平成21年度7月 第一学期終業式 校長式辞

いよいよ夏休みです。

明日からいよいよ夏休みです。多くの人は、これからの休みをどのように有意義に過ごそうかと、計画を立てていることと思いますが、その前に、今一度、1学期の生活について振り返ってほしいと思います。

1学期、どうだったでしょうか?

1年生には、入学式で、「目標を高く掲げ、その実現に向け全力を尽くしてほしい。成果の大小は、物事への取組の姿勢の違いによるところが極めて大である」と言いましたが、どうだったでしょうか?2、3年生にも始業式で、目標を立てることの大切さと、易きに流れることとの怖さを話しましたが、どうだったでしょうか?

夏を制するものは受験を制する

特に3年生は、いよいよ正念場です。これまでの努力の成果や、部活で培ってきた根性・集中力を今こそ発揮するときです。成績が出ないからといって、簡単に目標を下げたり、教科・科目を捨てたり、安易に推薦に走ったり…楽な方向に流れてはいませんか?今から5教科7科目もできるのか…と思うかもしれませんが、必ずやれます。逃げるときっと後で後悔します。勉強は自分との戦いです。担任と相談しながら初志貫徹の気持ちをしっかりもって頑張ってください。

よく「夏を制するものは受験を制する」と言います。この意味は、「夏にどのように計画的にやれるか、苦手教科から逃げないか」と言うことだと思います。夏休みはまとまった時間が取れる最後の機会です。2学期になれば、授業が再開されます。授業を受けながらの受験勉強は非常に大変です。今のうちに、しっかり自分の勉強に打ち込むのです。夏休みのがんばりを期待します。

夏を制するということについては、1・2年生も同じです。勉強より楽しいものは一杯あるでしょう。それに比べ勉強はつらく苦しいものです。夏休みというのは、決められたプログラムの中で毎日を過ごしていた昨日までとは異なり、自分のペースや考えでことを進めることができる時期です。それだけに自分が試される時でもあります。大きく伸びる人がいる反面、自分の甘さから怠惰の世界や自分勝手な世界に転落していく人もいます。言うまでもなく自分に厳しくなれる人のみが成果を挙げることができるのです。君たち一人一人は素晴らしい素質を持っています。それを伸ばすも伸ばさないも君たちの気持ちの持ち方次第です。夏休みの40日は授業日の80日、つまり3ヶ月分の効果があり、一方、差にもなります。

人間の思考は、行動によって引き出される。

ところで、宇野千代さん(明30〜平8)と言う98歳まで生きられた著名な小説家を知っていますか?この人は大正10年に24歳で文壇デビューして以来、亡くなる間際までの75年間、小説を書き続けた人(「私なんだか死なないような気がするんですよ」98歳著)ですが、彼女のエッセイの中で「小説は誰にでも書ける。そのコツは、毎日、ちょっとの時間でも、机の前に座ること。」と言っておられます。つまり、書こうと思っているときだけ机の前に座るのではなく、書こうとは思っていない時にでも座る。毎日、この机の前に座るということが、小説を書くことの基本であり、コツとのことです。もちろん、本当に机の前に座っただけで、すぐに小説がかけるとは思いませんが、座ると言う行動が、脳の思考を小説モードに切り替え、様々なアイデアを生み出してくるのでしょう。これこそ、まさに小説家としての長年の習慣が脳の思考モードをそのようにパターン付けた表れでしょう。そして、宇野さんは「人間の思考は、行動によって引き出される。つまり、考えてから行動するのではなく、行動することで思考が引き出せる。だから、どんなことでも、先ずすることだ。」とも言っておられます。

勉強も同じです。勉強したくなった時だけ机に向かうのではなく、したくない時も、とにかく机に向かうのです。机に向かうことにより、頭が勉強モードに切り替わってきます。気持ちの乗るときも乗らないときもあるでしょう、しかし、とにかく机に向かうのです。これを習慣化してください。人間は習慣の動物であり。一度習慣がつけばなんでもなくなります。 

「ちょっとまて、それでいいのか」

一方、行動面では、「ちょっとまて、それでいいのか」と自分に問いかける態度をもってください。人間は弱いもので、易きに流される傾向があります。嫌なことから逃げ出したいとき、サボりたいとき、欲しいものが目の前に現れたとき、友だちからの誘惑があったとき…つい負けてしまいます。しかし、そこで一度踏みとどまり、「ちょっとまて、それでいいのか」と自分自身に問いかける勇気を持ってください。生活面での規律がきちんとできることは人間として絶対に大切なことであり、それができると勉強に対する姿勢の向上にもつながります。

事故や怪我なく、規則正しい生活を

夏休みは、自分の力で自分の生活を作り上げる絶好のチャンスです。どうか、事故や怪我のないよう規則正しい生活を心がけながら夏休みを過ごして、2学期にはまたこの場で元気な顔で会いましょう。

校長 島田政輝
(2009.07.17)

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Last-modified: 2009-07-22 (水) 08:58:58