第16代 高松西高等学校 校長 濱野圭司
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本校は香川県高松市西部の鬼無町の丘陵地に位置し、風光明媚な自然環境に恵まれた学校です。春には桜・ツツジが咲き誇りウグイスの美しい声を聞くことができるなど、1年を通して四季折々に変化する多くの木々の様子や鳥のさえずりに癒される場所です。
昭和52年(1977年)の開校以来、「自立・連帯・創造」を校訓とし、生徒一人ひとりの持てる力を最大限に伸ばし、地域に貢献できる人物を育成することを一貫して目標としてまいりました。この校訓のもと、本校の伝統ともいえる、一人ひとりの個性を大切にしながら常に生徒に寄り添い、生徒の学業と部活動の両立を支援する姿勢をこれからも大切に守り続けます。加えてMDP(マイドリームプロジェクト)の課題研究やOP(オプションプログラム)などの取り組みを通して、他者と協働して主体的に課題を解決する力や発信力を養い、新時代を切り拓く教養豊かで創造的英知をもつたくましい生徒を育てていきます。
なお本校は令和6年度から文部科学省のDXハイスクールに指定されており、大型サイネージモニターや高性能PCなど校内の施設・設備を充実させ、さらにそれらを活用した取組を進めています。また、地域とのつながりを大切にしており、地元の園・学校、コミュニティと協働した取組や、鬼無地区・香西地区など地元を舞台としたボランティア活動、香川大学・早稲田大学等の大学・研究機関と連携した地域貢献活動など、生徒の自主的な取組も盛んです。
これからも皆様から、より一層信頼される学校となることをめざし、教職員一同で教育活動に取り組んでまいります。本校の教育活動に対しご支援とご協力をいただきますよう、何卒よろしくお願い申しあげます。
香川県立高松西高等学校
校長 濱野圭司
令和7年度入学式 式辞
令和7年度入学式 式辞
春風が心地よく吹き、桜の花も見事に咲き誇る今日のよき日、PTA会長 山田士郎(やまだしろう) 様のご臨席を賜りますとともに、保護者の皆様のご列席のもと、令和7年度入学式を挙行できますことは、このうえない喜びであります。
ただ今、入学を許可いたしました262名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して、皆さんのご入学を心より祝福し、歓迎いたします。
皆さんは来年度、創立50周年を迎える本校の、第49期生にあたります。本日ここに西高生としての第一歩を踏み出します。どうか、西高生となったこの歓びを忘れることなく、日々、自らを成長させるための努力を積み重ねていってほしいと思います。ただ、「言うは易く行うは難し」です。これから始まる三年間の高校生活は長いようで短く、あっという間に過ぎてしまいます。一日一日を大切に過ごせるかどうかは皆さん次第です。
人は皆、「天からの封書」をもらっていると、哲学者の森信三(もりのぶぞう)は言いました。天から授けられた、封をされた手紙をあけると、その人の使命が書かれていると言うのです。しかし、封書を一生開けないままの人も多いと言われます。人は何となく生きていくこともできるからです。結局、その封書を開けるか開けないかは自分次第なのです。自分の人生をかけてやり遂げる使命や役割を最初から分かっている人はいません。まず封書を「開けられる」、「開けようとする」自分をめざしてほしいのです。
大学に進学するにしても、就職するにしても、近い将来、社会に出る直前の三年間の高校生活は、大切な期間になります。高校の授業や活動にはすべて意味があります。そして、あなたが努力を重ねることで未来の道が少しずつ作られるのです。将来どんな仕事に就きたいのか、どんな人になりたいのか。「なりたい自分」を一生懸命に探してください。それが「天からの封書」を開くための道です。困難に直面することもあるでしょう。しかし、それを克服し、道を切り開く中で、成長を遂げることができます。「天からの封書」は実は白紙で、自分で書き上げるものではないかと私は考えています。皆さんには、高校生活を経て卒業する時に、「私はこんな夢を持っています」と力強く語ってほしいのです。
ここ高松西高は、高松平野を一望のもとに見渡せる、鬼無の丘にあります。頑張って長い坂を登ったあと、後ろを振り返ってみてください。素晴らしい景色が広がっています。坂の上には、さわやかな笑顔に満ち溢れた仲間もいます。迷い苦しむこともあるでしょう。そんなときは、友人たちと共に励まし合い、お互いを高め合える喜びを感じてほしい。ここでしか味わえない景色がきっとあるはずです。さあ、いよいよ皆さんの高校生活がスタートします。今日からの三年間で皆さんが満開の花を咲かせてくれることを期待してやみません。
