抜くために、本校の現在の教育目標である「グローバルな視野に立ち、明日の担い手としての自覚を持ち、豊かな創造性と深い人間愛の精神を身に付けた、自ら主体的に学び行動するたくましい人間の育成をめざす」ことが本校に与えられた使命だと教職員一同肝に銘じ、生徒一人ひとりに寄り添いきめ細やかに対応していく所存です。
終わりになりますが、これからも本校の伝統と精神を受け継ぎ、さらなる発展と躍進を誓うとともに、今後とも変わらぬご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
校長 大熊 百恵