校長室より(3月31日)

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<香川東部支援学校の豊かな未来を信じて!>

令和3年4月に本校に赴任して三年が経ち、この3月末日をもって役職定年制により60歳を機に退職することとなりました。勤務最終日となった3月29日(金)の退勤時刻、1年早く一緒に退職することとなった淀谷教頭、小豆島中央高校へ異動となった横井事務部長の三人を見送るセレモニーをしてくれるというので、校長室から出てみるとたくさんの先生方が玄関前に集合してくれていました。春休み中で会議等のない日なので、なかなか消化できない年次休暇を取れる日であるにもかかわらず、思いもよらない大勢の人数に、まず感激。三人それぞれにお花と記念品までいただきました。お礼のあいさつの時には、感極まってまた言葉に詰まってしまいました。三人それぞれのあいさつが終わった後は、玄関外に出て記念撮影。これで私も淀谷教頭も県立学校教員としての生活は終わりです。淀谷教頭とは採用同期という縁に始まり、香川中部養護(支援)学校時代は高等部で仕事を共にし、最後の三年間は東部で一緒に過ごすという良縁に恵まれました。彼とは、「理想の学校像とは」についてしばしば議論を交わし、みんなの負担にならない範囲で学校をどう変えていくか考え続けました。それももうできなくなると思うと、やはり寂しいです。彼も同じ気持ちかもしれません。でも、見送ってくれた先生方のたくさんの笑顔、自信に満ちた表情を見るにつけ、三年間自分たちなりに、自分なりに頑張ってきた甲斐があったなあとしみじみ感じることができました。

素晴らしい先生方がいる香川東部支援学校、これからも子どもたちが「明るく たのしく のびのびと」笑顔輝く学校であり続けると思います。保護者のみなさまも、どうぞ安心して子どもたちの未来を託してください。

みなさんのこれからに、幸多からんことを願って、令和5年度「校長室より」の拙稿を終えたいと思います。子どもたち、保護者のみなさま、教職員のみなさま、地域の方々、そして本校を応援してくださったたくさんの関係のみなさま、三年間、本当にありがとうございました。

令和6年3月31

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(3月19日)

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<令和5年度 第3学期終業式>

3月19日(火)、令和5年度3学期の終業式を行いました。3月7日の卒業式で本校をあとにした33名の児童生徒がいない体育館は、やはり寂しい感じもしましたが、在校生はみんな元気。「おはようございます!」と大きな声が返ってきました。

皆勤賞の表彰では、小学部が3名の児童、中学部5名、高等部3名の生徒が、1か年皆勤を受賞しました。

開式のあとの校長の話では、まずこの1年間、小学部、中学部、高等部全員を挙げて取り組んだ入学式、卒業式、運動会、若竹祭(文化祭)の4つの行事をスライド写真で振り返りました。そして、子どもたちには次のような話をしました。

『みなさんは、全員で取り組んだこの4つの行事のほか、学部や学年、学級での学習にたくさん取り組みました。そのひとつひとつが、みなさんの頭の中に、心の中に、そして身体の中に、経験として積み重なって(蓄積して)います。

楽しかったこと、苦しかったこと、うれしかったこと、悲しかったこと、いろいろな経験をしましたね。その経験すべてが、みなさんの「肥やし」、生きていくエネルギーになります。

「○○をして大変だった…」という経験。「大変」というのは、「大きく変わる」と書きます。「大変」なことを経験するということは、自分が大きく変わるチャンスです。これからも「大変」と思えることから逃げずに、勇気をもってチャレンジしてほしいと思います。大きく変われる自分の可能性を信じてください!

それからもうひとつ。「感動する心」をもち続けてください。「感動」とは感じて動くこと。感じて心が動いたら行動してみよう。きっとワクワクすることに出あえると思います。

がんばって行動してみても、必ずうまくいくことばかりじゃないかもしれません。でも…、失敗してもだいじょうぶ!いのちのあるかぎり、また立ち上がって、やり直せばいいのです。

令和6年度も、いっぱいワクワクして、いっぱい感動して、チャレンジして、大きく変わることを期待しています!4月8日の始業式には、元気な笑顔で登校しましょう。』

と、4月からの子どもたちの活躍にエールを贈りました。

校長の話のあと、校歌斉唱、閉式の辞と終業式をいったん終えてから、讃光工業様から寄贈していただいた横断幕のお披露目式を行いました。讃光工業様では社員のみなさまのご厚志を集め、毎年、学習活動に役立つ物品の寄贈をいただいており、今年でもう10年目のお世話となります。校長室よりでも以前にお知らせしましたが、令和4年度に本校が第1回全国特別支援学校フットサル大会(札幌市開催)に四国代表として出場したときも、チームのために純白のかっこいいユニフォームを寄贈していただき、とても助かりました。さて、横断幕ですが、縦1m20㎝、横4mの大きなサイズ。何年か前にも讃光工業様に同じサイズで作っていただきましたが、学校名が養護学校から支援学校に変わってこれまでの横断幕は使いづらい状態でした。この状況を讃光工業様に相談したところ、今年度の寄贈品の一つとして新たな横断幕を制作いただけることとなりました。デザインは本校の利國教務主任が担当し、本校のカラーである若竹色をベースに、黄色の大きな文字で『かがやけ!東部!』、校章と校名、シンボルキャラクターの「たけくん」「のこちゃん」がセンス良く配置され、とても素敵な横断幕に仕上がりました。お披露目の場面、体育館ステージのバトンに吊るされた横断幕がするすると降りてきて、みんなが目にした瞬間、大きな拍手が沸き起こりました。讃光工業様、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

横断幕のお披露目も終わって、さあ今日の体育館での予定は此処まで、この後は学部ごとに解散と思っていたところ、急に教務主任から「一同姿勢を正して」のひとこと。続いて教頭先生がマイクの前に立って、「ただいまから、卒業証書授与式を行います」のアナウンス。何が始まるのかと一瞬あっけに取られましたが、今月末で退職する私の卒業式ではと気がつきました。運営委員会の先生方と一部の先生方が秘かに準備を進めてくれていたようで、本当にサプライズでした。

卒業証書を授与してくれたのは小学部5年生の鎌田ゆかりさん。

「あなたは三十六年の長きにわたり 子どもたちを温かく見守り ときには優しくときには厳しく育ててくださいました。 あなたの教え子になれたことを誇りに思います。その限りない愛情に感謝をこめて ここに卒業証書を贈ります  香川東部支援学校 児童生徒一同」と、とても上手に読んで手渡してくれました。子どもたちからいただいた卒業証書、一生の宝物です。年を重ねてだんだん涙腺が緩くなってきたこの頃ですが、何とか涙をこらえて子どもたちみんなにお礼のあいさつ。この瞬間の子どもたちの笑顔も一生忘れない思い出になるでしょう。令和5年度最後の授業日にいただいたご褒美、教師として最後の勤務を香川東部支援学校で迎えられたことに心から感謝します。子どもたち、先生方、東部支援学校のみんな、ありがとうございました。

令和6年3月19

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(3月7日)

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<令和5年度 卒業証書授与式を挙行> 

本日3月7日(木)、令和5年度の卒業式を行いました。昨日までの曇天から今日はお天道様も微笑んでくれたようで、寒の戻りはあったものの、日向にいると春の薫りが心地よい一日となりました。

今年度の卒業生は小学部7名、中学部11名、高等部15名の計33名で、昨年度の39名に比べると減少しました。また高等部の1名は、長期にわたる病気療養入院のため参加できませんでしたが、残る32名は全員が自分の席について最後まで式に参加することができました。

今年は、4年ぶりに香川県教育委員会から教育委員の藤澤 茜 様に列席いただき、ご挨拶もいただきました。こちらも4年ぶりとなりますが、PTA会長の入谷様にもご祝辞をいただきました。来賓としまして、毎年ご厚志をいただいている地元企業である讃光工業の藤井様、長年交流してくださっている民生委員代表の野崎様や学校評議員の方々もご臨席くださいました。

卒業式のメインである卒業証書授与では、小学部から高等部まで卒業生全員が壇上に上がり、卒業証書が手渡されました。例年、子どもたちの状況に合わせてフロアーで手渡すことがあったのですが、今年は担任の意向もあり、卒業生みんなが頑張って壇上に上がり卒業証書を受け取る練習を繰り返しました。当日はみな誇らしげに壇上に上がってくれて、私も一人一人のいい表情を見ながら卒業証書を手渡すことができました。校長式辞のあと、教育委員藤澤様の挨拶、PTA入谷会長様の祝辞をいただきましたが、お二人の心温まる卒業生へのメッセージ、ご家族のみなさまへの労いの言葉は、心に染み入るものであり、きっと卒業生にも勇気を与えてくれたものと思います。

続いて小学部、中学部、高等部から在校生代表3名による卒業生への贈る言葉、卒業生代表高等部3年中井彬人さんの答辞、校歌斉唱で式としては終了しました。閉式後は保護者代表謝辞として、高等部3年保護者の三谷さんからお礼の言葉をいただきました。このあと児童生徒職員全員で「旅立ちの日に」を合唱しました。教員の伴奏に加え、中学部・高等部の音楽部生徒も演奏に花を添えてくれました。全員で歌詞の一番を歌ったあと、二番の歌を聴きながら小学部から順番に卒業生が退場、大きな拍手で包まれる式場の花道を一人一人が胸を張って歩んでいきました。

本校に校長として赴任し3年、私にとっても最後となる卒業式でした。卒業生の背中を見送りながら、記憶の断片がいくつか蘇りました。いろんなことがありながらも、いま此処で卒業を迎えることができた子どもたち、本当によく頑張ったなあと思います。高等部3年生に向けて式辞の中で言った「四月からいよいよ一人の社会人として、広い広い世の中に出ていきます。夢や希望だけではなく、不安も多々あるでしょう。でも大丈夫。困ったときは、いつでも相談に来なさい。私たち教職員は、ずっとみなさんの応援団です。」の言葉を、旅立つ高3生の背中に向かって心の中で改めて声を掛けました。本心からそう思わせる3年生でした。彼らとのかかわりをとおして、私たちも学ぶことがたくさんありました。卒業後の心配はたくさんありますが、これからの長い人生、健康で自分らしくぼちぼちと生きてほしいです。3年間ありがとう。 

令和6年3月7日                     香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(1月27日)

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<学習参観と引き渡し訓練>

1月27日(土)の午前中、学習参観と災害時における引き渡し訓練を行いました。土曜日ということもあり、たくさんの保護者やそのご家族が参観に来てくれました。1、2時間目が授業参観でしたが、フリー参観としてどの学部の授業も自由に参観できるようにしましたので、校内いろいろ回られていた方もいましたが、やはり2時間ともご自分のお子さんの授業をしっかり観ていただいていた保護者が多かったように思います。先生方には普段通りの授業をと声かけしていましたので、子どもたちが登校してから行う着替えや清掃活動、朝の会や個別課題への取り組みなど朝からの様子を見ていただきました。高等部では1、2時間目を使って家庭科の授業でお好み焼きづくりをする学級もあり、多彩な授業内容を見てもらうことができました。

3時間目は引き渡し訓練。参観に来ていただいた保護者のほぼ全員が参加してくれました。最初に体育館に集まっていただいて、本校の防災担当者から引き渡す際の段取りや注意点、自家用車の進入・退去方法の説明などをしました。加えて大地震発生時に想定される本校近辺の状況や本校の備蓄状況などについても説明をしました。私からも、本校はさぬき市と福祉子ども避難所の協定を締結しているので、避難に必要な物資はさぬき市からも供給いただくことができ、自宅で被災して地元の避難所での生活が難しい場合には、ご家族で本校に避難できることもお伝えしました。そして体育館での説明のあと各教室に移動、引き渡し確認カードを使って教室で待機していた子どもたちと一緒に引き渡し訓練に取り組んでいただきました。引き渡しが終わったご家族から放課とし、避難時の退校の経路に従って、今日はそのまま下校という段取りでした。

いつ起こるかわからない自然災害、特に地震についてその大きさは予想ができません。物の備えも重要ですが、万が一の時に何をしたらいいか、何ができるか、心の備えも大切です。保護者のみなさま、今日はご協力ありがとうございました。

令和6年1月27

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(1月25日)

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<教育長表敬訪問を行いました>

昨日1月24日(水)、本校高等部1年 宮地 紬さんが香川県教育委員会の淀谷圭三郎教育長に表敬訪問をしました。宮地さんは、昨年1111日(土)にレクザムフィールド屋島で開催されたWPA公認第28回日本ID陸上競技選手権大会(兼)パラ陸上競技記録会で、女子ダウン症選手権のやり投げ競技に出場し、9m05㎝の日本記録を出して優勝しました。その報告のため、表敬訪問ということになりました。

表敬訪問については、県教委特別支援教育課の先生方に段取りをしていただき、本校からは宮地さんとお母さんのほか、校長と教頭二名も同席しました。県教育委員会は県庁近くの天神前分庁舎という建物にありますが、その6階にある教育長室では、淀谷教育長さん、海津副教育長さん、白井教育次長さん、藤田特別支援教育課長さん、渡邉保健体育課長さんが出迎えてくれました。教育長室に入る前は宮地さんもそうですが、それ以上にお母さんも緊張された様子でした。表敬訪問では最初に出席者の紹介、校長からの受賞報告、そして淀谷教育長さんから宮地さんへの賞状授与、メダルをかけてもらうセレモニーがありました。教育長さんからは励ましの言葉をいただきましたが、本人を目の前にして教育長さんも感極まったようで、改めて人情に厚い人だなあと思いました。そのあと、宮地さん本人から受賞の報告がありました。陸上競技を勧めてくれた先生方への感謝と、これからも頑張るとの力強い挨拶に、同席したみなさんも笑顔で拍手、とても和やかな雰囲気になりました。しばしの懇談の後、全員で記念撮影をして教育長室をあとにしました。

教育長表敬訪問の後は、特別支援教育課と高校教育課のある7階に移動し、フロアーにいるみなさんに受賞の報告と本人からの挨拶をさせてもらいました。みなさん執務中にもかかわらず全員が立ち上がり、報告や本人の挨拶を聞いてくださり、最後には温かい大きな拍手をしてくれました。本人も感激しきりで大きな自信につながったと思いますし、今日の日を糧にこれからもますます陸上競技に励んでくれることでしょう。宮地さんは、やり投げだけでなく100m走や1500m走のトラック競技にも取り組んでおり、トラック競技でもダウン症カテゴリーでは全国上位の記録を残しています。やりなげの日本記録更新だけでなく、トラック競技でも日本記録が出せるようますます頑張ってくれることと思います。大いに期待しています。

また2月にある全校集会で、教育長さんからいただいた賞状とメダルを全校の子どもたちにお披露目したいと思います。宮地さん、本当におめでとう!

令和6年1月25

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(1月17日)

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<第3学期が始まりました>

1月9日(火)に第3学期の始業式を実施して、1週間が経ちました。本来であれば、「新年あけましておめでとうございます」と明るい気持ちで2024年のスタートをお祝いしながら3学期を迎えるつもりでしたが、元旦に発生した能登半島の大きな地震による大災害、2日には羽田空港の滑走路で起きた旅客機同士の衝突による事故など、非常に悲しくつらいことが起こり、心の底からおめでとうという心情になれないのが本当のところでした。現在、被災地では懸命な救助活動や支援活動が続いていますが、実際の被害状況というのも十分明らかになっておらず、救助や支援も受けられず孤立している人もたくさんいるようです。また、1万7千人以上もの人が香川で暮らす我々では想像できない厳しい寒さの中、不自由な避難生活を送られているとのことで、心が痛みます。私たち被災地以外の人間は被災地のことをいつも想い考えながら、できる行動を起こしていくことが大切だと思います。

身近な動きとしては、全国特別支援学校長会から各都道府県の特別支援学校長会あてに義援金の依頼があり、本県も各特別支援学校長の間で協議して義援金を募ることとなりました。県内の特別支援学校に勤務する教職員全員の協力を得ることができ、集めた義援金は石川県特別支援学校長会あてお送りすることになりました。職員の皆さん全員に感謝するとともに、この義援金が少しでも被災した人たちの力になってほしいと願っています。

9日の始業式の校長講話では、冒頭で能登半島地震と羽田空港の飛行機事故について話をしました。羽田空港の飛行機事故では、海上保安庁輸送機の乗員5名の方がなくなるという痛ましい事故でしたが、一方の日本航空の乗員・乗客379人は全員脱出することができました。様々な報道からの情報によると、客室乗務員の冷静な判断と指示、乗客もその指示に従って協力して避難したことで全員の命が助かったとのことです。本校の子どもたちには、客室乗務員の人たちは、厳しい訓練を何度も経験して非常時の行動を身につけていたからこそ本当の事故が起きた時に冷静に対処できたこと、学校でも避難訓練をしているが、真剣に取り組むことで災害や事故が本当に起きた時に自分の命を守ることができると話をしました。

さて、10日から本格的に授業が開始しましたが、各部とも冬場の体力づくりとして持久走の練習が始まり、寒さを吹き飛ばす白い息が運動場のあちこちで見られています。高等部では10日に、さぬき警察署の生活安全課の植原課長さんを招いて『薬物の恐ろしさを知る』をテーマに「薬物乱用防止教室」を開催しました。12日には、e-とぴあ・かがわから昨年に引き続き小西さんに講師としてお越しいただき、「情報モラルセキュリティ学習」として、スマートフォンなどSNSの正しい使い方などを学習しました。昨日16日には、香川県金融広報委員会アドバイザーの糸瀬さんにお越しいただいて「消費生活講座」を開講、悪質商法の手口などを分かりやすく説明していただきました。生徒たちがいまの学校生活だけでなく卒業後の生活も含め、安心安全にまた豊かに過ごせるように上記の学習や講座などの内容は普段の授業にも取り入れていますが、やはり外部専門家が来校してのお話は生徒たちにも新鮮であり、真剣に聞いたり質問したりできていました。我々教員もその講義を聞いて学ぶところはたくさんあります。今後ともご協力をお願いできればありがたいです。

今日1月17日は、阪神・淡路大震災が起こった日です。能登半島の被災地の人々のことを思いながら、物心両面の備えができているか、改めて考え確認する日にしたいと思います。

令和6年1月17

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(12月22日)

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<第2学期終業式をおこないました>

本日1222日は2学期最後の授業日、終業式を行いました。終業式の前には、1029日に開催された香川県高等学校新人大会相撲競技で優秀な成績を収めた高等部2年の梅林さんと国元さんの表彰、1217日に福島県で開催された第13JSCA全国知的障害者水泳競技大会(グリコチャレンジスイム2023)で、金メダルを獲得した高等部1年の入谷さんの表彰を行いました。県高校新人戦の相撲競技では、3名で戦う団体戦にも二人で出場し、高松南高校、農業経営高校の3校と対戦し準優勝。個人戦では、80キロ級で梅林さんが優勝、国元さんが準優勝と素晴らしい成績でした。当日は都合で応援には行くことはできませんでしたが、熱のこもった試合をしてくれたようです。80キロ級で優勝した梅林さんは、3月下旬に高知県である全国高校選抜大会に出場することが決定し、ますます練習に気合が入るものと思います。水泳の入谷さんは、香川県手をつなぐ育成会チームのメンバーとしてこの水泳大会に出場し、見事に金メダルを手にすることができました。入谷さんも、一般の高校生に交じって高校の大会にも出場しており、今後ますますの活躍が期待されます。また12月初めの全校集会では、屋島レクザムフィールドで開催されたWPA公認202328回日本ID陸上競技選手権大会(兼)パラ陸上競技記録会(111112日)で、女子やり投げに出場して日本記録で優勝した高等部1年の宮地さんを表彰したばかりでした。本校はいま、体育的な活動でも、たいへん活気づいています。

さて、終業式に話を戻しますが、校長講話、校歌を斉唱して式を終えたあと、生徒指導主事より「冬休みの暮らし方」について、同じく生徒指導担当教員から不審者対応の「防犯教室」を行いました。

校長講話では、学校のホームページにみなさんの活躍の様子が掲載されているので、積極的に見て2学期の活動を振り返ってほしいこと。冬休みも健康に気をつけて、各家庭等で行われる年末年始の行事を楽しみながら、新たな気持ちで2024年を迎えてほしいことなどについて話をしました。また、少し難しかったとは思いますが、イスラエルとパレスチナとの戦闘やロシアとウクライナとの戦争を例にして、地球上から戦争や争いがなくならないことにも言及し、平和を願いながら新年を迎えてほしいとの話もつけ加えました。

生徒指導主事からの「冬休みの暮らし方」の話では、○×クイズを取り入れるなど小学部の生徒にも分かりやすい内容で、子どもたちも楽しみながら学習することができていました。「防犯教室」では、若手教員による劇仕立ての演出もあり、こちらも分かりやすくためになる学習機会になったと思います。最近、警察等からの不審者情報も多く寄せられています。子どもたちが被害に遭わないよう、子どもたち自身が適切な対応を身につけるだけでなく、私たち大人も意識を高め子どもを守って必要があります。

このあと、各教室では、改めて冬休みの過ごし方について学習している学級も多くありました。繰り返して学習することで、子どもたちもより理解を深めたようでした。17日間の冬休み、生活リズムを保ちながらご家庭でのお手伝いなど、積極的に取り組んでいただければありがたいです。

2023(令和5)年もあとわずかとなりました。世の中を見渡すと、戦争や政治不信、不正の問題など、悲しさや怒りを感じることが多い昨今ですが、2024(令和6)年は、明るいニュースが多く聞ける一年にしたいなあと思います。保護者のみなさまにおかれましては、この1年間、本校の教育活動へのお力添え、本当にありがとうございました。どうぞお健やかに新年をお迎えください。児童生徒のみなさん、1月9日の3学期始業式には元気な笑顔を見せてください。

令和5年1222

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(11月26日)

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<令和5年度 若竹祭を開催‼!>

1125日(土)、今年度の若竹祭を開催しました。今年のテーマは、

『笑顔・楽しさ 二刀流! スーパーパワー 若竹祭』 です。

今年も、一般公開し、保護者だけでなく地域の方々、学校評議員のみなさま、関係機関でお世話になっている方々、卒業生のみなさまと、たくさんの方が来校されました。保護者を除く参加者の数は120名を超え、昨年を大きく上回るたいへん賑わいのある学校祭となりました。地元さぬき市の大山茂樹市長さんも来校され、学校祭を楽しんでいただきました。

大山市長さんが来校くださったきっかけは、昨年の10月、本校のフットサルチームが第1回全国特別支援学校フットサル大会出場を決めたことの報告として、選手、監督とともに大山市長さんを表敬訪問したことに始まります。今年も本校フットサルチームは第2回の全国大会に出場を決めたことから、9月27日に市役所まで表敬訪問をし、大山市長さんから選手たちへ激励の言葉をいただきました。こうしたご縁もあって、今回の若竹祭のご案内をしたところ、ご多忙の中、来てくださいました。校内の作品展や各部各学年、高等部作業班の催しもの全てをご覧になり、またゲームコーナーを楽しまれたりと、子どもたちや保護者にも気さくに声をかけていただきました。校長室で少しお話をさせてもらいましたが、本校の現状をはじめ、特別支援教育の在り方等についても熱心に耳を傾けてくれました。また学校教育をめぐる様々な課題についても意見を交わすことができ、私にとっても有意義な時間となりました。大山市長さん、ご多忙の中、ありがとうございました。

さて、催し物ですが、例年多目的ホールで行っていた小学部3年、4年の劇を体育館で行いました。体育館で実施していた作品展は、多目的ホールと図書室兼会議室の2カ所に移動し廊下や階段も使って作品展示を行いました。多目的ホールでの劇も、演ずる子どもたちと観客である保護者の距離が近くて臨場感はありましたが、会場に入る人数が限られ、発表学年の保護者だけが鑑賞するような塩梅になってしまい、他学部他学年の保護者や一般の方は見ることができない状態でした。せっかく子どもたちが一生懸命に練習して披露する劇ですので、たくさんのみなさんに見てほしいとの願いもあり、体育館に会場を移すことにしました。多目的ホールにもちょっとしたステージはありますが、その小さなステージから体育館の大きなステージに変更したことは、演技する子どもたちだけでなく、劇の内容や大道具、小道具を準備する先生方も大変であることは想像できました。しかし、3年生、4年生とも体育館ステージいっぱいを使って舞台を準備し、生活単元学習や体育の授業などで取り組んだ成果も盛り込みながら、それぞれの学年の特色を大いに発揮して、素晴らしい演技を見せてくれました。4年生はステージだけでは物足らず、フロアーまで使って伸び伸びと演技を見せてくれました。体育館ステージのトリを務めた音楽部の発表も、感動的でした。3部構成で、「いのち」の大切さを見る人聞く人の心に訴えかける素晴らしい内容でした。

各催し物をすべてお知らせしたいのですが、たくさんあってここでは書ききれません。PTAによる制服や作業服などのリサイクルバザー、近隣の福祉サービス事業所等からの物品バザーもありました。特にPTAから受付や駐車場、校内の警備など多くのみなさんが協力くださったこと、津田高校や長尾中学校の生徒のみなさん、高松大学の学生さんによるボランティアなど、本当にたくさんのみなさんのご協力により若竹祭が成立し、盛り上がったことにあらためて感謝申し上げます。着ぐるみに入って会場を回ってくれたのはPTA会長さん夫妻であることも、そっとお知らせしておきます。それぞれの催しの様子は、また順次ホームページにて公開されますのでそちらをご覧ください。

本校の子どもたち、先生方、そして来場したみなさんが「笑顔」になり、「楽しさ」があふれる若竹祭になったと思います。大谷選手の「二刀流」にも勝るとも劣らない、子どもたちと先生方の「スーパーパワー」の凄さを実感させてくれる若竹祭でもありました。働き方改革などにより学校行事の精選と見直しが云われていますが、若竹祭は年に1回、学校全体が一体となって取り組む数少ない行事です。準備は大変ですが、やはりこの大変さがあるからこそ、やり遂げた充実感も大きくなり、子どもたちが「大きく変わる」チャンスにもなります。若竹祭、これからも大切にしたいですし、大切にしてほしいと思います。みなさん、ありがとうございました。

令和5年1126

香川東部支援学校長 田中 豊

R5wakatake_theme_rainbow

<若竹祭のテーマと『みんなで東部に虹をかけよう』プロジェクト>

校長室より(11月9日)

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<第2回全国特別支援学校フットサル大会観戦記>

11月3日、4日の二日間、福岡市博多区にあるアクシオン福岡を試合会場に、第2回目となる全国特別支援学校フットサル大会が開催されました。9月1日発信の「校長室より」にも書きましたが、本校競技部フットサルチームが四国代表としてこの大会に参加しました。大会の規定によるチーム編成の上限は、生徒8名、引率者3名でしたが、本校は生徒6名(高3が2名、高2が2名、高1が2名)、引率3名で臨みました。当初は7名の生徒を選手登録していましたが、高3の生徒が一人行けなくなり、出場校の中でも最少の人数で大会に臨むことになりました。文化の日と土日が続き3連休であったことから、私も会場まで応援に駆け付けました。本校からも、この大会に向けて制作したのぼり旗を持って、自家用車や新幹線に乗って有志の先生方6名が応援に駆け付けてくれました。本校選手のうち唯一の女子生徒については、祖父母を始めご家族4人がはるばる自家用車で応援に来てくれ、大きな声援を送ってくれました。

大会には全国10地区の地方大会を勝ち抜いた10校と、開催地枠1校、特別枠1校の計12校が参加し、4校ずつA、B、Cの3つのブロックに分かれて予選リーグを行い、予選リーグの成績に応じて決勝・順位決定リーグを戦うというものでした。予選リーグ各1位は決勝リーグへ、2位は4~6位、3位は7~9位、4位は1012位の順位決定リーグに進み、優勝から最下位である12位までが決定します。本校は予選Bブロックで、福岡県立特別支援学校福岡高等学園、栃木県立特別支援学校宇都宮青葉高等学園、愛知県立名古屋聾学校の3校と対戦しました。予選の1試合目は名古屋聾学校。名古屋聾学校は昨年も全国大会出場の強豪校で、キーパーを中心にした堅い守りと手話による連携プレーを持ち味にしたチームでした。昨年の全国メンバーも3名残っていたようで、本校も苦しい戦いを強いられると思っていましたが、結果は0対5で完敗でした。本校もキーパーの3年生を始め2年生2名が全国経験者でしたが、初戦の緊張からか硬さが取れず、防戦一方という印象でした。2試合目は福岡高等学園。今回の全国大会出場校12校のうち、高等部のみの設置校は9校にのぼり、その9校はいずれも学校規模は本校より大きな学校ばかりでした。福岡高等学園は3学年の在籍者数は現在114名とのことで、本校高等部の生徒数55名からすると2倍の規模です。九州地区大会は3位になって開催地枠での出場を決めたようですが、初出場ということもあり本校にもチャンスがあるのではと期待していましたが、結果は0対2で敗れました。前線にボールは出るものの、あと一歩の攻撃力が足りなくて好機にもシュートが決まらず、一方、相手チームは僅かのスキを突いたゴールで2点を挙げ、全国大会初勝利を挙げることとなりました。予選最後の3試合目は宇都宮の青葉高等学園。こちらも初出場でしたが、千葉・栃木県大会で昨年度全国大会に出場した流山高等学園を破って東関東大会に進み、そこで優勝して全国の切符をつかみ取ったチームです。試合前のシュート練習やパス練習を見ているだけでも格が違うなあと感じていました。試合はやや一方的な展開となり、自陣のコートで防戦する時間が長いような状態でした。結果的には6点取られはしたものの、キーパーとして出場した女子生徒は相手の厳しいシュートに対して好セーブも見せてくれました。この試合でも攻撃陣は1点も取れず、予選リーグを通しての勝ち点は0、順位決定リーグは10位~12位のグループに進むこととなりました。

