校長   吉 田  稔

高松南(HP用)

校長あいさつ

香川県立高松南高等学校長として3年目になります。伝統ある本校に今年度も勤務できることとなり、光栄であるとともに大きな責任を感じております。2年間の経験を活かし、本校の更なる発展に尽力したいと考えています。

本校は、明治44(1911)年、香川郡立香川実業学校として創立されました。大正11(1922)年には県立に移管されて香川県立香川農業学校となり、その後、学校の分離や学科の改編等を経ながら激動の時代をくぐりぬけます。戦後の昭和24(1949)年に香川県立香川高等学校として再編され、昭和44(1969)年からは学校の名称が現在の香川県立高松南高等学校と改められました。これまで4万名を超える有為な人材が本校を巣立ちました。現在は、高等学校本科に普通科、農業科、家庭科、看護科及び福祉科の5学科を設置するとともに、専攻科として看護科を擁する全国屈指の総合制高校となり、今年度919名の生徒が、夢の実現に向けて先生方や友人とともに勉学や部活動に励んでいます

4月6日に始業式、4月7日に入学式を行い令和6年度高松南高校の学校生活が始まりました。入学式では、高等学校本科新入生に「今、皆さんは新たな出会いをしています。これから始まる高校生活をともにする友人、成長を応援してくれる教職員との出会いです。中学校は校区内の比較的近い人との関わりでした。高校はこれとは違ってより広い地域から通ってくる生徒の集まりです。今日の出会いは、新たな価値観との遭遇でもあるのです。新しい価値観との出会いによって、なるほどこんな考え方もあるのだと視野を広げ、自分を高めるチャンスがあります。」と述べました。専攻科の新入生には「専攻科の2年間では専門職としての資質・能力の育成を行います。校内の授業だけでなく、約100日にわたる病院の臨地実習では、既に学んだ看護の知識と技術を実際の医療現場で活用し実践していきます。現場では自分の学んできたことを十分に生かしきれずストレスを感じることでしょう。しかし、どんな困難に直面しても諦めず患者を思いやり、皆さんの言葉と行動で常に温かく患者さんに接してください。将来、職場の人から『この人と一緒に働きたい』、患者さんから『この人に出会えてよかった』と言われる看護師となるよう、専攻科での学びを大切にしてください。」と伝えました。

本校の校訓は、学校創立時に制定した「今日あるを感謝し 最善を尽くして 日々に進むべし」です。この校訓が言わんとするところは、「豊かな自然あふれる学び舎の下、毎日を平和に過ごせることに感謝し、学業に精一杯精進して、日々の成長につなげるべきである」ということではないでしょうか。本校の教育方針である、自ら学び自ら考え責任ある行動がとれる人を育てること、さわやかなマナーと思いやりの心を持った人を育てることを日々の教育活動で実践し、生徒の学力向上と進路希望の実現のため教職員とともに取り組んでまいります。

どうぞ、高松南高校へのご理解とご支援をお願いします。

 

                          令和6年4月7日   香川県立高松南高等学校長 吉田 稔

美化活動に感謝

   先日、嬉しい出来事がありました。生徒が、率先して校内美化について休み時間に放送で、次のように呼びかけていました。

   美化委員会からのお知らせです。

   委員長の○○と副委員長の○○です。

   いつも清掃活動にご協力ありがとうございます。

   先日、各清掃場所の代表者に集まっていただき、自分たちも外部の人も気持ちよく利用してもらえるように、責任をもって清掃をするように呼び掛けています。

   今回は「できるだけ掃除をしなくても良い取り組みをしよう」ということをテーマに皆さんにお願いしたいと思います。

   例えば、食べ物の食べ残しや、飲み物の飲み残しを極力出さない。

   ゴミを捨てるときは分別する。

   トイレ等の施設を使う際に、次の人が使いやすくなるように心掛ける。

   ゴミが落ちていることに気付いたら、その場で拾う。

   など、これらを個人個人が意識することで、負担は確実に減ります。

   清掃はゴミが出たり、汚れてしまったりするからしなければいけません。

   ゴミをできるだけ出さない、汚さないように努力することを心掛けて、普段の生活を送りましょう。以上、よろしくお願いします。

    本校は緑豊かな校地に、平成30年に改築を終えた新しい校舎で、生徒が学校生活を送っています。生徒自らが、学習環境を良くするため、校内美化を呼びかけたことに感謝します。夏季休業中には、私を含め教職員が職員室近くのトイレを、部活動で登校した生徒がその他のトイレを清掃しました。また、ボランティア清掃を定期的に行い、清掃活動をとおして地域の方々に感謝の気持ちを示しています。ボランティア清掃の様子は本校HPにありますので、ご覧ください。                                                                                                                                                                                          令和5年11月