保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。西高生一人ひとりの、これからの時代を生きる力を育むため、教職員一同、精一杯努力して参る所存でございます。どうか本校の教育に、ご理解・ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
結びに、新入生の皆さんの高校生活が、豊かで実り多いものになること祈念して、式辞といたします。
令和7年4月8日
香川県立高松西高等学校長 濱野 圭司
令和6年度卒業式 式辞
令和6年度入学式 式辞
式辞
春の気配が校庭のすみずみに満ち溢れ、桜の花も今を盛りに咲き誇る今日のよき日、PTA会長 山田士郎(やまだしろう) 様のご臨席を賜りますとともに、保護者の皆様のご列席のもと、令和6年度入学式を挙行できますことは、このうえない喜びであります。
ただ今、入学を許可いたしました280名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して、皆さんのご入学を心より祝福し、歓迎いたします。
今日こうしてこの場に立つことができたのは、これまで皆さんを支え励ましてこられたご家族や、見守り愛情を注いでくださった多くの方々の支えがあったからです。周りの人々への感謝の気持ちを忘れることなく、自信と誇りを持って、高校生としての第一歩を踏み出して下さい。
これから始まる三年間の高校生活は長いようで短く、あっという間に過ぎてしまいます。今は清新な雰囲気に包まれていると思いますが、この気持ち忘れることなく、将来の夢の実現に向け、自らの可能性を信じ、勉学や部活動に励んでほしいと思います。
さて、本日ここに、高校生活をスタートするにあたり、皆さんに二つのことをお願いします。
まず一つ目は、高校時代三年間の学びをとおして、生涯にわたって必要な「生きる力」の基盤を固めて欲しいということです。
高等学校における教育は、小・中学校とは異なります。皆さんが3月に卒業した中学校は義務教育であり、香川県内のみならず全国においても同じ教育内容です。しかし、高等学校は、それぞれの学校で教育内容が異なり、学科の特色などを生かして、その学校でしか学べない教育を行っています。本校は普通科です。まずは、日々の授業を大切にして、じっくりと学習に取り組み、堅固な学びの礎を築いて欲しいと思います。そして、その上に本校の特色である探究的な学びを本気で取り組んでください。急激に変化し続けていく現代社会において必要な力、すなわち、試行錯誤しながら仲間たちと課題を解決し、新しい価値を創造していく力の基礎が身に付くはずです。
二つ目は、古い表現かも知れませんが、「友情」を育んで欲しいということです。
高校時代は、人との接し方を学ぶことができる大切な時期です。高校時代の友は一生の友であると言われます。これから皆さんは、学業や進路、人間関係など様々な悩みに直面することもあるでしょう。そのようなとき、自分のことを理解し相談にのってくれた友人は、必ずや一生の友人になるはずです。特別なことは必要ありません。相手を思いやる気持ちや態度で接すれば、自然とお互いを敬う気持ちが生まれます。授業や部活動、学校行事など様々な場面で、時に切磋琢磨しながら、友情を育み有意義な高校生活を共に築いてください。感謝の気持ちを忘れず、他者と人格を高め合える人間に成長することを期待しています。
さあ、いよいよ皆さんの高校生活がスタートします。今日からの三年間で皆さんが満開の花を咲かせてくれることを願っています。
保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。私たち教職員一同、精一杯努力して参る所存でございます。どうか本校の教育に、ご理解・ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。
結びに、新入生の皆さんの高校生活が、豊かで実り多いものになること祈念して、式辞といたします。
令和6年4月9日
香川県立高松西高等学校長
濱野 圭司
令和5年度卒業式 式辞
式 辞
厳しかった冬の寒さもようやく和らぎ、周囲の山並みや校庭の木々に少しずつ春の気配を感じられるようになった今日のよき日に、香川県教育委員会より、埋蔵文化財センター所長 佐藤 竜馬(さとう りゅうま) 様、ご来賓の香川県議会議員 里石 明敏(さといし あきとし) 様、PTA会長 山田 士郎(やまだ しろう) 様、ならびに、多数の保護者のご臨席を賜り、令和五年度香川県立高松西高等学校卒業証書授与式が、このように盛大に挙行できますことは、生徒並びに教職員一同、大きな喜びであります。高いところからではございますが、心より御礼申し上げます。
