おススメ本の部屋へようこそ!

平成29年度より、おススメ本の部屋を開設しました。図書委員と図書部員と司書が、おススメする本を紹介しています。
校内の各所にも掲示していますので、興味や関心を持った人は、気軽に図書館に来て読んでみてください。貸し出し中なら予約も可能です!

おススメ本Ⅰ

「悪童日記」 アゴタ・クリストフ

2018年6月19日 14時03分

感動:★★★★★ 努力:★★★★★
  これは、戦争中の人間の本質が描かれた物語である。第二次世界大戦の戦時中、幼い双子の兄弟は、母親に祖母の家へと連れて行かれる。母親が長い間祖母と連絡を取っていなかったのは、祖母が祖父を毒殺したとして、地元では「魔女」と呼ばれていたからだ。二人は、その祖母の家で暮らしていくためには、労働をしなければならなかった。貧しい中だが、勉学にも努めるようになり、生きぬいていく術を学ぶ。
 二人は、非常に賢く、自分たちが今何をするべきかを理解しており、常に冷静でいるように思った。そして、貧しくて、大変な生活の中でも、人を助ける二人は心優しいと思った。

おススメ本Ⅱ

「明日へのペダル」熊谷達也著

2023年10月11日 09時25分

 直木賞作家が贈るロードバイク愛に溢れた小説です。健康上の理由から始めたロードバイク。優一は会社の部下である女性を師匠とし、ロードバイク技術を極めていきます。自転車を通して、優一たちは新たな扉を開いていきます。因みに著者自身もロードバイク愛に溢れ、イベントで受賞する腕前だそうです。

おススメ本Ⅲ

「永眠童話」 木本雅彦

2017年11月22日 13時40分
ファンタジー:★★★★★ 勇気が出る:★★★★☆
 「ギグ」と呼ばれる音楽や、歌、演劇、朗読、絵画、書道、ダンス、パントマイムなどの様々なパフォーマンスを通して誰もが主人公になることができる国「レボルウェイスタ」で、ソラは自分の才能を発揮することができず、どうしても主人公になれずにいました。しかし、母親のお通夜に現れた不思議な少女「リイサ」との出逢いをきっかけにソラの「物語」が動き始めます。

 「自分はどうせ脇役だ」と思ったことのある人や、自分に自信が持てない人は、きっとソラの気持ちに共感でき、勇気を与えられる一冊だと思います。

おススメ本Ⅳ

「朝のあかり」石垣りん著

2023年10月11日 09時32分

 「詩人・石垣りん」ではなく今回はエッセイの総集編。「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札」「空をかついで」などの作品は、中学校や高校の国語教科書でご覧になったことがあるかも。
 2004年、84 歳で亡くなる前に3冊のエッセイ集が刊行されましたが、その中から71篇を選んで収録されたのがこの本。
 長年、丸の内の日本興業銀行で働いてきた彼女。大組織のいちばん低い場所で働いてきた彼女だから書けた作品も数多い。なぜ詩を書くのか?という新聞記者の問いに、〈長いこと働いてきて、人の下で、言われたことしかしてこなくてね。でも、ある時点から自分のことばが欲しかったんじゃないかな。何にも言えないけれど、これを言うときにはどんな目に遭ってもいいって〉
 この本には、凛とした、明晰なことばとともに、個として生きる喜びと哀しみが刻まれています。

おススメ本Ⅴ

「月と散文」又吉直樹著

2023年10月11日 09時33分

 インパクトのある表紙と又吉さんらしいエッセイの数々。彼の感情をぶつけているのに、どことなく優しく包み込まれる感覚になり、それでいて笑えるほど面白い。「火花」で芥川賞を受賞しただけあって、彼の言葉を巧みに操る技術はさすがとしか言いようがない。難しい表現ではなく、誰にでも伝わる言葉なのに深く考えさせられる文章。どことなく心が休まる本です。
 著者は、オフィシャルコミュニティサイト「月と散文」を開設中。息を呑む美しさに一見の価値あり。又吉さんならではのオンラインコンテンツです。

おススメ本Ⅵ

「教室に並んだ背表紙」相沢沙呼著

2023年10月11日 09時35分

 学校図書館を舞台に、先生と学生たちの優しい物語です。
 学校で辛い気持ちを抱えている人には特に響くかも。本を通して勇気をもらったり自分を少しずつ好きになれたり…。窮屈な世界が少しずつ拓(ひら)けていきます。素敵な大人になれそうな予感。6人の少女たちを繊細に描く連作短編集。
 ミステリー作家だけあって、ラストのタネ明かしはさすが!