生徒たちも自分たちが思い描くようなゲーム展開ができないことに元気を失っていたようでしたが、応援に来てくれた先生方からも励ましの言葉をかけてもらい、順位決定戦に臨みました。相手校は東北代表の宮城県立小松島支援学校、北海道代表の市立札幌みなみの杜高等支援学校でした。順位決定の1試合目は小松島支援学校。平成26年に開校したまだ新しい知的障害の子どものための学校で、全国大会は初出場です。小学部、中学部、高等部があり、全校児童生徒数も273名。本県でいえば香川丸亀支援学校ぐらいの規模で、本校よりも大きな学校です。予選リーグでは0勝2敗1分けと、全国大会初勝利はまだの状態で本校と対戦しました。力的にも拮抗している印象で、本校もまずは1勝をめざして奮闘しましたが、惜しくも0対1で敗れました。絶好のシュート機会が何度かありましたが決めきれず、相手にはこぼれ球を押し込まれ1点を取られ負けてしまいました。次は泣いても笑っても最終戦、相手は札幌みなみの杜高等支援学校。6年前の平成29年に開校したこちらも新設校で、生徒数が161名、ホームページを拝見すると「杜カフェ」というランチ営業もしている喫茶店の運営にも取り組んでおり、センターコース、キッチンコース、サポートコース、工房コースなど7つのコース制(令和6年度から6コースに改編するそう)の教育課程を採用しています。とても先進的で、設備も素晴らしい支援学校だと感心しました。この文章を読んでいただいているみなさま、ぜひ、みなみの杜高等支援学校のホームページをご覧ください。高等支援学校ですが、これだけ全国各地に設置されているにもかかわらず本県は未設置です。本県も知的障害の特別支援学校児童生徒数は増加しており、その対策が必要ですが現状はなかなか厳しいものがあります。本校も高等支援学校で取り組んでいるような教育内容にチャレンジしたい思いはありますが、敷地も狭く施設設備面での余裕もなく、何よりホームルーム教室さえ不足している現状ではとても難しい。これ以上書くとフットサル観戦記からテーマが大きく外れるので大会の様子に戻ります。みなみの杜高等支援学校との最後の一戦に臨んだ本校チームは、ピヴォ(サッカーではフォワード)とフィクソ(サッカーではセンターバック)の選手を入れ替え、守備中心から攻撃的なスタイルに変更しました。ちなみに、フットサルではゴールキーパーのことをゴレイロ、ミッドフィルダーのことをアラというそうです。レギュラーであるゴレイロの高3男子生徒がアラに上がり、ゴールは高3の女子生徒が守ることとなりました。この作戦が奏功したのか、フィクソからピヴォに上がった高2生徒が早速シュートを決め、今大会初得点。応援団も大喜びというかホッとしたというか…、幸先の良いスタートとなり、そして続けざまにピヴォの生徒が得点を重ね2対0とリードを広げました。しかし、みなみの杜高等支援学校も小松島支援学校から全国初勝利を挙げて勢いがあり、すかさず1点を返しました。本校も守りに入るのではなく積極的に点を取りに攻撃をしかけましたが、惜しいところでシュートが外れたりキーパーに阻まれたり。このまま2対1で逃げきってほしいとの願いもありましたが、終了間際にゴールを決められ同点引き分けとなりました。

大会の結果ですが、優勝は予選リーグでも対戦し完敗を喫した宇都宮青葉高等学園。決勝リーグも接戦をものにしたようで、初出場で初優勝でした。おめでとうございます。本校の成績は予選、順位決定リーグを通じて1勝も挙げることなく全国12位、一番下の順位でした。主力が一人欠けた状態で厳しい戦いになると思ってはいましたが、昨年より全国のレベルも上がってきており、生徒たちも「敗戦」という現実から少なからずのことを学んだようでした。予選の3試合、順位決定の2試合、全国からの代表と5試合も戦えたことは生徒にとってとても貴重な経験で、各試合とも随所に素晴らしいプレーも見られました。ただ一生懸命に頑張っても負けることはありますし、負けた悔しさから得る学びというのも人生には必要です。その学びを次に生かせるかどうかは、本人だけでなく我々教師にとっても課題であり、いい機会にもなります。これからの学校生活で生徒たちがどう変化するか、楽しみです。

この大会を主催していただいた公益財団法人日本ライオンズのみなさまには、心から感謝申し上げます。特に実行委員会を運営された日本ライオンズの九州地区のみなさまには、本当にお世話になりました。開閉会式の会場と宿舎となった大観荘では、本校生徒との心温まる交流もあったと本校監督からも聞きました。また、運営スタッフとして活躍してくれた九州産業高等学校の生徒のみなさん、ハーフタイムショーを担当してくれた精華女子高等学校のみなさんもありがとうございました。精華女子高等学校吹奏楽部の演奏は素晴らしいというか圧巻というか、思わず目頭が熱くなりました。この感動を書き始めるとまた文量が多くなるので割愛しますが、本当に凄かったです。多くのみなさまに支えられて、この大会に臨めた生徒たち、そして先生方も幸せだと思います。現地で応援ができた私も幸せな時間でした。長々と読んでいただきありがとうございました。

令和5年11月9日

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(10月24日)

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<中学部の修学旅行が無事に終了しました>

10月に入りました。1011日から2泊3日で、中学部3年生が和歌山方面への修学旅行に行きました。貸し切りバスで学校を出発して、神戸に新しくできた水族館「アトア」を見学してから和歌山へ。「紀州梅干館」で梅ジュースづくりを体験し、和歌山市内のホテルで宿泊。2日目は、みんなが楽しいにしていたアドベンチャーワールドで1日を過ごし、同じホテルで連泊しました。3日目は午前中に観光名所でもある「三段壁洞窟」を見学し、黒潮市場でお昼ご飯を食べたりお土産を買ったりして帰路につきました。13日の夕方5時半過ぎ、無事に学校に帰着し、多くの先生方が横断幕を掲げて出迎えてくれました。それを見た生徒たちは、元気に笑顔でバスを降りてきました。解散式のあと、各担任よりお迎えに来てくださった保護者のみなさんに子どもたちをお渡ししましたが、みんな一様にほっとした安堵の表情でした。また楽しい旅行の様子は写真付きでホームページに掲載される予定ですので、ご覧ください。 

<現場実習先を訪問しました>

高等部では1010日から後期現場実習が始まっています。3年生は10日から27日までの3週間、2年生は16日から27日までの2週間、校外に出て一般企業から福祉サービス事業所まで実際の現場で実習をさせてもらっています。1年生も16日から2週間の予定で校内実習に取り組んでいます。毎回のことですが、1019日、20日の二日間、淀進路指導主事の案内で3年生の実習先を2カ所、2年生の実習先を6カ所訪問させてもらいました。実習先はまだまだたくさんあるのですが、今回は8カ所の訪問でした。3年生の実習先2カ所はいずれも企業で、二人ともそこでの就職を目指しての実習です。二人とも6月の前期現場実習では別の会社で実習をしましたが、会社から求められる力と本人の適性がうまくマッチせず、今回は新たな企業でのチャレンジとなりました。一人は染め物の工場で、もう一人は電力会社の系列の特例子会社です。

染め物工場は大きな機械がたくさんあり、実習生は職場の方とペアになっての仕事です。染め加工が終わって洗濯した布や毛糸をベルトコンベア式の大きな乾燥機械にどんどんセットをしていく仕事をしていましたが、職場の方が実習生のことをよく理解してくれて、分かりやすい指示を出してくれているようで、実習生も丁寧に取り組んでいました。「一生懸命にがんばる」という気持ちが身体からにじみ出ている印象も受けました。職場の方同士も声を掛けあい、とても温かい雰囲気を感じ、実習生も将来ここで働くことができたらいいなあと思いました。

もう1名が実習している会社は、本校だけでなく香川中部支援学校卒業生も含め障害のある方を多数雇用してくれている特例子会社です。自社が保有する研修センターに本拠を置き、研修センター内の清掃管理や、本社においてはパソコン入力などの事務作業も行っています。研修センターにはホテルの客室と同じ造りの宿泊施設があり、実習生は各居室の清掃作業、ベッドメイキング等の仕事に取り組んでいました。3~4名でチームを組んで6階まである居室を順次清掃していく仕事ですが、実習生の指導役はこの会社に就職して1年半になる本校の卒業生です。彼女が本校高等部3年生の時に実習生としてお世話になった折にも、実習の様子を見学させてもらいましたが、今やもうベテラン社員のようにてきぱきと自分の仕事をこなしながら、実習生にも指示を出してくれていました。ご本人は「先生が来たら、私も見られているようで緊張します」と言っていましたが、たくましく成長し後輩のよい見本として活躍している姿に、こちらは「ありがとう、後輩をよろしく頼みます」と感謝の言葉を返しました。実習生もベッドメイクなどの作業も丁寧にまた上手にできており、やはり一生懸命さが身体から伝わってきました。会社からの評価も良く、あと1週間、体調管理に気をつけて実習を終え、将来に向けてのいいお返事がいただけることを期待しています。

このほか、2年生の実習先を訪問した時には、将来的な雇用について検討してもよいという有難い話をいただく企業もあり、実習生それぞれの頑張りや一生懸命さが社会の中で評価され、子どもたちへの理解が進んでいくんだなあと実感させてもらいました。

学校内に目を移すと、高等部1年生の後期職業週間(校内実習)だけでなく、中学部では23日から1週間の後期作業週間と、中学部・高等部とも働くことを中心に据えた学習に取り組んでいます。将来の職業生活に向けて、段階を追って経験を重ねることで自分の得意なこと苦手なことを理解し、自分で将来の進路を選択できればいいなあと思っています。

令和5年1024

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(9月28日)

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<9月のトピックスをいくつか紹介します>

2学期がスタートして4週間、この間にも、たくさんの学習や行事などがありました。今日までの学校の様子をお伝えしたいと思います。 

【第24回香川県障害者スポーツ大会(9月9日)】

Pikaraスタジアム(香川県立丸亀競技場)で、香川県障害者スポーツ大会が4年ぶりに開催されました。この大会は県内全体の大会で、陸上競技だけでなくフライングディスク競技、隣の丸亀市民体育館では卓球競技も開催され、各障害者施設や福祉サービス事業所からもたくさんの方が参加されていました。各特別支援学校からも多くの生徒が参加し、大会を盛り上げました。本校からは競技部生徒のうち12名が参加、コンディション不調で参加できなかった生徒もいますが、3年間この大会が実施できなかったこともあり、12名全員が初めての大会参加となりました。本校の参加種目は全員が100メートル走にエントリーし、男女混合の4×100メートルに2組エントリーしました。各種目とも競技した組ごとの表彰で、1位、2位、3位には、賞品が贈られました。リレーについては、3位まで表彰状が贈られます。各レースの組み合わせですが、知的の各特別支援学校については、大まかには学校ごとのまとまりでの組編制となっており、校内対決の様相でした。さすがにリレーについては、学校間対決の組み合わせでした。全員が出場した100メートル走ですが、みんな持てる力を十分に発揮して、全員とはいかないまでもたくさんの生徒が3位までに入賞し、賞品をいただきました。Aチーム、Bチームの2組エントリーしていたリレーでは、Bチームがメンバーの欠席により欠場したものの、Aチームはリレーの最終組で香川中部支援学校、香川丸亀支援学校、附属特別支援学校、香川西部支援学校の知的5校の対抗戦となりました。第1走はほぼ互角だったものの、第2、第3とバトンをつないでいくうちにだんだんと後続を引き離し、第4走の生徒もスピードを緩めずダントツでゴールしました。メインのメンバーがコンディション不調で欠場し、サブメンバーを一人入れて臨んだリレーでしたが、4人が思いをつないで見事に第1位、晴れやかな4人の笑顔が緑のグランドに映えていました。 

【文化芸術による子供育成事業・オルカ金管楽器5重奏の鑑賞(9月11日)】

この事業は文化庁主催で、希望のある学校に芸術家や芸術集団を派遣してくれる事業で、今年度は大阪のオルカミュージック音楽事務所から6名の演奏家のみなさんに来ていただいて、金管楽器5重奏の音楽鑑賞とワークショップを実施しました。演奏体験などのワークショップもありますので、学部ごとに同じ内容で取り組むこととなり、この日は小学部児童が参加しました。金管管楽器はトランペット2本、トロンボーンとホルン、チューバ、そしてドラムセット1台の編成でしたが、さすがはプロ、豊かな音色とハイレベルな演奏を聴かせてくれました。児童にとって親しみやすい曲も演奏いただき、会場も盛り上がり歌を口ずさむ児童もいました。ワークショップでは、マウスピースで音を出したり、プラスチック製のトロンボーンを実際に吹かせてもらったりと楽しい時間もあり、笑顔がいっぱい溢れていました。オルカミュージック代表の木村さんと子どもたちとの軽妙な会話も楽しく、たくさんの経験を積まれているなあと感心しました。この様子については、写真付きでホームページにも紹介されていますのでご覧ください。

【第2回学校見学会(9月12日)】

6月に続いて、第2回目の学校見学会を開催したところ、幼児児童生徒、保護者、生徒等の担任の先生も含めて、60名ほどのたくさんの方が参加してくれました。私からの学校概要の説明のあとは、授業の様子や校内施設等を自由に参観してもらいました。午後からは、本校への入学を希望する本人・保護者を対象とした教育相談会も実施し、各部主事が対応しました。特別支援学校へ進路を取るのがいいのか、地元の小学校、中学校、また高等学校に進学するのがいいのか、悩まれている方も多いです。一番大切にしてほしいのは本人の思いです。本人の気持ちを十分に受けとめて、進路を考えてほしいと思います。 

【高等部体験入学(9月15日)】 

次年度に本校高等部への入学を検討している地域の中学校に通う3年生を対象とした体験入学を実施しました。参加予定の生徒は15名でしたが、感染症の影響で欠席の生徒もおり、当日は生徒14名が参加しました。生徒だけでなく保護者や参加中学校の担任の先生も参加し、40名近い体験入学となりました。最初に高等部主事より高等部の教育内容の説明があり、そのあとグループに分かれて作業学習の見学をして実際の学習にも取り組んでもらいました。本校の作業学習班は6つ(陶芸班・木工班・受注班・縫製班・園芸班・クリーン班)あり、各班2~3名ずつに分かれてそれぞれの作業を体験しました。クリーン班でスクイジーを使い校舎の窓ふきを体験していた中学生に少し話を聞く機会がありましたが、「おもしろいです」と言いながらも担当教員の指示をよく理解して、真剣に取り組んでいました。今回は作業学習だけでしたが、本校高等部に入学すると様々な学習に取り組みます。楽しみにしておいてほしいと思います。 

【高等部2年生の修学旅行(9月20日~22日)】

高等部2年団が東京方面への修学旅行に行ってきました。東京方面への修学旅行は令和元年以来4年ぶり、東京ディズニーランドをメインに雷門や浅草寺、東京スカイツリー、すみだ水族館、上野動物園など定番と云われればそうですが、東京に行くのが初めて、飛行機に乗るのも初めてという生徒も結構いて、高松空港ではスーツケースを預けるところからワクワク感が伝わってくるほどでした。手荷物検査場のゲートをくぐるのもドキドキだったのではないでしょうか。ゲートの手前まで見送った私も、少しドキドキしながら旅行の無事を祈るばかりでした。

今回の修学旅行は、健康上の理由で飛行機に乗ることが難しいため、高松駅からマリンライナーと新幹線を使って東京まで行く生徒もおり、2班に分かれての旅行となりました。JRで移動するグループには、引率教員だけでなく、訪問看護師さんも帯同していただきました。また、万が一に備えて、生徒の保護者も一緒に行っていただきました。看護師さんは、香川県医療的ケア児等支援センター「ソダテル」を主宰する経験豊富な英さんに依頼しましたが、修学旅行までに何度か本校に来ていただき、今回の修学旅行に参加する医療的なケアが必要な生徒の状況把握や、生徒との信頼関係を築いてもらいました。そういった事前準備もしながら、安心安全な修学旅行をめざしました。

22日の最終日の夕方、高松空港まで出迎えました。手にはスーツケースに加えて大きなディズニーランドのお土産袋、飛行機が無事に着いたという安堵感と笑顔で到着口から出てきました。旅の疲れが顔に出ている生徒もいましたが、どの生徒もまぶたの奥には楽しかった思い出がきらきらと輝いているように感じました。迎えに来てくださった保護者のみなさまも、一様に安堵した表情でした。あとで連絡がありましたが、新幹線とマリンライナーで帰ってきたグループも、体調もよく元気に高松駅に到着したとのことでした。修学旅行道中の様子は、近々ホームページに掲載されると思います。私も楽しみにしています。 

【中学部1年、2年の南川デイキャンプ】

中学部2年生は9月21日(木)、1年生は翌22日(金)、それぞれの学年で南川少年自然の家で日帰りキャンプを楽しみました。2年生のメインイベントは火起こしから体験するバーベキュー、そのあとの川遊びでした。1年生は長尾地区の民生委員さんに現地まで来ていただいて、交流のオリエンテーリング大会をしたあと、昼食弁当を挟んで川遊びでした。こちらもまた、近々ホームページに写真付きで掲載されることでしょう。

【第2回防災避難訓練(9月26日)】

今年度2回目となる避難訓練は、地震を想定した訓練でした。さぬき南消防署からも7名の消防隊員、救命救急隊員の方が来てくださり、訓練の様子を見て指導をしてもらいました。緊急地震速報の発令、地震の発生、いのちを守る行動、対策本部の設置、避難誘導の放送や実際の避難行動、集合点呼の仕方、負傷者を想定した救護所の運営、救急車の要請など、短時間で手分けしながら多岐にわたる行動をしなければなりませんが、本当に大きな地震が起きた際には、訓練のようにスムーズな避難ができるかどうかわかりません。臨機応変な対応とよく言われますが、これも何回も訓練やシュミレーションを繰り返してこその臨機応変です。肝に銘じておきたいと思います。子どもたちの様子ですが、「だんごむしのポーズ」をして頭を守り、たいへん落ち着いて避難できていました。素晴らしい。

【学習参観(9月28日)】

2学期の学習参観を行いました。学習参観日は年間3回を予定していますが、週末にお仕事をされている保護者も来校できるよう、3回のうち、1回は今日のように平日に実施しています。参観していただくだけでなく、1校時には小学部、中学部の保護者を対象とした「進路研修会」を催しました。また、2校時には高等部保護者対象に「スマートフォンを介したトラブルに関する研修会」も実施しました。「卒業後の進路」というと、どうしても高等部からというイメージを持たれている保護者も多く、できるだけ早い段階から卒業をイメージして、小学部、中学部のいま、何をしておけばよいかを考えていただくことを目的にこの研修機会を設けています。研修会には30名ほどの保護者が参加され、みなさん真剣に進路指導主事の言葉に耳を傾けていました。2校時のスマートフォントラブルの研修会は、最近本校でもしばしば起きているスマートフォンを介したトラブルについて、具体的事例も交えながら、生徒指導主事が話をしました。人権や使い方を誤るといのちにもかかわるといった大切な話でしたが、参加した高等部保護者が14名とやや少なかったのは残念でした。平日の参観日ということで参加できなかった方には申し訳なく思いますが、またの機会を見つけて、保護者のみなさまにも繰り返し研修していただく必要があると考えています。

授業参観は保護者のみなさまが楽しみにしているだけでなく、子どもたちも楽しみにしている学習活動の一つです。お天気にも恵まれ、たくさんの笑顔があふれる一日となりうれしく思います。お忙しい中参観いただき、本当にありがとうございました。 

そうこうしているうちに、あと2日で9月が終わります。学年ごとの校外学習とか、小学部の人権教室とか、高等部の生徒総会や役員選挙とか、ボランティアサークルによるお話の会とか、9月にはまだまだたくさんの学習や行事がありました。ここではすべて書ききることができませんことをご了承ください。

10月から、ホームページの画面がリニューアルされます。学校の出来事もスピーディーに見やすく掲載されるようになります(なる予定です)。乞うご期待ください。

令和5年9月28

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(9月1日)

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<第2学期のスタートと夏休みのトピックス>

今日から第2学期が始まりました。夏休み中、「校長室より」の掲載が滞っておりましたが、夏休み中にも生徒が活躍する場面がたくさんありました。いくつかご紹介します。

【第39回香川県特別支援学校知的障害教育校水泳大会(7月28日)】

香川県総合水泳プールで開催されたこの大会には、競技部15名が各種目に参加しました。以前にもこの小紙面でお話ししたと思いますが、本校の競技部は県内または全国につながる大会に向けて、様々なスポーツに取り組みます。県内特別支援学校の大会として実施されるものは5月のソフトボール大会、今回の水泳大会、2月に開催される駅伝大会があります。また、9月にある香川県障害者スポーツ大会にも参加します。昨年度から始まった全国特別支援学校フットサル大会にもチャレンジしています。春からのソフトボールに始まり、水泳、フットサル、陸上、駅伝と子どもたちも切り替えが大変だとは思いますが、一生懸命頑張っています。特にこの水泳競技については、本校のプールが故障したまま使用することができないため、子どもたちに十分な練習環境を整えてあげることができていません。大変申し訳なく思っています。練習は車で10分ほどにあるBGのプールを使わせてもらっていますが、移動にかかる時間を考えると放課後に練習するのは難しいので、週末のみ集中して取り組んできました。制約のある環境のなかでしたが、大会当日はそれぞれがとても素晴らしい泳ぎを見せ、応援に来ていただいた保護者や教員からも惜しみない拍手が送られていました。なかでも高等部1年生の入谷さんは、女子25メートルバタフライと平泳ぎの2種目で大会新記録を出し優勝しました。高等部3年生の小林さんも女子25メートル背泳ぎで大会新記録を出して惜しくも準優勝でした。小林さんは女子25メートル自由形でも準優勝となり、誇らしげにメダルをかけてもらっていました。そのほかの個人での入賞は、高等部2年の国元さんが男子50メートル自由形で3位に入賞しました。男女混合で競うメドレーリレーでは、入谷さん、国元さん、小林さん、松村さんの4人が力を合わせてタッチをつなぎ、見事準優勝。女子4×25メートルフリーリレーでは、入谷さん、小林さん、石原さん、國信さんの4人が出場。こちらも3位に入賞しメダルをもらいました。声出し応援が可能になって、一番盛り上がったのはやはりリレー種目です。会場の大声援も、生徒たちの頑張りに大いに力を与えてくれました。短期間の限られた練習の中で、子どもたちも精一杯持てる力を発揮できた素晴らしい大会でした。

【令和5年度全国高等学校総合体育大会相撲競技(8月4~6日)】

続いて、8月4日から6日にかけて北海道北斗市で開催された夏のインターハイ相撲競技です。本校からは県の高校総体を勝ち抜いた高等部2年の梅林さんと国元さんが出場しました。梅林さんは無差別級、国元さんは80キロ級の個人戦に出場しましたが、梅林さんは昨年に続き2回目の全国インターハイ、国元さんは全国大会初出場でした。なかなか全国の壁は厚く、二人とも初勝利はなりませんでしたが、小さな体で大きな体格の選手に向かっていくことはとても勇気がいることだと思います。勝つことはできませんでしたが、負けから学ぶこともたくさんあると思います。挑戦しないと負けることもできません。よく「やらぬ後悔より、やる後悔」と言われますが、「後悔」とか「反省」は何もしなければ生まれないもので、何ごともチャレンジしないと始まりません。この貴重な経験を、また来年に向けての努力としてほしいですね。引率の本校宮本先生の話では、試合に敗れた翌日、少し観光できるような時間もあったようですが、生徒二人は大会を見に行くといって、上位に残った他県の選手の相撲を見に行ったそうです。やっぱり相撲が好きなんだなぁと思いました。

【第2回全国特別支援学校フットサル大会中国地区・四国地区大会(8月27日)】 

最後にもうひとつ。夏休み最後の日曜日に岡山市内にあるIPU・環太平洋大学の体育館を会場に開催されたフットサル大会、昨年に引き続き本校も参加しました。昨年度は愛媛県東温市で四国地区大会が開催されましたが、今年から中国地区、四国地区が同じ会場で二つの大会を行う形となりました。昨年は競技に必要な最少人数の5名で四国予選に臨みましたが、今年は競技部全員で大会に参加し、その中からレギュラー選手を選び、コートに立ったのは7名の生徒でした。今年の四国地区の参加校は、香川中部支援学校、今治特別支援学校、宇和特別支援学校と本校の4チームで、4校総当たりの予選を行い、予選1位、2位による決勝で全国大会出場が決まるという形式でした。予選の最初は香川中部支援学校と対戦し、9対0で勝ちました。香川中部支援学校は初めての参加で、選手たちも緊張していたようでしたが、香川県から出場してくれたことは大変うれしいことでした。2戦目は今治特別支援学校、実力伯仲の相手でしたが、2対0で守り切って勝利し、続く3戦目では、宇和特別支援学校に2対1と全勝で予選を勝ち抜きました。決勝戦では、予選2位の今治特別支援学校と全国大会への切符をかけての勝負。先取点は取ったもののすぐに同点に追いつかれるなど緊迫したゲーム展開でしたが、だめ押しの2点を追加し、3対1で優勝をつかみ取りました。優勝の瞬間、コート内の選手だけでなく2階から応援していた競技部の生徒たち、応援に駆けつけてくれた保護者や教員からも大歓声が沸き、喜びを分かち合うことができました。本校は昨年度の全国大会出場メンバーが4名残っており、優勝候補との前評判もあったようですが、選手たちのプレッシャーはかなりのものだったようです。試合中には、新しくチームに入った1年生に2,3年生たちが常に声をかけて気遣い励まし合い、それに応えるように1年生も一試合ごとに成長していったのも勝利の要因だと思います。チーム一丸になるとはまさにこのことをいうのでしょう。自分の力と可能性を信じて最後まで一生懸命に取り組む選手たちに、私たちも大きな感動をもらいました。ありがとうございました。選手たちには、大会に臨むまでの競技部先生方の指導と、たくさんの応援があって、この結果があるということは覚えておいてほしいです。感謝の心を忘れないでほしいと思います。

今年の全国大会は、福岡市のアクシオン福岡という会場で、11月3、4日に開催されます。大会まであと2か月、目標は高く持って頑張ってほしいです。

さて、いよいよ2学期がスタートしました。まだまだ残暑が厳しい体育館で始業式を行いましたが、みんな元気な笑顔を見せてくれ安心しました。2学期は若竹祭(学校祭)という学校全体で取り組む大きな行事もあります。高等部2年生と中学部3年生は、待ちに待った修学旅行もあります。高等部3年生は、将来の進路を決める大切な現場実習も控えています。また、各学年等でもさまざまな学習や行事にも取り組みます。感染症にも気をつけながら、健康で実りある2学期を過ごしてほしいと思います。私たち教員も、気を引き締めて頑張ってまいります。2学期もよろしくお願いいたします。

令和5年9月1日

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(7月20日)

香川東部支援学校のWebサイト(ホームページ)をご覧いただき、ありがとうございます。

<1学期が終わりました>

本日7月20日(木)1学期の終業式を行いました。新年度が始まって約4か月近くが経ちましたが、その間、件の感染症が「2類」から「5類」へ移行されるという社会状況にも大きな変化がありました。学校生活においても、教室等の消毒などは必要に応じてとなり、マスクの着用も個人の判断ということで、厳重に行われていた感染症対策もだんだんと緩和されていきました。「5類」に移行した5月の連休明け頃は、まだまだ対策を緩める雰囲気ではなく、児童生徒や職員もマスクを外すことが難しい状況でした。しかし、5月末に梅雨入りしてからだんだんと蒸し暑くなり、気温も30℃を超える日が続くようになるとマスクを外す人も増えてきました。マスクの着脱については特に指示等はせず、個人の判断に委ねていますが、やはり感染リスクの高い子どもたちもいますし、ご家族に高齢者がおいでる職員もいますので、みんながマスクを外すということはできない状況です。それに1週間ごとに定点把握として発表される感染者の数字は拡大の一途をたどっていますので、なかなか気が休まる感じはしません。

さて今日の終業式の校長講話では、夏休み中の約束として三つのことを子どもたちにお願いしました。一つ目は「はやね、はやおき、朝ごはん」、二つ目は「毎日の家のお手伝い」、三つめは「楽しい思い出をつくる」でした。子どもたちの夏休み中の生活は様々だと思います。でも何か一つ、ご家庭でできることを決めて取り組んでほしいなあと思います。これは、将来の働く力に必ず結びつきます。ご家庭でぜひ話し合ってください。