ただ今卒業証書を授与した二百七十名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんが西高に入学した令和3年4月はコロナ禍の真っただ中にあり、多くの制限の中での高校生活のスタートになりました。そのような苦しい状況の中でも、本校では、文化祭や体育祭、修学旅行などの行事をすぐに中止にするのではなく、生徒が中心となり、教職員や保護者の皆様の協力のもと、対策を講じながら実現可能と判断できるものについては実施することができました。困難に際しても、安易に妥協することなく、実現に向けて知恵を絞る。皆さんのその姿は、開校当初から培われてきた西高スピリットそのものであり、本校卒業生である私からみても大変頼もしく感じられました。
コロナウィルス感染症が感染症法5類に移行した昨年5月以後は、いっそう生き生きと学校生活を送ることができたように思います。その一つ一つの光景が目に浮かびます。部活動では、自分の限界に挑み、技量を高めるため研鑽を積む生き生きとした表情。また、日々の勉学では、教室で真剣に授業を受ける姿や、放課後遅くまで職員室の周辺や廊下で黙々と問題に取り組み、熱心に先生方に質問する様子。いずれも、それらを近くで見てきた後輩たちにはよき模範となるものでした。改めて一人一人に敬意を表するとともに皆さんを誇りに思います。
さて、卒業は、「高校」というステージから、次のステージへと歩を進めてゆく門出にあたります。さらに皆さんが羽ばたくことを願って、二つの話をして贐(はなむけ)とします。
まず一つめは、「自分で選ぶ」ことができる人に成長して欲しいということです。
人生は選択の連続であり、人は生き続けている限り常に何かを選んでいます。人生の岐路に立ったとき、自分がどの道を進むのか。決めるのは自分であり、自分の責任で選ぶしかないのです。
詩人の相田みつをの詩の一部を紹介します。「わたしは無駄にこの世に生まれて来たのではない また人間として生まれて来たからには 無駄にこの世を過ごしたくない。私がこの世に生れてきたのは、 私でなければできない仕事があるからだ」。この言葉のように、皆さんは、自分の可能性を信じ、自らの勇気と決断をもってこれからの人生を切り開いていくのです。どのような道であったとしても、自分を信じて進んでいける人の人生は「幸せ」です。「幸せ」の感じ方は一人一人違います。しかし、「幸せ」である人は、自分だけでなく周りの人までも「幸せ」にする力を持つと信じています。
昨今、人工知能やロボットが社会を変えるとされ、実際、我々の身の回りにおいても、それらの技術が活用されすでに生活の一部となっています。これからの働き方は、それらといかに付き合っていくかという点で、これまでの社会と全く異なります。しかし、人工知能は、全く新しいものを創造する力や、人の気持ちを読み取る力はまだまだ人間には及ばないとされています。自分の進むべき道は、AIに選択させてはなりません。自分で考え選択し、判断できる人として成長していってほしいと思います。
二つめは、「失敗は財産である」ということです。これまでの人生で一度も「失敗したことがない」という人がいれば、それはこれまで何も挑戦していないことと同義です。困難や挫折の後には、必ず新しい可能性が見えてくるものです。人は失敗から学び、克服し、新しい課題に挑むために立ち上がっていく。嘆き悲しみ、人を羨んだり恨んだりしても何も解決することはありません。例えて言うならば、皆さんには植物の「竹」のような心を育んでほしいと思っています。竹は、どれだけ強い風が吹く激しい嵐の日でも、曲がることはあっても容易に折れることはありません。しなやかな竹のような心の強さと柔軟さを身に付けてほしいと願っています。
最後になりましたが、保護者の皆様には、立派に成長されたお子様の姿をご覧になり、感慨もひとしおのことと存じます。心からお喜び申し上げるとともに、これまで本校に賜りましたご理解、ご支援に対し、厚くお礼申し上げます。
卒業生の皆さん、いよいよお別れの時です。
間もなく校門前の桜の花も爛漫と咲き誇り、更に季節はめぐっていきます。しかし、西高は常にそこに存在し、皆さんの心の故郷であり続けます。私たち教職員も皆さんを応援し続けます。どうか、この三年間で培った西高の校章の三つのWの意味である「強い意志とたゆまぬ勉学を通して英知を磨く」という精神を忘れずに、夢の実現に向けて力強く歩み出してほしいと願っております。
皆さんの今後の活躍と、その前途に幸多きことを祈念して、式辞といたします。
令和六年三月五日
香川県立高松西高等学校
校長 濱 野 圭 司