おススメ本の部屋へようこそ!

平成29年度より、おススメ本の部屋を開設しました。図書委員と図書部員と司書が、おススメする本を紹介しています。
校内の各所にも掲示していますので、興味や関心を持った人は、気軽に図書館に来て読んでみてください。貸し出し中なら予約も可能です!

おススメ本Ⅰ

「リエゾン」ヨンチャン著

2023年10月11日 09時22分

 児童精神科を舞台に、心の病を抱える子供たちと向き合い解決策を見出していく漫画です。 2023 年 1 月にテレビ朝日系列でドラマ化されました。 リエゾンとは、フランス語で、連携、つなぐ、を意味します。
 本校福祉科の先生も大絶賛のこの漫画、ぜひ読んでみてください。現在13巻まで刊行。どの巻から読んでも意味が分かるようにできています。

おススメ本Ⅱ

「明日へのペダル」熊谷達也著

2023年10月11日 09時25分

 直木賞作家が贈るロードバイク愛に溢れた小説です。健康上の理由から始めたロードバイク。優一は会社の部下である女性を師匠とし、ロードバイク技術を極めていきます。自転車を通して、優一たちは新たな扉を開いていきます。因みに著者自身もロードバイク愛に溢れ、イベントで受賞する腕前だそうです。

おススメ本Ⅲ

「文豪、社長になる」門井慶喜著

2023年10月11日 09時28分

 高松市に生まれた菊池寛の伝記です。 郷土が生んだ文豪、菊池寛先生のことをよく知る人はどの程度でしょうか。芥川龍之介や直木三十五を親友に持ち、早逝した二人の名前を冠した文学賞を創設したのも菊池寛です。
 日露戦争真っ最中のころ、香川県教育委員会は旧製糸場の地所と建物を購入し、高松市七番丁に図書館を開館させました。明治38年2月10日のことです。中学生の菊池寛は、父親に頼んで 5 銭をもらい、1 ヶ月間有効の入場券を 一番に買い、この図書館を利用しました。「こんまいころはトンボ釣りや百舌(もず)狩りなんぞやに熱中して、ずいぶんわんぱくな坊(ぼん)やったけんど、さすがは血やのう。藩政のころ、江戸へ出て漢詩の名手になったゆう菊池五山(ござん)翁の後裔(すえ)だけある」と街の人はうわさしたと言います。
 伝記がこんなに面白いなんて!と思える本です。

おススメ本Ⅳ

「朝のあかり」石垣りん著

2023年10月11日 09時32分

 「詩人・石垣りん」ではなく今回はエッセイの総集編。「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札」「空をかついで」などの作品は、中学校や高校の国語教科書でご覧になったことがあるかも。
 2004年、84 歳で亡くなる前に3冊のエッセイ集が刊行されましたが、その中から71篇を選んで収録されたのがこの本。
 長年、丸の内の日本興業銀行で働いてきた彼女。大組織のいちばん低い場所で働いてきた彼女だから書けた作品も数多い。なぜ詩を書くのか?という新聞記者の問いに、〈長いこと働いてきて、人の下で、言われたことしかしてこなくてね。でも、ある時点から自分のことばが欲しかったんじゃないかな。何にも言えないけれど、これを言うときにはどんな目に遭ってもいいって〉
 この本には、凛とした、明晰なことばとともに、個として生きる喜びと哀しみが刻まれています。

おススメ本Ⅴ

「月と散文」又吉直樹著

2023年10月11日 09時33分

 インパクトのある表紙と又吉さんらしいエッセイの数々。彼の感情をぶつけているのに、どことなく優しく包み込まれる感覚になり、それでいて笑えるほど面白い。「火花」で芥川賞を受賞しただけあって、彼の言葉を巧みに操る技術はさすがとしか言いようがない。難しい表現ではなく、誰にでも伝わる言葉なのに深く考えさせられる文章。どことなく心が休まる本です。
 著者は、オフィシャルコミュニティサイト「月と散文」を開設中。息を呑む美しさに一見の価値あり。又吉さんならではのオンラインコンテンツです。

おススメ本Ⅵ

『目の見えない人は世界をどう見ているのか』伊藤亜紗

2022年6月30日 11時00分

新しい発見:★★★★
目の見えない人への理解:★★★★★

 私は視覚障害者と聞くと、マイナスなことを多く考えてしまい、健常者が気を使い配慮しなければならないと考えていました。しかし、この考えは目の見えない人の価値観を決めつけて、目の見えない人たちの生活を生きづらくしていることもあると知りました。
 この本は視覚障害者との対談を交えて書かれているため、目の見えない人の視点に立つことができたり、視覚障害者と健常者との差を「こんな感覚なんだ、面白い」とプラス思考で知ることができたりします。そして、視覚障害者が生きづらくならないような配慮ができるヒントが書かれていると思うので、ぜひ読んでみてください。