終業式のあとには、8月4日(金)~6日(日)にかけて北海道北斗市で開催される全国インターハイ相撲競技に出場する高等部2年の梅林さんと同じく2年の国元さんの壮行会を行いました。梅林さんは昨年の全国インターハイ(高知市)に続いて2年連続の出場、国元さんは全国初出場です。二人とも、まずは全国大会初勝利をめざして体調を整え、全力を尽くして頑張ってほしいです。

壮行会の後は、「夏休みの過ごし方」について、生徒指導主事より講話がありました。わかりやすいスライドを使いながら、クイズなども交え、小学部の子どもたちにもよく分かる内容でよい学習の機会となりました。そのあと引き続いて実施したのが「防犯教室」。内容は「不審者への対応」で、若手教員二人が児童生徒役、教頭二人が不審者役になって寸劇スタイルで行いました。教頭の一人はサングラスにアロハシャツといったいかにも怪しい人物に扮装し、児童生徒役職員に声をかける、もう一人は真面目な風貌で優しく声をかけるといった設定に対して、どのように対応したらよいかを考えました。寸劇を披露した四人の名演技に加え、進行を担当した生徒指導部教員の軽妙な語り口もあって、会場は大いに盛り上がりました。「知らない人にはついていかない」ということを、よく理解してくれたのではないかと思います。

明日から42日間の夏休みに入ります。すでに猛暑になってはいますが、そろそろ梅雨明け宣言も出て、さらに暑くなることも予想されます。子どもたちだけでなく、保護者のみなさまも健康に留意され、また2学期には元気に笑顔でお会いできればと思います。

今学期のたくさんのご支援ご協力、本当にありがとうございました。

令和5年7月20

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(7月7日)

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<6月のトピックス>

6月4日以来、「校長室より」の発信が滞っていました。6月は各部とも学年団による校外学習などの行事、中学部では前期作業週間、高等部では現場実習や前期職業週間など、各部の教育目標に合わせた様々な取組がなされました。

小学部に目を向けますと、6月8日には、毎年恒例になっている地元長尾小学校との交流学習(ホームページ掲載済)、15日には、4年生が「たかまつミライエ」への校外学習、23日には5年生が「香南アグリーム」でのピザづくり体験(ホームページ掲載済)、3年生はコトデンに乗って高松に行って、レストランでのお食事体験(ホームページ掲載済)など、子どもたちにとってワクワクするような体験学習が行われました。

中学部でも29日に学年ごとの校外学習や職場見学に行きました。1年生は「さぬきこどもの国」へ(ホームページ掲載済)、2年生は「体験学習館マーレリッコ」へ(ホームページ掲載済)、3年生は高等部への進学も見据えて、高等部2、3年生の現場実習先に職場見学に行きました。それぞれの校外学習等の実施にあたっては、子どもたちが自ら考え判断し行動ができるよう校内で事前学習を積み重ねています。学校で学んだことを社会に出て実際にやってみる、そして上手くやり遂げるという成功体験を通じて自信がつく、この繰り返しが本校の教育の基本形なのかもしれません。事前学習をたくさん積み重ねても、実際の現場に出て失敗する、上手くいかないこともあると思います。その失敗経験を次の学びにいかに生かしていくか、子どもたち自身も考えなければなりませんし、事前学習の在り方も含め、私たち教師も真剣に考えなければならない課題です。

6月28日には、進路指導主事とともに高等部2、3年生の現場実習先を訪問しました。20年ほど前には、他校ですが進路指導を担当していた時期もあり、現場実習先を訪問するのは気も引き締まりますがワクワクする気持ちもあります。産業現場等で働く子どもたちの姿を見るのも楽しみですが、職場の方とお話ができるのも楽しみです。午前中に企業を3社、福祉サービス事業を1カ所、午後から企業1社と東かがわ市役所を訪問しました。うち、高等部3年生が実習する企業2社は、卒業後の就労も視野に入れた実習先でした。二人ともとてもいい表情で仕事に取り組んでいましたが、会社の雰囲気というのはそれぞれ特徴があります。会社の規模の大小にかかわらず、またこれまで障害のある方を受け入れているか否かにかかわらず、雰囲気のよい会社というのはわかります。長年の勘というか、体感覚というか…。各社からの実習後の評価はこれからですが、本人が生き生きと長く働ける場所が一番望ましいと考えています。障害があっても社会人の一人として、企業で働ける人はまだまだたくさんいると思います。効率やコスパが優先され、何となく息苦しい世の中ですが、障害のある人の働く場を広げることが、優しい世の中に変えていくと思います。この思いはまた別の機会にでも。

対外的には、6月18日(日)、徳島市のむつみパーク蔵本の相撲場で、四国高校総体相撲競技が開催され、本校からは団体戦と個人戦に3名の生徒が出場しました。団体戦は残念ながら予選敗退でしたが、高3になって初めて相撲を始めた生徒が初勝利を収めました。個人戦でも高2の生徒が四国大会初勝利を収め、少しずつ成長している様子がうかがえました。

今日7月7日は、午後から高等部2、3年生による現場実習報告会があります。実習の成果発表の場で、保護者も来ていただけます。どんな発表をしてくれるか楽しみです。

令和5年7月7日

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(6月4日)

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<第63回 香川県高等学校総合体育大会 相撲競技で団体戦準優勝!>

6月3日(土)~4日(日)の二日間、今年度の香川県高校総体が開催され、本校からも相撲競技に3名、水泳競技に1名の生徒が参加しました。

水泳競技に参加したのは、高等部1年生の入谷友子さん。50メートル自由形と100メートル平泳ぎの2種目に出場しました。各種目とも予選がありましたが、50メートル自由形は17人中11位、100メートル平泳ぎは13人中11位という結果で、決勝レースに進むことはできませんでした。しかし、両レースとも自己ベストを更新し、本人もやり切った感じでレースを終えたとのことでした。まだ1年生ですので、これからの成長が大いに楽しみです。

相撲競技の団体戦は、農業経営高校と高松南高校と本校が総当たりする三つ巴の戦いでした。団体戦は5名からなる戦いですが、3名いれば出場することができます。高松南高校は5名を揃えて試合に臨みましたが、本校も農業経営高校も3名で出場しました。戦績は高松南高校が農業経営高校と本校に勝ち2勝で優勝、本校は農業経営高校に勝ち、1勝1敗で見事に準優勝を獲得しました。個人戦は体重関係なしの階級で、高等部2年生の梅林龍弥さんが準優勝、80キロ級(体重80キロ以下の部)で同じく高等部2年生の国元勇磨さんが優勝し、梅林さんが準優勝という非常に輝かしい成績を収めることができました。この二人は昨年度の高校総体にも出場し、力をつけてきましたが、特筆すべきは、団体戦に出るために急きょ相撲の練習に取り組んだ高等部3年生の東山己輝さんです。相撲経験はゼロ、5回ほど三木町にある地域の相撲道場で練習に取り組んだだけで、団体戦と個人戦に出場することとなりました。内心、ケガだけはしないようにと思っていましたが、そんな心配もよそに堂々と相手に挑戦し、総当たりの個人戦では初の勝利を挙げることができました。本人も嬉しかったようですが、応援に来ていた保護者や教員も大喜びでした。彼は毎日6キロ近い峠のある道のりを自転車で通学しています。脚力や体力、そして忍耐力も本校高等部一と言っても過言ではないと思っています。まわしを締めた彼の雄姿を見て、毎日の積み重ねの大切さを改めて感じさせられました。

水泳競技に出場した入谷さんも含め、大いに健闘し活躍した生徒たちに「ありがとう」と感謝の拍手を送ります。

令和5年6月4日

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(6月2日)

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<小学部6年生の修学旅行、無事に帰って来ました>

6月1日(木)~2日(金)の二日間、小学部6年生が大阪への修学旅行に行ってきました。修学旅行団は6年児童7名と引率教員4名、旅行会社の添乗員1名という総勢12名でした。昨日1日は朝8時30分に高松駅に集合し、出発式のあと8時55分発のマリンライナーに乗り込みました。送迎いただいた保護者のみなさんも出発式まで見届け、子どもたちが改札口を通るまで見送ってくれました。早朝からありがとうございました。

心配されたお天気ですが、初日の朝は梅雨の合間の一日という感じでほど良い日差しもありました。マリンライナーから山陽新幹線に乗り換え、11時ごろ新大阪駅に到着、地下鉄とJR環状線を乗り継ぐという都会の電車の乗り継ぎも体験し、お昼前には待ちに待ったユニバーサルスタジオジャパンへ。半日ではありますが、USJを大いに満喫したようです。たぶん後ろ髪をひかれたとは思いますが、予定通りにUSJを出て、宿泊先のハイアットリージェンシー大阪というホテルへ。ホテルでのディナーに舌鼓をうったようです。

二日目は予報通りの雨。学校も6時30分までは警報が出ていなかったので、通常通りに授業を実施する予定でしたが、6時30分から3分後に高松市に大雨警報が出たため、止むなく臨時休業の決定を出し、保護者にもメール配信をいたしました。ちなみに、本校の校区は広く、東は香川県東端の東かがわ市から、さぬき市、三木町、そして高松市の東部地域にまでまたがっているため、そのうちこの3市1町のいずれかに警報が出れば、児童生徒の安全確保のため臨時休業にすることにしています。

さて、修学旅行団がいる大阪についても、早朝から府全域にわたり大雨警報が出ている状態で、今日の活動がとても心配されました。幸いなことに、今日は屋内での活動が中心で、海遊館の見学、海遊館隣のマーケットプレイスでの昼食、サンタマリアクルーズに乗って大阪湾を周遊するという予定でした。現地もやはり強い雨がずっと降り続いていたようで、サンタマリアクルーズへの乗船は中止したそうです。海遊館は警報発令中ということで、かえって一般のお客さんがほとんどいなくて、子どもたちはゆっくり、ゆったりとジンベイザメなどお目当てのお魚たちを見学できたとのことです。マーケットプレイスでもゆったり食事ができ、お土産もゆっくりと買うことができたようです。マーケットプレイスのあとは、またJR環状線、地下鉄を乗り継いで新大阪駅まで行く予定でしたが、雨脚が強かったため急遽予定を変更し、タクシーで新大阪駅に向かいました。新大阪駅からの新幹線も、岡山からのマリンライナーも通常運行しており、無事に乗ることができ、予定通り午後5時過ぎに高松駅まで帰って来ました。高松駅まで出迎えに行ってくれた教頭先生の話によると、子どもたちみんな元気で、いっぱいの笑顔とお土産と、そしてたくさんの思い出を携えて帰ってきたとのことでした。

6年生の保護者のみなさまには、修学旅行に向けて様々ご準備いただき本当にありがとうございました。きっと今頃は、各ご家庭で楽しかったみやげ話に花を咲かせたあと、ぐっすりと休んでいるものと思います。先生方、添乗員の方、二日間このような状況の中、子どもたちが安全に活動できたことに感謝です。おつかれさまでした。旅の模様は、近々本校ホームページに写真付きで掲載されるものと思います。ご期待ください。

令和5年6月2日

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(5月21日)

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<令和5年度 大運動会を開催!>

5月20日(日)、今年度の運動会を開催しました。前日の雨も夕方には何とか上がりましたが、グランドコンディションはかなり厳しい状態に。何とか明日に運動会を実施したいと願う教員十名あまりが雑巾とバケツを持ってきて、運動場に溜まった水を一所懸命に吸い取り、翌日に備えました。宵のうちにも少し雨が降ったようで、当日朝にもグランド整備が必要でした。教頭先生は一番に出勤してくれ、6時には体育科教員を中心に有志の教員も出勤し、グランドには土を、芝生には砂を入れるなど会場整備に取り組みました。7時30分までには全教員が集合し、テントを立てたり万国旗を張ったり、入場門の装飾をしたりと、それぞれが自分の担当だけでなく、できることを考え助け合いながら準備を進めてくれました。まさに「チーム東部」と表現できる先生方の動きに感心しながら、私もその一員としてともに汗を流せることにうれしさを感じました。こうして、無事に運動会の開会式を迎えることができました。

今年の運動会のテーマは「全力東部 Run Run SmileLet’s Go!」です。毎年児童生徒からテーマの募集を行い、中高生徒会を中心にテーマを決定します。このテーマのもと、今年は4年ぶりに全校そろっての開会式でした。全校児童生徒150名、知的障害教育校の中では中規模の本校ですが、全員が整列すると芝生いっぱいを使い、指揮台から見てもなかなか壮観でした。開会式のあとは最初の演技、ラジオ体操。続いて小学部、中学部の順番で徒競走、高等部の徒競走は「Foot Race」と名付けた徒競走を行いました。各部とも児童生徒の力に合わせて走る距離を決めていましたが、どの子どもたちも友だちや保護者の大きな声援を全身に受け、全力で、そして笑顔で走ることができました。子どもたちが走る時には、コースを間違わないように、交流ボランティアで来てくれていた津田高校の生徒のみなさんがコーナー(曲線)部分の要所に座ってくれました。ただ座っているだけではなく温かい声援も送ってくれて、とてもありがたかったです。

高等部の徒競走「Foot Race」のあとは、志度高校のチアリーディング部の招待演技です。何年前から始まったか確認はしていませんが、コロナ禍前には本校運動会の恒例プログラムとなっていたようで、はつらつと笑顔で素晴らしいチアリーディングを披露する志度高生に、子どもたちだけでなく先生方や観客席の保護者の方々もくぎ付けといった感じでした。華やかな彩りを添えてくれ、運動会の序盤から大いに盛り上がっていきました。

続いて小学部による演技、「きらり~たいせつなものをさがしにいこう~」でした。1年生から6年生まで運動場いっぱいを使った壮大な動きと、途中には太鼓の合図に合わせた組立体操を思わせるきびきびした動きが組み合わさり、最後は大きな布バルーンによるダンスによって締めくくられました。初めて参加した1年生も、上級生の動きを一生懸命に見ながら頑張って演技していたのも印象的でした。

次は中学部。毎年恒例になってきた「ソーラン節」の2023ヴァージョンでした。生徒も先生も赤い法被と赤い鉢巻を揃えて鳴子の音も息ぴったり、全身を使った躍動感と笑顔があふれる演技になりました。小学部も中学部も、観客席からは大きな拍手が送られ、子どもたちも誇らしげでした。

高等部は競技種目が中心で、最初は「Keep Turning Disk!」という競技です。片面赤、片面白に塗り分けられた大きな段ボール製の円盤を、紅白2チームが入り乱れて時間内にどれだけたくさん自陣の色にひっくりかえせるか、戦略と体力が必要なゲームです。1枚1枚丁寧にひっくり返す生徒から、何枚か重ねてひっくり返す生徒もいて、なかなか面白いゲームでした。この競技には、飛び入りで交流の高校生たちもグループを作って参加し、本気になって楽しみました。見学に来てくれていた津田高校の土居校長も半ば強制的に自校生徒チームの一員として「Keep Turning Disk!」に背広を着たまま挑戦。「急やなあ!」と言いつつも、にこにこして楽しんでくれたようでした。

高等部は学年対抗戦として「Foot Race」を始め各競技とも得点制として、最終的に集計し優勝学年を決める方法をとっているので、それぞれの競技にも熱が入ります。そのほか、障害物競走である「SASUKE」や、運動会では定番の「DEKAPAN」競争もあり、楽しみながら真剣に競い合うことができていました。

また今年は、観客参加型種目を二つ取り入れたことも大きな変化でした。一つは「玉入れ」、一つは「綱引き」でした。玉入れは午前中の最終種目として学部対抗で実施し、子どもたちと保護者が一緒に玉入れを楽しみました。玉入れの途中には、教頭先生二人がそれぞれ赤レンジャーのピッタリスーツとピカチューの着ぐるみに玉入れのかごを背負って登場し、大いに会場を沸かせていました。この競技、誰でも参加可能ということで、先ほどの津田高校土居校長に加えて同校の池田教頭、そしてチアリーディングの様子も含め朝から運動会を見に来てくれていた志度高校の多田校長も、高校生と一緒に玉入れに参加してくれ、童心に帰ったように楽しんでいました。

小学部と中学部は午前で全種目を終了し、午前の部はいったん閉会としました。小学部中学部の児童生徒は午前の閉会式後に帰宅しましたが、中学部の生徒については、午後からも残って高等部の競技を参観したり、午後からの観客参加型種目の綱引きに参加したりしてもよかったのではないかと思いました。

午後からは本校卒業生も運動会に招待、約30名の方が来られました。卒業生のみなさんも運動会に参加できるのは4年ぶりで、この日を待ち遠しく思っていた方もいたようです。私が30年前に本校に勤務していた頃に担任していた卒業生も顔を見せてくれ、久々の再開でした。未だに年賀状のやり取りはしている方ですが、「僕、もう来月で51歳になるんです。」と言われたときには、やはり感慨深いものがありました。

午後の開会セレモニーとして、志度高校チアリーディング部のみなさんに再登場してもらい、チアリーディングを披露していただきました。午後から参加した卒業生も大喜びで、ダンスに合わせた観客全員の手拍子が会場に響き渡りました。そのあと残るは高等部の「SASUKE」と「DEKAPAN」競争、観客参加型の綱引きでした。「DEKAPAN」はご存じのように二人一組で大きなパンツをはいてリレーする競技ですが、片方が一方的に走ってもうまくいきません。相手のことを思いやったり、相手のペースに合わせないと転んでしまう競技ですが、誰も転倒する生徒はいませんでした。みんなの優しさが随所に見られ、たいへん微笑ましい競技となりました。

いよいよ最後は「綱引き」です。運動会の定番といっても過言はない競技で、高等部生徒は学年ごとにチームを編成、加えて保護者チーム、卒業生チーム、交流高校生チームの6チームが力自慢を競い合いました。保護者チームだけ保護者のみでしたので、その人数になるよう頭数が足りないチームには教員が助っ人として入りました。トーナメント方式で優勝チームを決めるまで戦いましたが、優勝したのは何と保護者チームでした。子どもたちには負けておれるか!という保護者の気迫がみなぎっていたように感じられ、他のチームを寄せ付けない完勝と言ってもいいほどでした。綱引きも大いに盛り上がり、運動会の最後を締めくくるとても良い場面となりました。

このほか、運動会には学校評議員の北原さんと堺さん、民生委員の方も4名参加くださいました。高松大学の3回生も午前中いっぱい見学してくれました。旧職員も5名ほど来てくれて、子どもたちの成長した姿に拍手を送ってくれました。今回は駐車場確保の関係で各家庭お車1台までという制限は設けましたが、来校人数は制限しませんでした。結果、観覧に来てくれた人数の総数は300名を超えていたとのことでした。学校行事のすべてをコロナ禍前に戻すことは難しいかもしれませんが、学校に賑わいを取り戻すことの大切さ、学校ってやっぱり楽しいところ、子どもたちも先生も生き生きと活躍できる場所でありたいなあとしみじみと感じました。たくさんのみなさんの力が結集し、結実した素晴らしい運動会だったと思います。参加いただいたすべてのみなさんに感謝、感謝、感謝です。

令和5年5月21

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(5月18日)

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<知的障害教育校ソフトボール大会 準優勝!>

5月17日(水)、第7回香川県特別支援学校知的障害教育校ソフトボール大会が坂出市林田運動公園のグランドで開催されました。コロナ禍もあり正式な大会が開催されるのは4年ぶりでしたが、5校が参加したこの大会、本校は準優勝という栄誉を得ました。コロナ禍前に行われた令和元年度の第3回大会で優勝していた本校は、ディフェンディングチャンピオンとして大会に臨みましたが、決勝戦で香川丸亀支援学校に3対10で惜しくも敗れはしたものの、持てる力を十分に発揮して好成績を収めることができました。

この大会は、県内特別支援学校のうち知的障害教育校のみが競い合うソフトボールの大会で、その歴史も古く、平成3年度にソフトボール競技として始まりました。平成3年度の第1回大会から平成10年度の第8回大会まではソフトボール競技、平成11年度からティーボール競技に変わって平成28年度まで18回大会まで続き、29年度から再びソフトボール競技となり今回が7回目の大会でした。平成3年度から数えると、33年も続いている大会です。残念ながら令和2、3年度の第4、5回大会は新型コロナにより中止、4年度の第6回大会は1試合だけの交流大会として実施されました。トーナメントで優勝を競う大会は4年ぶりということで、各校の選手ともとても生き生きとした表情で、躍動感あふれるプレーが随所に見られました。

本校の戦績を紹介しますと、1回戦は香川大学附属特別支援学校に14対1で快勝、次の準決勝では香川西部支援学校と対戦し7対1で勝ちました。準決勝では、今年から始めて競技部に参加しソフトボールも初めて経験する中学部3年生が先発し、最後まで投げ抜き1点に抑える好投を見せました。決勝戦では本校の先頭打者ホームランで勢いづきましたが、香川丸亀支援学校の堅い守りと長打力で得点を積み重ねられ、3対10という結果でした。でも、最後まで諦めずにチームメイトを励まし続ける姿、ボールに向かって、ベースに向かって全力疾走する生徒たちの素晴らしい姿がありました。高等部3年生にとっては最初で最後のソフトボール大会でした。決勝後に悔し涙を流す高3生、それを支え肩を抱くクラスメートがいる、使い古された言葉かもしれませんが、まさに「青春の1ページ」とはこのことかなぁと私も心が熱くなりました。高等部3年生は、6月から個別の現場実習に取り組みます。この熱い経験を、きっと職場での実習に生かせてくれると信じています。

これまで、子どもたちの可能性を信じて、丁寧に指導支援してくれた競技部の先生方、本当にありがとうございました。部活動をとおして、子どもたちは確実に変化しています。変化の度合いはそれぞれですが、子どもの将来にとって全人的にもいい影響を与えていることに間違いはありません。部活動の地域移行についてここで議論するつもりはありませんが、特別支援学校における部活動はとても大切だと思っています。

最後に、競技部ソフトボールチームのみなさん、感動をありがとう。応援に来ていただいた保護者のみなさまも、ありがとうございました。

令和5年5月18

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(4月30日)

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今年度最初の授業参観とPTA総会などを行いました>

430日(日)、よべの雨が今にも落ちてきそうな朝でしたが、今年度最初の授業参観とPTA総会、親の会総会を実施しました。授業参観ですが、昨年度までは感染症対策ということで各家庭2名までという人数制限を設け、参加者全員に当日朝の検温と健康チェックシートを提出してもらっていました。今回からは発熱等体調不良の方の参加は見合わせてもらうようお願いしましたが、健康チェックシートの提出はなしとし、参加人数の制限も設けませんでした。ただ、駐車場の関係もあり、車で来られる方については各家庭1台で乗り合わせて来ていただくようお願いしました。

今日は1時間目に各部に分かれて部主事と保護者の懇談会、2時間目はPTA総会と親の会総会、3時間目に授業参観という日程でした。

PTA総会では、校長挨拶時に少し時間をいただいて、今年度のグランドデザインについて説明をしました。また、学校で進めている教員の働き方改革についても少しだけ触れさせていただきました。グランドデザインについては、本ホームページにも掲載していますので、詳しくはそちらをご覧くださればと思いますが、絵に描いた餅にならないようグランドデザインの中身をこつこつと実践していく覚悟です。説明時に感じた保護者のみなさまの熱いまなざしに身が引き締まる思いでした。

3時間目の授業参観は、各部各学級とも学級担任による授業です。各部の新入生は全員が新しい担任ですが、転勤による異動だけでなく校内での異動も結構あって担任が変わっていたせいか、各クラスとも新鮮な雰囲気の中で授業が行われていました。小学部6年生は、6月に控えた修学旅行の事前学習にワクワクし、母の日のプレゼントづくりに取り組む学級もいくつかありました。どのクラスも児童生徒の力が随所に発揮できる授業ができていたように感じました。高等部の1、2組は全学年とも「SNSの利用について」を共通の題材として各学級での授業に取り組みました。高等部では、ほとんどの生徒がスマートフォンを所持しており、ラインなどのSNSを使っています。やはりその利用に端を発するトラブルも起こっており、適切な使い方が課題となっていることから、保護者にも考えていただく機会として参観日にその授業を設定しました。具体的な内容や授業の展開については各担任の裁量に任せましたが、保護者参加型の授業もあり、活気ある話し合いの場面もみられました。SNSの適切な利用の授業はその一例ですが、学校で学習している内容を保護者に直接見て感じていただくことは、子どもの成長に関わる者同士が思いを一にする大切な時間でもあります。今日の授業参観を通じて、子どもたちも自分を支えてくれる人たちの存在を実感できたのではないかと思っています。

あとで今日参加していただいたみなさんの数を確認しますと、170名を超えていたようです。ありがたいことです。次に保護者のみなさまに来校いただくのは、5月20日(土)開催予定の運動会です。どうぞ楽しみにお待ちいただければ幸いです。

令和5年4月30

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(4月7日)

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<令和5年度 入学式を挙行しました> 

本日4月7日(金)、昨夜からしっとりと降り続く緑雨の中でしたが、今年度の入学式を挙行しました。式場となった体育館には、新入生とその保護者、新入生の担任等のみが入場し、以外の児童生徒や教職員は各教室でオンライン配信を視聴する形で式に参加しました。このオンライン配信でも、メディア教育部の若手教員の活躍がありました。本来であれば、体育館に全員が集合し、全員で式の臨場感を味わいながら新入生を歓迎、祝福するのがいいとは思いますが、件の感染症も完全に収束したわけではありませんので、新入生や保護者の座席に間隔を取るとどうしても小さな体育館では収まりません。しかし見方を変えると、各教室でテレビモニターをとおして視聴するほうが、新入生の様子や表情がよく見え、子どもたちも画面に集中できるといった利点もあります。コロナ禍を経て、これまでの学校の当たり前についていろいろ考えさせられたことの一つです。

さて、入学式ですが、開式の辞から国歌斉唱に始まり、各部の入学者の呼名、校長式辞、祝電披露、在校生代表歓迎のことば、新入生代表誓いのことば、校歌斉唱、閉式の辞という流れでした。小学部、中学部、高等部の順に各部主事より一人ひとり呼名しましたが、壇上から見ていた私も身の引き締まる思いでした。校長式辞では、本校の校訓『明るく たのしく のびのびと』をお伝えし、この校訓には、みなさん一人一人が、世界に一人だけのかけがえのない存在として、健康で今をたくましく、自分の可能性を信じて、個性豊かにいきいきと過ごしてほしい。そして毎日の積み重ねの中で、将来よりよい社会を創る人になってほしいという願いが込められているという話をしました。保護者のみなさまには、お子さまを香川東部支援学校に入学させて良かったと思っていただけるよう、一人一人の児童生徒を大切にして、その力や可能性を最大限に伸ばせるよう全力を尽くすことを誓いました。そのためには、保護者との連携が第一ですので、一緒に手を携えて頑張ってまいりましょうとお話しさせていただきました。

続いて在校生代表歓迎のことばでは、高等部生徒会長東山さんの先輩として何でも聞いてほしいという心強い挨拶、新入生代表として高等部1年を代表して入谷さんから、不安もあるが先輩たちに教えていただいて、早く学校に慣れ、校訓のように「明るく たのしく のびのびと」活動していきたいという意気込みを誓ってくれました。

昨日の「校長室より」でもお知らせしましたが、今日の入学式で小学部5名、中学部15名、高等部22名、計42名の児童生徒が新たに本校の仲間となりました。全校児童生徒150名がそろい、いよいよ令和5年度のスタートです。今年もいろいろなことが起こると思いますが、一日一日の生き方を大切に、子どもたちや先生方とともに歩んでいきたいと思います。

令和5年4月7日

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(4月6日)

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<令和5年度第1学期始業式を行いました> 

本日4月6日(木)、新学期が始まりました。1学期始業式の前には、年度末の人事異動で退職、異動された先生方の離任式を行いました。今回の人事異動では、計14名の教職員が本校を去ることとなりましたが、当日の離任式には11名の方が参加くださいました。退職、転出先のご紹介のあと、お一人お一人から子どもたちに向けて心のこもった挨拶をいただきました。式の最後には、それぞれにゆかりの深い児童生徒から花束を贈呈してもらいました。別れが辛くて涙ながらに花束を手渡す生徒もいましたが、寂しくも和やかな雰囲気に包まれた時間となりました。

離任式のあと、新校名除幕式を行いました。この4月1日から学校名が「香川県立香川東部支援学校」に変わり、春休み中には正門にある門標が新しく付け替えられました。そのお披露目を除幕式という形にしてみんなでお祝いしました。この除幕式、児童生徒全員が正門前に集まるということは難しかったので、正門前と体育館をリモートでつないで児童生徒は体育館の大スクリーンで生放送を見るスタイルで実施しました。リモートでつなぐと簡単に言いましたが、学校にある限られた機器を使って生中継がきちんと体育館につながるかどうか、本校メディア教育部精鋭の先生方が2度もテストを繰り返しました。雨も心配されましたが、今日は青空も覗く暖かい日和となり、リモート中継も大成功でした。

