校長室より

『台湾研修旅行』に行ってきました

2025年12月25日 16時56分

1220()から23()までの三泊四日、生徒18名と教員2名の合計20名の旅行団で6年ぶりの台湾研修旅行に行ってきました。

本校は、令和元年の12月に台湾の桃園市立武陵高級中等学校(Wu Ling Senior Hight School)と姉妹校提携の協定を結び、生徒間の交流事業を開始しました。しかし、武陵から本校への生徒訪問、本校生徒の武陵への訪問と一往復の交流を行ったところでコロナ禍に突入し、残念ながら数年間の凍結期間に入っていました。コロナ禍が明けた一昨年度から少しずつ交流を模索し、今年度は8月に武陵からの訪問を本校生徒のご家庭のホームステイで受入れ、そしていよいよ今回、本校からの台湾訪問が復活できたのです。

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17時ごろまでには全員が高松空港へ集合し、いよいよ出発です。

簡単な出発式をし、見送りに来てくださった保護者の皆様とお別れをして、China Airに搭乗。台湾までのフライトは約2.5時間。多くの生徒が初めて体験する機内食に多少手こずりながらも、あっという間に桃園国際空港に到着しました。

沖縄本島よりも南にある台湾ですから、12月といえども全く寒くはなく、「暖かいね」と話しながら貸し切りバスに乗り込んで台北市内のホテルへ直行しました。

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ホテルを9時に出発しましたが、たまたまこの日は台湾マラソンが行われるとのことで、バスが交通規制や渋滞につかまりながら【故宮博物院】へ到着。大勢の観光客や地元の子供たちでごった返す博物館の中を、ガイドさんの案内をイヤホンで聴きつつ巡りました。中華民国につながる中国大陸の長い歴史にまつわる膨大な量の展示物が、「書」「陶磁器」「鉄器」などのカテゴリー別の展示室に整然と並び、本気で鑑賞するにはとても1.5時間の滞在では足りない物量でした。

午後は台北市内から東へ1時間ほどバスに揺られ【十分】を目指しましたが、山頂に向かう長いトンネルを抜けると結構な雨と風。そして山の上ということもあってまあまあの寒さ。ホテルでいただいたカッパにありがたく袖を通してバスを降りると、なんと武陵の高校生たちが! もともと予定になかったのですが、急遽ここまでスクールバスで約40名の生徒が来てくれて、一日早い交流が始まりました。雨が避けられる限られたスペースで本校生と武陵の生徒、さらに一般の観光客もぎゅうぎゅうに混みあいながら、四人で1個のランタンに願いを書いていきます。「仲良くなれますように」「世界平和」などの願いが書かれたランタンは、お店の係員の誘導で着火されて上空へ舞い上がりました。(強風で吹き飛ばされていったようにも見えましたが。)

071221九份

次はそれぞれのバスで【九份】へ。映画『千と千尋の神隠し』の温泉街のモデルになった(実際には違うらしい)と宣伝されているレトロで幻想的な街並みのなか、二つの高校の生徒たちがグループごとに写真を撮ったり食べ歩きをしたりと、自由時間を楽しみました。

武陵生とはここでお別れをし、我々は台北市内へ戻って【士林夜市】へ。街ごと毎日がお祭りみたいな屋台と人混みの中で自由に散策および夕食です。焼肉をお腹いっぱい食べたグループ、やっぱりタピオカミルクティーの生徒、などそれぞれ楽しみました。私は「大鶏排」という顔より大きいサイズの鳥の唐揚げを15分程並んで買いました。

台湾の定番の観光地をぎゅっと一日に詰め込んで、おまけに思いがけない交流もできた密度の高い一日でした。

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071222武陵外観

武陵側からのリクエストもあって予定より一時間早い8時にホテルを出発し、桃園市へ向かいました。到着した【武陵高級中等学校】は、高松で言えば中央通りのような大通りに面して建っていましたが、一歩校内に入るとレンガ造りで統一されたたくさんの校舎群と豊かに育った南方系の植物たちなどで、大学のキャンパスのような雰囲気でした。それもそのはず、1学年が20クラス(!)、全校生徒2000名を超える(‼)巨大な学校ですから、ちょっとした大学並みの施設なのは納得です。

校舎6階にあるホールで開かれたオープニングセレモニーでは、両校の校長挨拶から始まって、両校生徒による学校のプレゼンテーション、武陵生の歓迎演奏、本校生徒による応援の演舞などで大いに盛り上がりました。

071222交流風景

そこからは怒涛の交流メニューが続きます。ゼスチャークイズによるアイスブレーキング、家庭科の授業を使ったおもてなしタイム、昼食もそこそこに午後は本校生徒が分割して英語、地理、美術、音楽、体育などの授業に連続して次々と連れて行かれました。一つの授業の終わりにはもう次の授業の生徒が迎えに来て、我先にと本校生を連れて行く、とても交流に積極的で前のめりな武陵生に誘われて、本校生もおのずと積極性が引き出されていました。

最後に武陵生考案のボードゲームで締めくくるころには、もうホームステイ先のご家族が教室の外へ迎えに来ていて、それぞれの家庭へ引き取られていきました。

ホームステイでは、ご馳走を頂いたり買い物に連れて行って頂いたり会話を楽しんだりして、台湾の家庭やご家族の様子も体験することができたようです。

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ホームステイ先の武陵生と一緒に登校した本校生は、1時間目だけそれぞれの授業に参加した後で武陵を出発です。名残惜しくてなかなかお別れができず、バスの出発は予定より遅れてしまいましたが、武陵生やリン校長先生、お世話になったキャサリン先生に見送られて武陵を後にしました。

時間が押したのでその後の見学地を一つ減らし、【桃園忠烈祠】を訪ねました。日本統治時代を色濃く匂わせる日本式の神社ですが、国のために命を捧げた英霊だけでなく、災害救助で命を落とした重機運転者といった民間人も含めて祀られている神社でした。

盛りだくさんだった台湾訪問もこれですべてのメニューが終了となり、バスは桃園国際空港へ向かいました。空港内で最後の台湾料理を自由に食べるなか、最後のプチハプニングもありましたが、全員無事に高松行きChina Airに乗り込みました。

 

今回の台湾訪問では、直前のインフルエンザ流行が最大の心配事でしたが、予定していた生徒は全員参加できましたし、現地で体調を崩すこともほぼ皆無でした。

何より、メインイベントであった武陵生との交流が、極めて濃厚で有意義なものであったことが最大の収穫でした。交流後の上気した本校生の表情を見ると、来てよかったと心底思いましたし、次年度も継続を、できれば参加人数を増やして実施したいなあと思いました。

参加した生徒の皆さん、お疲れ様でした。快く送り出してくださった保護者の皆様、ありがとうございました。残念ながら今回は参加できなかった生徒や申し込んだけど選に漏れてしまった生徒の皆さん、経験値を上げるイベントはいくらでもこの先待っていますから、その気持ちを継続しましょう。

以上のように、大変に充実した台湾研修旅行でした。