H30~R04の校長室から

令和元年度1学期終業式講話(7月19日(金))

2022年3月21日 09時14分

 先日の高校野球県大会。2-1という結果で本校野球部が久々に勝利し、レクザムスタジアムで校歌を歌えた。相手の方が上ではないかという下馬評を覆しての勝利だった。しかし、私は「高校生がやることなのだから結果など予想できない」と考えていた。また、その試合で私の知る限り初めて背番号1を背負った細川君。これまでの下積みが認められた格好で、最後の夏に初めてのスタメン。それに投打で応えたわけだが、入学からこれまでの約800日に渡る努力と悔しさを思うと、私自身も感無量であった。努力は報われるもの。また、「自分の上限はここまで」と決めつけない気持ちがその試合での活躍につながったのではないか。次の試合は高松商業。自分たちが勝手に勝敗をつけないように最後まで平常心を貫いてほしい。  また、インターハイに出る人、写真部、合唱部、吹奏楽部の皆さんも同じである。先の壮行会でも話した通り、最後まで堂々と平常心で臨んでいただきたい。そして、「勝つ」自分をイメージしてほしい。

 さて、年度で言えば3分の1、1年でいえば半分以上が過ぎた。皆さんの時間の使い方はうまくいっているか。いつものように話すことだが、Time and tide wait for no man.(歳月人を待たず)である。1日1日を大切に過ごしてほしい。特に明日からの夏季休業中は、ある意味で「自分との闘い」である。坂高生として、充実した日々を過ごしてほしい。  このように言うと、皆さんの中には「3年生に言っているのだろう。大学受験が近づいているから。」と思った人はいないだろうか。  6月に進路指導部の先生方が中心になって作ってくれた「進路資料」(1年生が緑色、2年生が黄色、3年生が青色)を読んだか?先生方は非常に手間暇をかけて作成してくれたもので、学年によって記載されている内容が異なる。共通しているのは、合格体験記である。  私が読んでみて印象に残った部分を抜粋する。 ・ 私は古典と数学がまったくできませんでした。理由は1年や2年の頃に授業を真剣に受けていなかったからです。3年になってやろうとしても、基礎学力が不安定なので努力に比例して成績の伸びは緩やかでした。思い立った日から、毎日15分でも机に向かうように心がけると、見える世界が変わってくると思います。(浪:一橋大:法)

・ 僕の合格は1、2年生の頃の積み重ねです。先生方が言っていた通りに、3年生になってから始めるのでは、時間が命の受験勉強では本当に命取りになります。受験勉強は大変なものでありますが、文字のとおり『大きく変わる』時でもあります。(阪大:外)

・ 塾に入った理由は8割友だちを作るため、2割基礎を固めるためでした。本格的に受験を意識し始めた頃に、塾に行く時間さえもったいなくなり、塾をやめました。あと、絶対に先生に質問した方がいい。私たち学生より確実に賢くて、教えるプロです。(阪大:経)

・ 最後までやり切った身として言えるのは、部活を最後までやりきるべきだということです。今苦しいけれど、その中でどうすれば両立できるのか、勉強していくのかを自分なりに考えやり通すことで、それが自信となって受験時に必ず役に立ちます。実際、僕は大学に落ちるとは全く思いませんでした。成功のイメージを忘れないことが一番大切です。自分の思う成功を常にイメージすることでモチベーションが上がり、取り組む姿勢が変わり、結果が変わります。僕の思い描いていたイメージは、大阪市立大学に合格し合格体験記を書くことでした。(大阪市大:経)

・ 部活は最後まで続けるべきです。部活をしていない人との差がつくと焦るかもしれませんが、勉強への切り替えがしっかりできるので、その後の受験勉強にとても集中して取り組めます。(大教大:教)

・ 「センターC判定からの逆転、やっぱ二次は学校の先生」 現役は最後まで伸び続けます。(東北大:工)

・ 「『当たり前』で合格へ」私が現役曲線を感じたのは、センター本番でした。センター前最後の模試でも目標点に届いていなかった私が、本番では過去最高得点をとることができたのです。塾にも行っていません。注意されたくないという理由だけでまじめに受けていた授業。通学の間、暇だから読んでいた単語帳。周囲に便乗した休み時間の勉強。どれもみんなが実践している当たり前のことです。受験をするということは苦しいことがたくさんあります。しかし、この期間ほど成長できるときはないと思います。(岡山大:法)

   こういったことは、私たち学校の教員が皆さんにアドバイスをする、あるいは親御さんから話をされると思わず耳をふさぐ人も多いと思う。それは、高校生という発達段階にある若者として至極自然なことである。

 しかし、今紹介した話はすべて皆さんの直接の先輩からのメッセージである。素直に耳を貸すべきであろうと思う。

 次に、皆さんの善行について紹介しておく。

① 6月上旬、丸亀市内のある小学校の校長先生より電話があった。内容は、丸亀の塩屋駅の近くで徒歩で登校していた小学1年生の子どもが座り込んで駄々をこねていた。そこを通りかかった本校の女子生徒が、その子の話を聞いて学校まで送ってくれたというもの。

② 6月中旬、綾川町内のある会社員の方から電話があった。内容は、朝の通勤時の車で混雑する道路上に「ネコ」がおり、渋滞に拍車がかかっていた。そこを通りかかった本校の女子生徒が押しボタン信号を押して車を止め、その隙にネコを救助した。心温まる行為だったとのこと。

 これら2つとも該当生徒は分かっているが、本人の了解をとっていないので名前は伏せることにする。最近よく言われる「不寛容な時代」にあっても見ている人はちゃんといる。

 最後に工事の関係について。現在白壁の工事中。すべての完成は10月中旬の予定。夏休み開始とともに、松濤会館から南校舎・体育館までの舗装工事が行われる。また、8月中旬頃から9月末にかけて、建設中の体育館周辺の通路の整備が行われる。通路が封鎖されたりして迷惑をかけるが、工事関係の指示に従って安全にお願いしたい。