さて、本校の特徴の一つでもある赤レンガ造りの正門とそこに埋め込まれた門標は、昭和53年3月31日に完成しました。本校の開校が昭和52年4月ですから、開校当初は正門もまだなかったようで、その1年後にこの立派な正門と門標ができたことになります。本校も今年で開校46年目、そのほとんどの歴史の中に立つ正門と門標は、学校の「顔」としてこれまでたくさんの児童生徒の登下校を見守ってきたとも言えます。金色に輝く新しい門標は、その歴史に新たな一歩を刻むことになります。これから何十年先も、児童生徒が元気に登校する姿を黙って見守ってくれると思います。除幕式では、高等部生徒会長の東山さんから「学校の伝統をつないでいく」という力強い挨拶もありました。また、除幕のカウントダウンの前には淀谷教頭と三木先生による光り輝く愉快なパフォーマンスもありで、体育館で見ていた子どもたちも大喜びだったようです。

続いて、今度は新任式。4月より、新たに本校で勤めていただく先生方が着任する式です。前任校の離任式に参加の先生方は明日の新任式でご紹介することとなりますが、今日は事務の方も含め11名の教職員が力強い仲間として加わってくれました。早く本校に慣れてほしいですが、先生方のこれまでのキャリアや新しい視点や見方も大事にして活躍してくれることを期待しています。

離任式、新校名除幕式、新任式と、そこまで済んでようやく1学期の始業式です。私からは、子どもたちに向けて、新校名に変わったことを契機に、「さあやるぞ」という新鮮な気持ちで新しいことにチャレンジしてほしいという話をしました。チャレンジして成功することもあるし失敗することもある。失敗しても学ぶことはたくさんあるし、失敗しないと分からないこともある。学校は失敗しても、また再チャレンジできるところ。安心してたくさんチャレンジしてほしいし、先生方も精一杯応援するといった話をしました。

始業式のあとには、恒例の担任発表。子どもたち、とくに中学部、高等部の生徒たちは自分の担任は誰だろう、意中の先生にならないかなぁなどと目を輝かせて聞いていました。保護者のみなさまには、お子さまからの話、また本日の連絡帳等で今年の担任が分かったものと思います。同じ学年団や所属する学部にどんな先生がいるのかということは、またPTAだより(教職員特集号)でお知らせします。どうぞ1年間、よろしくお願いいたします。

いよいよ明日は入学式です。小学部5名、中学部15名、高等部22名の児童生徒がたぶんワクワク、ちょっとドキドキしながら入学してくれるのではないでしょうか。温かい気持ちで心から歓迎したいと思います。楽しみです。

令和5年4月6日

香川東部支援学校長 田中 豊

校長室より(3月17日)

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<令和4年度第3学期終業式を行いました> 

本日3月17日(金)、3学期の終業式を行いました。令和4年度の授業も本日ですべて修了しました。コロナ禍になってからの始業式や終業式は、体育館に入る児童生徒数を制限し、集合形式とオンライン形式のハイブリッド型で実施していましたが、今日は2部制の集合形式にしてオンラインの視聴はしませんでした。最初に小学部・中学部、続いて高等部が体育館に集合し、2回の式とはなりましたが、児童生徒教職員全員と向き合って今年度最後の話をすることができました。

私からは、この1年間の子どもたちの頑張りにエールを送るとともに、一番大事なのは「いのち」であることについて話をしました。1年前の2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻によって始まった両国の戦争が今も続いている。そうして、これまでたくさんの命が失われ、今も命を失うかもしれないという恐怖の中で生きている人がいる。戦争はどんな正義があってもしてはならないことで、最大の人権侵害であり、絶対にしてはならないことであると話しました。そして、いま生きている私たちには「いのち」があり、この「いのち」は、これまで数えきれないほど多くの「いのち」を受け継いで、いまの私たちが存在することを「いのちのつながり」の絵図を使っては説明しました。4世代さかのぼっても16人の祖先がいる、10世代さかのぼると1024人の「いのち」がある。どれか一つ欠けても私はこの世の中に存在しないという事実。いま生きていることそのものが奇跡の積み重ねです。「いのち」は自分のものでも、脈々と受け継がれてきた大切な「いのち」なので、自分勝手に「いのち」を粗末にするということも、あってはならないこと。どんな辛いこと、困難なことがあっても、生きてさえいれば何とかなる。私たち一人一人が「いのちのつながり」に思いをはせ、生きることの素晴らしさを実感できる社会にしていこう。という内容でした。

小学部の子どもたちには少し難しい話だったかもしれませんが、戦争はいけないこと、自分たちの「いのち」は大事にしなければならないことは理解してくれたと思っています。

さて、4月1日より、学校名が「香川県立香川東部支援学校」に変わります。スクールバスの校名表示はすでに貼り替えています。正門にある門標はまだ取り換えが済んでいませんが、春休み中には新しくなります。いまは新旧入り混じった状態ですが、4月からは新校名で、気持ちも新たに頑張ってまいります。1年間、「校長室より」をご覧いただきありがとうございました。

令和5年3月17

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(3月9日)

香川県立香川東部養護学校のWebサイト(ホームページ)をご覧いただき、ありがとうございます。

 <令和4年度卒業証書授与式を挙行しました> 

本日3月9日(木)、春の陽ざしが心地よく感じられる中、令和4年度の卒業式を挙行しました。今年度は、小学部12名、中学部9名、高等部18名、合わせて39名の児童生徒が卒業という節目を迎えました。式の様子は、またホームページで写真も添えてお知らせできると思います。今日は、校長式辞よりも素晴らしい内容だった卒業生代表高等部3年生の薮木未紀さんの答辞を、原文のまま掲載します。

『卒業生代表の言葉』

「柔らかな春の日差しや吹く風に、春のおとずれを感じる今日、私たち小学部十二名、中学部名、高等部十八名の卒業生のためにこのように厳かで、晴れやかな卒業式を挙行していただき、心より感謝いたします。

先ほどは、校長先生、在校生のみなさんから心のこもったお祝いの言葉をいただき、温かい気持ちになるのと同時に、身の引き締まる思いです。

今、香川東部養護学校で過ごした日々を振り返ると本当に色々なことが思い出されます。

大空の下 、力一杯走り、楽しく踊り、競った運動会。「サスケ」では、先生が練習に付き合ってくれて小学生の時は、跳べなかった大縄跳びが跳べるようになりました。

模擬店や作品展、一人一人が活躍した若竹祭。

冷たい風の中、走った持久走やロードレース大会。

アトラクションの多さにわくわくした遊園地、動物達の楽園に目をうばわれたサファリパーク、スケールの大きさにときの経つのも忘れました。戦争の恐ろしさを目の当たりにした広島県の平和記念公園、資料館。改めて平和の尊さや命の大切さを学びました。宮島では、海の中に立つ大鳥居の美しさに感動しました。友達と歩いた桂浜、かつおのわら焼き体験では、炎があがってびっくりしました。初めて友達と布団を並べて寝た夜、うれしくてなかなか寝付けなかったことは、忘れられない思い出のひとつとなりました。

卒業後の進路についてイメージできず、やりたいことが分からなかった四月の進路相談会、現場実習で様々な仕事をさせていただくうちに、少しずつ自分に合った仕事、得意な仕事が分かるようになってきました。慣れない職場に戸惑ったり、不安に思ったりすることもありましたが、先生方や家族、職場の方々の励ましに支えられ、最後までやり遂げることができました。

私は高等部の二年生のときに競技部に入部しました。それまでは、自分が入部するとは思ってもいませんでした。入ってみると、しんどくて行きたくないなと思ったことが何度もありました。休んでしまったこともありました。そのたびに先生は、ときには優しく、ときには厳しく指導をしてくださりました。二月に行われた駅伝大会では、みんなでたすきをつないで四位になることができました。走っているときは、とても苦しかったけれど、前に走っている人に追いつこうと頑張って走りました。「がんばれ」という友達や先生の応援の声が聞こえてきて励みになりました。私は部活動を通してあきらめないで続けることが大切だということを学びました。三年生最後の大会でいい思い出ができてよかったです。今は、私の部活動を支えてくださったすべての皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

たくさんの思い出を胸に、小学部、中学部の卒業生はそれぞれ上の学部へ、そして高等部を卒業する私たちはいよいよ社会へと巣立っていきます。

これから社会に出ていく私たちは、つまずいたり、くじけそうになったりすることがきっとあるでしょう。そんなときは香川東部養護学校で学んだことをいかして、周りの人と協力しながら、ひとつひとつ乗り越えていきたいと思います。

最後になりましたが、これまで私たちを育ててくれた家族、見守ってくださった先生方、園の職員の皆さま、地域の皆さま、本当にありがとうございました。

在校生のみなさんの活躍と母校の発展を心から願い、旅立ちのことばといたします。」

以上です。

今日はこの感動的な答辞をもって、卒業式の報告とします。

令和5年3月9日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(3月3日)

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<第2回学校評議員会を開催しました> 

3月2日(木)午後から、今年度第2回目の学校評議員会を開催したところ、5名の評議員みなさまが出席くださりました。今回は学校評価の結果についてもご意見をうかがう場として学校関係者評価委員会も同時に開催し、PTA役員の方にも参加いただきました。

最初に校長から今年度の学校の取組等も含めて挨拶をしましたが、その資料として本校ホームページのこのコンテンツ「校長室より」から、次の3つの記事を印刷し配布しました。

<大学生による学校支援ボランティアが始まりました>

<インターハイ「躍動の青い力 四国総体2022」相撲競技、終わる>

<第1回全国特別支援学校フットサル大会 全力で頑張りました!>

これはいずれも、初めての出来事ばかりです。大学生による学校支援ボランティアの取組は県立の特別支援学校としても初めての取組で、高松大学のご協力を得て実現しました。全国インターハイ相撲競技への出場は、高等部生徒個人の努力とその指導をしてくださった地域の相撲道場の先生方のお力があってのこと。全国特別支援学校フットサル大会は全国で初めて開催された大会で、こちらは本校競技部生徒と競技部指導の先生方の努力のたまものでした。たくさんの人々の力が結集して、新しいことができた1年間であったことを報告させてもらいました。

校長挨拶のあと、進路指導主事より今年度の進路指導の取組や進路状況の報告、教頭から教職員による学校の内部評価と分析、保護者による学校評価アンケートの結果と分析などについて報告させていただきました。

評議員さんからは、おおむね良い評価をいただきましたが、進路指導の説明をしたあとに、本校の卒業生を雇用していただいている事業主でもある評議員さんからこんな話を伺いました。「就職して二十歳になったときに、幾ばくかの成人のお祝いをお手紙とともに差し上げました。それに対して、親御さんからはなんの連絡もありませんでした。一言でもあれば…。人と人との付き合いは心を表すことが大事ですね。」とのことでした。その親御さんも感謝の思いはきっと持っていたでしょう。でも忙しかったのか、タイミングを逸したのか、分かりません。人づきあいの機微というか、思いは行動に現さないと相手に伝わらない、ということを改めて考えさせられました。

中学部3年生の保護者であるPTA役員さんからは、入学直後から始まった新型コロナウイルス感染症の拡大により、思い描いていた学校生活とは違う3年間であったとのお話がありました。入学直後に1ヶ月以上の臨時休業があったこと、本人が楽しみにしていた運動会や水泳の授業などが感染対策として中止になったことなど、子どもたちだけでなく保護者も辛い思いをされていたことがよく分かりました。一方で、もう一人のPTA役員さんからは、感染対策として始まったPTA関係のオンライン会議など、今まで現地まで行かなければ参加できなかった会議等にも参加できるようになったとのお話もありました。「コロナ禍」とは言われるものの、「禍」ばかりではないことにも視点を向けることが大切だと思いました。

水泳学習の時に話題に上がった本校のプールですが、現在老朽化が激しく、昨年度、今年度と部分的修繕を行いましたが、それでも漏水は止まず、大規模改修が必要となっています。令和5年度に実施設計、令和6年度に大規模改修となる見込みです。しばらく学校のプールが使用できない状況は子どもたちに本当に申し訳ないですが、非常に限られた香川県の教育予算の中での対応です。ご理解をいただければと思います。

他にも意見はたくさんいただきました。この小紙面ですべてを記載することはできませんが、若竹祭(学校祭)に来てくださった評議員のお一人から「若竹祭では、子どもたちだけでなく、先生方もキラキラと輝いているように見えた。」との感想をいただきました。本校の教育活動に自信と勇気を与えてくれる言葉に感謝です。でも、まだまだ課題はあります。一つは地域との連携です。コロナ禍のせいにするわけではありませんが、学校から発信する地域とのつながりが疎かになっています。次年度は「地域連携」を一つのキーワードとして、できることを考えていきたいと思います。

最後に、今年度をもって評議員を退任される地元安松地区自治会長の大原 信二 様、朝日園理事長の菅谷 拓 様、これまで貴重なご意見をいただきましたことに厚くお礼申し上げます。これからも本校の応援団として、温かくそして時には厳しく見守ってください。お世話になりました。ありがとうございました。

令和5年3月3日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(2月10日)

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<知的障害教育5校対抗の駅伝大会が開催されました> 

2月8日(水)、香川県総合運動公園で、第33回特別支援学校知的障害教育校駅伝競走大会が開催されました。昨年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大のため、やむなく中止となりましたので、2年ぶりの開催でした。この大会は、県内知的障害教育校5校(香川東部養護学校、香川中部養護学校、香川丸亀養護学校、香川西部養護学校、香川大学附属特別支援学校)対抗による駅伝競走大会で、第1回大会は今から32年前に、香川丸亀養護学校が位置する丸亀市の青の山を周回するコースで開催されました。その後、三木町総合運動公園や綾南町総合運動公園、三豊総合運動公園、土器川公園などを使って大会を重ねてきましたが、平成17年度の第16回大会からは香川県総合運動公園で継続して行われています。

競技は男女別に行われ、男子が5区間、女子が4区間で、県営ラグビー場とサッカー場の周りをぐるりと走る1周0.94㎞の周回コースで競われました。女子は1区が2周、2区が1周、3区が3周、4区が2周の合計8周(約7.6㎞)。男子は1区が3周、2区が2周、3区が4周、4区、5区がそれぞれ3周の合計15周(約14.2㎞)で健脚を競いました。本校は男女とも1チームのエントリーでしたが、男子で参加選手の多い学校は5チームをエントリーする学校もあり、全部で12組が出場しました。女子は全部で6チームのエントリーでした。本校の結果から申しますと、女子が4位、男子が5位という成績でした。男子優勝は香川丸亀養護学校Aチーム、女子の優勝も香川丸亀養護学校Aチームで、丸亀養護は男女アベック優勝という素晴らしい成績でした。本校の生徒たちも持てる力を精一杯出し切り、男子2区を走った高等部3年生の丸田君と女子3区を走った中学部3年の入谷さんが見事に区間賞を獲得しました。また、一番距離のある男子3区を走った高等部1年の国元君は3人抜きをして、一時は2位まで順位を上げる場面もありました。5区の高等部2年の東山君もゴール寸前で前を走る附属特別支援学校の生徒を胸の差でかわして5位に食い込むなど、本当にみんな大健闘でした。

駅伝はマラソンと違い、自分一人の力でどうにかなるというものではありません。各選手の一生懸命に走る姿、自分の思いを襷に込めて次の仲間につないでいく瞬間の表情、つないだ後に力尽き果てて倒れこむ姿、すべての場面に感動と勇気をもらいました。また、学校に関係なく沿道で選手を応援する生徒たちの姿、駅伝って素晴らしい競技だとあらためて感じさせられました。

高等部3年生にとっては、この大会が学校生活最後のスポーツの大会になります。この頑張りは、卒業後の社会人としての生活にきっと自信と勇気を与えてくれることでしょう。みなさん、感動をありがとう。そしてお疲れさまでした。

令和5年2月10

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(1月21日)

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<今週の学校の様子です> 

先週から3学期がスタートし、1月13日(金)には志度高等学校生徒制作の車いす用スロープの贈呈式が行われたことは、前回の「校長室より」で報告したところですが、今週も大きな行事が三つ開催されました。

一つ目は、1月17日(火)午前中に開催された県内知的障害教育5校のPTAによる連絡協議会です。本県の特別支援学校は、基本的に障害種ごとに学校が設置されており、知的障害教育校としては香川中部養護学校、香川丸亀養護学校、香川西部養護学校、香川大学教育学部附属特別支援学校と本校の5校が設置されています。この5校のPTAが各校持ち回りで連絡協議会の運営を行っており、年に1回、全体での連絡協議会を開催しています。今年は本校が当番校でしたので、本校体育館にてこの会を開催する運びとなりました。

この連絡協議会ですが新型コロナウイルス感染症の影響を受け、参集する形で開催するのは3年ぶりでした。例年この協議会では、全国の知的障害教育校PTA連合会(全知P連)の全国大会や代表者会等に出席した当番校等のPTA会長からの参加報告と、テーマを設定して、講師等を招いての講演会やパネルディスカッションなどの大きく二本立ての内容としています。今年度もオンラインで開催された全知P連の第22回全国役員・都道府県代表者連絡協議会の参加報告を、本校植松PTA会長からしていただいた後、「わが子を事故・事件から守るための保護者の心得」のテーマで講師を招へいし、講演会を実施しました。講師として来ていただいたのは、さぬき警察署生活安全課から寺元課長様、法務少年支援センター高松から地域非行防止調整官の谷川様のお二人でした。

寺元課長様からは県内の児童生徒の事件・事故、犯罪の被害や加害の実態について、詳しい統計データを基に話をしていただきました。特にスマートフォンをめぐるトラブルがいかに増加しているか、SNSを利用した略取誘拐(誘い出し)の件数も10年間で40倍に増えているという数字も示され、私自身も驚きました。

谷川調整官様からは、高松少年鑑別所内にある法務少年支援センター高松の役割や少年審判の概要についてのお話がありました。両氏の講話のあとには会場からの質疑応答が行われ、このテーマに関する保護者の関心の高さが感じられました。事件やトラブルに巻き込まれないように、子どもたちの小さな変化に気づくことが大切ですが、万が一の時には、相談やサポートしてくれる心強い公的機関があることもよく分かりました。保護者のみなさんにとっても大変意義ある協議会になったと思います。また、この会の準備をしていただいた本校PTA会長様はじめ役員のみなさま、ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

二つ目は1月18日(水)に行われた高等部2・3年生を対象とした選挙啓発出前授業です。県や地元であるさぬき市の選挙管理委員会が主体となって取り組む事業ですが、本校では主権者教育の一環としてほぼ毎年この事業実施を依頼し、来ていただいています。この授業は県や市の選挙管理委員会にすべてお任せというのではなく、事前に校内で模擬政党と候補者を立て、選挙ポスターの掲示や選挙公報の配布など選挙運動を実施したうえで、当日の模擬選挙、実際の投票行動を行うというものでした。模擬政党の名称は「うどん党」、「ラーメン党」、「パスタ党」。選挙の争点は給食メニューにうどん、ラーメン、パスタをいかに多く提供するかでした。当日は選挙制度やその意義、投票の方法や得票の仕組みなどについて選挙管理委員会の方から講義を受けたあと、各党党首に扮した先生が立会演説を行いました。うどん党、ラーメン党、パスタ党の各党首ともなかなかの饒舌で、生徒たちもどの党、どの候補者に投票するか迷ったようでした。模擬投票とはいえ、投票所入場券や投票用紙、投票所の間仕切りや投票箱は実物を準備していただいており、体育館が投票所と見紛うような会場となっていました。生徒は順番に一人ずつ投票を行いましたが、緊張の面持ちで投票箱に一票を投じる生徒もいました。投票結果はというと、一番若い党首が立ったパスタ党が最多得票を得ました。成人年齢が18歳となり、学校現場にはより早い段階での主権者教育が求められるようになっています。普段の授業の中でも取り組んでいきますが、このような出前授業は生徒にとって貴重な経験となります。次年度もぜひ出前授業をお願いしたいと思っています。

三つめは、本日1月21日(土)に実施しました学習参観日です。今年度最後の保護者参観日でしたが、自分のお子さんだけでなく他の学年や学部の授業も自由に参観することができる日としました。たくさんの方に参観してもらいたい気持ちはあったのですが、やはり件の感染症も収まっていない状況ですので、各家庭2名までという制限を設けさせていただくとともに、来校者全員に健康チェックシートの提出もお願いしました。それでも朝からたくさんの保護者のみなさんが来校され、後で集計してみますと、小学部が75名、中学部が32名、高等部が41名、児童生徒が生活している施設等から4名、合計153名の来校者がありました。他学年、他学部の授業を見られた保護者のみなさま、いかがだったでしょうか。また感想などお聞かせいただける機会があれば有難く存じます。寒い中、参観いただきありがとうございました。

令和5年1月21

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(1月16日)

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<志度高校の生徒有志がスロープを制作し寄贈してくれました> 

1月13日(金)午後から、志度高等学校の生徒有志5名が制作してくれた車いす用スロープの贈呈式が行われました。

県立志度高等学校は本校と同じ市内にあり、商業科と工業科(電子機械科、情報科学科)の専門学科を設置する学校です。志度高校とは以前から交流があり、何年か前にも本校の段差解消のための鉄製スロープを作成いただいた経緯があります。また、運動会などでは生徒数名が来てくれて、お手伝いをしてもらったり一緒に競技を楽しんでもらったりしていました。ところがこのコロナ禍、そういった交流も難しい状況となり、2年が過ぎてしまいましたが、そろそろ交流を再開したいというお互いの思いもあり、再開の第一弾として「ものづくり」による連携から始めることとしました。

この取組は今年度はじめから準備を進め、志度高校の馬場教頭先生と電子機械科の北野先生に来ていただき、本校教頭や事務部長と事前協議を重ねました。昨年10月7日には制作を担当する志度高校の生徒にも来校いただき、最終的に、北館2階小学部教室前のテラスに降りる段差を解消するためのスロープを制作していただくことになりました。

志度高校生5名のみなさんは全員3年生で、「課題研究」の授業を使って鉄製のスロープを作ってくれたようで、非常にがっしりとした安全性の高いものでした。サイズもピタリで、テラスに出る戸口のレールに掛かる部分は可動式の折り返しパネルになっていたり、そのパネル部分にも折り返したときに手を挟まないような工夫もされていたりと、細かな配慮がなされていました。

贈呈式では、制作者である5名の志度高生からスロープの設置と贈呈の挨拶、本校小学部5年生児童代表2名によるお礼の言葉、昼休みになると2階のテラスで自由に活動することの多い小学部2年生と5年生による渡り初めと進んでいきました。渡り初めをした子どもたちは、真っ白に塗装された丈夫なスロープの感触を確かめながら、「きれい」とか「ありがとう」とか口々にうれしさと感謝を表現していました。私からも謝辞ということで、制作へのお礼に加えて一言。障害があってもなくても個人や個性が尊重されて、幸せに生きることができる共生社会をともにつくれるよう、そんな大人になってほしいという話もさせてもらいました。

最後にスロープを囲んで全員で記念撮影をして、贈呈式を終わりました。式には、さぬきケーブルテレビのカメラマンの方と四国新聞社の記者さんも取材に来られていました。また近々報道されるとのことですので、楽しみにしています。これを機に、また志度高校と本校の交流活動が積極的に展開できるよう、しっかり考えていきたいです。

令和5年1月16

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(1月10日)

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<3学期がスタートしました> 

令和5(2023)年が幕開けし、令和4年度の3学期が始まりました。お正月は晴れの日が続いて、たいへん穏やかに過ごせたのではないでしょうか。新聞やテレビのニュースでは、行動制限も緩和されて各地の観光地がにぎわう様子や初詣でにたくさんの人々が参拝する様子が報じられていました。3年前のお正月はこんな様子だったのかなあと思い出しながら、私は初詣でにも行かず、家でゆっくりと過ごさせてもらいました。

昨年のことになりますが、1223日の終業式の日に新型コロナウイルス感染症に罹患していることが分かり、2学期末最後の大切な終業式にも出られず、1週間の療養生活を余儀なくされました。終業式で児童生徒のみなさんにお話ができなかったことは残念でもあり、申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたが、これが感染拡大防止のための今の学校でのルールなので仕方がありません。症状はといえばワクチン接種の効果があったのか幸い鼻詰まりと喉の違和感程度で、熱が上がることもなく咳もほとんど出ませんでした。比較的元気であっても外出の自粛が求められていますので、自宅でのほとんどの時間は本を読んで過ごすことになりました。5,6冊の本を手に取りましたが、じっくり付箋をつけながら読み返した本もあり、さらりと読んだ本もありでした。本を読んだというのもそうですが、療養期間中には、自分のことや家族のこと、学校や子どもたちのこと、そして日本や世界の社会のこと、地球や宇宙のことについて様々に考えたりした、ある意味貴重な時間となりました。

さて今日は1月10日、3学期の始業式が行われました。やはり新型コロナウイルス感染症による出席停止の児童生徒が数名いましたが、登校してくれた子どもたちはみんな元気いっぱい、新年を迎えたすがすがしい笑顔が溢れていました。式での校長からの話では、3学期は新しい1年の始まりではあるけれども、学校では3学期という各学年のまとめの時期であること。令和4年度のまとめをしながら、新しい次の学年に向けての準備をする時期でもあること。一人ひとりがいまの自分にできること、できないことを確かめて、理想や目標を高く掲げてこの3か月を実りある時間にしてほしいと話しました。特に高等部3年生は、学校生活最後の3か月、職業生活への準備を最終確認する時期でもあります。かけがえのない大切な時間を大事に使ってほしいことを話しました。

また、療養中に読んだ本「宇宙の終わりってどうなるの?」(子どもの科学ミライサイエンス)を紹介して、地球上のあらゆる生命、人間も、新型コロナウイルスも地球という太陽系にある奇跡の惑星に存在する自然の一部であること、その存在すべてが数えきれない奇跡が重なって、いまここにあること。みなさん自身も宇宙の大きな営みの中で生まれ育まれた奇跡の存在であること。そのことを自覚して自分を大切にしてほしいこと。奇跡的な存在であることが分かれば、勇気をもって自分の生き方も変えることができる。変われる自分の可能性を信じて、3学期も一生懸命努力してほしいという内容の話をつけ加えました。

まだまだ感染症は収まる気配がありません。「油断大敵」であることに変わりはありませんので、手洗い、消毒、うがいやマスクの着用など感染症対策はしっかりと継続しながら、「健康第一」で、3学期も子どもたちがさらに成長してくれることを願っています。 

令和5年1月10

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(11月24日)

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<「創立45周年記念 若竹祭」を開催しました>

 1123日(水)、勤労感謝の日の祝日でしたが、若竹祭(学校祭)を開催しました。今年は本校創立45年目の節目の年で、5月に実施された運動会に続いて「創立45周年」という冠をつけた若竹祭としました。コロナ禍といわれる状況になって、一昨年、昨年も若竹祭を行いましたが、この2年間は入場を保護者に限定し、時間も午前中のみという短縮した形で実施してきました。現在もコロナ禍は収まっていませんが、今年は保護者に加えて卒業生や近隣のみなさまにもご案内するとともに、コロナ前のように終了時刻も午後2時までに戻し開催しました。こういった学校行事を安心安全に実施するには、やはり人手が必要です。今回は広くPTAのみなさんに協力を依頼したところ、23名の保護者の方々が名乗りを上げてくれました。当日は駐車場係と校内警備係として、時間帯を分けて担当いただきました。加えて、校外に確保した保護者用駐車場への誘導・交通整理として、今回初めて警備会社の警備員を3名依頼しました。また、高松大学の学生さん6名と、つい2週間前に本校で教育実習に取り組んだ大学生も神戸から駆けつけてきてくれ、計7名の学生ボランティアさんにも協力いただきました。学生さんには各学級の催し物の手伝いにそれぞれ入ってもらい、児童生徒とともに来場したみなさんをお迎えしてもらいました。

当日は朝から生憎の雨となりました。小さな運動場も小学部と中学部1年の保護者対象の駐車場としましたので、登校時にはどんどん保護者の車が来校し、駐車場係を担当した教職員やボランティアのお父さん方は降りしきる雨の中、合羽を着て大変な思いをさせてしまいました。本当にありがとうございました。

ボランティアの学生さんたちは、各学年の催しで呼び込みをしたり接客をしたりと、児童生徒と一緒に楽しみながらサポートをしてくれました。PTAのほうは制服や体操服、作業服のリユースの企画などをしてくれました。役員さんの何人かは仮装して校内を回り、賑わいに花を添えてくれました。

コロナ対策として、午前中で保護者の参観は終了し、午後からは卒業生の時間帯としました。雨もあったのか、来場した卒業生や保護者は思ったより少なかったですが、3年ぶりに学校に来る方もいて懐かしく校内を参観していました。

