高松高校校舎

学校からのごあいさつ

 本校は、明治26(1893)年の開校から、130年を越える歴史ある伝統校です。
 戦後の学制改革で、それまでの高松中学校と高松高等女学校がそれぞれ新制高等学校に移行しました。
 その翌年、これら両校が統合されて現在の高松高等学校となり、爾来70年を超える歳月が流れました。
 これまでに数多くの著名人を輩出し、5万4千余名の卒業生は、広く世の各界で活躍しています。

 学舎は、通学至便な高松市中心部に位置しています。
 四囲を白亜の校舎に囲まれたプラザには笹竹がすっくと伸び、シンボルツリーの楠が見守る全天候型運動場など、竣工から四半世紀を経て施設・設備はなお清新さを保ち、落ち着いた教育環境を整えています。
 設置課程は、全日制のほか定時制と通信制です。いずれの課程にも、普通科を置いています。


 本校に校訓はありません。
 しかし、それに代わるものとして、校歌二番に謳われる「独立自主」が尊ばれています。
 旧制中学校の「至誠一貫」や高等女学校からの校章「雪持笹」に込められた不屈と忍耐の精神をも併せ、自由闊達な校風のもと、生徒一人ひとりが高い志を掲げ、自ら学ぶ学校を築き上げてきたところです。


 ここに溌剌と挙る一千余名の生徒は、揺るぎない向学の念のもと、真理の道を究めゆこうとしています。
 意気に燃える若人は、自治を誇りに、数多い校友会活動や多彩な学校行事にも、励むことを忘れません。
 これらを通じて人格を陶冶し、将来、社会に貢献するとともに自らに課せられた責任を果たすことでしょう。
 今後も、生徒・教職員一同、名門校としての誇りを胸に、新たなページを拓いてまいります。

旧正門より望む校舎

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スクールミッション/スクールポリシー

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トピックス

全日制 平成31年度入学式 校長式辞・学年主任挨拶

2019年4月9日 16時28分
行事記録(全日制)

 本日4月9日(火)に開催されました入学式における、校長式辞と1年学年主任の挨拶の一部を、以下に掲載します。

<校長式辞>
 柔らかな春の光が溢れるなか、暖かい風に包まれて、桜の花が今を盛りに咲き誇るこの佳き日に、多くの保護者の皆様のご臨席を賜り、ここに、平成三十一年度 香川県立高松高等学校 全日制課程の入学式を挙行できますことは、学校といたしまして、このうえない慶びであります。

 ただ今、入学の許可をいたしました普通科三百二十名の皆さん、ご入学おめでとうございます。学校を代表して、心からお祝い申し上げます。皆さんは、今日から、県内はもとより全国的にも屈指の歴史と伝統を誇る高松高校の一員として、高校生活の第一歩を踏み出すこととなります。皆さんがこれから三年間を過ごす本校に校訓と呼ばれるものは制定されておりませんが、校歌の二番に謳われている「独立自主」こそが、戦後の高松高校の校訓に代わるものとして、脈々と今に受け継がれてきています。
 皆さんには、真の意味の自主性を身につけ、勉学のみならず、多彩な学校行事や校友会活動等の集団生活にも積極的に取り組んで、誠実にして豊かな人間性を身につけ、他人との相互信頼を構築できるような深い人間愛を培って欲しいと思います。

 さて、本校の前身である香川県尋常中学校および香川県高等女学校が明治二十六年に設立されて以来、数々の変遷を経て、今年は百二十七年目になります。これまで、変化の激しい現代社会においても、平和な社会の形成者として、広く世界に及んで、あらゆる分野で活躍する、五万四千余名の個性豊かで有為な人材を輩出しております。
 平成五年には、創立百周年を記念してピラミッド型のモニュメントが建立されましたが、その台座には、西洋哲学の創始者の一人とされるソクラテスによる「ただ生きるのではなく善く生きることが大切である」という意味の言葉が、ギリシャ文字で刻み込まれています。

 ところで、中国の古典の「詩経」に次のような詩があります。
 切する如く 磋する如く 琢する如く 磨する如く
 これは、西周から春秋時代にかけて衛の国を治めた武王を褒め称えた詩のようです。
 切とは骨を加工する時の切る作業 磋とは象牙を加工する時の削る作業 琢とは玉を加工する時の叩く作業 磨とは石を加工する時の磨く作業 を表しているようです。
 象牙や骨を細工するときの一連の作業を通して、工匠が芸術心を高め完成させる細工品にたとえて、武王を称えたことから、切磋琢磨は、学問や精神、人格を磨き、向上させることを意味します。
 また、この詩は、「論語」や「大学」にも引用されており、「大学」では、切や磋は、学問をもって我が知を磨くことに喩え、琢や磨は、自分を修めることに喩えています。
 皆さんは、多くの可能性を秘めた原石であり、高松高校で切磋琢磨することで、自らの知を高めるとともに、高い人間力も身につけて欲しいと思います。
 本来は、個人個人が自分という原石を磨かなければならないのですが、人間はえてして怠惰なもので、たった一人で自分を磨くのは難しいものです。高松高校の優れた友人とともに切磋琢磨して、お互いを高め合ってください。

