おススメ本の部屋へようこそ!

平成29年度より、おススメ本の部屋を開設しました。図書委員と図書部員と司書が、おススメする本を紹介しています。
校内の各所にも掲示していますので、興味や関心を持った人は、気軽に図書館に来て読んでみてください。貸し出し中なら予約も可能です!

おススメ本Ⅰ

「リエゾン」ヨンチャン著

2023年10月11日 09時22分

 児童精神科を舞台に、心の病を抱える子供たちと向き合い解決策を見出していく漫画です。 2023 年 1 月にテレビ朝日系列でドラマ化されました。 リエゾンとは、フランス語で、連携、つなぐ、を意味します。
 本校福祉科の先生も大絶賛のこの漫画、ぜひ読んでみてください。現在13巻まで刊行。どの巻から読んでも意味が分かるようにできています。

おススメ本Ⅱ

『火花』 又吉直樹

2021年6月21日 11時22分

笑い:★★★★☆ 涙:★★★★

 売れない芸人の徳永は、神谷と出会い、自分にはない笑いのセンスに惹かれます。神谷も徳永を気に入り、仕事の合間も共に過ごすようになります。ところが、彼らは互いに別の道を歩み、やがて疎遠になってしまいます。二人の笑いに対する考え方など10年間の事がこの本にまとめられています。

 書名を見たとき、火花のように激しい物語だと思っていましたが、想像と違って芸人の物語でした。それに芸人ならではの笑いもところどころにあり、面白かったです。

おススメ本Ⅲ

『父と私の桜尾通り商店街』 今村夏子

2021年3月2日 10時20分

 ユーモア:★★★★☆ 穏やかさ:★★★★★
 この本は6つの短編から成るもので、それぞれ違う主人公の目線で物語が進んでいきます。
 その中で最初に載っている「白いセーター」という話を紹介します。平凡な主婦のゆみ子は、クリスマスイブに夫のお姉さんから子どもたち4人を預かってほしいと頼まれます。ゆみ子は承諾するのですが、その子どもたちとゆみ子の間に起きたとあるできごとに胸が痛くなります。何か大きな事件があるわけではなく、小さな石ころを投げ込んで揺らいでいる水面のようなゆみ子の心が描写されていて、感情移入してしまいます。

おススメ本Ⅳ

「朝のあかり」石垣りん著

2023年10月11日 09時32分

 「詩人・石垣りん」ではなく今回はエッセイの総集編。「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札」「空をかついで」などの作品は、中学校や高校の国語教科書でご覧になったことがあるかも。
 2004年、84 歳で亡くなる前に3冊のエッセイ集が刊行されましたが、その中から71篇を選んで収録されたのがこの本。
 長年、丸の内の日本興業銀行で働いてきた彼女。大組織のいちばん低い場所で働いてきた彼女だから書けた作品も数多い。なぜ詩を書くのか?という新聞記者の問いに、〈長いこと働いてきて、人の下で、言われたことしかしてこなくてね。でも、ある時点から自分のことばが欲しかったんじゃないかな。何にも言えないけれど、これを言うときにはどんな目に遭ってもいいって〉
 この本には、凛とした、明晰なことばとともに、個として生きる喜びと哀しみが刻まれています。

おススメ本Ⅴ

「月と散文」又吉直樹著

2023年10月11日 09時33分

 インパクトのある表紙と又吉さんらしいエッセイの数々。彼の感情をぶつけているのに、どことなく優しく包み込まれる感覚になり、それでいて笑えるほど面白い。「火花」で芥川賞を受賞しただけあって、彼の言葉を巧みに操る技術はさすがとしか言いようがない。難しい表現ではなく、誰にでも伝わる言葉なのに深く考えさせられる文章。どことなく心が休まる本です。
 著者は、オフィシャルコミュニティサイト「月と散文」を開設中。息を呑む美しさに一見の価値あり。又吉さんならではのオンラインコンテンツです。

おススメ本Ⅵ

「教室に並んだ背表紙」相沢沙呼著

2023年10月11日 09時35分

 学校図書館を舞台に、先生と学生たちの優しい物語です。
 学校で辛い気持ちを抱えている人には特に響くかも。本を通して勇気をもらったり自分を少しずつ好きになれたり…。窮屈な世界が少しずつ拓(ひら)けていきます。素敵な大人になれそうな予感。6人の少女たちを繊細に描く連作短編集。
 ミステリー作家だけあって、ラストのタネ明かしはさすが!