また児童生徒の取組の様子は、学部や学年ごとに写真付きでホームページに掲載されると思いますので、この小紙面では割愛しますが、一つだけ紹介します。それは体育館のステージで披露された音楽部のミュージカル「東部版ライオンキング」です。20分ほどの音楽劇でしたが、中学部・高等部の音楽部の生徒たち一人ひとりの良さを引き出し、ハンドベルの演奏も交えながら、オリジナルのナレーションも素晴らしく感動的なものでした。感染症対策として、音楽部の保護者のみの鑑賞にしましたが、これはぜひ他の保護者のみなさんにも見てほしかったと思いました。

すべての児童生徒そして教職員が、全力で頑張った若竹祭。また子どもたちの可能性と成長が感じられた一日でした。ボランティアのみなさんも含め参加いただいたすべてのみなさんに、感謝です。ありがとうございました。 

令和4年1124

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(11月10日)

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<第1回全国特別支援学校フットサル大会 全力で頑張りました!> 

11月4日(金)から5日(土)の2日間、北海道札幌市で開催された一般財団法人日本ライオンズ主催第1回全国特別支援学校フットサル大会の報告です。まず大会結果ですが、本校は全国10地区の代表10チーム中8位という成績でした。予選、順位決定戦含め全部で5試合戦い、1勝4敗でした。全国大会初勝利を収めることができたのは素晴らしい出来事でしたが、やはり全国の壁は厚かったというのが実感です。

大会の主な日程は、4日、高松空港から朝一番の飛行機に乗り、羽田空港で飛行機を乗り継いで新千歳空港へ、新千歳空港からは貸し切りバスに乗って開会式のある京王プラザホテル札幌へ移動しました。15時から同ホテルにて開会式、抽選会、その後は交流会と食事会があり京王プラザホテル札幌で宿泊しました。5日は札幌市北ガスアリーナ46(北ガスは北海道ガスの略称)という3階建ての大きな体育館に移動、9時から競技が行われました。14時半ごろすべての競技が終了した後は、また京王プラザホテル札幌に会場を移し、表彰式と閉会式、交流食事会ののち、解散という流れでした。翌6日にまた飛行機を乗り継いで、15時ごろ高松空港に帰着しました。

さて、全国大会の様子です。大会の競技方法は参加校10チームが5校ずつABのブロックに分かれてリーグ戦を行い、ブロックの中で順位を決定、各リーグの1位は決勝戦へ、2位は3位決定戦へ進みます。各ブロックの3位以下はそれぞれ順位決定戦へと進む方式でした。開会式後に行われた抽選会では、チームの主将丸田さんがくじを引き、本校はBブロックで予選を戦うこととなりました。Bブロックには、鹿児島県立鹿児島高等特別支援学校、大阪府立なにわ高等支援学校、石川県立いしかわ特別支援学校、千葉県立特別支援学校流山高等学園の強豪校がひしめくブロックになりました。抽選会後には食事会と交流会がありましたが、食事は京王プラザホテルのコース料理、滅多に食せない味に生徒たちは舌鼓していました。交流会では各校キャプテンによる学校紹介が行われ、本校も丸田主将が挨拶。「僕たちの筋肉はうどんでできています。チームは5名しかいませんが、うどんのような粘り腰で頑張ります」との言葉に、会場はどっと笑いが起こりました。当日が誕生日の主将もいて、みんなでHappy Birthdayの歌を合唱する場面もありました。大変和やかな雰囲気の交流会となりました。

5日はいよいよ競技のスタート。1試合目の対戦相手は鹿児島高等特別支援学校、攻守にバランスが取れ、どこからでも得点ができる強いチームでした。緊張からくるのかまだまだ動きの堅い本校の選手たちを尻目に、鹿児島は着実に得点を重ね、結果は0対5で完敗でした。2試合目はいしかわ特別支援学校でした。本校と似た感じのチームでしたが、本校が先取点を取ってからは勢いがつき、松村さん、国元さん、梅林さんがそれぞれ2ゴールずつシュートを決め、6対0で快勝しました。ゴールキーパーの東山さんも体を張ってゴールを守り、ディフェンスが中心の丸田さんも随所に素晴らしいボールクリアを見せました。全国大会初勝利に選手、監督、コーチの喜びもひとしおでした。3階から観戦していた私も思わず声を上げてしまいました。1勝1敗で迎えた第3試合は、千葉の流山高等学園。流山も3試合目で、1試合目は鹿児島に0対3、なにわ高等支援学校にも0対3で敗れ、この時点で2敗の状態でした。力的にはいい勝負だろうと予想していましたが、何とか初勝利をという流山の気迫も感じられ、先取点を奪われてからあれよという間に2点追加されてしまいました。このまま0対3で終わるのかと思われましたが、国元さんのシュートが決まり一矢報いる1点を返しました。しかし無情にも試合終了のホイッスル、1対3で負けてしまいました。予選最後の4試合目は、強豪なにわ高等支援学校でした。なにわ高等支援には、知的障がい者フットサル大会の日本代表選手も在籍すると聞き、格上のチームにどこまでチャレンジできるのか期待を込めて見ていました。なにわ高等支援は前の試合で鹿児島と引き分け、この時点で2勝1分け、すでに3勝1分けでリーグ首位に立っていた鹿児島を上回るには、本校に勝つことはもちろん本校に5点以上の差をつけることが必須でした。試合開始から、なにわ高等支援は積極的にシュートを打ってきました。本校は交替する選手がいない5人だけのチーム、体力的にもしんどかったと思いますが、最後まで諦めずにボールを追いかけ体を張ったプレーがたくさん見られました。試合結果は0対5で完敗でした。なにわ高等支援も5点差をつけたあとは、上手にボールをコントロールし、本校もボールを触れない時間帯があるなど巧みな試合運びでした。ボールをきちんと止めて正確なパスを出す、見本のようなプレーを見せられ悔しい思いもあったと思いますが、大変いい勉強になったのではないでしょうか。本校のリーグ戦の結果は1勝3敗で4位となり、7・8位決定戦に進むこととなりました。Aリーグの4位は東京都立羽村特別支援学校でした。

昼食を食べる間もなく、順位決定戦が始まりました。開始から間もなく相手に先取点を許し、選手には焦りが見られました。やはり疲れもあったのでしょう、守りのミスも重なり、続けて3点を取られ0対3に。でも最後まで諦めない心で、梅林さんのシュートが決まり何とか1点を返しました。でも反撃はそこまで、1対3で羽村特別支援学校に惜敗、全体順位は8位となりました。選手たちに涙はなく、全力で戦ったというとても晴れやかな顔をしていました。全国大会という夢の舞台に立てたこと、5人が力を合わせ仲間を思いやりながら全力でプレーできたこと、大会出場に際して支えてくれたたくさんの方々に感謝しながら試合に臨めたこと、この経験は生徒たちにとって代えがたい宝物になったと思います。全国トップレベルとの実力差は実感しましたが、一試合一試合と重ねる中で成長する生徒の姿が見られ、観戦した私も大いに感動しました。試合後には、どちらともなく握手をしたり自然とハグをしたりする光景も見られ、お互いをリスペクトするという大会の趣旨が体現されていて、見ていても心地よい空間でした。

すべての競技が終了した後は、京王プラザホテルに戻って表彰式と閉会式が行われました。栄えある初代王者は大阪府立なにわ高等支援学校、第2位は島根県立松江養護学校乃木校舎、第3位は鹿児島県立鹿児島高等特別支援学校でした。3位までの学校には優勝トロフィーと賞状が贈られ、会場全体に祝福の拍手が沸き起こりました。閉会式では、次期開催の九州地区に大会旗が手渡され、来年は福岡県で第2回の全国大会が行われることが確認されました。「めざせ福岡!」を合言葉に、各校ともまたこれから練習に励むでしょうし、ますます各地区のフットサル熱が盛り上がっていく感じがしました。

最後に、この大会を主催していただいた日本ライオンズのみなさまをはじめ、大会運営の中心となってご尽力いただいた大会実行委員長の鈴木重男先生には、本当にお世話になり感謝申し上げます。本県においても、応援いただいた地元さぬき市の大山市長様、大会ユニフォームを寄贈して応援いただいた讃光工業様、ご支援をいただいた他校の先生方や練習試合をしてくれた高校生のみなさん、そして直接間接に生徒の指導や支援に当ってくれ、快く全国大会に送り出してくれた本校の先生方にも心から感謝いたします。応援ありがとうございました。生徒たちもこの貴重な経験を糧にして、今後も努力を重ねて一層の成長をしてくれることを願っています。

令和4年1110

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(11月1日)

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<讃光工業様によるフットサルユニフォーム贈呈式> 

本校が第1回全国特別支援学校フットサル大会出場にあたり、讃光工業様がフットサルチームのユニフォームを寄贈してくださることとなり、昨日1031日、本校校長室にて贈呈式が行われました。贈呈式には、讃光工業様から白井専務さん、六車さん、藤井さんの3名がお越しになり、本校からは競技部フットサルチームのメンバー5名、宮本監督、教頭二人、事務部長、高等部主事と私の11名が参加しました。

贈呈式は、校長挨拶、目録並びに寄贈品贈呈、贈呈者挨拶、チーム代表生徒によるお礼の言葉、監督からのお礼の言葉、県教育長からのお礼の文書代読、記念撮影といった流れで行いました。ユニフォーム贈呈のあと、早速選手たちはいただいたユニフォームの上だけ着用して再登場。その場にいた全員が「おお、かっこいい!」と口にするほどでした。ユニフォームは白地に鮮やかな青のラインが両肩と両脇に入っており、前面には同色の青で「KAGAWA TOBU」の学校名、左胸には本校オリジナルロゴマークの刺繍ワッペン縫い付けたもの。私もこの日初めて見ましたが、スマートでかっこいい。これに白のパンツと青のソックスを合わせるようになるとのことで、はやく本番の姿を見たいと思いました。

贈呈者を代表してご挨拶いただいた白井専務様からは、「香川県代表、四国の代表として、チーム一丸となって北海道の地で名を残してきてほしい」との激励の言葉をいただきました。選手代表で挨拶をした松村さんからは、お礼の言葉だけでなく、これまでの練習を振り返り、支えてくださっている多くのみなさんへの感謝の心を大切にして大会に臨む決意が述べられました。

讃光工業様は、8年ほど前から本校の教育活動を毎年支援してくださっており、社内に募金箱を設置し、社員のみなさまの善意を1年間積み立て、年度末に児童生徒の教育活動に役立つ物品を寄贈していただいています。これまで、ソフトボールのユニフォームや運動競技大会などの時に掲示する『がんばれ!東部』の横断幕など、たくさん寄贈いただいています。この寄贈については例年であれば年度末に行われるのですが、今回のユニフォーム贈呈はそれを前倒ししていただき、かなり無理を言って全国大会に間に合うようにしてもらいました。四国大会は学校の体操服のうえに番号のついたビブスというスタイルでしたので、新しいオリジナルユニフォームを着た生徒たちも本当にうれしそうでした。讃光工業様のご厚志に、心からお礼申し上げます。

全国特別支援学校フットサル大会壮行会を開催>

そして、今日11月1日午後、高等部生徒会主催による全国特別支援学校フットサル大会壮行会が体育館で開催されました。高等部全生徒と高等部職員が待機する中、FIFAワールドカップのテーマに乗って出来立てのユニフォームに身を包んだ5名の選手たちが入場。会場全体がパッと明るい雰囲気になり、大きな拍手が沸き起こりました。校長激励の言葉、監督の挨拶のあと、選手全員がリフティングを披露。そのあと選手一人ひとりにインタビューが行われ、コーチとして大会にも引率する先生の面白おかしい司会進行に、会場にも笑いが起こり和やかな雰囲気のなか、壮行会が進められました。最後には高等部1,2年有志による三々七拍子のエールありで、選手たちも勇気と元気をもらったようでした。

いよいよ11月4日には、高松空港より羽田経由で北海道に降り立ちます。全国10地区の予選を勝ち抜いた10校が集まり、4日の午後3時から開会式や予選の抽選会、そして5日には予選リーグから始まり、順位決定リーグ、決勝リーグと1日をかけて大会が行われます。「優勝を目指す」と心強い決意も聞かれています。当日まで体調管理に気をつけ、全力で臨んでほしいと思います。5人の活躍に今からワクワクです。 

令和4年11月1日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(10月31日)

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<県高校新人大会相撲競技で本校の梅林さんが優勝!> 

1031日(日)、香川県営相撲場で、香川県高等学校新人大会の相撲競技が開催されました。本校からは、夏の県高校総体にも出場した高等部1年の梅林さんと国元さんが出場しました。今回は個人戦に加え、香川東部養護学校として団体戦にも出場し、農業経営高校と高松南高校の3校で団体リーグも戦いました。団体リーグ戦は残念ながら3位に終わりましたが、個人戦で梅林さんが見事に7戦全勝して優勝しました。国元さんは惜しくも5位でしたが、随所に粘りを見せ頑張りました。梅林さんは80キロ級でも2位に入り、無差別級の個人リーグと80キロ級の2種目で、3月に高知県春野市で開催される全国高校選抜大会への出場権を獲得しました。大会当日、所用で応援には行けませんでしたが、あとで取組の動画を見せてもらいました。体重差のある相手の寄り切りを精一杯こらえながら土俵際まで押し込まれ、俵に足がかかった状態での「うっちゃり」。見事に相手の体が宙を舞うという逆転の勝利でした。細い体ではありますが、強靭な足腰を持っていることがよく分かりました。どこからあの力が出るのだろうと不思議な感じもしました。でも凄いことです。優勝おめでとう。

梅林さんも国元さんも、本校が出場する全国特別支援学校フットサル大会の主要メンバーで、攻守にわたり活躍が期待されています。気持ちを切り替えて、フットサル大会に臨んでほしいと思います。怪我がなくてよかったです。速報でした。 

令和4年1031

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(10月27日)

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<現場実習先を訪問して> 

先週の1020日(木)、進路指導主事の先生とともに高等部2年、3年生の現場実習先を訪問しました。

訪問先は一般企業が2カ所、福祉サービス事業所が3カ所、公的機関が1カ所の計6カ所でした。公的機関というのはさぬき市役所で、高等部2年生の実習をお願いし、長尾公民館や長尾児童館の清掃等の活動を中心に仕事を経験させていただいています。実習生一人一人が、それぞれの場所で真剣に仕事に取り組んでいました。ここでは、一般企業で実習させていただいている一人の高3の生徒が、とても印象的でしたので紹介します。

彼は大手運送会社の巨大な配送センターで実習に取り組んでいました。悩み多き思春期真っただ中の生徒で、卒業後の就職先や生活に不安を抱え、家庭や学校でも自分の思いをうまく伝えられず、時には周囲と衝突することもあるような状態でした。しかし、この会社で働く彼の姿は普段の学校生活と違い、「真摯な」というのがふさわしい態度で仕事に取り組めていました。事務所の方からは「毎朝と帰りには事務所で元気な挨拶をしてくれて、こちらも気が引き締まります」現場の担当の方からも「返事や受け答えをきちんとして礼儀正しい」、「現場では気づいたことをメモし、一生懸命覚えようとしている」など、とても高い評価をいただきました。彼も「体はしんどいけど、やりがいがある」と言っていました。現場の方々が上手に声をかけてくれて、彼の働く意欲を引き出してくれていることは、現場の雰囲気からよく分かりました。学校でもこのような姿勢や態度で生活してくれたらなぁとは思いましたが、それは教師としての欲張りな思い込みがあったのではと気づかされました。

学校ではこの現場実習に向けて、なぜ働くのか、働くために必要なことについてかなりの時間を割いてたくさんの学習を積み重ねてきました。しかし、実習前の彼の不安定な様子から、正直私たち教師は会社に迷惑をかけないだろうかとか、これまで学習してきたことが積み重なっていないのではないかといった不安がありました。しかし、実際の職場で一所懸命に働く彼の姿を見て、彼は「働くこと」について彼なりにしっかり理解していたんだと思いました。生徒を指導する場面では、「分っていることとできることは違う」とか「分っていても行動に現さなければ分っていないことと同じ」と言いますし、私も担任をしていた頃そう言ってきました。確かにそれは正しい言葉かもしれませんが、生徒の内面にまで十分に語りかけたうえでその言葉を発してきたでしょうか。杓子定規に決めつけたり思い込みだけで投げかけてきたことはなかったでしょうか。彼はこれまで学習してきたことは十分に理解していたけれど、学校という場所ではなかなか入らなかった行動のスイッチが、職場という環境や会社のみなさんの力によって起動したのでしょう。会社のみなさんには本当に感謝しています。ありがとうございます。

でもこのスイッチが起動するためには、学校での学びが根底にあるのは間違いありません。担任の先生はじめ彼を指導支援してきた先生方が根気強く言い続けてきた成果であり、先生方も自信をもっていいと思います。学校教育の成果はすぐに出るようなものでもないし、時間もかかります。私たち教師は、子どもの行動のスイッチがいつか必ず起動することを信じて、辛抱強く取り組んでいかなければなりません。彼の働く姿をとおして、いい勉強をさせてもらいました。学校へ帰ってきたら、彼とゆっくり話をしてみたいと思います。 

令和4年1027

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(10月1日)

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 <あっという間に9月が過ぎてしまいました(9月のトピックス)> 

2学期がスタートして、気がつけばもう10月になってしまいました。9月も学校見学会やPTA授業参観、地震を想定した避難訓練などいくつかの学校行事を開催しました。

9月8日に実施した学校見学会は、6月に続いて第2回目となります。次年度に本校への就学や高等部の受験を考えている児童生徒やその保護者の方々、担任の先生方など約50名のみなさんが来校されました。6月に開催した第1回目の学校見学会が65名の参加でしたので、今回もたくさんの方が来てくれました。午後からは希望者による個別相談も実施され、各部の部主事がお話を聞かせてもらいました。

平日に実施したPTA学習参観は、コロナ対策もあり、中学部が9月13日(火)、高等部が28日(水)、小学部が29日(木)と日を変えて行いました。仕事等で参加できなかった保護者のみなさまには申し訳ないですが、平日に普段の子どもたちの様子や授業を見ていただくことも意義があると考えます。土日や祝祭日に参観日を設定すると、どうしてもリズムが合わない子どもたちもいますので、平日であれば実力が発揮できる可能性も広がります。学校で様々な表情を見せる子どもたちを、ゆっくり見ていただけたらいいなあといつも思っています。本当は学部ごとでなく、全校一斉のフリー参観日として他の学部の授業を参観してもらうのが理想ですが、いましばらく時間が必要です。

9月15日には、異校種研修として、今年度新規採用された高等学校の先生方が本校で1日研修を行いました。来校したのは高松市以東の高等学校の先生方14名で、専門教科については様々でした。研修の最初に私から本校の概要について話をさせてもらいましたが、特別支援学校に行ったことがある先生は3分の1ほどで、皆さん新鮮な気分でたぶんワクワクドキドキしながら研修に臨んだのではないかと思います。概要を聞いた後は、それぞれ一人ずつ小学部から高等部までの学級に入り、本校の先生方の指導法を見たり、なかには授業に参加したりと楽しい時間になったようでした。本校で見たこと気づいたこと考えたこと、研修を受講した先生方の心の中には大なり小なりの「変化」があったのではないでしょうか。これから長い長い教員人生が続くと思いますが、様々な経験をとおして自分自身の変化に気づく時が必ずあります。変化を恐れず変化を楽しめる教員人生になりますように。初々しい先生方を見て、心の中でそんなエールを送りました。

9月28日(水)の夕方、競技部のフットサルチームが「第1回全国特別支援学校フットサル大会」出場を記念して、地元さぬき市の大山茂樹市長を表敬訪問しました。出場生徒5名と監督1名、コーチ2名、さぬき市との間で表敬訪問の依頼や調整をしてくれた教頭先生、私の合わせて10名が市役所を訪問しました。さぬき市学校教育課長さんの進行によりセレモニーが始まりましたが、さぬき市のケーブルテレビの取材も入ったためか、生徒たちは一様に緊張状態。大山市長さんから大会に向けての決意を聞かれた生徒は、なかなか答えられずでしたが、市長さん自ら生徒に助け船を出してくれるなど気遣いをいただきました。選手一人ひとりに激励の言葉もいただき、こちらが恐縮するくらいでした。激励のお話に加え記念品もいただき、本当にありがたく感謝いたします。一通りのセレモニーが終わった後、大山市長さんから「もっと生徒と話がしたい」ということで、フリートークのような時間を持っていただきました。ざっくばらんに生徒に話しかけていただき、最初は緊張していた生徒たちもだんだんと笑顔で話ができるようになりました。大山市長さんご自身も生徒とのトークを楽しんでおられるようでした。最後は記念撮影で締めくくりましたが、大山市長さんの気さくなお人柄と優しい心遣いに改めてお礼申し上げますとともに、生徒たちを支えてくれるみなさんのためにも、全国大会に向けてさらに気を引き締めていかなければと、こちらも気が引き締まる思いでした。

大山市長さん、ありがとうございました。期待に応えられるよう頑張ってきます。 

令和4年10月1日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(9月1日)

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 <第2学期が始まりました>

本日9月1日、第2学期がスタートしました。心配された新型コロナウイルス感染症ですが、児童生徒については2名が療養中、2名が濃厚接触者に特定され出席停止といった状況でした。そのほか体調不良等で欠席の児童生徒も数名おりましたが、登校した児童生徒はみな元気で、明るい笑顔を見せてくれました。42日間の長い夏休み中には、陽性判定が出た児童生徒も20名ほどおりましたが、重症化するようなこともなかったようで、みな回復し元気になって登校してくれました。後遺症などがないか様子をよく見ていく必要はありますが、とりあえずよかったです。

さて、本日1時間目は表彰式と始業式。会場は高等部が体育館に集合し、中学部と小学部は各教室でオンライン配信にて参加しました。今日は台風の影響か、たいへん蒸し暑く、体育館も大型送風機を2台、大型扇風機も2台稼働してはいましたが、座っているだけで汗がにじむような状況でした。全員が各教室でオンライン配信という方法もあったのですが、表彰のことを考えるとみんなが集まった場で授与し、臨場感のある拍手と祝福を受けるほうが励みになると考え、高等部だけですが参集形式としました。

表彰式では、夏休み中に開催された第38回香川県特別支援学校知的障害教育校水泳大会の表彰と、来年4月に開校する小豆島みんなの支援学校の校章デザイン募集で特別賞を受賞した生徒の表彰を行いました。水泳大会では、学校のプールが使えない中、週1回の寒川町B&Gのプールを使った数少ない練習にもかかわらず、個人種目で2つの大会新記録を出す中学部生徒もいました。男女混成で挑んだメドレーリレーでは準優勝も獲得するなど立派な成績を収めました。校章のデザイン募集は、県教委のホームページを見ると全国から459点の応募があったようで、関心の高さがうかがえました。本校も高等部生徒の複数名が授業や放課後の時間を使ってデザインを考え、エントリーしましたが、その中で高等部2年生の蜂須賀さんの作品が見事に「特別賞」(全作品中10作品の選出)に輝きました。工代教育長名の表彰状と記念品を受け取った蜂須賀さんの生き生きとした瞳と、会場からの拍手に喜びが身体からほとばしるような彼の姿にこちらもうれしくなりました。おめでとうございます。作品のデザインやその説明については、以下のURLからご覧になれますので、ぜひどうぞ。

https://www.kagawa-edu.jp/syomnsi01/file/76

始業式の校長からの話では、9月1日は防災の日であること、防災の日や防災週間ができた経緯や近年起こった東日本大震災などの災害について簡単に説明し、今日をまた契機として自然災害に対する防災意識を高め、それへの備えを確認することなどについて話をしました。

1130分の下校までの時間、各教室を廊下から眺めて回りました。夏休みの美術作品を披露しあう学級や夏休みの思い出の写真をみんなで観賞したりする学級もあり。高等部では、卒業までの3年間の中で、この2学期がいかに大切な時期であるかを学習している学級もあり、様々だなあと感じました。

2学期は学校全体で取り組む若竹祭(学校祭)があります。小学部6年生、中学部3年生、高等部2年生は修学旅行も控えています。高等部2,3年生は現場実習もあります。コロナ対策にもしっかり取り組みながら、充実した2学期になるよう頑張ってほしいと思います。

令和4年9月1日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(7月28日)

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<インターハイ「躍動の青い力 四国総体2022」相撲競技、終わる>

7月26日(火)から3日間、高知県立県民体育館で、全国高校総体相撲競技大会(第100回全国高等学校相撲選手権大会)が開催されました。以前お知らせしたように、本校高等部1年の梅林龍弥君が、個人戦予選に出場し、3回の試合に臨みました。相撲競技の個人戦は、予選として3回戦(3試合)を行い、2勝以上した選手により決勝トーナメントを行う形式で、体育館の中央に土俵が一つだけ設営されて、一試合ずつの取組でした。全国高校総体の相撲競技を見るのは初めてでしたが、土俵の上には四方に紫の水引幕が吊るされ、つり屋根こそありませんでしたが、さながらテレビで見る大相撲のよう。国技である相撲の厳粛な雰囲気を感じました。

有観客で開催された相撲競技でしたが、一般・保護者は2階の観覧席のみ入場可で、声援は禁止、応援は拍手だけでした。選手同士が気合を掛け合って、士気を高めることも禁止されているようで、コロナ禍でなければ、観覧席からの大きな声援と選手同士の勇ましい気合にあふれた大会会場となっていたことでしょう。声に出して気合を掛け合うことが許されない中でしたが、選手たちは自分の気持ちを気勢や気迫として全身で表現しているようで、一番一番が真剣勝負、こちらも目が離せない、そんな時間でした。

梅林君の1回戦の対戦相手は、体重も100キロを超える長野県の選手でした。立ち会いを低く当たった梅林君は相手の右足を取り、そこから両まわしをがっちりと引いて下から押し、土俵俵まで相手を寄り詰めましたが、土俵際で体を入れ替えられ、すくい投げで土俵を割ってしまいました。一瞬、勝てると思いましたが、相手も長野県の代表選手、土俵際の落ち着いた取り口は経験も豊富なのかなと感じました。

その後の梅林君の戦いですが、2回戦は広島県の選手に押し出しで、3回戦は佐賀県の選手にも残念ながら押し出されて3敗となり、悲願の1勝とはなりませんでした。

個人戦がすべて終わった後、会場の外で梅林君に会いました。試合前の緊張から解放されたからか、安堵の表情がみられましたが、試合の時の話を聞くとやはり悔しかったようで、表情が一瞬厳しくなりました。梅林君の全国インターハイ挑戦は終わりましたが、誰彼もができない経験です。この貴重な経験を糧に、この場に導いてくれたたくさんの関係の皆様や先生方への感謝の気持ちをまた新たにして、学校生活でも更なるリーダーシップを発揮し活躍してくれることを期待しています。

関係の皆さま、先生方、本当にありがとうございました。そして、梅林君、おつかれさまでした。ありがとうございました。

令和4年7月28

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(7月21日)

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<第1学期が終了しました>

7月20日、第1学期の終業式を行いました。小学部は各教室等でのオンライン配信、中学部、高等部は体育館に集合して対面での実施としました。終業式の前には表彰式として、硬筆検定の合格証書授与と7月10日の全国特別支援学校フットサル大会四国大会優勝の表彰を行いました。フットサル大会の表彰前には、ステージ上のスクリーンに大会のVTRをハイライトに編集したものを放映し、全校生で視聴しました。2試合とも先取点を取られましたが、チームが徐々に連携し、お互いを信頼しながらゴールを重ね、逆転勝ちを収める様子に、会場で見ていた生徒たちも思わず拍手を送っていました。

終業式の校長の話では、いつもはスクリーンにプレゼンテーションしながら話すのですが、蒸し暑い体育館の中での集会でしたので、この日は時間短縮の意味も込めて口話だけにしました。1学期は3年ぶりに保護者にも来ていただいて運動会ができたことなど、1学期の出来事を少し振り返った後、とにかく健康で楽しい夏休みにしてほしいこと。また、新型コロナウイルス感染症も再拡大、急拡大してきているので、熱中症の予防もしながら基本的な感染症対策を怠らず、元気に2学期に会いましょうといった短い話で終えました。

終業式のあとには、来週26日から始まる四国インターハイの相撲競技に出場する高等部1年生の梅林君の壮行会を行いました。たくさんの人の前で話すのを恥ずかしがる梅林君ですが、「全国から強い選手が集まるので、対戦するのは怖いですが、精一杯頑張る」との決意の言葉が聞かれました。今のところ、高知県での相撲競技は有観客で開催される見込みですので、私も休みを取って応援に行く予定にしています。今から楽しみにしていますが、これ以上感染状況が厳しくなり、無観客開催にならないよう祈るばかりです。

1学期は、コロナの第6波と言われる最中での始まりとなりました。6月に入って1日の感染者数が100人を下回る日も出て、少し安心もしていたところがあります。しかし、7月からまた感染の急拡大が起こり、今日21日は香川県でも1000人を超えました。感染の第7波とも言われていますが、このような状態はいつまで続くのでしょうか。コロナウイルスも早く人間の体と折り合いをつけてくれて、普通の風邪とは言わないまでも、インフルエンザのように治療薬で治まってくれるウイルスに変異してくれないのかとも考えます。夏休み中も、児童生徒だけでなく教職員もできるだけ罹患せず、健康でいてくれることを願っています。