 終わりに、新入生の皆さんには、揺るぎない向学の念を保ち、真理の道を究めながら、溌剌と、意気も盛んに新たな時代を切り拓いていくことを祈りつつ、あわせて、ご列席の保護者の皆様方には、さらなるご健勝とご多幸を祈念いたしまして、式辞といたします。

<学年主任挨拶>
 少しの間、お時間をいただきまして、お話ししたいと思います。

 まず、保護者の皆様に申し上げます。昨今、時代の変化、とよく言われますが、これから始まる、お子様にとって、この高校生活3年間は、自我を確立するための、大切な思春期の仕上げの時期になります。これは、いつの時代も同じ、変わらないところです。今まで、周囲の期待に、こたえて、生きてきた自分を、これからどうやって伸ばしていこうか。自分は何者であるのか、と考える時期に来ているといえるわけです。そして、心の中はまさに、「疾風怒濤」という時期に差し掛かっています。具体的には、これから、もっと「ものをいわない」かもしれません。保護者の方々のみに頼らないかもしれません。それゆえ、保護者の皆さんは不安になるかもしれません。

 これから皆様には、今までとは違った対応が求められるかもしれませんが、ここは落ち着いて、「どーん」と構えていていただきたいと思います。彼らの心の中は、「何とも言えない不安を、何とかして安定させようとする」、大きく揺れた状態なのです。まず、落ち着いて生活できる環境を整備してくださればと思います。あとはお子様の、自身が発達するための課題に挑戦する姿を、無条件に、見守ってくだされば、愛してくださればと思います。幸い、学校には、そんなお子様を育てる伝統的なプログラムがたくさん揃っています。どうぞ、我々を「信じて」お預けください。一日一日での変化は少しにしか見えなくとも、この三年間で必ず大きく育ちます。それを楽しみに一緒に過ごしていきませんか。
 さて、新入生のみなさん。皆さんの人生がいよいよ本格的に始まりました。高校は義務教育ではありません。皆さんは自分から志願して入学された、このことをもう一度確認してください。その上で、皆さんにとっての一般的な課題をお話しいたします。
 まず、思春期という、一生で、今しかない、瑞々しい感性を、精一杯伸ばすために、自ら「学ぶ」という姿勢を確立させてください。皆さんは大人になるための仕上げの時期に差し掛かりました。つまり、皆さんには、いろいろなことを吸収して大きく育ってほしいと思います。そのとき、必要なことは、他者との対話です。自分を他者のところに持っていく積極性、主体性をもつことです。受け身の、お客さんではいけません。高高には、体育祭、文化祭、クラスマッチなど、生徒自身で考えるプログラムがたくさん用意されています。そのとき、「自分の頭で考え、きちんと向き合う姿勢」が皆さんを成長させるのに、何より大切なことになってきます。しかし、このとき、単なる独りよがりではいけません。先生方、先輩方ときちんと対話をして、「柔軟な」思考力を養ってください。具体的には、積極的に質問する。自分の意見を述べ、相手の意見も吟味する。など、他者と対話する勇気をもつことです。また、高等学校では、中学校に比べて授業の進度も早く、加えて、話がとても抽象的になります。受け身ではとても消化しきれませんので、教材と、先生と、そしてたくさんの書物ともきちんと対話しながら進んで行ってください。

 繰り返します。皆さんにお願いしたい課題は、自ら、進んで、学ぶ、そういう姿勢を、確立させ、積極的に対話すること、「自分の頭で、柔軟に考える」ことです。これが「独立自主」、「自治」、につながっていけば最高だと思います。

 少し話が長くなってきました。ここで、皆さん、腰の骨を伸ばして、そのまま上を見上げてみてください。体育館にはたくさんの骨組みがありますね。この赤い鉄骨の中に、正三角形四枚からなる正四面体が見えませんか。この赤色は、高高生の「情熱の赤」を示しているといわれています。その情熱がさまざまに組み合わさって、あちこちに正四面体ができています。見えますか。この三角形を何かを生み出す形と考える。つまり、三角形を、相反する、二つの頂点から、もう一つの頂点を生み出す形と考えますと、三角形を哲学的にとらえることができます。それが立体的になっているのが、正四面体。そう考えると、皆さんにとっての、正四面体の底面ABC、つまり基盤となるABCの Aは、教科の勉強、Bは、校友会活動、あるいはそれに代わるもの、そしてCは家庭、となるかもしれませんが、その基盤から生み出される、頂点D、これは百人百様ではないかと思います。そして、それが何になるのか、何が生み出されてくるのか。これは保護者の方にとっても、我々学校関係者にとっても、最も楽しみにしているところです。
 どうぞ、皆さん。皆さんにしかない、この瑞々しい3年間を、張り切って、この高高で過ごしてください。ここで生きてください。そして、一緒に学んでいきましょう。