『かにみそ』 倉狩聡
2022年3月9日 15時20分怖さ:★★★★★ 気持ち悪さ:★★★★☆
人間の言葉が話せる不気味な蟹を拾った平凡な「私」。蟹の食費を稼ぐために始めた派遣の仕事で出会った彼女を、殺してしまいます。何でも食べる蟹に死んだ彼女を食べてもらってから、私の生活は一変してしまいます。(「かにみそ」)
もう一つの話は、父親が急死した大学生の忍の家に清野と名乗る謎の女が住みついてしまいます。清野は忍を「ノブさん」と呼び、家事を全て引き受け、不気味な植物「百合」を育て始めます。(「百合の火葬」)
この本にある2つの話は全く別の怖さがあります。特に「かにみそ」は表紙からは想像できないような怖さと同時に、私と蟹の友情に感動する話です。衝撃的なラストなので、ぜひ読んでみてください。