平成19年度5月 全校集会 校長講話

意欲的に、失敗を恐れず、辛抱強く

校長講話

 君たちに大切なことは「意欲的に取り組むこと」と「辛抱すること」である。そして、意欲的に取り組む秘訣は、「しようか」「やめようか」迷った時は「する」を選択することである。若者の場合、もし失敗しても、ほとんどの場合、十分取り返せる。失敗を恐れず挑戦してほしい。

 次に、一度決めたら、その実現に向けて「辛抱強く」努力して欲しい。「したくないけどしなければならないこと」もあるし、「したいことでも我慢しなければならないこと」がたくさんある。「したいことはするが、したくないことはしない」のは誰でもできる。自分の気持ちに反することにどれだけ打ち勝てるかが人間の成長を左右する。

相手の立場に立って物事を考えること

校長講話

 今日は、「相手の立場に立って物事を考えること」の大切さについて話をする。これは、文字どおり、自分はこう考えるが相手はどう受け止めるか、自分はよいと思っているが相手は嫌がっていないか…などを予測しながら行動することである。例えば相手の「都合」や「好き嫌い」を考えているか?そして、「傷つけていないかどうか」を考えているか?しかし、そうした明らかに配慮の必要な場面だけではなく、実は、意外と気づかないが、日々の会話の中には、相手の立場を考えておく必要のある場面がたくさんある。

 例えば、友人に「〜の店はどこかなあ?」と聞かれた時、普通、(1)「知らないよ」と答えると思うが、もし、(2)「知っているわけがないじゃない。なぜ、そんなこと聞くの?」と言われたらどう思うか?知らないので聞いているのに、聞くことを責められるようでは、二度と聞くものかという気になるだろう。逆に(3)「知らないよ。でもどこかな?どんな店?」と言ってくれれば一緒に考えてくれていることが伝わり、うれしくなる。同様に、「この問題どうやって解くの?」と聞かれた場合、(1)「わかるはずがないよ。私に聞かないでよ。」とか、「なぜ、そんな問題が解けないの?」と言われるやはりカチンとくる。しかし、(2)「自分もわからないんだ。一緒に先生に聞きにいく?」とか、「自分はわかったが、難しかったよ。自分は〜の点で苦労したよ」と言ってくれればほっとすると思う。何気ない会話でも、相手の気持ちを大切にする場面は一杯ある。

 少し観点は異なるが、もうひとつ例をあげる。我々は、するつもりがなくても失敗をして人に迷惑をかける場合がある。例えば、借りていた品物を壊した、掃除をしたばかりのきれいな教室を汚した、廊下を歩いていてぶつかった・・・といった場合などである。今、食堂でうどんを注文したところラーメンが来た場合を考える。その場合、(1)店員を強く攻撃して、直ちに代わりを持ってこさせる (2)抗議したいが、黙って辛抱する どちらの対応をするか?実はどちらもだめである。(1)の場合は、相手は反省しているのに更に追い討ちをかけることになり、不快感すら与えかねない。こういうのをアグレッシブ(攻撃的)な対応と言う。一方、(2)は言いたいのに言えてないので、自分に不満が残るし正当な主張もできない。これをノン・アグレッシブ(非主張的)な対応と言う。最もよいのは(3)「注文と違っています。」と丁寧に伝えた上で、「すみませんが、ラーメンをお願いします」ときちんと、また、丁寧に言うことである。これをアサーティブな対応と言う。アサーティブとはアサーション、つまり「主張」と言う言葉からきており、相手を傷つけないで、素直に意見を主張する方法のことである

校長講話

 人間関係では、(1)「相手を軽視し、自己主張ばかりするアグレッシブなタイプ」は絶対だめである。しかし、(2)「自分を卑下し、押し殺すノン・アグレッシブなタイプ」もだめで、(3)「相手を尊重しながら、かつ、自分を大切にしながら、主張するアサーティブな対応」が大切である。このように相手の立場を考えると言うのは、日常の会話の中で自然に、また、無意識に行われるべき行為である。「人にされていやなことは人にしない」ことを常に心がけて欲しい。

校長 島田政輝
(2007.05.01)

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Last-modified: 2008-12-20 (土) 12:19:20