校長室より

高高芸術祭 開催

2023年12月15日 15時30分

今年も恒例の高高芸術祭が1213日(水)~15日(金)に開催されました。

1年生の芸術選択の成果発表である『ハートフルギャラリー』としては30回目、「第九・歓喜の歌」演奏発表会を中心とする『ハートフルコンサート』としては36回目となる今年度は、本校の創立130周年を記念した一連の行事をしめくくる役割でもありました。

【美術】 展示で飾られた自画像では、写実的なものや印象的な作品、また技法も油絵の具の盛り上がりを生かしたものやモノトーンで統一したものなど、さまざまな個性があふれていました。生徒ひとりひとりの「自分観」が垣間見える作品も多く、作者自身にも意外な発見があったのではないでしょうか。また、石膏を削り出した彫造では、思いのほか硬い素材に苦労する様子を授業中に見て少し心配していましたが、できあがってみれば、滑らかな曲面、細部にまでこだわった造形、工夫したアイデアなど見事な作品たちばかりでした。

【書道】 各自が選んだ漢字一文字を石膏板に刻んだ作品が目を引きました。文字を選んだ理由もあわせて読みながら作品を見ると、文字にも背景にもこだわっていることがよく分かり納得の連続でした。また、130周年にからめて校歌の一節を仮名創作とした作品は、柔らかな平仮名と力強い漢字の組み合わせがそれぞれの思いの表現として創り出されていました。

書道については書道部の書道パフォーマンスも14日に行われ、部員達の深く熱い思いが綴られた二つの作品に見入ってしまいました。

【音楽】 応援団のエールから始まった演奏会は、音楽部の合唱3曲、オーケストラ部の演奏2曲、吹奏楽も加わってさらに1曲と進み、ここで今回のスペシャルゲスト、豪州ブリスベンから来日したSt.Peters Lutheran Collegeの高校生約50名の弦楽団の演奏が2曲ありました。7歳ごろから楽器を始めた生徒が多い彼らの演奏は、耳にも目にも「音の楽しみ」を訴える力を持っていました。そしていよいよ「第九・歓喜の歌」の演奏です。もう一人のスペシャルゲスト、朝比奈千足氏に客演指揮をお願いし、総勢120名以上のぶ厚い演奏と160名以上の渾身の合唱が高らかに歌い上げる「歓喜の歌」が、プラザに響き渡りながら上空に抜けていく様子は、本校ならではの第九のあり様としてとても誇らしく感じました。マエストロの退場まで拍手が鳴りやまなかったことからも、演奏会が成功裏に終わったことがうかがえました。観客を保護者の方に限らせていただいたことは本当に心苦しいことでしたが、ご辛抱いただいた多くの方々に、来年度はぜひオープンにお楽しみいただくことができれば幸いです。

 

IMG_2715改

130年の歴史のなかで第二次世界大戦や戦後の学校統合、平成の校舎全面改築など大きな変遷を経ながらも、高高らしさを堅持しつつそこに新たな伝統を加えてさらに本校が輝きを増していく、そんな未来を想像させてくれる高高生のパフォーマンスに心酔する三日間でした。