平成20年度 卒業証書授与式 式辞

ご卒業おめでとうございます

校長式辞

 朝夕の日差しの明るさに、春の訪れを感じる本日、ただいまは普通科279名、音楽科24名の生徒諸君に卒業証書を手渡しました。まずは、卒業生の皆さんご卒業おめでとう。心からお祝いを申し上げます。  そして、この佳き日にあたり、香川県教育委員会、香川県議会をはじめ、多数のご来賓の御臨席と保護者各位の御列席のもと、ここに香川県立坂出高等学校卒業証書授与式が挙行できますこと、誠に喜びに耐えません。

頼もしく成長した君たち

卒業証書

 さて、卒業生の皆さん、思えば3年前、大きな希望を胸に本校の正門をくぐって以来、日々授業にゼミに、そして部活動にと、よく努力し立派に高校生活を全されました。時には勉強や進路のことで悩んだり、友との諍いに悲しんだりと様々な試練もあったことでしょう。しかし、皆さんは立派にそれらを乗り越え、本日ここに卒業を迎えることができました。高邁自主の精神に基づく本校の教育をしっかり受け止め、頼もしく成長した君たち。君たちの努力に心から拍手を送ります。

 しかし、その一方で決して忘れてはならないことがあります。それは、君たちが今日あるのはご家族の皆様をはじめ、先輩、友人など多くの方々のお陰であるということです。また、本校教職員もたまには口うるさく感じたかも知れません。しかし、君たちを思う気持ちは誰にも負けません。心に留めておいていただければ幸いです。

自ら学び考え行動する姿勢を

卒業証書授与

 さて、これから社会に巣立ち行く皆さんに、私が日頃思っていることをお話して、はなむけの言葉とします。

 まず、1つ目は、常に自ら学び考え行動する姿勢を持っていてほしいと言うことです。これまで世界をリードしてきたわが国ですが、その将来を考えた時、残念ながら決して楽観できるものではありません。国外においては、アメリカ、EU諸国、そして発展著しい中国やインド等に対し、科学技術立国として誇ってきた工業力をどのように維持発展させるかが強く問われる一方、国内においては、深刻な不況やそれに起因した雇用問題、少子高齢化社会のもたらす歪みなど様々な問題が顕著になりつつあります。また、益々グローバル化の進む環境問題への対応も国際社会の一員として当然に果たしていくべき事柄です。今後、こうした変化の激しい社会をリードしていくのは紛れもなく君たちです。そして、そこで求められる能力とは、課題を敏感に見出す力、その原因を論理的に分析する力、そして、創造力豊かに物事を考え出す力です。また、先を見通す力や、多くの要素の中で何が重要かを判断するバランス感覚、そして、自分の考えを周囲に発信し説得する表現力も大切になるでしょう。こうした力は、いずれも受身の学習で身につくものではなく、主体的で能動的な学習を通じて、初めて自分のものになるのです。ぜひ生涯にわたり自ら学び考え行動する姿勢を持っていただきたいと思います。

人々が共に支えあう共生社会の担い手に

正門周辺

 2つ目は、人々が共に支えあう共生社会の担い手になってほしいと言うことです。今後、物質的にも精神的にも豊かな社会となるためには、一人一人が互いに認め合い、助けあう、いわゆる共生社会の実現が必要です。そのためには、一人一人がかけがえのない存在であることを認識し、「自分だけが幸せであればよい」のではなく、「自分も幸せでありたいが、同様に、周りの人々も幸せでありたいと願っている」という考えに立たなければなりません。また、我々は、時として勝手気ままな行動をする人や、公共マナーに欠ける人、相手の立場や気持ちに無関心な人に出会うことがあります。でもこの時、相手を心の中で非難するだけでなく、「ちょっとまて、自分もそのように見られているのではないだろうか?」と問いかけてみてはどうでしょうか?その繰り返しが、周囲に配慮のできる人権感覚豊かな人間へと高めていってくれるのです。また、これからの社会、相手に話を伝えるとき、正確さだけでなく、好感をもたれるような説明ができなくてはなりません。逆に、相手を理解しようとするときには、相手の立場を認識し、思いやりのある態度で接することができなければなりません。どうか、こうした態度を身につけた、立派な共生社会の担い手となるよう期待します。

人と人の絆は君たちの宝物

3年団の先生方

 3つ目は、すべての君たちにとって、高校生活で得た最大の財産は、人との出会いであるということです。坂出高校という共通の学び舎で共に学んだ3年間、ここに築かれた人と人の絆はまちがいなく君たちのかけがいのない宝物です。生涯にわたり大切にしていただきたいと思います。

保護者の皆様に深く感謝申し上げます

 最後になりましたが、保護者の皆様、時にはぶつかり、ともに悩み、励まし、喜びあった3年間、今日の喜びには計り知れないものがあると存じます。ご卒業を心からお慶び申し上げますとともに、これまで学校が賜りましたご理解とご協力に深く感謝申し上げます。

皆さんの前途に幸多からんことを

退場

 さて、皆さん、いよいよ本校を巣立つときが来ました。これからの人生、必ずしも平坦な道ばかりとは限りません。しかし、社会は必ず君たちの活躍を必要としています。どうか健康に十分留意され、本校で身に付けた学業への自信と誇りを胸に、たゆまぬ前進を続けて下さい。皆さんの前途に幸多からんことを心より祈念し、式辞とします。

平成21年3月3日
香川県立坂出高等学校
校長  島田政輝

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Last-modified: 2009-03-04 (水) 10:29:32