日誌

香社研の思い出から

2016年5月9日 14時47分

私が香社研の一員になったのは、もう30年以上前のことです。当時は土曜日の午後、郡市持ち回りで研究授業が行われ、授業を基にしながら議論を闘わせていました。また、夏の研究会は泊りがけで、一緒に寝泊まりし酒を酌み交わせながら、郡市を越えて社会科について熱く語り合っていました。

ただ、私にとっては、話の内容が難しく社会科に対する熱意も不十分でしたし、先輩に行けと言われるままに参加していましたので、香社研での活動は窮屈であり、また、参加すること自体、大変億劫に感じていました。

そんな時、たまたまつけたラジオ番組(NHKの教育放送の『教師の時間』)で、香社研の先輩が社会科創設期の苦労話や教材研究の面白さを熱く語っていました。また、聞き手も香社研の先進性を大いに評価し、その取組を称えていました。ちょうど、父の偉大さを知らない放蕩息子が、父の偉大さを他人から聞くことで、初めて父に対する正当な評価ができたような、そんな不思議な感覚を持ちました。その後も他県に行く度に、年配の方から香社研の素晴らしさをよく聞かされました。

昨今、政治や経済をはじめ、文化や生活スタイルまでもが、東京が中心となり、それに地方が従うという傾向があります。しかしながら、戦後の一時期、社会科については、香社研が一つの核となり全国へと発信していました。地方創生のためにも、この香川の地から社会科の在り方、教育の在り方を発信していこうではありませんか。

お知らせ

この度、前任の柴田会長様から香社研の会長を引継ぐことになりました
高松市立亀阜小学校の森 正彦です。どうぞ、よろしくお願いします。

前柴田会長様におかれましては、新たな研究テーマの設定をはじめ、研究組織の充実や実行委員会の立ち上げ等、全国大会に向けて各郡市を一つにまとめ、真摯にご準備をしていただきました。その意を受け、大会を成功へと導くために、誠心誠意取り組んでいきます。

2月に開催される全国大会は新しい学習指導要領の告示と合間って、全国的にも大変注目される大会になると思います。全国から集まった同志に香社研の取組を問うとともに、これから始まる新時代の社会科の在り方を形作っていく絶好の機会となります。

ただ、私たちにとって全国大会は大きな目標ですが、決して目的ではありません。私たちが目指すものは、社会科好きな子どもを育てることであり、子どもたちが将来、社会の一員としてよりよい社会を築いていくために必要な資質・能力を育成することです。全国大会はその大きな通過点となりますが、与えていただいた舞台を最大限に生かし、社会科について大いに語り合うことで、今後の社会科の方向性をしっかりと見定めていきませんか。

大きな大会となりますので、香社研の皆さまには無理なお願いやご迷惑をかけることもありますが、社会科を通して共に高まっていきましょう。ご協力のほど、どうぞよろしくお願いします。