教材研究のスタイル
2016年6月10日 16時48分教材研究と言えば、指導書をしっかりと読み解き、教科書の内容を吟味するとともに、自作資料の作成やゲストティーチャーの出番等を位置づけて指導過程を組むという印象がある。ただ、こうした教材研究のスタイルは、子どもの実態から遊離し、教師の一方的な教え込みになる場合もある。指導案には子どもの実態を記述しているものの、概要がほとんどであり、具体までには至っていないことが多い。子ども主体の学習を展開しようとすれば、子どもの意識の流れや反応の変化を予想し、それに応じた指導過程を組むことが不可欠である。
そのため、教材研究の在り方も上記の事柄とともに、想定される学習課題に対して子どもの反応を予想し、それを紙に書き出し、思考操作や交流の中でどう変化していくかを見定めることが必要になった。また、一概に子どもと言っても様々であるため、ある程度、個々の反応を類型化し、それに応じた手だてを考えることも大切になった。さらに、様々な学習展開にも対応できるよう模擬授業を行うことも求められるようになった。教師主導から子ども主体の授業への転換は、教材研究のスタイルも大きく変えたのである。
だが、子ども理解が不十分で、子どもの意識の流れや反応の予測が不十分であり、教師の予想とは全く違う展開になることもある。ただ、中には教師が予想するよりも子どもの方が先に進み、教師の予想をはるかに超える場合もある。そんな授業を行いたいし、そうした子どもを育てたいものである。