校長室より

高松高校 創立130周年にあたり

2023年5月16日 09時25分

校章(大)

本校の歴史は、明治26年(1893年)に設立された香川県尋常中学校と、同年に私立進徳女学校より改称した香川県高等女学校から始まります。この年から数えて本年は131年目、創立130周年という記念の年を迎えるのです。その後、県立への移管や校名変更などを経て、香川県立高松中学校(通称「高中」)と香川県立高松高等女学校(通称「県女」)の時代が45年以上続きます。そして、昭和24年、戦後の教育改革のなかで両校が統合されて現在の高松高等学校の形が出来上がります。この前年には、高中(この年に「香川県立高松高等学校」に改称)に通信制課程が、県女(この年だけ「香川県立高松女子高等学校」に改称)に定時制課程が設置されていましたので、統合後は両課程ともに男女共学となって現在に至ります。

本校のように旧制中学由来の男子校と女学校由来の女子校が統合されて新制高校となった例は他県においても多くみられますが、本校の場合は校章に両校の独自性を残しています。学生服タイプの制服につける校章は高中のものから旧職員がデザインしなおしたもの、ブレザータイプの制服につける「雪持笹」は県女のころからのほぼそのままと、制服に応じて二つの校章が存在する全国でも珍しい学校となっているのです。他にも、同窓会である「玉翠会」は高中の同窓会「玉藻会」と県女の同窓会「晩翠会」の名称から一文字ずつ取って名付けたものであることや、高中の校歌の歌詞が現在の校友会の歌『朝日輝く』の歌詞に使われていること、もともと高中があった場所に現在の高松工芸高等学校が移転される際に校地の一部を本校の第二グラウンドとして残したがゆえによく工芸高校のグラウンドを借りていると勘違いされることなど、統合の歴史は70年以上がたった今でも垣間見ることができます。

明治、大正、昭和、平成、令和と激動の近現代史のなか、本校も教育活動に戦争の影響があったことを筆頭に、直島分校の開校と閉校、現在の校舎の大改築などさまざまな変遷をたどってきています。それでも香川県の基幹校としての立ち位置を130年間維持し続け、五万五千名を超える有意な人材を各方面に輩出し続けていることは、ひとえにこれまでの生徒の皆さんの絶え間ない努力や先輩教職員の卓越した教育力などによるものと敬服するところです。

別の記事で紹介いたしますが、今年度は創立130周年の記念事業をいくつか計画しています。それらを進めるなかで、生徒、教職員ともに本校の歴史を振り返り、その豊潤な背景に思いを馳せつつも新しい時代を切り拓いていく決意を新たにする、そのような大切な節目の一年としたいと考えています。

本校に関わりのある皆さまには、これまでのご厚情に感謝申し上げるとともに、今後とも高松高校のためにご指導、ご支援を賜りますよう改めてお願い申し上げます。