「もっと考えろ」と言う前に
2016年5月23日 14時49分授業中、子どもに「もっと考えろ!」という言葉を発することがある。教師に手だてがなく、窮地に追い込まれるほど、その言葉を発し子どもたちが途方にくれるという光景を何度も目にしてきた。
勘のいい一部の子どもは、些細な手がかりを基に考えることもできよう。だが、大多数の子どもたちには、「何について考えるか」「何を手掛かりに考えるのか」を具体的に示さなければ考えようがない。
考えるという行為は、大変抽象的であり、経験や勘に頼るものと思われてきた。また、様々な思いやイメージが行き交うために焦点化が難しく、例えいい考えが思い浮かんでもすぐに消えてします。
だが、考えるパターンは、事象と事象の比較であったり、事象を因果関係という視点で整理することであったり、多くの事象を端的な言葉でまとめたりする等、それほど多くはない。そのため、思考のパターンを類型化し、授業のねらいに応じて活用することで、経験や勘に頼っていた思考を一変させることができた。また、カード操作と絡めることで、脳の中で秘密裏に行われていた行為が、手を使いながら目で追いながら行えるようにもなった。