                                         香川県立高松南高等学校長 吉田 稔

試行錯誤

令和5年6月5日発行の南高新聞で「生成AI」についてふれましたので、掲載した記事の一部を紹介します。本校では、生成AIの利用についてのガイドラインを作成し、配付しました。

皆さんは「試行錯誤」という言葉を知っていると思います。辞書には「様々な試みを繰り返し、失敗を重ねながら目的に近づいていくこと。」とあります。私は数学の教員で数学が好きですが、皆さんの中には苦手と感じている人もいるでしょう。それは良いアイデアが浮かばないと正解にたどり着かないため、ストレスが生じるからかもしれません。私は与えられた問題に対して、じっくり考えることが大切だと思っています。問題を解くとき、作戦を立て、ある方法で試してみて上手くいかなければ別の方法で進めていくのです。この試行錯誤する時間が一番面白いと私は感じています。分からないことの方が面白い、分かってしまえば案外つまらなくなってしまうものです。

これからも変化の激しい社会で、予測不可能な時代であると言われています。覚えた公式に数値を入れると自動的に答えが出てくるだけのような対応では乗り切れないと思います。考えたり悩んだりしながら少しずつ目標に近づくことが必要です。アイデアを自分で生み出し、失敗から学ぶことを繰り返しながら成長しているのです。

最近、質問やキーワードを入力すると膨大な情報から瞬時に言葉を繋げ、見事な文章を作成する「生成AI※」が話題になっています。文書やレポートなどを作成する際に、かなり便利なものだそうです。しかし、ある時間がないことが心配です。試行錯誤しながら創作した文書やレポートは、主体的に深く考えたもので洗練されており、他者への説明にも自分の考えがよく伝わります。課題を解決するときも何かを作るときも、試行錯誤することの大切さを忘れないでください。

 さて、私はこの文書がAIと比較しどのような違いがあるのか、完成後点検してみようと思います。 

 

※ChatGPTを始めとする「生成AI」は、機械学習で取り込んだ既存のデータをもとに文章などを作成するシステム。自動化、効率化の進展が期待される一方、不正確な部分、社会規範や倫理にそぐわないことがある、送った情報が蓄積され個人情報が流出することなどの懸念があり、長所・短所を理解したうえでシステムを利用する必要がある。

                                        令和5年7月

                                        香川県立高松南高等学校長 吉田 稔

セルフ・サービス

南高新聞に掲載した新入生に向けた原稿の一部を紹介します。

さて、皆さんの中にはセルフ・サービスの店を利用した人は多いと思います。セルフうどん店やバイキングなどで、用意された料理から自分で選んで食べる方式です。自分好みの料理にするので満足度は格別です。

皆さんには与えられたことを単にこなすことなく、選択肢の中から自分自身(セルフ)で選ぶことを大切にして欲しいと思っています。目標やその結果を得るための方法を自分自身で選ぶという行為は、自分に対する責任と自覚が生まれてきます。また、責任と自覚のもと努力が伴うため成果に結びつきやすく、達成感や幸福感につながることとなります。本校は、自分の夢や希望を実現させるために皆さんが選んだ学校です。各学科には多くの科目が用意され、また検定試験や資格試験などの自分の将来に必要なものを取得できます。さらに、部活動もたくさんの部が高い目標に向けて日々熱心に練習をしています。これらのものから、自分で選び自身を信じ、諦めずにチャレンジしてください。決めたからには、責任と自覚を持って取り組んでください。そうすれば、高校生活の満足度は格別なものとなります。そして卒業時には、皆さんの夢や希望が実現できるような人材となっているはずです。

ある本でアメリカ人のマルモ・モーガンさんの「人生はセルフ・サービスだ。自分の人生を豊かにするのは自分であり、そうしようと思えばいくらでも創造的で幸せな人生が送れるのだ。」という言葉を知りました。皆さんの人生を豊かにするのも自分自身です。本校での高校生活により、将来、創造的で幸せな人生が送れるよう期待しています。

 この原稿を書き、皆さんの将来を思い描くうちに、美味しいうどんが食べたくなりました。行きつけのセルフうどん店に行ってきます。

                                      令和4年11月

                                      香川県立高松南高等学校長 吉田 稔