おススメ本の部屋へようこそ!

平成29年度より、おススメ本の部屋を開設しました。図書委員と図書部員と司書が、おススメする本を紹介しています。
校内の各所にも掲示していますので、興味や関心を持った人は、気軽に図書館に来て読んでみてください。貸し出し中なら予約も可能です!

おススメ本Ⅰ

「イラストでよくわかる 日本の神様図鑑」 古川順弘

2017年9月20日 11時25分
知識:★★★★☆ 驚き:★★★☆☆

 日本の神々には細かい造形の基準がありません。しかし、神々にも個性があり、神様の基礎知識や説明が分かりやすく書かれています。私が読んで特に気に入った神様は、弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)です。夫の倭健命(やまとたけるのみこと)の為に命を賭けた女神様です。夫の為に体を張って行動する美しい姿が格好良く印象に残りました。

おススメ本Ⅱ

「明日へのペダル」熊谷達也著

2023年10月11日 09時25分

 直木賞作家が贈るロードバイク愛に溢れた小説です。健康上の理由から始めたロードバイク。優一は会社の部下である女性を師匠とし、ロードバイク技術を極めていきます。自転車を通して、優一たちは新たな扉を開いていきます。因みに著者自身もロードバイク愛に溢れ、イベントで受賞する腕前だそうです。

おススメ本Ⅲ

『沖晴くんの涙を殺して』 額賀澪

2021年4月26日 13時50分
感動:★★★★☆ あたたかい:★★★★★

 北の大津波で、沖晴は死神と取引をした。悲しみ、怒り、嫌悪、恐怖を差し出して、独り生還し、残された感情は喜びだけ。家族を喪った笑うだけの不思議な高校生は、余命わずかの音楽教師、京香と出会う。

 人が死んでしまうことはとても重大で悲しい出来事だけど、人は生きている以上、必ず死んでしまう。順番など関係ないということを改めて感じた。悲しみ、怒り、嫌悪、恐怖は人間にとって必要な感情であり、大切な何かを失ったときに必要なのは、ただ寄り添ってくれる人、感情を受け止めてくれる人である。

 生きることの大切さや自分の周りには支えてくれる人がいるということを気づかせてくれます。生きることへの希望を持てる、やさしくて愛おしい小説です。

おススメ本Ⅳ

「朝のあかり」石垣りん著

2023年10月11日 09時32分

 「詩人・石垣りん」ではなく今回はエッセイの総集編。「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札」「空をかついで」などの作品は、中学校や高校の国語教科書でご覧になったことがあるかも。
 2004年、84 歳で亡くなる前に3冊のエッセイ集が刊行されましたが、その中から71篇を選んで収録されたのがこの本。
 長年、丸の内の日本興業銀行で働いてきた彼女。大組織のいちばん低い場所で働いてきた彼女だから書けた作品も数多い。なぜ詩を書くのか?という新聞記者の問いに、〈長いこと働いてきて、人の下で、言われたことしかしてこなくてね。でも、ある時点から自分のことばが欲しかったんじゃないかな。何にも言えないけれど、これを言うときにはどんな目に遭ってもいいって〉
 この本には、凛とした、明晰なことばとともに、個として生きる喜びと哀しみが刻まれています。

おススメ本Ⅴ

「月と散文」又吉直樹著

2023年10月11日 09時33分

 インパクトのある表紙と又吉さんらしいエッセイの数々。彼の感情をぶつけているのに、どことなく優しく包み込まれる感覚になり、それでいて笑えるほど面白い。「火花」で芥川賞を受賞しただけあって、彼の言葉を巧みに操る技術はさすがとしか言いようがない。難しい表現ではなく、誰にでも伝わる言葉なのに深く考えさせられる文章。どことなく心が休まる本です。
 著者は、オフィシャルコミュニティサイト「月と散文」を開設中。息を呑む美しさに一見の価値あり。又吉さんならではのオンラインコンテンツです。

おススメ本Ⅵ

「教室に並んだ背表紙」相沢沙呼著

2023年10月11日 09時35分

 学校図書館を舞台に、先生と学生たちの優しい物語です。
 学校で辛い気持ちを抱えている人には特に響くかも。本を通して勇気をもらったり自分を少しずつ好きになれたり…。窮屈な世界が少しずつ拓(ひら)けていきます。素敵な大人になれそうな予感。6人の少女たちを繊細に描く連作短編集。
 ミステリー作家だけあって、ラストのタネ明かしはさすが!