令和4年7月21

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(7月15日)

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<大学生による学校支援ボランティアが始まりました> 

7月4日から、高松大学発達科学部こども発達学科の学生さんが、本校で学校支援ボランティアとして活動してくれるようになりました。授業の合間を縫っての来校となりますので、週1回月曜日の午前中、本校の時間割でいうと1~3校時の時間帯で、2名ほど来てくれることとなりました。

この取組ですが、そもそもの発端は高松大学の堺先生とのご縁によるものです。堺先生は元丸亀養護学校長で、退職後は高松大学で教鞭をとられており、旧知の間柄です。私が盲学校に勤務していた頃にも、時々校長室に寄られて、特別支援教育の在り方や理想について夢を語りあっていました。私が本校に赴任した昨年、高松大学教育実習生の指導教官として、また堺先生と本校校長室でお会いすることとなり、本校の現状や大学での学生の様子等について率直な意見を交換する機会に恵まれました。

学校支援ボランティアについては、すでに制度として県教委義務教育課が主管して高松市内の小学校で実施しており、高松大学の学生も定期的に参加し、学生への教育効果も高いというお話を伺いました。堺先生との間では、この制度が特別支援学校でも実施できたらいいですねという話までで終わっていました。また昨年度は、外部の方にどんどん学校に来ていただくという雰囲気を醸成することが難しい状況でしたので、この取組は実現しませんでした。

今年度になって児童生徒数は昨年度当初と同数でしたが、学級数の減少により教員数も減少し、厳しい運営をせざるを得ない学級も複数生じてきました。様々な工夫をしても現場の人手不足は明らかで、先生方の疲労感が随所に感じられるようになりました。少しでも人の手があればという思いで、また堺先生と相談し、具体的に学校支援ボランティアの話を進めることとしました。校内では先生方への説明と理解、大学のほうでは大学上層部への説明と承諾、学生の推薦とそれぞれが並行して急ぎ事を進めました。実施の方向性が定まってからは、具体的な日程調整や校内の受け入れ態勢の整備など、とんとんと準備を進めることができました。県教委特別支援教育課のほうには、事後報告といった感じにはなりましたが、了解も得ることができました。

この取組はまだ始まったばかりで、7月は2回実施したのみですが、大学生にとっては貴重な学びの場になっているようで、ボランティアを終えて大学に帰ってきた学生さんは、生き生きとした表情で感想を語っていたそうです。教員を目指す大学生を受け入れるということは、先生方にとっても自分の指導や支援の在り方に気づくチャンスかもしれませんし、逆に先生方の負担となるかもしれません。2学期からも継続して取り組んでいきますが、これから課題も出てくるでしょう。一つ一つ乗り越えながら、みんなが幸せになる学校支援ボランティアにしていきたいと思っています。

令和4年7月15

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(7月14日)

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<訪問学級で一足早い終業式を行いました> 

7月14日(木)の午後、高等部3年生の訪問学級生徒のご自宅で、一足早い1学期の終業式を行いました。参加したのは私と訪問学級担任の2名でしたが、開式のことば、校長の話、校歌斉唱、閉式のことばと、学校での終業式と変わらない段取りで実施しました。

昨年4月に赴任した時から、訪問学級の生徒には早く会いに行きたかったのですが、コロナ禍に加えて様々な事情が重なって一度も会えておらず、今回初めて会うことができました。これまで、担任の先生が撮影した私や教頭先生のビデオメッセージは何度か見ていたとは思いますが、初顔合わせの瞬間は少し驚いた様子でした。「留加くん、こんにちは。初めまして、田中です。」と話しかけると、すぐに満面の笑みを見せてくれました。終業式の前には、いつも最初に行っているお茶を飲んだり、日めくりカレンダーをちぎって日付を確認したりしました。

そしていよいよ終業式。私からの話では、1学期間、体調を整えて元気に訪問の授業を受けることができたことは凄いこと、夏休み中も熱中症や新型コロナウイルス感染症に気をつけて、体調を整えて過ごしてほしいこと、新型コロナが収まってきたら、2学期に開催される若竹祭(学校祭)に参加出来たらうれしい、みんな待っているよ、というような話をしました。校歌斉唱では、タブレットの字幕画面を見ながら校歌を聞きましたが、私もつい口ずさんでしまいました。それを聞いてか、いっそう目を輝かせて時折手足も動かしながら、心の中で一緒に歌っているように感じました。

式のあと、お母さんと少しお話をさせていただきました。来年3月には卒業を控えています。学校としても卒業後の生活に向けて保護者とともに体制を整えていく必要がありますが、地元には医療的ケアが必要な重度の心身障害のある子どもや成人の方の日中活動を支えてくれる場所がない状況です。地元自治体等ともさらに連携し、考えていかなければなりません。本人のいのちが一番ではありますが、外に出かけて行ってたくさんの人と関わりながら、生き生きと人生を送ることができる居場所づくりに取り組んでいかなければと思います。帰り際、もう一度留加君に挨拶をするため部屋に入りましたが、「えっ、帰るの」と言わんばかりの寂しい表情に、後ろ髪を引かれる思いでした。

令和4年7月14

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(7月13日)

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<全国特別支援学校フットサル大会四国大会 優勝!> 

*7月11日付の「校長室より」の続きです。

全国特別支援学校フットサル大会は、一般財団法人日本ライオンズクラブの主催によるもので、11月4日から6日までの3日間、北海道札幌市で第1回目の大会が開催されます。3年前ほど前からこの大会の計画はあったようですが、コロナ禍になり延期されて、今年度ようやく実現の運びとなったそうです。全国の特別支援学校のうち、この大会に参加できるのは知的障害教育校(部門)と聴覚障害教育校(部門)で、これは安全性を考えての配慮ということでした。

学校に大会の開催案内が来たとき、校内にフットサルチームはありませんでした。本校は全校児童生徒147名という規模の小さい学校ですので、部活動も運動部門としての「競技部」と文化部門としての「音楽部」、アビリンピック(障害者技能競技大会)に向けて不定期で取り組まれる「技能部」の3つの部活動で運営しています。競技部は、県内知的障害教育校5校で開催されるスポーツの大会(ソフトボール大会・水泳大会・駅伝大会)、また県内の障害者スポーツ大会や卓球大会等に参加するため、各大会のシーズンによってそれぞれの競技の練習に取り組んでいます。今回のフットサル大会の参加については、この競技部部員を中心にメンバーを募り、チームの結成となりました。

大会に向けての練習が始まったのは5月の終わりごろからで、それまでは、5月18日に開催された5校のソフトボール大会のためのソフトボール練習に力を注いでいました。例年であれば、ソフトボール大会の後は7月下旬に開催される5校の水泳大会に向けて、水泳競技の部活動に切り替えます。ところが、今年は本校のプールが老朽化し漏水していることが分かり、使用できなくなりました。情けない話ですが、その修繕のための予算確保ができず、今年は学校全体のプール学習も中止せざるを得ない状態になりました。部活動については、平日の放課後に近くのBG海洋センターのプールで練習することも検討しましたが、往復の所要時間を考えると現実的に難しいことから、BGのプールでの練習は土曜日のみとなりました。平日は水泳練習ができないという状況も、このフットサルチーム結成と大会参加に一役買ったかもしれません。

フットサル大会に出ようということが決まってからは、朝に放課後に一生懸命練習しました。教員も練習環境の整備に向けて、近隣の高等学校にフットサル用のボールをたくさん借りてきたり、また別の高等学校からは、フットサルと規格が同じハンドボール用のゴールをトラックで運んできたりと、これまでのご縁を頼りに自主的に動いてくれました。何か新しいことに挑戦するといったときに、子どもたちへのモチベーションを高める働きかけ、そして自らできることを考えて具体的に実践する、そんな先生方が本校にはたくさんいるということがとてもうれしかったですし、私も見習わなくてはと思いました。

もうひとつこの大会参加への後押しをしたのが、交通費や宿泊費など大会参加に係る費用のすべてをライオンズクラブさんが負担してくださったということです。北海道での全国大会への参加もしかりです。子どもたちに夢や希望を与えてくれて、本当に感謝しています。

 大会まであと3か月余りありますが、さらにチームワークと技術を磨いて、四国代表として胸を張って大会に臨めるよう頑張りたいと思います。

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(7月11日)

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<速報! 全国特別支援学校フットサル大会四国大会 優勝!>

7月10日(日)、今年度初めての開催となる全国特別支援学校フットサル大会の四国大会が、愛媛県東温市のツインドーム重信という体育館で開催され、本校のフットサルチームが見事に優勝しました。その結果、11月4日から6日まで、北海道で開催される全国大会への出場権を獲得しました。四国大会の出場校は、愛媛県から今治特別支援学校、徳島県からみなと高等学園、そして香川からは本校の3校で、この3校によるリーグ戦で勝敗を争いました。本校は今治特別支援学校に3対1,みなと高等学園にも4対1で勝利し、2勝をあげ見事に優勝しました。本校は、最終的に参加者が5名というぎりぎりの人数で大会に臨み、交代要員のないなかで5名全員が休む間もなくフル出場し、素晴らしいチームワークを見せ、優勝しました。スタンドで応援していましたが、試合を重ねるごとに、というか試合中も時間を重ねるごとにチーム5人の意思が通じ合ってきた感じがして、随所に連携プレーがみられ、それを得点につなげていきました。生徒の可能性というのは無限にあるという実感を味わわせてもらいました。チームの生徒たちに心からありがとうという感謝の言葉と、指導してくれたすべての先生方に感謝したいです。ありがとうございました。

とりあえずの大変うれしい速報でした。

校長室より(6月30日)⑥

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<6月のトピックス(その6)>

6月23日(木)の午前中、県内の知的障害教育校5校のPTA・親の会連絡協議会の運営委員会が、本校で開催されました。この会も、コロナ禍になってからは書面審議等で対応してきましたので、集合形態で開催するのは3年ぶりでした。運営委員会ということで、各校より校長、PTA会長、PTA副会長、親の会会長など4、5名程度の参加者があり、令和3年度の事業報告と会計報告、今年度の事業計画及び予算の審議などが行われました。また、今後の当番校の確認や中四国大会、全国大会の開催県などを確認した後、各校の現状について情報交換がなされました。久しぶりに顔を合わせて、ざっくばらんな話し合いができたのは、保護者のみなさんにとってとても楽しい時間だったようで、マスク越しではありましたが、笑顔があふれる場になりました。

来年4月に小豆島に開校する「小豆島みんなの支援学校」も知的障害教育校になりますので、来年度からPTA・親の会連絡協議会に参加することとなります。既存の5校のみなさんも楽しみにしていますので、新しい学校の新しい風を吹かせていただければと思っています。6月のトピックス、その6でした。

校長室より(6月30日)⑤

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<6月のトピックス(その5)>

6月19日(日)、香川県営相撲場で、四国高校総体の相撲競技が開催されました。6月のトピックスその1でお知らせしたとおり、本校からは高等部1年生の梅林君と国元君が個人戦と体重別個人戦の2種目にそれぞれ出場しました。さすがに四国大会となると、力士体型の高校生がたくさん来ており、その佇まいに圧倒される感じがしました。梅林君も国元君も緊張していたようで、やや表情が硬く感じられました。最初に団体戦の予選リーグが行われましたが、個人戦で対戦相手となる選手も出ており、その取組、取り口を真剣なまなざしで観察し、戦法を考えていたようでした。

県営相撲場の中には、土俵のほかによくテレビの相撲部屋に見るような稽古場があります。個人戦が始まる前には、いつも指導してくれている方の胸を借りて、その稽古場でぶつかり稽古をしていました。その表情はふだんの学校生活では見られないもので、何度も何度もぶつかっていく姿にじんと来るものがありました。

団体の予選が終わり、個人戦が始まりました。二人の取組については、何がよくて何がよくなかったのか素人の目にはよく分かりませんので、その詳細については割愛しますが、残念ながら二人とも初戦敗退でした。力及ばすといった印象もありましたが、十分な力が発揮できなかったようにも見えました。二人とも敗退したことには悔しさがにじんでいました。これをばねにして、更なる精進を重ねてほしいと思いました。

表彰式までの大会日程がすべて終わったあと、他校の生徒と一緒に稽古場をほうきできれいに掃除する二人の姿があり、とても爽やかでうれしい気持ちになりました。一方で考えさせられたことがあります。そもそも「共生社会」って何だろうということです。「共生社会の実現に向けて」というスローガン的な言葉を私自身もよく使ってきましたが、私たち大人は、「共生社会」という言葉を振りかざし過ぎてはいないかと。二人の自然な姿に、大人としての責任の重さを感じました。トピックス、その5でした。

校長室より(6月30日)④

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<6月のトピックス(その4)> 

6月16日(木)の午後から、東かがわ市立大内大川小中学校の先生方10名が学校見学に来られました。東かがわ市は市内の子どもの数の減少により小学校の統合が進み、現在は旧3町(引田地区・白鳥地区・大内地区)にそれぞれ小学校1校、中学校1校の配置となっています。各地区の学校とも同じ敷地に校舎を建てるなどして、引田小中学校と白鳥小中学校が令和2年度から、大内大川小中学校がこの4月から小中一貫校になっています。今回見学に来られたのは中学校の先生方で、校長先生、教頭先生を始め、特別支援学級に関わるみなさんで、この取組は昨年度に始まり、今年で2回目となります。

1時間弱の授業見学のあと、私から本校の状況等についての説明、その後の質疑応答という流れで、質疑応答部分には本校教頭や部主事も同席し、意見交換がなされました。中学校の先生方はたいへん熱心で、たくさんの質問が出て有意義な時間となりました。数日経って、中学校の校長先生から連絡をいただきましたが、本校を訪問したあと、支援学級を担当する先生方のチームワークが高まったそうで、感謝の言葉をいただくことができました。これもひとえに、中学校の先生方の謙虚に学ぶ姿勢があったからこそだと思います。このチーム力の向上が、支援を必要とする生徒の力になってくれるものと、大いに期待しています。トピックス、その4でした。

校長室より(6月30日)③

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<6月のトピックス(その3)> 

6月8日(水)、今年度第1回目の学校見学会を実施しました。これまで「オープンキャンパス」の名称で、本校保護者も含め自由に学校の様子を見てもらう機会としていましたが、昨年度の第1回目は本校に就学を希望する児童生徒及び保護者等に限定して開催、第2回目は感染拡大により中止としました。今年度は、人数が多くなることを想定して本校保護者の授業参観は別日に設定し、他校の児童生徒及びその保護者、学校関係者を対象とさせていただきました。名称も「学校見学会」に変更し、今後の就学を考える機会として位置づけました。

参加希望については事前に申し込みをしていただき、午前中に学校見学、午後からは希望者による各部主事との懇談の時間としました。事前の申し込みが、幼稚園・保育所・子ども園関係が8名、小学校関係が25名、中学校関係が32名、総数65名というたくさんの数になりましたので、来校いただく時間を分散して対応しました。今年度の傾向としては、中学生本人やその関係者が多かったこと、そして、その7割が高松市内の中学校からの見学者でした。小学生本人とその関係者についても、8割以上が高松市内の小学校からの見学者でした。現在、本校の児童生徒数は147名と過去最高の数になっています。小学部では、本来は教員の教材室であった狭い部屋を教室に転用するなどのやり繰りをして学習スペースを確保しているような状況です。これ以上児童生徒数が増えると、他の特別教室の転用も検討しなければなりません。

お子さまの就学について、保護者を始め学級担任の先生方が積極的に考えていただくことはとてもありがたいことです。学校の様子等もどんどん見に来てくださって構いませんが、やはり本人の意思を第一に考えてほしいと思います。特に中学生の段階では大切だと感じます。また、高松市内にある特別支援学校もぜひ見学してからご判断をいただければと思っています。6月のトピックス、その3でした。

校長室より(6月30日)②

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<6月のトピックス(その2)> 

6月6日(月)には、今年度第1回の学校評議員会を開催しました。今年度から評議員を1名増やし5名体制とし、1名の方以外はすべて新たにお願いした方ばかりでした。本校に初めて来られた方もおり、学校見学の時間もとったため、十分な質疑応答やご提言がいただけなかったことは申し訳なく思いますが、評議員の方からいくつかのご意見をいただきました。

学校防災の話題になったときの話。地域の代表として参加いただいている評議員さんから、「学校周辺がだんだんと宅地になり、新しい住宅がたくさん建ってきているが自治会に入らない人もいて、地元自治会が高齢化している」そうで、「学校と自治会等が連携した防災訓練は難しいのではないか」との話がありました。それに対して、別の評議員の方から、災害時に避難所となったある学校の生徒が、地域のお年寄り宅を訪問したり助けに行ったりするという記録映画を見たことがあると話していただいた。本校の生徒も援助されるのを待つだけでなく、援助する立場として地域でも活躍できるのではないか、そんなヒントもいただきました。本校ができる地域貢献は何か、地域に開かれた学校の在り方について再考する機会を与えていただきました。

 コロナ禍になって、地域のみなさんが学校に足を運んでいただく機会を持てていない状況です。今年度は開校の頃から続いている地元の民生委員さんとの交流活動も再開し、徐々にではありますが以前に戻りつつあります。また、11月に開催予定の若竹祭(学校祭)にも、地域の方々をお招きできればと考えています。きっと子どもたちや先生方とよい交流ができるのではないでしょうか。6月のトピックスその2でした。

校長室より(6月30日)①

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<6月のトピックス(その1)> 

校長室よりのお知らせが、1か月以上空いてしまいました。決してサボっていたわけではなく、たくさんのことが重なって、つい掲載が滞ってしまったことと、現在、8月初めに開催される全国特別支援学校知的障害教育校長研究大会宮崎大会の発表に向けて、その原稿執筆やVTR作成など、いつもにはない業務が重なっており、時間のやりくりが難しい状況に陥っています。(言い訳ですが)ちなみに、この研究大会、宮崎大会となっていますが、宮崎に行って発表するわけでなく、発表内容を10分間のビデオに録画して宮崎の担当校に郵送します。大会当日は本校校長室でそのVTRを見ることとなりますが、生配信のほうが手間がかからなくていいのになあと思っています。

さて、6月に入ってからのできごとをいくつか紹介します。

まずは、「快挙」と言えるニュースから。6月5日(日)に、第62回香川県高等学校総合体育大会(県高校総体)相撲競技が香川県営相撲場で開催され、本校高等部1年の国元君と梅林君の2名が出場し、個人戦(体重制限なし)で梅林君が第3位、体重別個人戦(80キロ級)で国元君が2位と快挙を達成しました。体重制限なしの個人戦で3位入賞した梅林君は、なんと全国インターハイへの出場権を獲得しました。体重別個人戦2位の国元君も1位になっていれば全国インターハイに出場できたのですが、四国総体への出場権は得ることができました。本校に相撲部はありませんが、二人は小学生の頃から地域の道場で相撲の稽古に励んでいたようで、高等部に入学後、県高校総体に出たいという希望がありました。何とか希望を叶えるべく教頭先生を中心に関係各署と連絡を取り合ってもらい、出場の運びとなりました。二人の体型はとても相撲をしているようには見えないスリムな体で、正直に言うと厳しい試合になると思っていましたが、なんとなんとの素晴らしい結果となりました。私の記憶の範囲ですが、これまで本県特別支援学校から全国インターハイに出場したのは聾学校の男子ソフトボール競技以来で、個人競技で出場する生徒は史上初だと思います。それほどの快挙です。

今年のインターハイは「四国総体2022」として、四国四県で開催されます。相撲競技は高知市民体育館が会場となり、会期は7月26日(火)~28日(木)の3日間です。今からワクワクしています。6月のトピックス、その1でした。

校長室より(5月23日)

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 <創立45周年記念運動会を開催>

 5月21日(土)、令和4年度の運動会を開催しました。朝から天候が気になって、5時前に外に出てみると自宅(東かがわ市)近辺は弱い雨。すぐにスマートフォンの雨雲レーダーで学校近辺の雲の動きを確認しましたが、やはり学校に行って現地の天候を確認したほうが確実と思い、自宅を出て6時前に学校に着きましたが、すでに体育主任の先生と体育科の先生一人が学校に来てくれていました。思いは同じだなあと嬉しくなりました。間もなく教頭先生二人も到着し、「大丈夫、やりましょう」との判断で予定通り開催することを決定しました。

今年度、本校は開校から45年目を迎えるということで、運動会や学校祭といった学校全体の行事については「創立45周年記念」の冠をつけることにしました。記念誌の作成や記念式典などは行いませんが、コロナ禍で何となく重苦しい雰囲気になっている状況を払拭し、学校の教育活動を盛り上げたいという気持ちも込めて、今年は「45周年」を合言葉に各行事に取り組んでいこうということにしました。

昨年度の運動会は、5月22日(土)に保護者にも来ていただいて実施する計画ではありましたが、香川県下に「香川県コロナ非常事態宣言」が出されたためやむなく延期し、翌週平日の24日(月)に児童生徒職員のみで行いました。ちなみにですが、昨年522日の新規感染者数は21名でした。第6波といわれる現在の状況からすると、この人数で非常事態宣言…と思ってしまいますが、現在の状況そのものが予測不能だったのかもしれません。今年は、児童生徒1名につき2名までという限定ではありましたが、保護者等にも来校して参観いただくことにしました。PTA総会の時と同じように、受付時の検温と健康チェックシートの提出もお願いし、来校者の健康状態の確認も十分に行いました。

創立45周年記念運動会のテーマは、

「みんなが主役!笑顔全開!東部っ子!~心を一つに 絆を深めて楽しもう!~」

です。子どもたち一人一人が主役となり、全力全開で演技や競技に取り組み、友だち同士が競い合いながらも相手を思いやり、励まし合う、そんな東部養護学校の子どもたちが笑顔いっぱいで楽しめる運動会にしようという願いが込められたテーマだと思います。

運動会の開催方法については、コロナ前に戻って全校一斉にということは難しく、午前中に小学部と中学部、午後からは高等部と学部ごとに実施し、保護者の参観も学部ごとに入替をお願いしました。小学部は徒競走と「まえへ、そして…」というテーマの全児童によるダンス、中学部は徒競走と「よさこいソーラン2022」の踊りでした。

午後からの高等部は全種目を学年対抗の得点制にして、徒競走(Foot Race)や3種目の競争遊戯に取り組みました。各演技や競技の様子については、後日それぞれの学部から写真も含めホームページに掲載されますので、この小紙面では割愛させてもらいますが、「笑顔全開」のテーマのとおり、子どもたちが本当に楽しんでいる様子が随所にみられる素晴らしい運動会になったと思います。加えて保護者のみなさまも3年ぶりの運動会の参観に「笑顔全開」、大きな拍手を送ってくれていました。本当にありがとうございました。〔参観保護者等の数…小学部:86名、中学部:49名、高等部:57名(計192名)、来賓としてご案内した学校評議員の方が3名来校されました〕

今年は学部ごとの開催でしたが、やはり全校生が一堂に会しての運動会ができることが理想です。小学部は中学部の、中学部は高等部の、それぞれの演技や競技を見ることも貴重な学習の機会です。それは保護者も同じで、上の学部の子どもたちを見ることは将来の成長した子どもの姿を想像することにつながるのではないでしょうか。そういった意味で、午前の開会式から小学部・中学部の演技や競技の時に、用具係として活躍した高等部生徒会役員のきびきびした動きは、小学部・中学部の保護者のみなさまにとっても注目すべきだったのかなあと思います。生徒会役員のみなさん、ありがとう。

最後に、運動会の開催に向けて、限られた時間の中で準備を進めてくれ、子どもたちが主役になるよう指導や支援に一生懸命取り組んでくれた先生方にも感謝です。反省すべき点はあろうかと思いますが、反省点も開催したからこそ出てくるのであって、次に生かすことができると考えます。反省材料をもとに、次年度に向けてよりよい運動会の在り方を模索していきたいと思います。

ご参加いただいた保護者のみなさま、評議員の方々、ありがとうございました。今後とも本校の行事等へのご協力をよろしくお願いいたします。

 令和4年5月23

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(4月29日)

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令和4年度PTA総会と授業参観>

429日、予報通りに雨となりましたが、今年度のPTA総会と授業参観を行いました。PTA総会は2年続けて書面審議でしたので、3年ぶりの集合形態での開催となりました。授業参観については、昨年度一度も開催できていなかったことから、何とか開催をという意気込みで実施しました。

当日は1校時と3校時に授業参観と各部での部主事懇談、2校時にPTA総会と親の会総会という日程にしました。授業参観時の密集・密接を避けるため、学年や学級ごとに1校時参観グループと3校時参観グループ分かれてもらうことを事前に周知し、その時間帯に見ていただきました。また、参観の保護者には事前に健康チェックシートを配布、当日朝に提出いただきました。参観者の数については一家族2名程度ということでお願いをしていましたが、ほとんどのご家族が2名というルールを守ってくれたおかげで、混雑することなく参観が実施できたことに感謝しきりです。久しぶりの参観とあって、あとで名簿を確認すると来校者総数は160名を超えていました。

参観いただいた授業については、担任のことを知ってもらうという意味もあり、ほとんどの学級が担任による生活単元学習や各教科の授業でした。次回の授業参観では、各部の教育の柱となるような授業、例えば高等部などでは職業教育に関する授業なども準備したいと思いますので、楽しみにしていただければと思います。

2校時のPTA総会では、最初に新転任職員の紹介をしたあと、PTA会長の挨拶、そして校長の挨拶、続いて各議事の審議を行いました。校長挨拶の時に少し時間をいただいて、今年度、本校のめざす教育についてスライドを使って説明しました。ちょっと話に熱が入り、前PTA会長さんが「巻き」を入れてくれましたが、たくさんの保護者のみなさんに直接話しかける機会も滅多にないことから、予定時間をオーバーしてしまいました。そのせいか、その後の議事等が駆け足になってしまい、申し訳なかったです。 (今年度の本校のめざす教育については、『そよかぜ(学校通信53号)』に掲載しています。またご覧いただければと思います。)

 議事については、PTA役員さん、親の会役員さんの交代もありました。旧役員のみなさまのご尽力に感謝しますとともに、今後も新役員のみなさまと一緒に、協力して学校を盛り上げていきたいと思います。

今日の参観に来られたご家族の温かいまなざしや嬉しそうな表情を拝見して、改めて思ったことがあります。それは、子どもたちの育ちや教育は学校だけで完結するものではないということ、学校時間以外の過ごし方も大切だということです。学校以外の時間に生まれる家族や友達、様々な支援者との関わり、子どもたちはそこからも大きな学びを得て成長します。以前に読んだウスビ・サコ京都精華大学学長の著書『サコ学長、日本を語る』に次のように書いていたのを思い出しました。以下、書籍から抜粋します。

『先生が皆に同じ内容の授業を与えている場合、その中身は単なる「情報」である。その「情報」を自分のものにするには、自分の力が必要になる。そして、学校以外の、誰にも制約されない時間やだらだらした時間を使って考え、遊びや家庭での経験とシンクロさせて自分の中に落とし込んでいく、というプロセスも必要だ。個性は、そうやって伸ばしていくものであり、余暇の時間をしっかり使うことによってしか、自分自身は成長しないのではないか。

余暇の使い方を学ぶことこそが、人間をつくり、個性をつくる。それが私の持論である。(131頁)』

大人でも仕事以外の時間を上手に活用して、個性を伸ばしている人がどれくらいいるだろうかと考えさせられます。

さて、明日からは本校も6日間連続してお休みに入ります。明日30日、競技部の生徒たちは香川大学教育学部附属特別支援学校とのソフトボールの練習試合を予定しています。お天気も回復する予定なので、のびのびと頑張ってほしいです。

6連休、子どもたちにもご家族にも、そして先生方にも学校以外の時間がたくさんあります。まだまだ感染症は収まらない状況ですので、その対策はしっかりとしていただきながら、「誰にも制約されない時間」や、自宅などで「だらだらした時間」を過ごすのものいいのかなあと思います。

今日はお忙しいなか、また足元の悪いなか、来校いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

令和4年4月29

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(4月8日)

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令和4年度が始まりました>

 

月7日、うららかな春の陽ざしの中、令和4年度の入学式を行いました。年度初めの「校長あいさつ」にも書きましたが、今年度の新入生は小学部11名、中学部15名、高等部18名の合わせて44名です。式には新入生の保護者のみなさまが多数列席してくださり、厳かな雰囲気の中で催されました。ただ、3年前までは在校生も全員出席し、PTA会長様はじめ来賓の方々もご臨席いただき、会場いっぱいの人々の祝福を受けての入学式でしたが、やはり感染症対策を取らざるを得ない状況でしたので、座席の間隔を十分に確保し、会場への入場は新入生とその保護者2名までにさせていただきました。教職員も新1年生の担任のみが式場に入り、在校生やその担任は各教室等でオンライン配信による参加とし、来賓のご出席も遠慮願いました。

式は国歌斉唱(CDによる)のあと、小学部から順に部主事による新入生の呼名、呼名に応じて校長から小学部、中学部は入学の承認、高等部は義務教育ではありませんので入学の「許可」をしました。これにより、新しく44名を加えた新年度の児童生徒147名全員がそろったことになります。私も気が引き締まる思いでした。

