日誌

「もっと考えろ」と言う前に

2016年5月23日 14時49分

授業中、子どもに「もっと考えろ!」という言葉を発することがある。教師に手だてがなく、窮地に追い込まれるほど、その言葉を発し子どもたちが途方にくれるという光景を何度も目にしてきた。

勘のいい一部の子どもは、些細な手がかりを基に考えることもできよう。だが、大多数の子どもたちには、「何について考えるか」「何を手掛かりに考えるのか」を具体的に示さなければ考えようがない。

考えるという行為は、大変抽象的であり、経験や勘に頼るものと思われてきた。また、様々な思いやイメージが行き交うために焦点化が難しく、例えいい考えが思い浮かんでもすぐに消えてします。

だが、考えるパターンは、事象と事象の比較であったり、事象を因果関係という視点で整理することであったり、多くの事象を端的な言葉でまとめたりする等、それほど多くはない。そのため、思考のパターンを類型化し、授業のねらいに応じて活用することで、経験や勘に頼っていた思考を一変させることができた。また、カード操作と絡めることで、脳の中で秘密裏に行われていた行為が、手を使いながら目で追いながら行えるようにもなった。

香社研の思考操作の研究は、思考を勘のいい一部の子どもから、より多くの子どもへと広げることができた。授業の主体が子どもであるならば、子どもがアイテムを持つ必要がある。

お知らせ

この度、前任の柴田会長様から香社研の会長を引継ぐことになりました
高松市立亀阜小学校の森 正彦です。どうぞ、よろしくお願いします。

前柴田会長様におかれましては、新たな研究テーマの設定をはじめ、研究組織の充実や実行委員会の立ち上げ等、全国大会に向けて各郡市を一つにまとめ、真摯にご準備をしていただきました。その意を受け、大会を成功へと導くために、誠心誠意取り組んでいきます。

2月に開催される全国大会は新しい学習指導要領の告示と合間って、全国的にも大変注目される大会になると思います。全国から集まった同志に香社研の取組を問うとともに、これから始まる新時代の社会科の在り方を形作っていく絶好の機会となります。

ただ、私たちにとって全国大会は大きな目標ですが、決して目的ではありません。私たちが目指すものは、社会科好きな子どもを育てることであり、子どもたちが将来、社会の一員としてよりよい社会を築いていくために必要な資質・能力を育成することです。全国大会はその大きな通過点となりますが、与えていただいた舞台を最大限に生かし、社会科について大いに語り合うことで、今後の社会科の方向性をしっかりと見定めていきませんか。

大きな大会となりますので、香社研の皆さまには無理なお願いやご迷惑をかけることもありますが、社会科を通して共に高まっていきましょう。ご協力のほど、どうぞよろしくお願いします。