香社研の思い出から
2016年5月9日 14時47分私が香社研の一員になったのは、もう30年以上前のことです。当時は土曜日の午後、郡市持ち回りで研究授業が行われ、授業を基にしながら議論を闘わせていました。また、夏の研究会は泊りがけで、一緒に寝泊まりし酒を酌み交わせながら、郡市を越えて社会科について熱く語り合っていました。
ただ、私にとっては、話の内容が難しく社会科に対する熱意も不十分でしたし、先輩に行けと言われるままに参加していましたので、香社研での活動は窮屈であり、また、参加すること自体、大変億劫に感じていました。
そんな時、たまたまつけたラジオ番組(NHKの教育放送の『教師の時間』)で、香社研の先輩が社会科創設期の苦労話や教材研究の面白さを熱く語っていました。また、聞き手も香社研の先進性を大いに評価し、その取組を称えていました。ちょうど、父の偉大さを知らない放蕩息子が、父の偉大さを他人から聞くことで、初めて父に対する正当な評価ができたような、そんな不思議な感覚を持ちました。その後も他県に行く度に、年配の方から香社研の素晴らしさをよく聞かされました。