校長式辞では、本校の校訓「明るく たのしく のびのびと」に込めた子どもたちへの思いを紹介しました。この校訓には、子どもたち一人一人が世界に一人だけのかけがえのない存在として、健康で今をたくましく、自分の可能性を信じて、個性豊かにいきいきと、そしてのびのびと過ごしてほしいということ。そして毎日の積み重ねの中で、将来によりよい社会を創る人になってほしいという願いが込められていること。この校訓というのは、言い換えれば子どもたちのめざす姿でもあります。これを目標として、学校の仲間や先生方と力を合わせて、いつも笑顔があふれる、毎日がわくわくする学校にしてほしいという話をしました。

新入生の誓いの言葉は、高等部1年生の代表がはきはきとした口調で、「一日も早く学校生活になれ、友だちをたくさんつくり、校訓のように、明るく、たのしく、のびのびと、いろいろな活動に取り組んでいきます。」と力強く決意を述べてくれました。

一夜明けた今朝、早速スクールバスに乗って登校した小学部年生、やっぱりお母さんとの別れが辛かったのか、スクールバスの中でも泣いて、学校に着いてからも泣いて、教室に入ってからも泣いて、担任の先生も大変でした。でもしばらくしてその教室をのぞくと、もう泣き止んで自分の席にちょこんと座っていました。泣き疲れてほっと一息ついたのか、担任による適切な支援により本人が今日の見通しを持つことができたのか。たぶん両方ではないかなと思います。今の時期、新入生自身もそうですが、新しく担任となった教員も少なからず手探り状態です。しばらく時間はかかると思いますが、私たち教員はプロフェッショナルです。と言い切る自信がなくても、プロフェッショナルをめざして日々努力しています。保護者のみなさまも、お気づきになった点がありましたら遠慮なく言ってほしいですし、ご家庭での子どもの様子や変化についても、担任と情報を交換し共有してほしいです。3年間、6年間、12年間と、これから本校で学ぶ期間に違いはありますが、一日一日を大切にしてともに歩んでいきましょう。

今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。

令和4年4月8日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(3月10日)

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<令和3年度卒業式を挙行しました>

本日3月10日、今年度の卒業証書授与式を行いました。今日は昨日よりも増して暖かく、外にいると春の陽ざしが私たちを包み込むような一日でした。創立40周年を記念して、校庭の隅に植樹された関山という遅咲きの桜のつぼみも、寒さから解放され少しふっくらとしてきました。地球上では新型コロナウイルス感染症による世界規模の混乱に加え、ロシアのウクライナ侵攻など、非人道的な許されない怖ろしい状況が起こっていますが、自然の営みは留まることなく移ろい、変化しています。

今日、晴れの舞台に臨んだのは、小学部9名、中学部10名、高等部24名、合わせて43名の児童生徒でした。やはり感染症対策として距離を取らざるを得なかったため、保護者のご来場は児童生徒一人につき2名まで、児童生徒は次年度に卒業を迎える小学部5年、中学部2年、高等部2年のみとし、他の児童生徒は各教室でのオンライン参加としました。また、来賓のご臨席も遠慮いただきました。しかしながら、椅子の間隔を広くとったということもありますが、式場となった体育館はほぼいっぱいの状態になりました。開式の前には、学部ごとの思い出が映像として流れ、子どもたちも凛とした気持ちになったように感じられました。

開式の辞、国歌斉唱、卒業証書授与、校長式辞、卒業生を送る言葉、卒業生代表の言葉、校歌斉唱、閉式の辞と式の中身も簡潔にし、多人数での合唱は控えるよう通知があったことから、国歌も校歌も音楽を流すことで対応しました。当初、閉式後の卒業生退場の場面では、「旅立ちの日に」を児童生徒職員全員で合唱する予定で練習していましたが、やむなく断念しました。歌いたかった子どもたちもたくさんいたと思いますが、その代わりに、声楽を専門とする本校教員二人にピアノの生演奏とともに歌ってもらい、式に華やかさを添えることができました。

卒業証書授与は、正面に立つ校長のところまで一人ひとりが自力で来て、証書を受け取りました。みんなたいへん凛々しい姿でした。赴任して1年に満たない私ですが、子どもたちそれぞれに私なりの思い入れがあります。一人ひとりと目を合わせて卒業証書を手渡しましたが、子どもたちの輝く瞳に何度か心が吸い込まれそうになりました。この1年間だけを見ても、子どもたちは心も体も大いに成長しました。「共育」という言葉がありますが、子どもたちの成長は、私たち教員の成長でもあります。壇上から見える先生方の表情も柔和でとてもいい目をしていて、日々努力してくれたことに改めて感謝の気持ちが湧いてきました。子どもたちも、先生方も、ありがとう。

卒業生を送る言葉は、小学部から5年生の三原君、中学部から2年生の入谷さん、高等部から2年生の西君の3名が担当しました。三人とも送る言葉を暗記し、卒業生への感謝の言葉を堂々とそしてはきはきと言うことができました。

卒業生代表の言葉は、卒業生全員を代表して高等部3年生の三谷君が、三年間の思いを込めて語ってくれました。なかでも、部活動が自分を変えてくれたという話には感動しました。挫けそうになった時、家族や同級生、先輩が自分を支えてくれ、ポジティブに変わることができた。周囲への感謝の気持ちを素直な自分の言葉で表現し、伝えてくれました。周囲の助けがあったのはもちろんですが、それを乗り越えたのは自分自身です。この経験は彼の自信となって、これからまた一歩踏み出す勇気が湧き、行動に移してくれることでしょう。

小学部6年生は全員本校中学部へ進学します。中学部3年生のうちお一人は転居により県外の学校に進学します。新天地での不安もあるかとは思いますが、本校での思い出を胸に活躍してくれることを願っています。他の3年生は全員本校高等部へ進学しますので、また4月の入学式には元気な笑顔で会えると思います。それまでしばらくのお別れです。

高等部3年生は、今日の日を境に社会人となり、それぞれの新生活が始まります。やればできるという自分の可能性を信じて、自分を大切に、周りの人の助けも借りながらあなたらしく、あなたしか歩めない人生を楽しんでほしいと願っています。学校という場は離れることになりますが、私たち教員はこれからもずっとみなさんを応援しています。とりあえずは健康でいてください。

最後になりましたが、卒業生の保護者のみなさま、お子さまのご卒業、誠におめでとうございます。これまで本校にお寄せいただいたご支援やご協力に心から感謝申し上げます。子どもたちが本校で学び続けることができましたのも、みなさまの支えがあったからこそであります。これから子どもたちが行く道は、決して平坦な道ばかりではないかもしれません。困ったことがあったら、遠慮なく学校に相談に来てください。

卒業生のみなさん、これまでありがとう。では、また会う日までお元気で、さようなら。

 令和4年3月10

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(3月1日)

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<はや3月になりました>

1月は往ぬる、2月は逃げる、3月は去るといいますが、あっという間に2月が終わってしまいました。「校長室より」の更新も2月4日以来となります。この間、小学部、中学部で卒業生を送る会、高等部では予餞会と卒業生との別れを惜しむ学部の催しが開かれました。また、学年ごとの校外学習なども実施されました。ただ、感染状況は一向に改善しないので、校外学習においては店舗等での飲食は中止し、テイクアウトを利用したり、弁当を買って学校に持ち帰って食べるなどの対応をしました。安全面を考えて、校外学習については次年度に繰り越した学年もありました。学習活動にはできるだけ制限が出ないようにとは言いながら、やはり子どもたちには残念な気持ち、窮屈な思いをさせています。

今日、校内をうろうろしている時に、高等部3年生の男子生徒と廊下で出会い、「卒業式まであと十日やなあ。一年は早いなあ。」と声をかけました。「今年一年は、(スポーツの)大会が全部中止になって残念でした。また、夏休みが延びて、2学期が短かったのがつらかったです。」と話してくれました。そのあと、卒業後の生活基盤となるグループホームにはいつ入るのか、会社にはいつ出社するのかなど、話を聞かせてもらいました。生徒は明るく話してくれましたが、私には重い言葉でした。やはり生徒にとって、残念で、つらい一年だったんだということを改めて考えさせられました。もっと他に対応の方法があったのではないか、コロナ禍中だから仕方がないと安易な判断をしていなかったか。その時々の判断は正しかったと思いたいのですが、果たしてどうでしょうか。その答えはずっと先に、時間が経ってから出るものかもしれません。

卒業式まであと九日となりました。香川県の感染者数も高止まりの状態が続いています。卒業式が予定通り挙行できるよう、感染対策にしっかり取り組みながら、卒業生との時間を大切に過ごしたいと思います。

 令和4年3月1日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(2月4日)

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<ロードレース大会と持久走大会を開催しました>

2月2日(水)、高等部はロードレース大会、中学部は持久走大会を開催しました。この時期、本校では小学部から高等部まで学部ごとに、体力づくりも兼ねて体育の時間を中心に持久走に取り組んでいます。雨の日以外は毎日運動場を走り、体力だけでなく気力も養っています。

まずは高等部のロードレース大会から。高等部は本校の近くを流れる鴨部川の土手を利用して往復1キロのコースを設定し、4つのグループに分かれて走りました。前日の強風も収まり、レースには絶好のコンディションでしたが、川土手ということもあり、時折吹く寒風が生徒たちの頬を紅色に染めていました。グループ分けについては、男女混合の青グループが1キロ、女子の赤グループが2キロ、男子は白グループがキロでしたが、白グループは普段の練習時のタイムで2グループに分けて走りました。体調不良等による見学者や欠席者もあり全員参加というわけにはいきませんでしたが、参加した生徒たちは自分の持てる力を100%以上発揮して、力強い走りを見せてくれました。自分のグループ以外の友だちが走っている時には、沿道に立って精一杯の応援をしました。応援を受け、普段からは考えられないような走りを見せる生徒もいて、声に出して思いを伝えることの大切さを改めて感じることができました。

鴨部川土手沿いのレースが終わって学校に戻ってからは、車いすを利用する生徒のために、体育館でスラローム競争が行われました。こちらも沿道ならぬ体育館に集合した友だちや先生方からの心のこもった応援や拍手で、持てる力を精一杯発揮することができました。その後の表彰式では、各グループの1位から3位までの入賞者、各グループの敢闘賞や努力賞などの発表があり、受賞した生徒たちは満面の笑みを浮かべていました。

続いて中学部の持久走大会ですが、こちらは運動場と校舎の間を走るコースを設定した大会でした。それぞれの体力に合わせてAグループとBグループに分かれ、健脚を競いました。こちらも友だちや先生方の精一杯の応援が、いつも以上の力の発揮を後押ししたようで、前を走る友だちについていこう、そして抜いてやろうという意気込みが、その真剣なまなざしから伝わってくるようでした。そして走り終えたあとの苦しい息づかいの中にも、やり遂げた充実感のある表情。子どもたちの可能性はまだまだ広がっていくと感じた瞬間でした。 

新型コロナウイルス感染症の拡大によるまん延防止等重点措置の適用がなければ、来週月9日には毎年恒例になっている県内特別支援学校知的障害教育校の駅伝大会が、生島町の県営総合グラウンドで開催される予定でした。何とか開催できないか検討しましたが、生徒や職員の安全確保とこの社会状況には抗うことはできず、やむなく中止としました。本校もこの大会での優勝を目標に朝夕の練習に取り組んできましたし、大会会場まで試走にも行きました。運動競技部に所属し駅伝大会に向けて歯を食いしばって練習してきた高等部年生にとっては最後の対外試合であり、悔しい思い、落胆も大きかったことでしょう。生きるということは、自分の思い通りにならないことと、いかに折り合いをつけていくかだと思います。その折り合いのつけ方は人それぞれだと思いますが、それは人を成長させるチャンスでもあります。そうだとしても2年にわたるコロナ禍は、はやり子どもたちにとっても過酷な体験です。しかし、案外、子どもたちはこの困難な状況を柔軟に受け入れ、本人なりに折り合いをつけているように見えます。かえって我々大人のほうが、以前の生活に執着して立ち止まってしまっているのかもしれません。

卒業式まで、あと1か月と数日。高等部3年生の学校生活も残り少なくなりました。やり残したことがないように、私たち教員も努力したいと思います。

令和4年2月4日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(1月22日)

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<学習参観を中止しました>

本日122日(土)は、今年度最後の学習参観日のはずでした。しかしながら、みなさまもご承知のように、新型コロナウイルス感染症罹患者の急拡大により、県下8市6町に「まん延防止等重点措置」が発令されたことから、学習参観は中止にさせていただきました。楽しみにしておられた保護者のみなさまには、大変申し訳ない限りです。校長としても最後まで悩んだ結果、苦渋の決断であったことをご理解いただければありがたく思います。

それにしても、この第6波といわれる感染症の広がりは予想を上回る、予想すら難しいような状況になっています。県内の学校でも複数の感染者が出て、濃厚接触者や接触者に指定された児童生徒や教員が学校に来ることができず、学級閉鎖とか学年閉鎖をせざるを得ない状況になっているという情報も入っています。学習参観を中止したことに対して、「できただろう」というご意見があることは承知していますが、いま学校での子どもたちの学びを止めたくないという強い思いがあります。いずれは本校でも感染者が出るかもしれませんが、その時は保健所や県教委とも連携しながら、適切に対処できるよう準備はしております。

今日もいつもと同じように、何度か校内を見て回りましたが、子どもたちは元気いっぱいに学習していました。先生方も参観日のつもりでしたので、いつもとはちょっとだけよそ行きの授業で、子どもたちも楽しみながら学習に取り組んでいる様子が見られました。

さて、ただいま、今日の香川県の感染者数が発表されました。188名だそうです。昨日の過去最高をまた更新したようですが、この毎日発表される感染者数という数字は、私たちの不安を煽っているような印象も受けます。不安を回避するように行動することは当然だと思いますが、オミクロン株というのはどうもデルタ株とは違うということが分かってきましたし、一律に感染者数をもって様々な物事を判断するというのもいかがなものかなと、今とても悩んでいます。

この状況に対するみなさんの考え方や捉え方も様々だと思いますが、児童生徒にとっても「今」は今しかないのであって、先に延ばしても大丈夫なこと、出来ることもありますが、「今」しかできないこともあります。新型コロナウイルスを正しく恐れて、今後の学校での対応については柔軟に考えていきたいと思います。

ご意見などがありましたら、どうぞ遠慮なく校長までお願いいたします。

 令和4年1月22

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(1月13日)

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<3学期の始業式>

1月11日、ちょっと長い冬休みが終わって、3学期がスタートしました。当日は朝から雨模様、ぐっと冷え込んで、運動場に立っていると背中がぞくぞくとするほどでした。毎朝そしてスクールバスが出る下校時にも、教頭先生が赤い誘導棒を手に校門前の道路に立って交通整理をしてくれていますが、そのお陰で、学校前での交通事故等は起きていません。雨の日も風の日も、朝からさんさんと日の光が降り注ぐ夏の暑い日も毎日立ち続けてくれています。本当に感謝しています。正門前の道路は、幹線道路ではありませんが結構抜け道として利用している方も多いようで、朝の通勤時間帯には、まあまあの通行量があります。学校周辺の道路には当然「通学路」の表示があり、制限速度も時速30キロのはずですが、30キロを守っている車はほとんどありません。中には時速50キロを優に超えて疾走する車もあり、ヒヤッとさせられます。ひょっとしたら保護者のみなさまも、学校周辺に近づいても30キロに減速することを忘れている方もおいでるのではないかと思います。今一度スピードメータの確認をよろしくお願いいたします。そんなヒヤッとさせられる通学時間帯の中にあって、教頭先生は前を通過する車一台一台に頭を下げ、挨拶をしています。スピードを出して走り去る車にも同じように挨拶をしています。昨年4月から毎日毎日それを続けることで、最初は無視して走り去っていたドライバーも、だんだんと会釈を返してくれるようになったそうです。お互いに挨拶や会釈を交わすようになると、自然とアクセルを踏む足も緩んでくるようで、スピードを出す車も減ってきたように感じます。直接言葉は交わさなくても「心は伝わる」、そんな教頭先生の姿勢に頭が下がる思いです。ありがとうございます。

さて、3学期の始業式の話。今回の始業式の会場に来てくれたのは小学部4年生と5年生で、そのほかの児童生徒のみなさんは、オンラインでの視聴でした。事前に4・5年生と対面形式で始業式ができると分かっていましたので、校長の話の中では「お正月クイズ」を出しました。お正月の行事、習わしや風習についてのイラストを見せて、それが何かを会場の子どもたちに答えてもらいました。内容は、初日の出、初詣で、お雑煮やおせち料理、お年玉や年賀状といった身近な習わしでしたが、どれもすぐに正答が出て、よく知っているなあと感心しました。

そのほかには、新年の目標や3学期の目標を学級内で立ててほしいこと、感染症にも十分気をつけて元気に過ごしてほしいことなどについて話をしました。最後に、各部の卒業学年のみなさんに向けて、「かけがえのない時間を大切に刻んでほしい」というメッセージを送りました。今日は始業式から2日経った1月13日ですので、卒業式まで残り57日です。悔いのない日々を過ごしてほしいと思います。 

保護者のみなさま、遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。3学期も何卒よろしくお願い申し上げます。現在、本県の新型コロナウイルス感染症に係る警戒レベルも1段階上がり、「感染拡大防止対策期」(5段階中の3つ目)となっています。子どもたちの学習活動にできるだけ制限がないよう取り組んでいきますが、今後の感染状況によりましては、行事等の縮小や変更も検討しなければなりません。その場合はできるだけ早めに連絡を差し上げますので、ご理解のうえ、ご協力をお願いいたします。

保護者のみなさまも、どうぞご健康に留意され元気に過ごされるよう願っております。 

令和4年1月13

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(12月27日)

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<2学期が終了しました>

1224日(金)、第2学期の終業式を行いました。2学期の授業、放課後の部活動等、学校での児童生徒の学習活動はこの日をもって一応終了したことになります。新型コロナウイルス感染症の第5波の影響により12日遅れて始まった2学期ですが、修学旅行や若竹祭(学校祭)など児童生徒にとって、また教職員にとっても大きな行事を無事に終えることができました。修学旅行も日程や行先を何度か変更し、若竹祭も規模を縮小するなど、感染症の影響を大いに受けはしたものの、各行事が実施できたことには感謝しなければと思っています。

終業式は基本的にはオンライン開催でしたが、会場となった多目的ホールには高等部1年生の一部が参加し、対面で行いました。校長から話したことは次のようなことです。2学期の全体行事について若竹祭を中心に写真も見ながら振り返りました。若竹祭では、それぞれが自分の役割を一所懸命に果たすことで仲間意識を育て、感動を生み出したことにお礼を言いました。また、冬休みは新しい年、令和4年という「節目」を迎える時期でもありますので、そういう「節目」には、何かチャレンジする目標を立ててほしいこと、新しい自分を発見する年にしてほしいことなどを話しました。もちろん冬休み中の感染症対策についても話をしました。「オミクロン株」については、生徒も高い関心を持っているようで、日本でも流行しかけていることを心配している生徒もいて感心しました。子どもたちが社会の状況や変化にも興味関心を持ち、自分事として感じ、考えて行動できるようになるというのが理想ですが、それには我々大人が常に社会から学び、その姿勢や態度を示し、言葉でも伝えていかなければなりません。子どもに求めるばかりではなく、自らを振り返ってみることが大切です。 

午後からは2学期最後となる12月の職員会議を開催しました。先生方に話したいことがたくさんあって私の話はいつも長くなりがちなので、今回は「簡潔」を心がけました。2学期の各行事への取組だけでなく、普段の授業への取組、日々の感染症対策など、各先生方のお力で児童生徒にとっても有意義な学習活動が展開され、大過なく今学期が終えることができたことのお礼を言ったあと、次のような話をしました。

先生方も年末29日から年始の1月3日まで6日間の閉庁で、少しはゆっくりした時間がもてると思います。1年の「節目」を迎え、令和3年の「自分」を思い起こす時間があるはずなので、そのときにこの言葉を心の片隅に記憶しておいてほしいとお願いしました。それはお釈迦様、釈尊の言葉です。 

「過ぎし日のことに悔いず、まだ来ぬ前にあこがれず、取り越し苦労をせず、現在を大切に踏みしめてゆけば、身も心も健やかである。」 

人間に煩悩はつきもので、私もまだまだ煩悩だらけです。でもこの煩悩が、やる気や意欲というエネルギーの源になることもあります。人間そのものが矛盾した存在であることを自覚して、「過ぎし日のことに悔いず・・・」という釈尊の言葉をかみしめながら、新しい令和4年、2022年を健やかに迎えられるよう努力したいなあと思います。

では、今年も残すところあと僅かとなりました。本校の教育に対してご理解ご協力いただいたみなさま、特に保護者のみなさまには心から感謝申し上げます。みなさまが、身も心も健やかに新年を迎えられますことを祈念しております。

ありがとうございました。 

令和3年1227

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(12月13日)

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<高等部3年生・2年生、それぞれの修学旅行が終わりました>

12月に入り、寒さも本格的になってきました。朝の通勤時、車内の外気温計が示す表示も2℃、3℃の日がしばしばです。こうしたなか、高等部3年生は12月2日(木)~3日(金)、高等部2年生は12月9日(木)~10日(金)の各2日間、念願であった修学旅行に行ってきました。

例年、本校高等部は2年次の9月下旬頃、航空機を利用して23日の東京方面への修学旅行に出かけていました。東京ディズニーランドをメインに、都内観光が中心でしたが、その年によっては横浜まで足を延ばしたりすることもあったようです。修学旅行は実施の1年以上前に実施計画を立て、旅行業者に入札をかけ旅程表や見積書を出してもらい、PTA役員さん等にも審議いただいて公平に旅行業者を選定し、実施という運びになります。3年生の修学旅行も令和元年9月に東京方面ということで行先も決定し、生徒たちも楽しみにしていましたが、昨年初めから始まったコロナ禍の影響を受け、一旦は年度内の令和3年2月に延期しましたが、公知のとおり状況は好転せず、令和3年9月に再度延期しました。行先も東京ではなく比較的感染者数の少ない近県に変更して再度計画していましたが、8月に感染の第5の波が来たことから9月の実施も断念し、この12月にようやく実施することができました。2年生の場合も、3年次の学習のことを考え、2年生の間に修学旅行を実施しておきたいということから、12月の修学旅行となりました。

少々長い説明になってしまいましたが、延期、延期と続く中、そして行先も変更になる中、保護者のみなさまにはたくさんの不安やご心配をおかけしました。申し訳なく思います。ただ、生徒たちだけでなく、先生方にも中止だけは絶対に避けたいという強い思いが天道に通じ、今回の実施につながったような気もします。

さて、高等部3年生の行先は、レオマワールドをメインに金刀比羅で宿泊、翌日はとべ動物園と愛媛県総合科学博物館を訪問して帰って来ました。2年生は高知の桂浜で坂本龍馬像と対面し、フィギィアの制作で有名な海洋堂ファクトリーを訪問、徳島まで移動し宿泊、翌日は阿波踊り会館やひょうたん島クルーズ、藍染めの体験などを楽しみ帰って来ました。四国の中にもいい場所はたくさんあるということが、発見できたのではないでしょうか。今日は2年生が修学旅行の事後学習に取り組んでいました。旅行当日の、見て、聞いて、食べて体験する、ダイレクトに肌で感じる感覚は子どもたちにとってかけがえのないものですが、事前・事後学習という生徒同士の協働的な学びと気づき、連帯感の醸成なども同じように大切な時間です。ご家庭でも修学旅行後の子どもたちの成長や変化の様子を見てあげてほしいと思います。

それぞれの修学旅行の様子は、近々ホームページに写真付きで公開される予定ですので、どうぞ楽しみにしておいてください。

 

さて、話は変わりますが、昨日12日、さぬき三木スポーツクラブ主催の『第9回太古の森 恐竜クロスカントリー大会』に本校競技部の生徒と教員有志が出場しました。この春転勤した若い先生も選手として駆けつけてくれました。5年前に前校長の武田光弘先生が本校に赴任した時、武田先生から競技部の担当教員にこの大会の紹介があり、一般の大会でもあることから、競技部の生徒だけでなく本校の若手教員も加わり参加を重ねてきたという経緯があるようです。大会種目は1㎞、3㎞、6㎞のラン、6人一組の9㎞リレーの各種目ですが、本校の生徒と先生方は3㎞ランと9㎞リレーに出場しました。リレーには本校からA、B、Cの3チームがエントリーしましたが、Aチームにはこれまで通り武田前校長先生にも加わっていただきました。武田先生の趣味は走ること。フルマラソンだけでなくウルトラマラソン(100㎞)も完走する猛者ランナーです。在職中からずっとリレーメンバーとして生徒と一緒に走っていただいていたとのことで、当日ご自身は6㎞ランにも出場し、それを走り終えて直後のリレー参加となりましたが、リレーの距離は一人1.5㎞、涼しげな表情で走っておられるのが何とも印象的でした。お聞きすると、毎朝ランニングは欠かさないとのことでした。一方で、必死の形相で力走する若手教員もいて、なかなか楽しく応援させてもらいました。

競技部の生徒たちも、それぞれが持てる力を十分に発揮して3㎞ランを完走し、充実した笑顔で帰って来ました。会場で振舞われたおうどんを食べて栄養補給してから、9㎞リレーに臨みましたが、うどんがエネルギーになったのか、みんな最高の走りを見せてくれました。

校内だけでなく、また特別支援学校の枠内だけというのではなく、こういった一般の大会や行事に、普通に参加できることは大変意義のあることです。大会に送り出してくれた保護者の協力が第一ではありますが、生徒と一緒に走ってくれた先生方、そして日々の指導や引率をしてくれた先生方の力がなければ、このような体験は成し得ません。先生方にも改めて感謝したいと思います。暖かな小春日和と相まって、たいへん気持ちの良い時間を過ごさせてもらいました。ありがとうございました。

 

令和3年1213

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(11月24日)

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<若竹祭を開催!>

1123日(火)、今年度の若竹祭(文化祭)を開催しました。今年のテーマは「Stay 東部 楽しまなくっちゃ若竹祭!」。中学部の生徒会のみなさんが中心となって児童生徒からテーマを募集し、その中からチョイスして作りました。コロナ禍にあってよく耳にした「Stay Home」という言葉の語呂を合わせながら「Stay 東部」、本校で〝どうぞ楽しんでください“という「楽しまなくっちゃ」のメッセージ、子どもたちの思いが詰まった素晴らしいテーマです。

今日のお天気は快晴。昨日の雨風を境に空気が入れ替わったようで、急に気温が下がりましたが、初冬らしい凛とした空気に包まれる一日となりました。会場等の準備はほぼ前日までに済ませていましたが、外に掲示するモニュメントなどは、今日の早朝から教頭、教務主任、事務部長、各部主事などが総出で準備しました。また、各学級の模擬店を担当する先生方も、早くから出勤して会場のチェックや清掃に取り組んでくれていました。庁舎管理担当の真鍋さんも早朝から出てきてくれて、前日の風雨で校内のあちこちに積もってしまったケヤキなどの落ち葉を、手際よく掃いてくれました。登校した高等部生徒も時間の許す限り落ち葉掃除に参加してくれて、朝からとても嬉しい気持ちになりました。学校行事は学校にいる全員で創り出す、学校にはなくてはならないものだと、まだ若竹祭も始まっていないのに、ちょっと感慨にふけってしまいました。

若竹祭のスタートは945分からでしたが、作品展会場の体育館は855分にオープンとあって、9時前にはどんどん保護者が来校されました。とはいえ、保護者の来場も児童生徒一人につき2名までに限定し、検温や健康チェックシートの提出をお願いするなど感染症対策を取らせていただいたので、コロナ前のような賑わいとはいきませんでした。例年は保護者だけでなくご近所のみなさん、交流している近隣の小学校、中学校、高等学校や同窓会のみなさんなど、大勢の方にお越しいただいて、一日をかけて開催していました。PTAによるうどんのバザーや日用品バザーなどもあり、大盛況だったようです。昨年と今年は感染症の影響で規模を縮小、午前中までの開催とし、来場も保護者以外は遠慮いただくこととしました。来年こそは、制限なくたくさんの方に来ていただけるようなオープンな若竹祭ができればと願っています。

さて、若竹祭の中身ですが、この小紙面では紹介しきれませんし、紹介にへんばがあってもいけませんので割愛しますが、一言でまとめると「みんなすごくて、みんな素晴らしい」です。自画自賛になるかもしれませんが、たくさんのアイデアと工夫が盛り込まれ、小学部1年から高等部3年まで各学年の持ち味が十分発揮されて、子どもたち一人一人の素敵な笑顔が随所に輝く若竹祭でした。後日、この様子は本校ホームページに写真入りで紹介されると思いますので、そちらをぜひご覧くだされば幸甚です。(*へんば…讃岐弁で不公平という意味です)

最後に、寒い寒い駐車場当番を終えて学校に帰ってきた教頭先生から。参観を終え駐車場に向かうほとんどの保護者のみなさんから「ありがとうございました。」と笑顔で挨拶を交わしてくれたのがうれしかったという話を聞きました。若竹祭をやってよかったな、できてよかったなとしみじみ感じました。

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 <若竹祭テーマのモニュメント>

 

令和3年1123

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(11月5日)

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11月になりました>

 年度初めから7か月が経過し、はや11月になりました。日々報道される新型コロナウイルスの感染者数だけを見ると、不思議なほどの減少といった状況で、気分的にも日常生活が戻ってきたような印象です。学校でもコロナ対策を継続しながらではありますが、子どもたちも伸び伸びと学校生活に臨めるようになってきた感じです。こうしたなか、112日には小学部6年生の修学旅行、11月4、5日には中学部3年生の修学旅行が実施されました。

 小学部6年生は午前中に四国水族館で、丸亀のホテルで食事をした後、午後からはレオマワールドという日帰りの日程でした。例年は関西方面へ1泊2日の日程で実施していますが、今年は感染症の影響もあり県内日帰り旅行にしました。

 中学部3年生は愛媛県への修学旅行で、砥部焼の絵付け体験、とべ動物園を経て道後温泉で1泊、翌日はえひめ子どもの城、今治のタオル美術館を訪問したあと帰校しました。中学部も例年は2泊3日で中国地方・北九州方面への旅行でしたが、今年は1泊2日に短縮し、お隣の愛媛県まで足を延ばす旅行としました。いずれも全行程貸し切りバスを利用し、感染症対策にも取り組みました。公共交通機関の利用の仕方を学ぶというのも修学旅行の目的の一つではありますが、それはまた次年度以降の修学旅行で実現したいと思います。それぞれの修学旅行の様子については、近々ホームページに掲載されると思いますのでどうぞお楽しみに!

