平成30年度2学期終業式講話(12月21日(金))

 平成最後の年末が近づいている。平成という時代は、私にとっては教員生活の中核をなす時代だったわけで、この元号があと数か月で終わるということには万感の思いがある。 さて、「歳月人を待たず」の格言どおり、私たちがどのように日々を過ごそうが、月日は無慈悲に過ぎていくもので、過去を振り返った時に「あの時のこうしておけばよかった。」とはだれもが思うことである。私もそれは例外ではない。 しかし、今から話す二つの点だけはこれまで生きてきた中で後悔がないことである。

 一つ目は高校時代の過ごし方。小学生のころから、地元に帰って仕事をしたいと考えていた私は、小学校時代の担任の先生にあこがれて、「小学校の先生になりたい。」と思っていた。しかし、中学校時代の終わり頃までは、勉強にも部活動にも一生懸命になることもなく、日々漫然と過ごしていた。中学3年生になって、いよいよ高校受検が近づいてきたとき、次のように考え始めた。

 「やはり将来は教員になりたい。そのためには、教員免許状を取得しなければならないので、大学に行く必要がある。うちの家庭状況からいって、私立大学はありえないから、国立大学に行かなくてはならない。そのためには小豆島高校のトップクラス(選抜クラス)に入らなければならない。」と。つまり、将来の鳴りたい自分を描いて、そこからが逆算して「今」何をなすべきか、というように考えたわけである。

それが中学3年のいつの時期だったかははっきりとは覚えていないが、夏休みにはまだ火がついていなかった。おそらくは秋ごろだったのではないかと思う。はっきり言って、高校受検は3〜4か月一生懸命勉強すれば、かなり結果は変わって来る。私の場合も、平日3〜4時間程度の家庭学習を習慣化してから、面白いように成績が伸び、小豆島高校のトップクラスに入ることができた。

 いざ入ってみると、当時小豆島島内3つの中学校から秀才がたくさん集まっており、気後れした。当時は、小豆島から高松高校に出るのは、土庄中学校の上位5名程度だったはずである。したがって、当時の小豆島高校には非常に優秀な生徒がおり、私の2学年上では、現役で京都大学薬学部、大阪大学工学部・基礎工学部(双子での合格で新聞に載った)、1学年上では岡山大学医学部医学科に合格者が出ていたた。神戸や広島、岡山といったところではあまり記憶がないほどである。

 中学後半から火が付いた私の学習への取り組みは、高校入学後も変わることなく、多くの秀才と肩を並べてやっていけるように頑張った。具体的には7月の坂高新聞にも書いたとおりである。その甲斐あって、第1志望校に合格した。現在私がこの場にいて皆さんに話をしているのは、高校時代の頑張りのおかげであると思っている。「江戸時代のように、身分が固定化されていた時代ではない。勉強で人生は変わる。」というのが私の信念の一つである。特に普通科の皆さん、皆さんは基本的には勉強のほかに身を立てる術はないのである。本校普通科に来たというのはそういう意味であることを、改めて確認しておきたい。

 二つ目。これは勉強とは全然違う話である。私は、かつてはヘビースモーカーだった。1日最低でも1箱、多ければ1箱半(30本)くらいタバコを吸っていた。平成15年4月2日、この日付まではっきりと覚えているが、この日突然タバコをやめた。

 特に病気をしたわけではない。きっかけは、当時勤務していた学校でも「分煙化」がなされており、タバコを吸うためには別の小部屋に移動する時間が必要だった。勤務時間中に「15本吸う」場合、移動時間も含めれば1日40分から45分程度の時間を、タバコを吸うために充てていたことになる。今考えると、これは地方公務員法の「職務に専念する義務」違反ではないかと思う。実際にこれが話題になっている自治体もあるようである。

 とにかく、今は「タバコをやめて本当に良かった。」と思っている。それはお金だけの問題でなく、家族を含め他人への迷惑をかけることがなくなったからというのが一番の理由である。また、現在では喫煙は非常に制限された場所でしか認められなくなってきていることも、そう思う理由である。ただ、タバコをやめることは本当に苦しかった。タバコに含まれている成分であるニコチンの含まれたガムというのがあるのだが、それを何箱も噛んだ。当時の額で2万円ほども費やしたと記憶している。

 今話した「勉強」と「タバコ」。私の場合にはそれまでの生活態度や習慣を「大きく変えた」わけだが、それでも「今日までしてきたことを明日から急に」というのは現実としては難しく、普通は「助走期間」というのか「準備期間」が必要なものだろうと思う。

 私の場合にも、勉強を必死で始める前にも、タバコをやめる前にも、やはり「自分は本当にこれでよいのか?」という疑問を相当の期間、持ち続けていた。11月の全校集会の折に「三省」ということについて話した。やはり我が身を振り返るというのは非常に大切なことである。皆さんにはこの冬休みに、ぜひこれまでの自分の「在りよう」について今一度振り返り、変えなければならないことを変えるための準備期間としてほしい。そして3学期から何かしらの自己変革が生じたというようにしていただきたい。余り学校に来ないからこそできることではないかと思う。

 そして、「変わる」ことこそが生き抜くこと。『進化論』で有名なチャールズ・ダーウィンの言葉。「生き残るものは、強いものではない。変化に柔軟に対応できるものである。」生き残る、すなわちこれからの社会で活躍する、もっと普通の表現を使えばこれからの社会で普通に生活していくためには、皆さんも変化し続けなければならない。

 さて、最後になったが、3年生の皆さん。大部分の人が「大学入学センター試験」を控えてラストスパートの時期である。担任の先生方から聞いているとは思うが、いわゆる「現役曲線」。最終の全国模擬試験が終わった11月からまだまだ学力が伸びるのが現役生の強み。それをはかる模擬試験がないだけのこと。「現在も伸びている。そして、これからもまだまだ伸びる」ことを信じて、最後まであきらめることなく、自分で限界を決めることなく、体調に気を付けて頑張ってほしい。

 3学期始業式で、皆さんの元気な姿を見られることを期待している。




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Last-modified: 2019-01-08 (火) 12:28:56 (15d)