校長室から

高倉 和弘 校長先生
 

DSC_1008HP用

 旧制丸亀中学校及び丸亀高等女学校の精神を受け継ぎ、人としての心の在り方を示した「終始一誠意」の校訓のもと、「文武両道」をモットーとしてその歴史を紡いできた本校は、昨年創立130周年を迎えました。

今も校内には明治26年創立時の本館(国の有形文化財)や門扉、校訓の石碑など、歴史を感じさせるものが数多く点在しています。卒業生はすでに44,000人にせまり、津島寿一先生や猪熊弦一郎画伯をはじめ、優れた人材を数多く輩出してきました。また、多くの卒業生が国の内外を問わず各分野のリーダーとして、また優れたフォロワーとして活躍されています。

今年度、全日制841名、定時制34名、通信制186名の生徒とともに、教職員も一体となって、その伝統を受け継ぎながら、未来に向けて新たな一歩を踏み出したところです。

 令和2年以降の新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、本校の教育にも大きな影響を及ぼしました。一方でコロナ禍の中で学校のICT環境が整えられ、本校では全日制の生徒全員がタブレットを授業等に活用する状況が生まれました。また黒板もPC画像が投影できるホワイトボードに変わり、昔ながらのチョーク1本で勝負する授業は姿を消しています。

現在全日制では65分授業を行っており、基礎基本の定着及びじっくり考える授業の実践をめざして日々取組を進めています。また、すべての教科・科目でICT機器を積極的に活用した授業を展開しており、生徒の情報活用能力の育成にも力を入れています。部活動も盛んで、多くの生徒がそれぞれの部で熱心に活動し、昨年度は、水泳、ソフトボール、剣道、ワンダーフォーゲル、少林寺拳法、放送、将棋、囲碁の各部が全国大会に出場しました。

定時制では3修制も取り入れており、3年間での卒業をめざす生徒は、夜の授業に加えて昼間授業でも積極的に学習を進めています。また限られた時間の中で部活動にも熱心に取り組み、昨年度は、軟式野球、バドミントン、卓球の各部が全国定通総体に出場しました。

通信制では生徒が自ら履修計画を立て、それぞれの進路希望に応じて自立した学習を進めています。日曜日に行われるスクーリングでは生徒の生き生きとした姿が見られ、部活動も生徒間のつながりを強めています。昨年度は、バスケットボール、陸上、卓球の各部が全国定通総体に出場しました。

伝統は、堅牢な守りではなく、その内部で常にイノベーションすることで持続可能なものとなります。本校も130年にわたりそれを繰り返してきました。一方で、変わらないもの、変えるべきではないものもあります。その一つは、丸高で学んだという誇りと繋がりです。これらを育むのは、本校での学び、そして先生や友との交わりです。それらが相まって丸高生らしさがかたちづくられていきます。「不易」と「流行」がバランスよく統合された学校。それが現在の丸亀高校です。亀城(丸亀城)のほとりの丸高は、今も以前と変わらぬ佇まいで生徒を見守り続けています。

 このホームページからそのような本校の雰囲気を少しでも感じていただければ幸いです。

 

令和6年4月 校長 髙倉和弘