 さて、高等部に目を向けますと、2年生、3年生は1018日(月)から始まった後期現場実習が1029日(金)に終了し、今週は事後指導、振り返りの学習に取り組み、本日午後から実習報告会が開催されました。高2、高3とも実習期間は同じ2週間ですが、高等部2年生は基本的に複数名のグループで学校から実習先へ、3年生は個別に自宅から実習先に向かいます。7月7日付の「校長室より」のメッセージでもご紹介しましたが、3年生は卒業後の進路先を想定した企業や福祉サービス事業所での実習となっており、卒業後にその企業で就職できるか、その福祉サービス事業所を利用できるかの判断をいただくとても大切な実習です。3年生にとっては、2週間にわたる「就職試験」とも言えます。実習が終わった現在、これからその結果が出てきます。3年生全体の現場実習スローガンである『全員合格!』。良い報告がいただけることを祈るばかりです。

 校内では、高等部1年生も「後期職業週間」と題して2週間の校内実習にチャレンジしました。同じ作業に継続して取り組む力を高めるためのボールペンの組立・分解作業や、業務としての清掃の実習、既存の作業種目を活用してのグループ実習などに取り組みました。中学部でも、18日から1週間、「後期作業週間」として終日の作業学習に取り組みました。10月の後半は、中学部・高等部ともさながら「職業・作業ウィーク」といった様相でした。

 小学部では、9月29日に1年生が初めてスクールバスに乗って校外学習に行きました。行先は東かがわ市にある「とらまる公園」でした。例年であれば1学期に実施する校外学習も、感染症の影響でこの時期になりました。2年生の校外学習は1021日、「しろとり動物園」へ行きました。1年生、2年生とも、今回の校外学習に向けて事前学習にいっぱい取り組み、当日の朝は、みんないきいきと目を輝かせ、わくわくしながらバスに乗り込んでいました。この様子についても、ホームページの各部からのお知らせに掲載されていますのでご覧ください。

 学校が徐々に活気を取り戻す中、昨年2月末に突如出された全国一斉臨時休業の頃の混乱を思い出します。あれから1年8カ月が経ちましたが、子どもたちが学校にいない時期は一日が長いと感じ、学校が再開された後は毎日があっという間のように感じました。人間の時間感覚も、環境によって左右されることを体感した期間でした。この1年8カ月、子どもたちも保護者のみなさんも、そして先生方もよく我慢し耐えてきたなぁと思います。このまま感染症が下火になって、ひょっとしたらマスクをしなくてもいい生活が戻ってくるかもしれませんが、隣国や世界の状況を見てみると、しばらくはマスクの着用に手洗いの励行など、基本的感染症対策は継続する必要があるでしょう。

 いろいろ思いを巡らしながら作文しているちょうど今、中学部3年修学旅行団が学校に帰って来ました。元気な笑顔を楽しみにこちらも笑顔で出迎えに行ってきます。 

令和3年11月5日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(10月1日)

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<高等部生徒会役員選挙が行われました>

 本日10月1日、高等部生徒会の役員選挙が行われ、高等部1年、2年生から新しい役員5名が選出されました。

 役員選挙の告示は始業式となった9月13日、そこから立候補の受付、約半月間の選挙運動が繰り広げられました。生徒会役員には、会長、副会長、体育部長、文化部長、総務部長の5つの役職があり、会長、副会長、文化部長、総務部長にはそれぞれ3名、体育部長には2名の立候補者がありました。各候補者の選挙運動は様々でしたが、高等部生徒が学ぶ南館階段踊り場の掲示板には、国会議員選挙さながらの素晴らしいポスターが掲げられ、選挙の雰囲気を盛り上げていました。

 例年であれば、高等部生徒全員が体育館に集まって各候補者の立会演説、応援演説のあと投票となりますが、このご時世、立会、応援の各演説はスタジオに見立てた高等部食堂から、各教室へのライブ配信となりました。選挙管理委員会の委員は現生徒会役員が、ライブ配信の司会は現生徒会長が務めました。

 私もライブ会場にお邪魔し、立候補の生徒たちや応援の生徒たちの演説を生で聞かせてもらいました。どの立候補者もやはり緊張の面持ちで、いつもはにぎやかに話しかけてくる生徒も真剣な表情で、自分の出番をまばたきもせず待っているような状況でした。

 一人一人が自分の持ち味を十分発揮して、立会、応援と立派に公約などを訴えることができましたが、校長として痛いところを突かれた演説がありました。副会長として立候補した生徒が公約として掲げた言葉、「校内に心を落ち着かせる空間を作りたい。学校にはクールダウンをする部屋がない。」でした。 

 本校も、他の知的特別支援学校と同様に児童生徒数が増加しており、教室不足に悩まされています。本来は教材室や進路指導室、個別学習等に使うべき小さな教室も、ホームルーム教室に転用せざるを得ず、集団に入ることが難しい児童生徒、クールダウンが必要となった児童生徒のための教室やスペースが確保できていない状況です。学校では多様な児童生徒が学んでおり、授業以外にも1対1での指導や支援が必要な状況が日々生じています。先生方も、その対応に苦慮しています。生徒自身もこのような教育環境の窮屈さにSOSを出している、ということが改めてよく分かりました。窮屈な思いをしているのは児童生徒だけではなく、当然、先生方も同じです。この環境の中でも、先生方は様々な工夫を凝らしてより良い教育活動を目指して頑張ってくれています。しかし、これ以上児童生徒数が増えると、理想とする一人一人の教育的ニーズに応じた本来の特別支援教育が保証できないという危機感ももっています。言いたいことはたくさんあるのですが…。 

 話は戻り、生徒会役員選挙の結果です。投票は即日開票、本日新しい役員が選出され、4日月曜日の全校集会で任命されることとなりました。現役員のみなさんにとっては、生徒会最後の仕事となりました。1年間たいへんお疲れさまでした。これからも先輩として新しい生徒会へのアドバイスをお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 さて、新副会長には、「校内に心を落ち着かせる空間を作りたい」ことを掲げた生徒が高い得票数で見事に当選しました。彼の公約を生徒全員の意思として真摯に受け止め、その思いが少しでも実現するよう知恵を出し合っていかなければと身が引き締まる思いです。
 

 令和3年10月1日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(9月16日)

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<2学期が始まりました>

 9月13日、ようやく2学期が始まりました。この日が2学期のスタートになった理由については、9月1日付の<保護者のみなさまへ>でお伝えしたとおりです。

 13日の朝、いつもどおり7時30分に4台のスクールバスが学校を出発、ほぼ定刻に増便バス2台も含め全車両が無事に学校に到着し、子どもたちと先生方の元気なあいさつが学校にこだましました。待ちに待ったという感じで、静かだった学校に活気が戻ってきた瞬間でした。

 この日は2学期初日ということで、始業式と学級ごとのホームルーム学習が中心でしたが、保護者のご負担も考え、給食を食べてからの下校にしました。高等部では、ホームルームでの学習のあと、3校時にはオンラインによる生徒会総会を実施しました。次期生徒会役員選挙の告示もあり、現生徒会長はじめ現役員の話を聞いて立候補への決意を固めた生徒もいて、廊下ですれ違ったときに「校長先生、おれ、会長に立候補します!」とたくましく声をかけてくれた生徒もいました。 

 始業式の前には、香川丸亀養護学校、香川大学附属特別支援学校、そして本校の3校で行われた水泳記録会で、最優秀選手賞に選ばれた中学部2年の入谷友子さんに賞状をお渡ししました。3校から選ばれたのは入谷さん一人です。複数の種目に出場し、素晴らしい記録を残しました。これからの可能性に大いに期待したいです。

 始業式は1学期の終業式と同じように、オンラインと対面の併用で実施しました。会場の多目的ホールに来てくれたのは、中学部生徒の半数にあたる15名の生徒たちでした。これ以上入場すると密接・密集になりそうなぎりぎりの人数でしたが、話をする立場からすると、子どもたちが目の前にいてくれるとリアクションを楽しみながらできるので心地がいいのです。

 始業式での校長からの話、内容を盛り込み過ぎて、また時間が長くなってしまいました。始業式後に校内をうろうろしていると、高等部3年の生徒に「また、話が長いです。」と指摘されました。彼には1学期終業式のあとにも「校長先生、話が長い」と注意されていましたので、また言われるだろうと思ってはいましたが。これも彼とのコミュニケーションと(私は)思っていますので、楽しいひと時でもあります。校長という立場になると、子どもたちの前で話をする機会が限られてきて、ついつい話が長くなってしまいます。毎月のオンライン職員会議での話も長くなりがちなのは自覚していて、またかぁと思っている先生方も多いのではと感じています。

 さて、盛りだくさんだった始業式の話の内容は次のとおりです。夏休みが延長された理由に始まり、夏休みのできごとを思い出す、オリンピックやパラリンピックの感動だけでなく、世界に目を向けると、自分たちの生活に直接、間接にかかわる様々なできごとがあったことについても話をしました。例えば、線状降水帯による豪雨災害のこと、世界的な気候危機のこと、アフガニスタン政権が崩壊したことなど。そして、2学期の学習や行事などをみんなで協力して実りあるものにしてほしいと結びました。小学部の子どもたちにはちょっと難しかったと反省しています。でも、とりあえず興味関心の種をまいてみることも必要で、そんな種など育てるのは難しいだろうとこちらが決めつけるのもどうかなと思います。選りすぐった種だけをまくのは効率的で生産性も高いかもしれませんが、多種多様な種をたくさんまいて、運よく出てきた芽を子どもたちと一緒に大事に育てていく余裕があればなあと思ったりもします。 

 今日は9月16日、2学期のスタートから1週間足らずではありますが、欠席者もほとんどなく、子どもたちは元気に落ち着いて学校生活を送っています。今学期は夏から秋、そして冬に向かう過ごしやすい時期です。収穫の秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋、そして食欲の秋と何をするにもいい季節です。県内の新型コロナウイルスの感染者数はかなり減少傾向にありますが、月末まではまだ「まん延防止等重点措置」の只中にあります。これからも感染防止対策を十分に継続しながら、校訓である「明るく たのしく のびのびと」を常に念頭に置いて、充実した2学期になるよう努力したいと思います。 

令和3年9月16

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(9月1日)

香川県立香川東部養護のWebサイト(ホームページ)をご覧いただき、ありがとうございます。 

<保護者のみなさまへ>

 9月1日を迎えました。まだまだ残暑の厳しい日々が続いていますが、朝夕には秋虫の鳴き声とともに時おりの涼風が季節の移り変わりを感じさせてくれます。お子さまは元気でお過ごしでしょうか。また保護者のみなさまも、ご健康でお過ごしのことと拝察いたします。 

 さて、8月24日の夕方、一斉メールによるご連絡にはなりましたが、みなさまには9月12日までの夏季休業期間延長のお知らせをいたしました。夏休み中ということもあり、正式な文書でお知らせができなかったことを申し訳なく思います。また、急なお知らせで戸惑われた方もおいでかと思いますが、やむを得ない措置であることをご理解いただきたいと存じます。 

 ここまでに至る経緯については、新聞やテレビ等の報道でご存じの方も多いと思いますが、8月23日の県知事の定例記者会見で、県立学校に対して、まん延防止等重点措置の期間は夏休みを延長するよう要請したことに始まります。この意向を受けて、翌日の新型コロナに係る対策本部会議で議論がなされ、県立学校すべてにおいて9月12日までの夏季休業期間の延長が決定し、8月24日の午後に県教育委員会より正式な決定通知が学校に送付されました。正式な通知を待っての対応になりましたので、保護者のみなさまへの連絡が夕方になってしまいました。 

 夏休みに入ってからの全国的な感染拡大状況は言うまでもありませんが、県内の感染者数の増加も著しく、8月9日には本県独自の感染症警戒レベルも6段階あるうちの一番上の「緊急事態対策期」に移行しました。にもかかわらず、14日には107名、19日には111名という今までにない新規感染者数を記録し、知事から国に要請する形で8月20日から「まん延防止等重点措置」の指定を受け、その期間が9月12日となりました。昨日31日に示された県内新規感染者数は62人、前週火曜日の95名より減ってはいるものの、安心はできない状態だと思います。今はまだマスクの着用や手洗い、消毒、必要と考えられない外出を控えることなど、対策を継続していくことが大切です。 

 夏休みの延長に際して、児童デイサービスを利用する児童生徒の保護者におかれましては、日程調整など多大なご負担をおかけしました。また、今日の始業式を楽しみにしていた児童生徒のみなさんは、残念な気持ちでいっぱいだと思います。もうしばらく、家庭やデイサービスでの生活を楽しんでほしいと思います。

 最後に、保護者のみなさまにお願いがあります。新型コロナウイルスは、予防をしていても、いつ、だれが感染するかわかりません。もし感染した場合、保健所からは感染経路や濃厚接触者等の特定のために、1週間以上前からの健康状態や行動履歴を詳細に聞かれます。本校教職員にも毎日の行動履歴や検温の状況等を、それぞれ簡単に記録するよう依頼しています。保護者のみなさまには、今一度お子様の毎日の健康状態の把握と行動の記録を、メモ程度で結構ですのでお願いいたします。

 2学期の始業式は9月13日です。2学期からも感染症拡大防止に向けてより一層の対策に取り組んでいきますが、状況によっては2学期の学習活動や行事等について、変更や中止を余儀なくされる場合も生じると考えています。その際には、できるだけ早めに連絡を差し上げますので、ご理解のうえ、ご協力くださいますようお願いいたします。
 では、引き続きご健康に留意され、13日には元気な姿、明るい笑顔を見せてほしいです。楽しみにお待ちしています。
 

令和3年9月1日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(7月23日)

香川県立香川東部養護のWebサイト(ホームページ)をご覧いただき、ありがとうございます。 

<1学期が終了しました>

7月20日(火)、第1学期の終業式を行いました。現状では、全校生全員集合しての開催は難しく、各教室へのオンライン配信による形式となりました。しかしながら、式を担当する教務主任の提案で、多目的ホールに小学部の一部学年の児童が集まり、そこを終業式の会場として設定し、残りの各部各学級には生中継という段取りになりました。多目的ホールといっても、70畳足らずのこじんまりとした多目的室で、入室したのは小学部2年生7名と6年生9名、あとはその担任の先生方、教頭やメディア担当など終業式を運営する諸々の先生方でした。ソーシャルディスタンスを取って座ると、それでもホールはいっぱいになりました。 
 終業式の前には、1学期に行われた硬筆検定の合格証書を合格者一人一人に手渡しました。うれしさが体からにじみ出る子どももいれば、やや緊張気味の子ども、恥ずかしそうに受け取る子どもまで様々でした。また次のステップに向けて努力してほしいと思いました。

終業式の校長挨拶では、以下のような話をしました。

・「梅雨」にまつわる話(今年の梅雨入り、梅雨明け、例年より長かった梅雨の話)

・1学期の全校行事の振り返り(2年ぶりに開催した運動会の話)

・日々のコロナ対策に尽力している先生方に感謝の気持ちを

 (当たり前ではないことへの気配りの大切さ)

・校長から夏休みの三つのお願い

・オリンピック選手を応援しよう

 校長から夏休みの過ごし方についてお願いしたことの三つは…、

①一つ目は、「毎日、だらだらと過ごさない」。

月曜日から金曜日までは「早寝、早起き、朝ごはん」を心がけ、夏バテの予防をしてほしいこと。土曜日か日曜日は、ちょっとぐらいだらだらと過ごす時間をもつようにして、メリハリのある生活をしてほしいこと。

②二つ目は、「手洗い、消毒、うがいなどのコロナ対策」。

県内の新型コロナウイルスの感染者数も減っては来ているが、油断はしないように、今まで通り、手洗いと消毒、うがいなど感染症の予防に努めてほしいこと。

③三つめは、「防災や安全について家族と話し合う」。

7月3日の静岡県熱海市での土砂災害を例に挙げ、自然災害の恐ろしさとそれに備えることの大切さ、夏休みにお家の方と防災マップや避難場所の確認、防災リュックの準備や点検などできる範囲でやっておいてほしいこと。

 以上三つをお願いしました。このホームページを読んでいただいている保護者のみなさま、どうぞご協力のほどお願いいたします。 

さて、夏休みが始まったばかりの7月23日(金)、高松市の県立総合水泳プールにて本校競技部の生徒のうち14名が水泳記録会に挑みました。この記録会は、毎年実施している県内特別支援学校知的障害教育校5校による水泳競技大会の代わりに催されたもので、本校のほかに、香川丸亀養護学校と香川大学附属特別支援学校の2校が参加しました。本来であれば、5校そろって日頃の水泳学習や部活動で取り組んだ練習の成果を競い合う場でしたが、コロナ禍により授業での水泳学習や水泳部の部活動そのものの実施が困難な学校もあったことから、競技大会としての実施は中止しました。ただ、スポーツの競技大会が次々と中止となり、高等部3年生にとっては練習の成果を発揮、発表する場がなくなっていく状況でしたので、水泳競技が可能な3校で協議しながら記録会という形で準備を進めました。万が一感染者がいた場合の学校間の感染を防ぐため、参加する3校が接触しないよう学校ごとに時間帯を分けて泳ぎ、記録を取り集計しました。

 無観客ではありましたが、出場した生徒たちも、普段練習しているBG海洋センタープールとは違う環境に緊張感をもって臨み、それぞれが自己ベスト更新をめざして一生懸命に泳ぎ切ることができました。指導にあたった先生方も、大会本番を模したアナウンスや正規のスターターを使ったスタートなど、場の雰囲気を盛り上げてくれました。
 折しもその日は、東京オリンピックの開会式の日。20日の終業式の挨拶の最後にも東京オリンピック・パラリンピックのことに少し触れました。東京オリンピック・パラリンピックの開催について賛否は分かれていますが、この大会をめざして人生をかけてきた選手を非難したりするのは間違いであると。夏休みはテレビ越しにはなるが、懸命に頑張るアスリートの姿に心からたくさんの声援を送ってほしい、という話もしました。
 今日の記録会も、子どもたちにとってはオリンピックに挑むような気持だったかもしれません。泳ぎ終えて疲れた表情の中にも、充実した笑顔が見られたのが何よりでした。スポーツは心が震えるような感動を体験することができます。自らが体験するだけでなく、スポーツを見るだけでも心が震えるような感動を味わうことができます。この夏はオリンピック・パラリンピックの応援を通して、子どもたちも純粋な感動体験を広げてほしいと思います。
 

令和3年7月23

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(7月7日)

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<高等部現場実習報告会がありました>

 7月7日(水)、高等部2年生・3年生の前期現場実習報告会がありました。本校では、高等部2年生から実際の産業現場をお借りする形で職場実習に取り組んでいます。知的障害教育を行う特別支援学校では、全国的に「現場実習」との名称でカリキュラムの中に位置づけられており、校内での作業学習等の授業の成果を「現場」で試行してみる絶好の機会として、高等部の教育活動の中核を成す学習でもあります。

 2年生では、複数の生徒がグループになって、学校近隣の企業や福祉サービス事業所で実習します。実習先までは学校から本校教員が引率し、現場では付き添いで指導・支援をします。3年生になると、卒業後の進路先を視野に入れた企業や福祉事業所等で実習をさせてもらいますが、基本的には個別の実習になります。生徒の状態や事業所等の状況により教員が終日付き添う場合もありますが、教員は一日数か所の実習先を巡回して指導・支援をすることにしています。

 実習期間中、一日だけですが私も進路指導主事の車に同乗させてもらって、3年生の実習先を受入れのお礼も含めて訪問させていただきました。一日で8カ所の実習先を訪問したので、仕事をする生徒の様子を十分に見ることはできませんでしたが、多くの生徒が学校では見られないような引き締まった表情で仕事に取り組んでいる姿に、この教育の意義を改めて考えさせられました。ある企業を訪問した時には、指導を担当してくれている方から、「短時間で仕事の要領をつかむのが早く、なかなかいいですね」とのうれしいお話を聞くこともできました。「OJTOn the Job Training)」という言葉があります。それをそのまま現場実習に当てはめることは適当でないかもしれませんが、学校という限られた空間の中では確保できない「現場」で、生徒たちもより成長していくことを実感させてもらいました。

 さて、実習報告会の会場は体育館で、3年生、2年生の順に生徒が一人ずつ成果発表を行いました。それぞれの保護者にも参加いただいて、生徒たちの発表を聞いてもらいました。従来であれば、高等部1年生もその場に参加して臨場感を味わい、1年後、2年後のイメージを形づくるようにしていますが、三密を避けるためリモート中継で見ることとしました。各生徒は、実習でできたこと、難しかったこと、気づいたことや今後の課題など、各自の言葉や表現で発表することができ、それぞれの成長の跡がよく分かる報告会でした。

 2週間の現場実習が無事に終了できたのも、ご家庭の支え、保護者のみなさまのご協力、日々の励ましがあって成し得たものと、心から感謝いたします。いつもと違った環境の中、子どもたちの疲れやストレスは普段以上のものがあったと思いますが、実習をとおした子どもたちの変化も、少なからず感じられたのではないでしょうか。現場実習はご家庭にとっても、卒業後をイメージする、卒業後はどんな生活になるのか、また、どんな生活を送りたいのかを、子どもと一緒に考える良い機会にしてほしいなあと思います。

 次回の現場実習は10月中旬ごろを予定しています。高等部3年生は学校生活最後の実習となります。それまで、また学校で力を蓄える努力を重ねて、将来の夢をかなえるよう頑張ってほしいです。
 令和3年7月7日                                           

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(6月4日)

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 <令和3年度 オープンキャンパスⅠを開催しました>

 6月4日(金)、第1回目のオープンキャンパスを開催しました。オープンキャンパスは、特別支援学校での教育活動を一般のみなさまに公開することで、特別支援教育の理解啓発を図るとともに、特別支援学校への就学について考える機会としてもその役割を果たしています。本校だけでなく県下の特別支援学校すべてで、このような学校公開の機会が設定されています。本校は毎年6月と9月の年2回実施していますが、昨年度は感染症拡大による臨時休業等もあり、9月に1回の開催となりました。

 今年度も5月の連休明けから件の感染症が再拡大し、5月9日には「香川県コロナ非常事態宣言」が発出されこのオープンキャンパスの開催も危ぶまれましたが、感染者数もやや減少傾向となり感染警戒レベルも一段階ではありますが引き下げられたことから、予定通り実施しました。例年であれば当日参加も受け付けていましたが、今回は感染症対策として事前に申し込まれた方だけに限定し、参加される方全員に本校独自の健康チェックシートを配布、当日に持参いただきました。加えて当日の検温、手指消毒など十分な対策を講じたうえで参観等をしていただきました。

 今日は朝からあいにくの雨模様、足元の悪い中ではありましたが、午前中には総数35名の方が来校されました。ほとんどのみなさんが本校への就学を考えておられるご本人やその保護者、付き添われた学校園の先生などで、熱心に各部の授業を見学していました。午後からは希望者による教育相談を行い、本校の各部主事が対応しました。 
   さて、県下の各特別支援学校では、これまで各地域において特別支援教育に関する専門性や相談支援機能を発揮してきましたが、現在は各校とも「センター」という看板を掲げ、より一層地域の学校を支援する体制づくりに取り組んでいます。知的障害を対象とする香川東部、香川中部、香川丸亀、香川西部の各養護学校は「学びと育ちの相談センター」、視覚障害を対象とする盲学校は「見えにくさと学びの相談センター」、聴覚障害を対象とする聾学校は「きこえとことばの相談センター」、肢体不自由を対象とする高松養護学校は「からだと学びの相談センター」、病弱を対象とする善通寺養護学校は「こころとからだの相談センター」と、それぞれの特色がわかる名称にしています。

 しかし、「センター」を設置しているからと言って、その業務を専任とする教職員が配置されているわけではなく、各先生方は担任を持ちながら、また授業をしながら、時間を工面して「センター」としての役割を果たしている状況です。先生方は、忙しいながらも『意気に感じて』その業務を頑張ってくれていますが、やはり各特別支援学校とも人手不足は否めません。

 共生社会の実現に向けたインクルーシブ教育を構築していくことが提言されて10年近くなりますが、現状はどうでしょうか。少子化の中にあっても、知的障害を対象とする特別支援学校や小・中学校の特別支援学級で学ぶ子どもたちの数は増え、教室不足は深刻です。日本の学校教育システムそのものを変えていくようなもっと大きな議論が必要かもしれません。 

 令和3年6月4日

香川東部養護学校長 田中 豊

校長室より(5月24日)

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 <令和3年度運動会を開催しました>

 5月24日(月)、2年ぶりとなる運動会を開催しました。4月当初の計画の段階では、5月22日(土)に保護者にも参観いただいて実施する予定でした。ただし、新型コロナウイルス感染症への対策として小学部、中学部、高等部と入れ替え制で実施し、参観する保護者も部ごとに入れ替わっていただくよう準備を進めていました。しかし、ゴールデンウィークが明けた辺りから県内の感染者数も一気に増加し、5月8日には一日の感染者数としては最多の78名を記録しました。翌9日には県独自の「香川県コロナ非常事態宣言」が出され、県が定めている感染警戒レベルも6段階のうちの最高の「緊急事態対策期」に移行することとなりました。こうした状況を受け、運動会の開催の可否も含め、実施方法等について再度検討しました。児童生徒、保護者そして教職員の安全を第一に考えると、やはり保護者に来ていただいての開催は難しいと判断し、急なお知らせではありましたが、保護者のみなさまには、5月12日付で運動会中止の文書を発出しました。2年ぶりの運動会の開催をとても楽しみにしておられたみなさまには、大変申し訳ない気持ちでいっぱいですが、苦渋の決断であったことをご理解いただければありがたく思います。

 しかしながら、児童生徒はこの運動会に向けて4月から学習を積み重ねていましたので、その成果発表の場としての運動会は何とか実現すべく実施方法を見直した結果、土日開催ではなく平常授業日に行うこととし、今日の開催となりました。

 今日は朝から曇天でしたが、多くの先生方が早朝より集合し、協力してテントを設営したり、机やいすを運んだり、白線を引いたりと準備を進めてくれました。会場の準備が整ったころ、ポツリポツリと雨粒が落ちてきましたが、降ってくれるなというみんなの願いが通じたのか、開会式の時には止んでくれました。お天道さまに感謝。

 今年の運動会のテーマは『笑顔でGO!輝けみんなと ~東部魂 2021~』でした。小学部児童と中学部生徒の元気な選手宣誓で始まった運動会、その様子をお伝えするには、この小紙面では限りがありますが、すべての子どもたちが一生懸命に走り、踊り、競い合い、そして一生懸命に仲間を応援し拍手を送る姿が見られました。私も、生き生きとのびのびと躍動する子どもたちに感動しました。心からありがとう。そして何といっても、マスクを外して見ることができた子どもたちの豊かな表情とたくさんの笑顔に、子どもたちのもつ可能性の大きさとそれを信じることの大切さを改めて感じさせられました。コロナ禍にあって様々なことが制限されている状況ですが、安全を最優先しながらも子どもたちの学びは止めないこと、できることは積極的にやっていこうと決意も新たになりました。運動会の詳しい様子は、またホームページに掲載される予定ですのでご覧ください。

 最後になりましたが、保護者のみなさまには、お子さまの活躍を映像でお見せする機会を何らかの形で設けたいと考えています。時期等は未定ですが、またご案内させていただきますのでよろしくお願いいたします。 

 令和3年5月24

香川東部養護学校長 田中 豊