香社研30年史より(part1)
2016年10月31日 20時00分私がまだ教師駆け出しの頃、香社研30年史が発行された。当時、香社研会長の東原岩男氏は、以下のようなあいさつ文を寄稿されていた。
「社会科は日本社会の一大転換期に生まれた寵児だった。それは、社会を変革する人間作りを目差す教育であった。指導要領にとらわれず、教科書に拘束されず、自分が作ったカリキュラムに基づく、自由あふれる教育であった。教師と子供たちが一緒に調査し、資料を集め、多様な表現方法を通して問題を解決していく体験学習であった。
子供たちは生き生きと活動したが、教師は五里霧中。日本国内に権威ある指導者はいなく、実践に直接役立つ図書もない。現職のお互いが経験を交流し、知恵を出し合うよりほかに、事態解決の道はなかった。こうして生まれた香社研は、当然のことに研究意欲は高く団結力は強かった。
やがて、民間文部省とまでいわれたコア・カリキュラム連盟に加盟。全国の同志と手を結ぶとともに、その中核メンバーとして活躍。全国にその名を知られることになった。
以来30年。社会科の目差す人間像も、教育内容や教育方法も幾変遷を重ねてきた。香社研の研究においても、また、同様であった。しかし、香社研は常に時代を先取り、その研究は全国的な注目を集めるものであった。…」
これを読むと、先輩たちの社会科に対する熱い思いが伝わってくる。香社研は常に時代をリードし、その研究は全国的に注目を集めていた。まさに、2月に開催される全国大会は、新学習指導要領の告示と合間って、これからの10年を見据えた大会となり、全国的にも注目されるそんな全国大会にしたい。